超次元ゲイムネプテューヌ-DIMENSION TRIGGER- 作:ブリガンディ
バイト週6はちと入りすぎですよね・・・(泣)。
俺がゲイムギョウ界にやって来てから早くも半月。
プラネテューヌの教会にて、俺はイストワールに頼んで右上半身の状態のチェックをしてもらっている。
イストワールが「三時間で終わる」と言ってたので、待っていることにした。
まあ、そのせいで朝っぱら苦手な俺がかなり早い時間に起きる羽目になったが・・・。
そして今、丁度そのチェックが終わり、結果がデカいモニターに出された。
「お待たせしました。こちらが結果になります。
今映されている結果は、この三時間の結果になります」
その画面には俺の右腕と、右目の動作の状態が出されていた。
右腕は動いている証としてグラフが波打っていて、右目の方は動いてないため平行線だ。
リーンボックスでは一瞬だけ動いたのだが、今日は一切動いていない。
あん時一瞬動いたんだから、なんか兆しはあると思うんだけどな・・・。
「まあこの三時間はそうなるわな」
俺もそれに関しては納得している。この三時間の間に右目は一切動いていない。
「そして、次にこちら。ここ一週間の結果がこちらになります」
イストワールが操作をしてモニターにあったグラフが縮小され、見れる範囲が増える。
右腕はラステイションの時から動いているため問題無し。
右目の方だが、ギリギリリーンボックスのところが見えており、僅かに波打ってる部分が見えた。
「あっ・・・右目、動いてたんですか?」
「ああ・・・本当に一瞬だけどな・・・。
右腕の時もそうなんだが、俺が『護る』とか『護りたい』って思った時に反応したよ」
反応したタイミングとして、俺が『護る』、『護りたい』と考えると反応するらしい。
だが、右腕がすんなりと動いたのに対して、右目が全く動かねえのはなんでだろうか?
「『護る』という意思に反応するなら、そう思える場所に行けば・・・
とは思いましたが、ラグナさん。既に全部の国に訪れてしまっているんですよね・・・」
「ああ・・・全部行っちまった」
プラネテューヌ、ラステイション、ルウィー、リーンボックスの四国は既に訪れているので、新しいものを見つけても望みは薄い。
・・・あれ?これ結構ヤバくねえか?俺下手すっとこの先ずっとこのまんまじゃね!?
割とシャレにならねえな。このままだと『武器が使える隻眼の一般人』も同然だ。何とかしねえと・・・。
「仕方ないですね・・・。引き続き調査をしますので、何かあったらまた連絡しますね」
「すまねえ。頼むわ・・・」
先はまだ長そうだな。少し沈みながらも俺はイストワールに感謝する。
俺も自分で少しでもよくするため、教会を後にした。
* * *
「ふぁあぁあ・・・・」
「大分眠そうですね?」
「ああ・・・こんなに寝不足感あるのは久しぶりだ・・・」
プラネテューヌのギルド前で俺、コンパ、アイエフの三人はネプテューヌとネプギア・・・ネプが被ってるからネプ姉妹でいいか。がクエストを受けに行ったので戻って来るのを待っていた。
普段はより遅く起きる俺は、右上半身のチェックを受けるべく、どうにかして早めに起きたのでさっきから欠伸が止まらねえ。
「ちょっと昼寝でもすれば?二人が戻って来たら起こすから」
「悪ぃな。そうさせてもらうわ・・・」
俺はまたデカい欠伸をしながら近くの丁度いい木に腰掛けて、目を閉じる。目を閉じたらいともあっさり眠りについた。
* * *
眠りこけた俺は今、自分が『
―いいかラグナ。蒼の魔導書を己の力だと思うな。決して、だ・・・。
それは俺が修行をしている時に師匠に言われたことだった。
頭の中では分かってるつもりだったが、いつの間にか頼り切りになってたのには気づけなかった。
そして、俺が力を求めた理由が、『大事なものをもう失いたくない、護りたい』から『敵、テルミをぶっ潰す』というのに置き換わっていくのにも気づけてなかった。
―俺は・・・テメェを『破壊』しに来たんだ。
カグツチでニューと会った時、俺は『壊す』ことを選択していた。この時は他に方法が一切ないと思ってた。
