「ん?ここはどこだ?」
少女?は小高い丘の上で目を覚ます
大変風が心地いい
「光が眩しい...」
彼女の真上でお天道様がさんさんと煌めいていた
どうやら海が近いらしい
爽やかな風が潮の香りを微かに運んできた
「えーと?ここで何をしてたんだ?」
「たしか仕事の後に家に帰って、艦これがアップデートするから
艦これを開いたはず」
そう、今日は『艦隊これくしょん』の大規模アップデート
沢山の提督が楽しみにしていた日だ
「それにもう夕方だったはず...
一体どうなっている?」
彼女?は立って当たりを見渡した
200メートルほど離れたところに建物らしきものがあった
どうやら人も居るようだ
「ん?」
ここで違和感に気づいた
「なんか背が低くないか?」
よく見ると手も小さい、小学生くらいの手と身長に思えた
彼女?は現実世界では小学校の教師だった
子供たちと目の高さを合わせて話すため、この身長は見慣れた高さだ
「それにこの服は...」
赤いネクタイに着崩したブレザーに綺麗な茶髪
見慣れた服だ
「若葉になってる?」
ある日を境に全てのサーバの艦これプレイヤーたちが艦これの世界に閉じ込められた、人々はこれを『大災害』とよんだ
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「とりあえず、見えてた建物に付いたが...」
そこにはたくさんの艦娘が居た、ただしその艦娘の誰もが混乱や不安の顔色をしている
「クソォ、何が起こってるんだ!?」
「運営は何をやってるの!?」
無理もない、艦これをやるという日常がいきなり崩れたショックは図りしれない
若葉はそんな彼らを横目に歩いていく
「しかし歩きづらいな」
身長どころか頭身も違うからかよろよろ歩くのが精一杯だ
「とりあえず付いたが」
生まれたての小鹿のような歩みで、大きな建物の前に到着した
その建物には『タウイタウイ泊地』と書かれている
「やっぱりタウイタウイだったか...」
タウイタウイは自分の所属するサーバーだ、そしてこの建物は司令部だろうか
とりあえず中に入る、
内部は二階建てで、会議室のようなところから
艦娘が住める寮のような所、食事処からドック、開発部屋など艦これの鎮守府の機能を備えていた
その後もぶらぶらと建物の中を歩いていき、提督の部屋と思われる部屋に入ろうとした時、
ガツッ!
「あっ、しまっ!」 ドシンッ!
入口の段差につまずいて壮大にコケてしまった
やはりこの背の高さにはまだなれない
痛む膝を抑えながら顔をあげる
「なんだこれは...」
彼女の目の前には鎮守府が映っていた、いや 正確には艦これのプレー画面だ
「なっ、なんだこれ...
さわれるじゃないか!」
驚く事に空中に映し出された映像にSF作品ばりに触れたのだ
しかも建造と解体以外のほとんどの項目が選べた
どうやら装備の変更もできるようだ
「出撃...してみるか!」
彼女は内心ワクワクしながら操作を行っている
出撃のボタンを押した時、背中と腕が少し重くなった
「これは、艤装が付いたのか!」
彼女の体には初春型艦娘の特徴である浮いた艤装が装備されていた
「おお...!」
操作方法は...何となく分かった、どんな事も成し遂げられるような強い力をその艤装は放っていた
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「さて、これからどうするか...」
艤装は存在するしここはタウイタウイだが、分からないことも多い
彼女は提督専用椅子に腰掛けくるくる回っている
「とりあえずこのままじゃ埒が明かないひとまず行動を起こさないと...」
ドドーンッ!
突然空気か激しく揺れる、今ままで聞いたことがないような音のため言葉にするのは難しいが、あえて挙げるとするなら花火を至近距離で鑑賞した時の音と振動に近い
「なんだ!?」
提督部屋から外を見る、そこには獄炎のような炎と巨大な黒煙が明らかに存在していた
「まさかっ、タウイタウイが攻撃を受けている!?」
窓から眺める風景は地獄そのものの様だった
混乱と炎に巻かれながら蟻のように逃げる艦娘達
次々に崩れていく建物
遠くに見えるのは...あれが深海棲艦だろうか
「とりあえずこのままじゃまずい!」
「どうする!?これはゲームなんかじゃない、圧倒的な『リアル』だ...」
「そうだ!これを使えば!」
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タウイタウイ泊地 広場
ドドーンッ!
