かの大災害からおよそ1ヶ月
タウイタウイに混乱の色はなかった
ある者は大災害で崩れた建物を直し
ある者は妖精と共に農業に従事し
ある者は娯楽を作り上げた
ある者は海に出て深海棲艦を駆逐した
そんな『リアル』のようで『ゲーム』のような人々の暮らしは
決して『リアル』より豊かではないものの、活気溢れていた
そこには鎮守府の面影はなく、艦娘達が独自に暮らす生活拠点となっていた
ある種『ゲーム』の中での究極のサバイバルだ
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「...」
「...」
タウイタウイ泊地 提督ルームには2人の艦娘が忙しそうに働いていた
机の上に作られた書類の山、本棚から溢れ出るほどの書籍やファイル
若葉は次々に書類にサインをしていく
トゥルルルルル
若葉が手を止め受話器を取る
「はい、若葉です 要件をどうぞ」
「もしもし、明石です
先日のご依頼頂いた音響機器の試作が出来たので、お時間ある時に来ていただけませんか?」
「分かった、明後日の午後でいいか?時間はヒトヨンマルマルで」
「分かりました、失礼します」
ガチャ
カーン カーン
「おい、若葉 午後の演習が始まったぞ
確か今日は見に行かなきゃ何だろ?」
「そうだな、よいしょ」
「じゃあ行くか!」
2人が書類を片付けながら席を立つ
ガングートは机の一番下の引き出しからあるものを取り出した
「ん?ガングート それは?」
「これか?試合観戦には酒だろ?」
ガングートの右手にはスピリタスウォッカと書かれているビンが握られている
「ダメだ、仕事中だろ だいたいそんなもの何処で...」
「妖精さんに頼んだら作ってくれたぞ、コインと交換でな」
よく見るとガングートの方に妖精さんが乗っかっている
「はあ、よく作るよ
妖精さんの酒屋でも作るか?」
「それはありがたいな、今すぐにでも作ろう!」
「はいはい、溜まってる仕事片付いたらな」
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「さて 演習場に付いたな」
「いやぁ、大迫力だねぇ」
若葉たちが到着したときは航空戦が行われていた
今ここにはタウイタウイ泊地の全艦娘の半分が集合している
若葉が統治するタウイタウイ泊地では艦娘は全員戦力であり、1日に1回演習を行うのが一応の義務となっている
一応というのは、海への長期の遠征や仕事の内容によっては免除されるためである
「どうだ、ガングート
私達もたまにはやって見ないか?」
「うーん、最近はお役所仕事しかやってないから訛ってるかもな...
少しやって見るか!」
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若葉VSガングート
若葉改 Lv125
明石印のタービン
12.7cm連装高角砲(後期型)
12.7cm連装砲B型改二
Октябрьская революция Lv73
試作41cm連装砲
30.5cm三連装砲改
九一式徹甲弾
零式水上偵察機
「待て待て待て待て、どうして若葉と戦うんだ?
演習は同じ艦種同士だろ」
「対戦相手が居なかったんだ、しょうがないだろう
そういえば改二じゃないんだな、てっきりもうケッコンカッコカリしているのかと」
「育成途中でここに来たからな新しい艦の人は結構いるんじゃないか?
まあ、それくらいレベル差があれば大丈夫だろ
始めるか」
「ああ、手加減してあげるから本気で掛かってこい」
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演習が終わり提督ルームへ戻る道中
「くそっ、駆逐に負けるとは...」
「1発も砲撃当たってなかったじゃないか」
「いや、なんだよあのタービン!速くなりすぎだろ!」
「ふふ、初春型とて改修すれば問題ない」
「あっ、速いで思い出したが
パラオ泊地から来た艦娘から聞いたことなんだけど、何でも装備に頼らずに凄まじい速度と戦闘力を出せる方法があるらしい
超高速海上戦という技術だそうだが 習得するのはそれがまた難しいそうなんだ」
「へぇ、そんなものが
戦闘面も普通の艦これと変わっていているのか...」
「まあ、なんな技術を完璧に使いこなす球磨がいるらしいんだ」
「そうか、会えたらぜひ話をしたいな」
ガチャ
「さて、提督ルームに付いたな」
「 ふぅ もうひと仕事 頑張ろうか」
次話がクローバー最終話です
球磨たちが向かっているタウイタウイではこんな事が起きてたよ的なsomething