よくよく考えると、この段階から『敵を倒す』為に力を使っていたんだ・・・。ノエルに助けられなかったら間違いなく世界のループは終わんなかったし、俺は死んでいた。
―テルミと戦っては駄目。今の貴方では絶対に勝てないわ。貴方の『蒼』では、勝てない
この時も、『大事なものを護る』ではなく、『テルミを一刻も早く潰したい』と思ってた。
だから・・・レイチェルの警告も聞き入れず、無謀にもテルミに挑んだんだろう。
―いいかよく聞け。『
そんで死にかけた。何があったかって言うと、俺の『蒼の魔導書』は、サヤをさらい、俺の右腕を斬った張本人・・・ユウキ=テルミの『
創った本人が、他人に使われた時の対抗策を持ってると考えれば、今なら充分に納得できる話してだ。
俺がレイチェルの話をちゃんと聞いてりゃこんなことにはならなかったろう。
サヤを元に作られた素体の一人、ラムダがココノエの命令を無視してまで俺を助けくれなかったら間違いなく死んでいた。
その直後、俺のせいで死んじまったラムダから『イデア機関』っつう、模倣事象兵器を取り込んだ。
今の俺は一種のノイズキャンセラーみたいなものとして使っている。このイデア機関のおかげで俺はテルミの『碧の魔導書』に無効化される心配は無くなったが、素直に喜べるものではなかった。
―いつもいつも・・・偉そうにふんぞり返ってる連中が・・・ノエルの馬鹿一人助けられないのかよ!?
ノエルが精錬されてしまい、クサナギとしてテルミの傀儡も同然になっちまった時、俺は一度始めて『誰かを助ける』ために戦った。
テルミの好きにさせるのが気に入らねえのもあったが、あん時助けてくれたノエルに恩返しをしたいのもあった。
この時もまだ頼り切りなのに気づけてなかったし、こん時出てきた『冥王イザナミ』がサヤの体を使っていたため、『もう助けられない。イザナミを倒す』って考えになっちまってた。
俺のこの考えに転機が訪れたのは、クシナダの楔を求めてイカルガに行った途中でセリカに出会ったこと。それとカグラにとっ捕まえられたことだ。
―少女は『結末へ至る道』を『何度も何度も』書き直したわ・・・。その本が擦り切れるくらいに。
でも何度書いても、何度書き直しても、『英雄』は『怪物』を倒すだけ・・・決して『少女』を救いはしなかったわ。
カグラが謀反を起こすために確保する目的があったとは言え、俺がとうとう牢屋にぶち込まれた時に、レイチェルから聞いた話。
これは恐らくセリカとノエルに話すように見せて、俺への問いかけだったんだろう。
今思い返すと、あの話は『ただ使うだけではダメ。ちゃんとした理由を持てって』ことだったんだろう。
俺は最初、『蒼の魔導書』が動かなくなったからカグラに負けたと思ってたが、それは違った。
『蒼の魔導書』をいつの間にか『自分の力も同然』のように使っていたせいなんだろうな・・・。
いつの間にか『もう奪われたくないから、失いたくないから』と欲した力を『奪われた仕返しに、奪う』ように使ってしまっていた。
レイチェルの話を聞いて、俺が何のために戦っているかに疑問を持ち始めた。
―おめぇからは、何の『
そんなんじゃアズラエルと変わらねえ・・・。それじゃあ奴には勝てねぇよ。
―お前はまだ若い。もう少し自分って奴を冷静に見ろ。自分が、『何の為に闘い、その力を何の為に振るうのか』を・・・。
それを考えるのが、『力』を『求めた』者の義務だ。
―その答えを見つけた時・・・。お前は『
牢屋を出てからすぐに、『蒼の魔導書』使用禁止と一緒にカグラにこう言われた。言われた直後こそ俺は納得できなかったが、テルミにバレないようにすると言うんだから仕方ない。確かに俺はこの時まで、『力があるから使う』も同然だった。
セリカが無意識に周囲の魔素を無力化する都合上、セリカの近くにいる限り俺は『蒼の魔導書』を使うことができないため、考える時間に回すことができる。
それと同時にこの時、俺は自分の力の使い方により強い疑問を持ち、どう使えば良かったか、どう使えばいいかを早速考え始めた。
―そうだ!ねえラグナ、提案。これからは、私を『護る』ために戦う・・・ってどう?ラグナの言う『理由』にならない?
