~球磨の水平線~   作:餅(草)蛇

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25話 大海に浮かぶ少女愛好者 下

「そういえば初霜のレベルは1なんだな」

 

北を目指して航行中、非常に穏やかな海だ

涼やかな風に揺ら海面がキラキラと波打っている

 

「えぇ 、轟沈する前はレベル70位だったんですけどね」

 

「やっぱり 一回轟沈するとレベルはリセットされるのか…」

 

ここまでの初霜の話を聞いて分かったことが3つある

一つ目は 轟沈したらレベルがリセットされること、初霜は改二が実装できる艦娘でありこの初霜も轟沈前は改二だったという

 

二つ目は やはりこれは確定的に明らかであるらしい、ズバリ深海棲艦化である 聞くところによるとこの初霜、深海棲艦の頃の記憶が少しだけあるらしい 、ヴィスタが言っていた事の裏付けになる

 

三つ目は、『轟沈したらリアルの頃の記憶が1部消える』ことである

これは単に忘れているだけではなく、物事を記憶するきっかけに当たる行動そのものが無かったかのように、記憶が完全に消えているのだそうだ

 

「悲しきかな轟沈したら轟沈しただけリアルの記憶が無くなっていくのか」

 

「はい、残念ながらそうみたいです...

所で長門さんはどこへ向かっているんですか?」

 

「ん?球磨のところだ」

 

「球磨さんって、聞いたことがあります 何でもとても強いんだとか」

 

「まあ、強いは強いな

恐らく世界で初めての超高速海上戦闘を実現した艦娘だ

大規模作戦の時のレ級を倒したのもその球磨なんだながもん」

 

「へぇ、とっても強いんですね

私にもそれくらいの力があれば天龍さんを止められたかも知れませんね」

 

「まあ、駆逐と軽巡じゃ強みも運用も違うからして

そこまで気にしてもしょうがない

ああ、あとそういえば 球磨は恐らく天龍の言う先生だ」

 

「え?そうなんですか?」

 

「確定は本人からの報告がないからできないが、球磨は護身術として超高速海上戦闘を希望する艦娘に教えていたらしい」

 

「へぇー、球磨さんと長門さんってどっちが強いんですか?」

 

「うーん?手合をしたことはないが、恐らく短期戦なら私の方が強いながもん」

 

「そうなんですか?長門さんも超高速海上戦闘を?」

 

「私も使えるには使えるが球磨には到底及ばないな

まあ、私には『奥の手』があるもん」

 

「奥の手?」

 

「いくら球磨だろうとレ級を単機で倒せるわけないだろ?

一応艦娘会の機密になってる事だから言えないが、私はそれなりの戦力なんだもん」

 

二人はそんな雑談をしつつ航海を続ける

晴天、今日も北に航行中

 

きょうは前回より少し北に進んだ無人の島で休憩をする

 

「いいところに島があって良かったですね!」

 

「ああ、丁度いい時間だし今日はここで寝てしまうか

下手に動いて潜水艦に見つかったら嫌だしな」

 

二人は陸に上がり艤装を取り外す

 

「初霜、資源はどれくらいある?」

 

「えぇっと、各資源が2万ずつ位は」

 

「なるほど じゃあまだ行けるな

実はさっきのたくさんの艦娘の反応がレーダーで感知されたんだ、

その場所が陸地だったから恐らくラバウル基地だとおもうんだ

明日そこへ向かって補給してから球磨の聞き込みをしたいんだがいいか?」

 

「もちろんです!」

 

 

________

 

 

 

「ふー、到着したな」

 

「ここがラバウルですか、ブインとあんまり変わらないですね」

 

「まあ、どこもかしこも大災害のゴタゴタはあるだろうしな」

ラバウル基地は壊滅する前のブインそのもの

広場には艦娘が溢れ帰り、

騒乱とした声が満ち溢れている

 

「さてと、誰か捕まえて聞き込みするか」

 

長門は当たりを見わたす、見た限りでは人混みの中に球磨が2、3人居たが青色のスカーフはしていなかった

 

「あっ、長門さん!」

 

ピンク色の髪にハキハキとした声、ブイン基地艦娘会の明石の姿がここにあった

 

「おお、明石じゃないか!球磨はどうした?」

 

「えーと、球磨さんなんですけど

私たち非戦闘員は球磨さんに連れられて、ここラバウルまで来たのですが ここもなかなか大変らしく 全員は無理なので2万人の程がここに留まり、他の方は一昨日再び出発しました」

 

「そうか、球磨に今後の航路などを聞いてるか?」

 

「ああ、確かトラック泊地とパラオ泊地を経由してタウイタウイまで行くらしいですよ

そういえば長門さんはここへ何しに?」

 

「いや、球磨を探しているんだがここにはいないみたいだな

少し休憩したらまた出発するよ」

 

「球磨さんに会いたいなら真っ直ぐタウイタウイに向かうことをお勧めしますよ、途中寄ると言ってもすれ違いになるかもしれないですしね」

 

「分かった、そうするよ」

 

「ああ、あとこれを差し上げますよ」

 

明石からプラスチック製だと思われる地図を渡される

 

「誤差はあるかも知れませんが無いよりはましだと思いますよ」

 

「そうだな、ありがとう」

 

 

________

 

 

「あれ、長門さんもう出発するんですか?」

 

初霜が燃料を補給しながら聞いてきた

 

「球磨の足取りも掴めたし、もうここに用はないからな」

 

「そうですか... あの、私をここに置いていった方がいいのではないでしょうか?」

 

「ん? なんでだ?」

 

「だって私はレベル1ですよ、長門さんの迷惑になるかと...」

 

「はは、迷惑に思ってたら、まずここまで連れてこないさ

それに『私が守ります!』ってね」

 

2隻の船はタウイタウイを目指し 旅立った

 

 




球磨さんでて来ないですね
まあ、これからもしばらく出てきませんけども、
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