「今度はなんだっ!」
「爆発!?」
「向こうから深海棲艦みたいなのが来てるぞ!」
「深海棲艦!?、冗談言わないで!」
「とりあえず逃げるぞ!」
「もうやだぁ、家に帰りたい...」
ピンポンパンポーン
ザワザワ
『みんな、聞いてくれ ほとんどの人が察していると思うが
今、タウイタウイ泊地は深海棲艦に寄る湾岸攻撃を受けている
このままじゃこのタウイタウイ泊地は壊滅する!』
ザワ ザワザワ
『そこでみんなで協力して深海棲艦を撃滅したいと思っている!
恐ろしいと思うがこのままではこの『ゲーム』でどうなるのか分からない...
だが、ゲームだ!ゲームは楽しんでなんぼだろう?
諸君!このタウイタウイの為に剣をとり、邪悪な者共を打ち払わんではないか!』
ザワザワ ザワ
「だけどようっ、どうやって戦えばいいんだ?」
「そうよ!そもそも私たちは人間なのよ!?
あんなのとは戦えないわ!」
『額に意識を集中すれば『いつもの』画面が出てくるはずだ
そこの出撃を押せば艤装を装備できる
あとは分かるはずだ!』
「でもよう、どうやって」
「ふっはは!面白いじゃねえか!貴様、無論作戦もあるのだろう?」
『勿論だ、まずヒトヨンマルマル現在から日没までは戦艦、重巡、空母などの艦種のものがまず、深海棲艦に応戦
ロストの危険もある、レベルが低いものは大人しく隠れていろ』
『作戦の内容は、まず空母が『陸』から艦載機を発艦、制空権を取り戻した後戦艦による着弾予測を行っての『陸』からの砲撃
これを速やかに行い、陸に張り付いている深海棲艦が引いたのを見計らい『海』に進行、深海棲艦を追い返す!』
『海に進行次第 動ける駆逐は対潜攻撃を開始、できるだけ多くの敵潜水艦を撃滅せよ!
また、もし夜まで戦闘が続くようであればタウイタウイの全戦力を投入し、素早い撃滅を目指す
駆逐や1部の軽空母はその体に慣れて動けるようにしてくれ』
「ああ、大体分かった」
『では、これより本作戦『タウイタウイ近海解放作戦』を開始する!』
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『空母部隊、準備はいいか?』
「ええ、準備完了しましたいつでも大丈夫です」
結局集まった空母たちは200人ほど...
敵の戦力の全体が見えて居ないかどうとも分からんな...
一応、 艦戦を多めに積ませてるが、制空権を取れるかどうか
しかし五航戦が多いな、このサーバーの艦娘の人気度が見えてしまう
『では、始めてくれ』
「了解、全艦 発艦準備... 発艦!」
バシュッ バシュッ
一斉に放たれた矢は青空を切り裂いて飛んでいき、空中で飛行機を展開した
『頼んだぞ...』
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「!、艦載機帰還!制空権を確保しました!」
『よし! 戦艦による陸上からの対艦砲撃を開始してくれ!』
「了解!よし来た、
艦隊、出撃する。私に続くがいい。戦艦Гангут抜錨だ!」
ドンドンドーン ドンドン ドンドーン
戦艦数百人による同時砲撃により敵艦隊が後退する
『敵艦隊の後退を確認!戦艦、重巡は動ける軽巡駆逐と共に海に入り追撃戦を行う!
軽巡駆逐は対潜に専念してくれ』
「ふっはは!痛快だな。突撃する、我に続け!Ураааааааа!」
その掛け声の後に続いて沢山の艦娘が後に続く
声の主は戦場に勝利の風を吹かしていた
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『ヒトロクマルマル敵艦隊の撤退を確認、私たちの勝利だ!
みんな、ありがとう』
わー わー
「やったぞ!勝ったんだ!」
「良かったぁ」
タウイタウイ近海解放作戦の成功を喜んでいる歓声が辺り一帯を包んでいた
こちらの被害は何と0 とんだ大本営発表であるが本当の事だ
作戦の成功で緊張の糸が切れたのか、はたまた不安が拭えたからなのか、泣き出す艦娘もあちらこちらに存在していた
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「ふう、良かった 成功したか」
提督専用椅子に腰を深く落としながら疲れたように呟いた
ドンドンドンドンドン
そんな疲れもお構いないというような勢いでドアがノックされる
「あいてるぞ」
ガチャ
「入るぞ」
入ってきた彼女は綺麗な銀髪に黒い帽子がよく映える
茶色と白の服を着た『外国産』の艦娘であった
「お前が司令官か、私はГангут
お前の名は?」
「私か?私の名前は、そう 若葉だ
プレイヤーネームは」
「クローバー」
球磨成分を望んでいた方、すみません
もう少し球磨出ません
球磨はまだでして
現在は若葉しかありませんが...
あっ、Гангутもご一緒にどうでしょうか?