カグラに言われた同日の夜。そん時のジンやノエルが『ハッキリと力を使う理由』を持ってるのに対して、『ただ倒すためだけで大した理由を持ってない』ことに悩んでた俺に、セリカがくれた提案だった。
この時はセリカの目に勝てずとりあえずは了承した。まだ何からどう『護る』かは決まってなかったが、一つ使い方を決めるのなら充分な提案だった。
こん時は範囲こそ違えど、最終的に『護るために力を使う』ことには変わりはなかった。
―・・・どうした死神?なぜ『ソレ』を使わない!?俺はソレを楽しみにして来たのだぞ?
翌日。右上半身が動かねえ状態でアズラエルと戦った際の、奴の煽りだ。
打つ手がなく、諦めかけた時にセリカの声が聞こえてどうにかトドメを躱すことができた。
だが、セリカに気づいたアズラエルは・・・
―絶望は諦めを生むが、時として人に『力』を与える・・・。あの女を殺した時、貴様はどちらに傾くか・・・。
こんなことを抜かしてセリカに攻撃を加えた。あの時レイチェルが自分と一緒にいる使い魔の片割れ、ギィを投げ込んでまでして手助けしなかったらどうなってたかは考えたくもない。
セリカは無事だったが、俺はそんなふざけたことをしやがったアズラエルを許せるわけがなく、完全にブチ切れた俺はダメだっつわれてんのに、『蒼の魔導書』を使おうとした。
そしてその時、自分のじゃない、他人の力である『蒼の魔導書』を使おうとした時に様々な疑問が走る。
―またかよ・・・またこれに頼るのかよ・・・
―いいじゃん?俺も手ぇ抜いてるし。いいよ?いつもの使おうぜ。
一瞬、また自分の力だと勘違いしている節が出てきた。せっかく考える時間もできたってのに・・・。
―いいのか・・・?本当にいいのか?またこれに逃げるのか・・・?また『この力』に頼るのか?
すぐに否定する。これは『俺の力』じゃない。『他人の力』なんだ。
なら、これは何の力なんだ?俺の中に更に疑問が走る。
―『自分の力』と思うなってんなら、『誰のため』の力なんだよ!師匠!
―これは俺の力だ!どう使おうと俺の勝手だろ!?
片方の俺はその場にいない師匠に問いかけ、片方の俺はその傲慢な考えをやめない。
どうすればいい?混乱した俺は、この力を渡した奴のことを思い出す。
―それを手にするかどうか・・・貴方が『決め』なさい。
この力を渡したレイチェルはこう言っていた。そして、この力を求めたのは俺であることを再認識する。
そして、ここで自分の力を求めた理由がいつの間にか置き換わっていたことに気がついた。
『敵を倒す』だなんてんなカッコつけたもんじゃなかった。
そんなのはただの後付で、本当は『あの日』の惨劇を経験して、『あんな想いはしたくない』。『大事なものを護りたい』って思ったから力を求めたことを思い出した。だから・・・。
―止めろ!起動するな!これは『奪う力』だ!
俺は『蒼の魔導書』の起動を無理矢理抑え込んだ。
この直後、力を使えない苦しみがどうだのとかアズラエルがほざいてたが、俺は違った。
俺が欲しかったのは『奪う』力じゃなかったからだ。
―求めていた『
目を背けるだけでは、前と何も変わらないのではなくて?
