9時間に及ぶ開校式の末(その内8時間は唐島光輝の漫才についての語りによるもの)、今年の新入生総勢170名は、事前に配布されていたクラス表を基に各自これから1年間を共にするであろう教室へと足を運んだ。
「あ、君は確か開校式のときに8時間に及ぶ大演説を不必要ながらに魅せつけた唐島君じゃないか!」石山がスクーターで駆け寄る。
「え、誰」
唐島も警戒心のない返事をする。
A組とB組の2クラスに分けられた1年だが、偶然にも2人は同じB組となった。因みに残りの1年生168名は全員A組だ。
「これからよろしく!」
と握手を求める石山。
「え、だから誰」
と握手に応じない唐島。 こうして石山と唐島は、固い友情を結んだ。
一方その頃
面接太郎は校長室で1人、受け取ったグラビア雑誌に目を通していた。
「……………」
「……………」
「……………」
校長室の扉を誰かがノックする。
太郎が入室を許可すると、長身の男が入って来た。
「失礼します。校長先生、1年生170名全員教室へ移り、待機が完了しました。」
「A組大丈夫だった?」
「はい。なんとか詰め込むことができました。」
「空きスペースはどのくらい?」
「先生1人と、教科書類10冊ぐらいは入ります。」
「よし!長身の男先生。1年生の担任に、面接の実力テストを始めるよう指示してくれ。」
「わかりました。ところで、何を読んでらっしゃるのですか?」
「あ、読む?」
「「……………」」
「「……………」」
「「……………」」
そしてそれから一時間後、B組に1人の男が入って来た。
「よーし。君ら2人が1-Bの生徒だな。」
おそらく先生であろうその人に気づいた石山は、慌ててエンストしたスクーターを鞄の中にしまい、唐島はM-1の予選エントリーシートの記入を中断した。
「俺がこれから2人の担任となる、矢田珍之介だ。よろしく。」
そう言った矢田は、茶髪が印象に残る以外は特に説明するところのない、普通のスーツ姿をした人物だ。
「因みに趣味はギャンブル。昨日も20万を競馬に注ぎ込んだ。」
そう言ってポケットから、無数のビリビリに引き裂かれた馬券だったであろうものが溢れている。
「まあ、それはいいとして、君らは面接について学びに来たんだから、まずは現段階でどの程度の実力があるのか確かめなければならない。だから、突然だが実力テストをする」
「えぇ〜」石山が明らかに嫌そうな顔をする
「えぇ〜」唐島が明らかに嫌そうな顔をする
「えぇ〜」矢田がfxで有り金全部溶かした人のような顔をする。
果たして、2人の実力は如何に!?
お疲れ様です