俺が『蒼の魔導書』を使わないと言ったらこう言われた。それもまた『逃げ』だと。
それでも、『奪う』力を使いたくないと俺は反論したが・・・。
―『奪う』?馬鹿ね・・・一体誰から何を奪うというの?それにね・・・『
レイチェルはこう返した。俺はテルミの『碧の魔導書』の『模造品』なのにどうすんだ?ってなった。
セリカは俺の『蒼の魔導書』のことを聞いて、「ラグナのが模造品なら本物は?」と訊いてきた。
最初はテルミの『碧の魔導書』だと思ったが、それは『模造品』とレイチェルに言われた。
じゃあ『蒼の魔導書』の本物はどこで、そもそも『蒼の魔導書』は一体何なのかに突き当たった。
―ラグナ、『覚悟』を決めなさい。『知る』ことへの覚悟よ。知れば貴方の未来は『決まって』しまう。
そこに突き当たって、レイチェルが問いかける。俺はもちろん知る方を選んだ。『奪う』力だとわかった上で、『何の為に』『誰の為に』振るうかが大事だったみたいだ。
また失うかもしれないと言われたが、そんなことはさせないと既に決めていたから関係なかった。
―貴方が本当に自分の求める『力』の意味を知りたいのなら、この私が『導いて』あげる。始まりの『
こうして俺は次の日、レイチェルに言われた通りにセリカとノエルを連れて、イブキド跡地の窯に行き、俺は暗黒大戦時代に飛び立つのだった。
ちなみに、イブキド跡地に行く前に、クシナダの楔の起動キーがセリカであることはココノエから聞いていた。
そして、記憶を一時的に無くした状態で、当時のセリカに出会った。ちなみに、この時はまだ自分が2200年にいたと思ってた。
それと、魔素が無いからか。またはセリカの能力の影響か『蒼の魔導書』は使用不能だった。
記憶を無くしてたので、助けてもらった礼にセリカの親父さんを探すのを手伝うことにした。
師匠に会う前に一回、狂暴化した野犬に襲われた時は、右上半身が動かない状態だったが、どうにかしてセリカを『護る』ことができた。結果として、こっちに来る前に受けた提案を守る形になった。
その後、『
他にもナインに殺されかけたりして、どうにかセリカが行こうとしていた場所にたどり着いた。
そうして俺たちが向かった先には、クシナダの楔があった・・・。クシナダの楔は人間で、尚且つ生命力のコントロールに長けたもの・・・。
つまりはセリカが必要だった。クシナダの楔は魔素の流れを止めることができるが、一時的なものだった。
『セリカを利用することは誰であろうと許さない』ナインと、ここで合流した『手段があるなら迷いは捨てる』師匠が衝突した。
俺は一度セリカが言いやすくなるように席を外した。セリカはやっぱり使うって言った。
だが、セリカを失わせまいと、セリカを『護りたい』思った俺はやめさせ、自分が黒き獣と接触して停止時間を作った。
―持っとけ・・・。取りに来るから。
停止時間を作る直前に、俺はセリカに自分の剣とコートを渡した。
ナインに転移魔法でみんなの脱出を頼んだのだが、セリカが飛び出して来ちまった。
俺はセリカに納得してもらうために渡した。
その間、俺は停止時間の間、『黒き獣』の心臓にいるニューと戦い続けた。
俺が『黒き獣』の心臓を潰した後は、お面野郎ことハクメンら六英雄が中心となって『黒き獣』を打倒したことで、暗黒大戦は終わりを迎えた。
その間に俺はセリカと短い再会を済ませて、元の時代に帰った。
―セリカ!今がその『何でも、いっぱい』の時だ!約束通りお前を護ってやる!護るために戦う!いいな!
過去から戻った後、俺はカグラたちの手助けもあって、セリカを使ってクシナダの楔を起動しようとしたココノエをどうにかしてその考えを保留させた。
俺はこの時、『失わないため、大事なものを護るため』に力を振るうことを決めた。当然、セリカは俺にとって『大事なもの』だった。なら護るだけだった。
別の方法として、『
『鳳翼・列天上』を使わせてもらうために、決闘してる際にシシガミが俺の戦う理由を聞いた時、『欺瞞』と言ってきたが、俺は『覚悟している』と答えた。
―なぜ・・・『蒼の魔導書』を使わないでござるか?
シシガミと決闘してる際に聞かれたもう一つのことだ。
この時俺は、この闘いは『自分の力』で勝たないと駄目だから、『他人の力』である蒼の魔導書は自分が死んでも使わないと言った。
そうして、『鳳翼・列天上』を使うことを了承してくれた。
この時、『イザナミ』が企てていた『滅日』の図式は完成してしまっていて、世界の終焉のカウントダウンが始まっていた。
―俺の助け方は・・・少々荒っぽいぞ?
その直後、暗黒大戦時代最悪の兵器、『
あいつはノエルと同化した時に、ノエルの記憶を知って、それを俺に話した。そん時、『家族を奪って、心をメチャクチャにした相手』で、サヤが助けを求めてると何となく推察できた。
ニューもノエルも、サヤのクローン・・・サヤを元に造られた素体だ。だからこそ、『サヤそのもの』のような部分が垣間見える。テルミを拒絶したのも恐らくそういうことだろう。
ここで大事なのは、俺がニューを『殺す、壊す』ではなく、『助ける』ために戦った事だ。これは俺の大きな変化だった。
タケミカヅチを止めた後、イザナミに暴走させられて、記憶をまた一時的に失って、『エンブリオ』の中でカグツチの記憶を辿ることになる。
この時の誤りの一つとして、『サヤを助ける』ために、『イザナミごと終わらせる』ことを選んでいたことだ。
―俺は・・・お前を『助けに』来たんだ・・・。
エンブリオで彷徨っていた時に、またカグツチと同じ形でニューと会った時、俺の中には『殺す、破壊する』という選択肢は無かった。
あるのは『可哀想な奴を助ける』というものだった。記憶を失っても、『護る』ために使うとは変わり無かった。
ニューを止めた直後、ナインに『資格者じゃないのに何故エンブリオにいるのか』と聞かれた。その理由はこの時は全くわからなかった。ナインと戦っている間に俺は記憶を取り戻す。
それと、『
『
その後イザナミと対面し、エンブリオがどうなっているのかが、全ての事の始まりが何か、マスターユニットに『一人の女の子』がいるを知った俺は、あえて『悪』となり、資格者達の『
それをあの世界の新しい『傍観者』・・・あん時蒼の門で俺を見送った女形、『アマネ=ニシキ』と対面した時に俺の選んだ選択だ。
―だったら俺が・・・その『可能性』になればいい。
ただ『願望』を無かったことにする訳じゃない。俺のドライブ、『ソウルイーター』を使ってみんなの『願望』を集める。
俺が『可能性』を与えればいいと考えたからだ。アマネに『失敗した時はお前さんがお前さんでいられなくなる』と言われたが、それでも構わなかった。
俺の『願望』は『
しばらくは一人で奔走していたが、事象干渉で妨害を受けてしまう。
これはナインによる十一番目の
―覚えておけ・・・。俺は必ずお前を・・・この悪夢みたいな世界から『救って』やる!
俺はマスターユニットにいた少女に向かって宣言した。
そして俺は、『
俺はその為にも諦めることなんかしなかった。
その直後、ココノエやカグラたちと合流することになる。そしてレイチェルの提案もあり、俺はココノエたちに手伝ってもらうことになった。
また、俺は『イザナミ』による『滅日』も止めて『世界を護る』ことも必要だった。これについてはカグラたちも同じだから協力した。
そして、それを行うためにも『レクイエム』を止めなければならないので、ナインを止め、『レクイエム』を封じることが必要だった。
『レクイエム』を止めるためにナインの場所に向かった時、ナインから世界がどうなっているかを知らされ、ナインの目的を知る。
そして・・・
―上等だ!おら、かかって来いよ『泣き虫姉ちゃん』。俺が・・・『助けて』やる。
俺はあのナインが相手だろうとこの選択を取る。ナインがもう苦労する必要はない。
だから俺は、『英雄』とか呼ばれてるが、本質はかなり脆い『泣き虫姉ちゃん』を『助ける』んだ。
俺がナインに打ち勝った直後、『
だが、ナインは『レクイエム』を暴走させて、少しの間サヤが動けなくなる時間、『時間硬化』を行った。自分の命を賭してだ。
―『約束』しなさい・・・。私が・・・イザナミを・・・『滅日』を止めている間に・・・貴方の『妹』を倒す・・・。
いえ・・・『助ける』方法を見つけると・・・!
そして・・・ナインは暗黒大戦時代の時とは逆に、俺に『助ける』方法を見つけることを言ってきた。
そして俺は、その約束を果たした。まずは一人で苦しんでいる『
これで確かに助けることはできたが、『本当の意味で』サヤを助けるのはまだだった。
―俺は『死神』ラグナ=ザ=ブラッドエッジ・・・。今からお前を『消し去る』ただの可能性だ。
テルミ・・・それが俺にできる唯一の『救い』だ。
そして戦いの果てに、蒼の門を開いた場所でのテルミとの戦いの直前に俺はこう言った。
もう殺すことはしない。だが、テルミ相手にはこれしかなかった。
そして俺は・・・テルミに打ち勝った。奴が最後に言い放った『永遠に苦しめ』という言葉はまだわからないが・・・。
俺はその後マスターユニットのところに行き・・・
―やっと会えたな・・・サヤ・・・。
―『
ようやく本当の意味で、『サヤを助ける』ことができた。
あの世界から『悪夢』を全て消し去り、俺はその後『蒼の門』でアマネと話をして、今に至る。
―これが真なる『蒼』・・・『
これがアマネから聞いた称賛の言葉だった。俺はそんなことないと思っていたけどな・・・。
ここで俺はあの剣を置いて行ったはずなんだが、何故か剣があった状態でこのゲイムギョウ界にいた。
俺のあの世界での戦いと、力の使い方の変化はここで終わった。だから振り返るならここで終わりだ。
―さて・・・『蒼の男』。お前さんの新しい『舞』・・・どんなものか楽しみだよ。
アマネとよく似た声が聞こえ、振り返り終わった俺の視界が白く染まり始める。
この世界で新しくできた、俺の大事なものを『護る』。これからもそれは変わらないだろう。
* * *
「・・・っ!?」
「わっ!・・・ラグナさん、大丈夫ですか?」
「ネプギア・・・それにみんなも・・・」
俺はハッとして一気に目を開ける。
俺が目を開けると、目の前にはネプギアがいた。俺の起き方もあって、驚いちまったみてえだ。
奥には俺の様子を覗き込むようにネプテューヌたちがいた。何をしたっけ?俺は一度自分のことを整理する。
「ふぅ・・・いきなり何か見たかのような起き方するから、ビックリしちゃいました・・・」
「あ・・・悪ィ・・・確かにいきなりすぎたな・・・」
ネプギアの言葉を聞いて即座に謝る。あまりの寝不足で寝かせてもらってたの忘れてた・・・。ということはクエストの受注も終わってるか。
しかし・・・なんだってこのタイミングであれを見たんだ?何かの兆しでもあるのか?
考えてもすぐに答えは出ないだろう。さて、ネプギア以外はというと、割と気楽に構えてたみたいだ。
「どうです?ぐっすり眠れたですか?」
「ああ。寝不足分はどうにかなったと思うよ」
「それにしても、意外と深く寝てたんじゃない?私なんて起きるまで待とうかと思ったもの」
「・・・マジかよ」
やっぱり朝は苦手だ。教会で暮らしてた時もそうだが、毎回俺が一番遅く起きるのだ。
寝坊助だとかって、あいつらやシスターにからかわれたっけ・・・。懐かしいな。
そんなことを思いながら俺は自分の右腕を見やる。何故か右腕が少し重く、ざわついていたような感じがした。
「(なんか違和感があるな・・・。あの夢は俺に何を伝えようとしたんだ・・・?それと、新しい『舞』?)」
アマネは確か、人が戦う姿を『舞』って言ってたな・・・。
ということは、奴がこの世界を見ているのか?だがどうやってだ?『マスターユニット』もなけりゃ、『蒼』もねえんだぞ?何をさせようってんだ・・・?
「おーい!何してるのー?置いてっちゃうよー?」
「悪い。今行く」
ネプテューヌに声をかけられ、俺の思考は現実に戻される。
あの夢が何だったかはその内わかるはずだ・・・。なら今は目の前のことをこなそう。
俺は立ち上がってみんなのところに歩み寄った。右腕の違和感は、移動中に治りきらなかった。
* * *
せっかくだから複数のクエストを一辺にやってみようということで、俺たちは二つのクエストをこなしていた。
どちらもモンスター討伐だが、生息地の距離が結構離れていた。
今現在こなしてるのは二つ目のクエスト。俺がルウィーに行く途中で倒したモンスターが20体程沸いて出て来てしまったので、討伐してくれとの内容だった。
「てりゃぁっ!」
「ええいっ!」
「うぉりゃっ!」
「せぇいっ!」
「行くですよ?」
ネプテューヌが太刀で、ネプギアがビームソードで、俺が大剣で、アイエフが暗器でモンスターを切り裂いていく。
コンパはというと・・・ニッコリ顔で注射器ブッ刺してモンスター倒してるぅぅっ!?
何アレ!?どういう絵面なの!?いやいやちょっと待て!?美少女が笑顔でモンスターに注射器ブッ刺すって何事だ!?
ゲイムギョウ界に来てから間違いなく一番ビックリした。なんだよアレ・・・。
そんなこともお構いなしと言わんばかりにモンスターの数は次々と減っていき、残りは俺の近くにいる一匹だけだった。
ヤケになったのか、そのモンスターは助走をつけてからジャンプして俺に一気に近づく。
「(甘えよ・・・)」
だが、俺は何の迷いもなく剣を下から振り上げてそのモンスターを斬り伏せた。
「よーし、終わったー!」
「後は、報告だけですね」
散らばってた皆が集まって話している中、俺は離れた場所から動かず、右腕を見る。
どうにかクエストを終わらせることはできたが、右腕の状態は更に悪化していた。
「(ヤバい・・・さっきよりも重くなってやがる・・・)」
今日はもう帰って休んだ方がいいかもしれねえ・・・。「帰るわ」と言って早急に帰ろうとしたが、その瞬間、右腕に重りが乗ったような感覚に襲われる。
しかも蒼い炎みたいなのまで見えてやがる・・・。一体身に何が起きてるのかが分からず、俺は自分の状態もあって思わずしゃがみ込んだ。
「・・・っ!?」
「ラグナ!?」
「ラグナさん!?大丈夫です!?」
俺がしゃがみ込んだのに気づいたアイエフとコンパが慌てて俺のところに駆け寄り、その声を聞いたネプテューヌとネプギアも駆け寄って来る。
俺の右腕を見たみんなが愕然とする。今まで何事もなかったのに、いきなりこうなってしまえば仕方ない。
「その右腕、どうしちゃったのさ?今まで何とも無かったよね?」
「解んねえ・・・ただ、このままだとヤべえのだけは確実だ・・・」
俺はもう、そこから皆の声に答えられる程の余裕が無くなった。
しかも非常に運の悪いことに、デカい足音が聞こえてくる。まだ見てないが、恐らく大型のモンスターだろう。
「エンシェントドラゴン・・・」
ネプギアの声でエンシェントドラゴンが来たというのは解ったが、俺は右腕の状態の影響もあって、碌に顔を上げる余裕すら無かった。
更に後からもデカい足音・・・どうやら二体目のエンシェントドラゴンらしい。
「二体も来ちゃったか・・・仕方ない!」
ネプテューヌはそう言って迷わずに変身する。大型のモンスターの相手は一般の人では相当厳しいらしい。
ここにいるメンバーでも四人じゃ無理がある。
「私が前のエンシェントドラゴンをすぐに片付けるから、みんなは後ろの方をお願い!
最悪足止めだけでも構わないわ!」
「わかったわ!こっちは任せて!」
だからこそネプテューヌは変身して片方を片付け、皆の救援をしようと考えたのだろう。
ネプテューヌが正面のエンシェントドラゴンに向かって飛んでいくのが見え、残りのみんなが後ろのエンシェントドラゴンの方に走っていく足音が聞こえる。
「(クソがッ・・・こんな時に限って動けねえのかよ)」
打つ手が無い。どうすりゃいいんだ?俺が後ろの方をどうにかして向いて見ると、状況はよくなかった。
みんなで飯食った時に話を聞いたが、女神候補生はまだ変身ができない。つまり、戦闘能力に関しては『シェアの恩恵で多少は変化する一般人』だ。
そんなことを振り返っていたら、ネプギアがエンシェントドラゴンの攻撃によって吹っ飛ばされ、近くの木に叩きつけられてるのが見えた。
―兄さま・・・
「っ!?サヤ!?」
俺はその瞬間、『あの日』の光景がフラッシュバックした。シスターが殺され、サヤが連れ去られた・・・忘れもしない光景だ。
またダメなのか?また奪われるのかよ?
「(いや違う!まだ『失った』訳じゃねえ!まだ『護れる』!なら諦めねえ!)」
俺は首を横に振って無理矢理立ち上がり、エンシェントドラゴンとネプギアの間目掛けて全力で走る。
走っている内に右腕の状態は回復していた。
「うおぉぉぉおおおっ!!」
エンシェントドラゴンの爪が迫っている最中、どうにか間に合った俺はネプギアを抱きかかえ、半ば押し倒すような形で必死に避ける。
その結果、俺の背中が斬られるが、ネプギアは無事だった。
「グァッ・・・!」
流石に痛みまでは耐えきれなかったから呻き声はでた。でも、『護る』ことはできた。
「ハァ・・・ハァ・・・ネプギア、大丈夫か?」
「ラグナさん!?どうしてそんな無茶をしたんですか!?」
ネプギアは軽く涙目になって俺の無茶を避難した。無理したのは分かってるが、それでも護れたのは大きい。
「ははっ・・・無事なら良かった・・・。
こんな時に言うのもちょっと変だと思うけどさ・・・俺が『蒼の魔導書』を手にしたのは、自分が無力さで『あの日』の時みたいな思いをしたくなかったからなんだ。
『もうあんな思いをしたくない』。『大事なものを護りたい』。そんな思いでいっぱいだったよ」
俺は傷ついた体に鞭を打って立ち上がる。
「でも、このゲイムギョウ界にある俺の大事なものは、まだ何も失っちゃいない・・・。
それに、力はともかく今の俺には戦う術があるから完全に無力って訳でもねえんだ。」
俺は話しながら目を閉じる。そんな間にもエンシェントドラゴンはトドメを刺すべく俺の方にゆっくりと近づいている。
アイエフたちも頑張ってはいるが、それでも有効打には遠かった。
こんな状況下だってのに、右腕の状態はどんどん良くなってくる。俺に打ち勝てと語りかけてるみたいだ。
「ラグナさん!私のことはいいですから、早く逃げて・・・」
「俺は諦めねえぞ・・・。もう『失わせねえ』。俺が『護る』!」
ネプギアの声を遮るように俺は言う。
俺が目を思い切って開けると両目とも開いた。感じる・・・今なら『蒼炎の書』が使える!
俺はエンシェントドラゴンの方を振り向く。爪が届くまで後2、3歩ってところだろう。
それでも問題ない。今なら勝てる確信があった。
「ラグナ!待ってて、今そっちに!」
エンシェントドラゴンを倒し終わったネプテューヌが大急ぎでこっちに向かいだす。
恐らくは間に合わないだろうから、俺がやる。
「俺は今度こそ、失う前に大事なもの全部『護って』・・・俺なりに幸福を掴むんだ!」
俺は右腕に黒い炎のようなものを纏わせ、声を挙げながらエンシェントドラゴンに向かって近づいていく。
「でぇりゃぁっ!」
そして、右腕でエンシェントドラゴンの腹辺りを殴りつける。するとエンシェントドラゴンは少しだけ飛ばされる。
「ラグナさん・・・?」
ネプギアだけじゃない、俺以外が全員俺のやったことに啞然としていた。
「(おし・・・今なら行ける!)」
右腕を見て確信した俺は、右腕を自分の腕の高さまで持ってくる。
「第666拘束機関開放・・・次元干渉虚数方陣展開!」
俺は『蒼炎の書』を起動するためにロックを外していく。俺の右腕から、蒼い螺旋が出始める。
「うおぉぉぉ・・・!『
その螺旋が激しくなって、俺の眼前に方陣が映し出される。その螺旋と方陣が消え、『蒼炎の書』は起動を完了した。
「行くぞ!この竜野郎がっ!」
そして、俺の反撃が始まるのだった。
まず始めに、ネプギアファンの方はごめんなさい・・・。アンチって訳じゃないんですけど、ラグナとの絡み的にこうした方が思った次第です。
とりあえず『蒼炎の書』再起動までは持って行けました・・・。一先ず私の第一目標は達成しました。
回送シーン見返すと、CPとCFが大分多くなってしまいました・・・。
でも、力の使い方の大きな変化としてCPは大事だし、CFでも影響大きいからうーん・・・って感じですね・・・(汗)。