IS《ISの帝王:小説版》 作:只の・A・カカシです
作品を投稿して確かめろ!!
そうさせて貰うぜ。
放課後。いつもの3人は、いつもの第3アリーナで暴れていた。
とは言っても、もう終わりの時間。更衣室に戻り、着替えを始める。
「一夏、いよいよ来週からクラス対抗戦だな。」
「(来週の)何時からだったかな?」
「丁度一週間後からですわ!」
コイツらには、恥じらいというものがないのだろうか?えぇ、無いですね。
「それにしても、一夏さん。随分とISの操縦が板に付いてきましわ。」
「先生が良いからな。」
「いい?だと?最高だろ?」
「ちょっと、篠ノ之さん!?私の台詞を取らないで下さいませ!!」
ISの操縦技術は、あなたも一夏さんも大佐・・・大差ありませんと付け加える。
「クラス対抗戦でISを使わないなど、ふざけたことをするのではと心配でしたもの。」
「!!」
一夏の背中が、ビクッと震える。
「・・・?一夏さん、どうかされましたか?」
「着替えが終わっていないのはお前だけだ・・・急げ、(食堂の時間に)遅れても知らんぞ。」
それを聞き、いや、聞く前からだがセシリアにしては急いで着替える。しかし、身だしなみを無駄に気にするため、余計時間が掛かる。
「お待たせいたしましたわ!・・・それにしても、篠ノ之さんは着替えが早すぎないでしょうか?」
「手前がデンデンムシなだけだ。」
悔しそうにハンカチを噛む。騒がない分だけ、彼女も成長している。
そしてそれは、ドアが開いた時だった。
「一夏、反省した?」
凰がドアの前でステェンバァイwwwしていた。
「どうした箒。何か見えるのか?」
「いや、気のせいだ。」
「こ こ に い る で しょ!!」
ドベキシッ!【1/1500】
「相手を貶す時は、空気を読んでから吐け。」
凰さんは色々小さいですからと、場をややこしくする台詞を吐こうとしたセシリアを箒がこっそりと始末する。
「冗談だ。どうしてここから出てくると分かった。」
「勘よ。」
全く侮れない奴だと、呆れ気味な一夏。
それを聞き、得意気な表情になる凰。
それが崩れたのは、いきなり俺達を呼び止めて何のようだと言った瞬間だった。
「はぁ!?いきなりとは何よ!いきなりとは!アンタのせいで、どれだけ泣かされたと思ってんの?」
「(その事については)すまないと思っている。」
事実、そう思っているのは確かだ。
「謝ったら許してやると思ってんの!?頭来た!もう良いわ!アンタに、酢豚を毎日作ってやると言ったわね!」
「そうだ。」
それも覚えている。
しかしその台詞を、当時の一夏は筋トレの後にタンパク質補給に酢豚を家の店へ食べに来なさいと言う意味だと勘違いしていた。もっとも、ささみ肉や牛の赤身の方がより効率が良いと言ったのは後のこと。
「地獄へ堕ちろ、一夏!」
「待て、鈴!ウォォォォォォ・・・。」
涙目で走り去っていく鈴を、追いかけることは出来なかった。
夕食後、1025号室に戻った2人。
「・・・・・。」
普段の一夏からは想像も出来ないほど困り果てた姿。
食事こそいつも通りに摂っていたものの、話し掛けても『あぁ』や『そうか』しか返事がない。
「・・・一夏、もう事情を話してくれても良いんじゃないか?凰と何があった。」
暫くして、ようやく一夏が口を開く。
「これを見てくれ。」
「これは、凰の家族の写真か?」
アルバムから大事そうに取り出した写真を受け取る。
「そうだ。」
「優しそうな両親だな。」
「あぁ、優しかった。」
『かった』の3文字に、箒は違和感を覚えた。
「中学の時に離婚したんだ。」
「・・・そうだったのか。」
あの明るい性格からは想像できない、重い過去を抱えて――いや、だからこそ明るく振る舞っているのかと箒は思案する。
「アイツが転校してきた時、俺は剣道を続けていた。」
喰らい顔のまま、一夏は昔話を始めた。
「だが最初は日本語が全く話せなくて、クラスで虐められていた。・・・それが可愛そうで、アイツを守る為に剣道を辞めた。だがその頃から(千冬姉が)留守がちになって、家を空けられなくなったせいで俺が一緒にいてやれたのは学校と登下校だけ。中学に入ってからは、バイトを始めた。アイツが中国に帰った時も、バイトで空港まで見送りにも行ってやれなかった。今回の喧嘩だって、俺のせいだ。」
頭を抱え塞ぎ込む。
「どうして(中学で)バイトを?」
千冬さんの稼ぎなら、そんなに困らないはずだと付け加える
「特殊事情だ。」
「家計のためって事ね。」
それだけで、織斑千冬の酒豪に家計が圧迫されていることを察する。
「・・・まあな。」
助かるよというニュアンスの返事をする。
「だがもう過去の話だ。アイツも、俺にとって大切な友達なんだ。」
逃げ回るってのは性に合わないからなと、一夏は笑って見せた。
しかし、凰とは何の接触のないまま一週間が過ぎた。
そして数奇なことに、第2アリーナでその2人は対峙していた。
『さぁ、クラス対抗戦第1試合。両クラス代表の入場だぁ!1組はぁ!?強靱な肉体と、ISを装備した
実況の声に、うっさいわねとキレる凰。
しかし、直ぐに視線を一夏へと戻し
「・・・一夏、今謝ったら少しぐらい手加減してあげても良いわよ。」
と、多少は譲歩してやるという。
「・・・来いよ鈴。情けなんか捨てて、かかってこい。俺に楽をさせる勝負なんかつまらんだろう。武器を突き立て、俺が苦しみもがいて、シールドエネルギーを削られていく様を見るのが望みだったんだろう。そうじゃないのか鈴。」
かつての俺とは比にならないぞと脅しをかける。
「・・・いいわ一夏。死なない程度にいたぶってあげる!」
凰は、完全に戦闘モードに入る。
ビーッ!
『試合開始ィ!』
ブザーの音が消える間もなく、2人は斬り合う。
ガッ!【50000/50000】
【35000/35000】
激しい衝突。しかし、一瞬一夏が雪片を引き衝撃を緩和する。
「ふぅん、やるじゃない。」
私ほどじゃないけどねと言いながらも、その表情にはやや焦りがある。
「今のは挨拶代わりよ!これでも喰らいなさい!」
パチッ・・・ズガァァァン!【99989/99999】
ゼロ距離から放たれた衝撃砲。だが、それが何であるのか一夏は認識できない。
「ヌオォォォ・・・。」
「残念ね一夏ぁ・・・ジャブよ。」
と、ここで、反撃するか否かを迷っていた一夏に、スイッチが入る。
「ふざけやがってぇ・・・。フンッ!」
ガゴォォォン!【15000/16000】
それでも心の何処かでブレーキが掛かり、見事に一本入れたものの零落白夜を発動するまでには至らない。
「チィッ!こんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「ヌウォォォォォォォ!」
大人しい(当筋肉比)試合展開に、観客が飽き飽きし出した時だった。
ズドォォォォォォォンッ!!!【1147/5000】
アリーナのシールドが部分的に破損。衝撃がグラウンドの地面を揺らす。
「何だ!!」
位置的に太陽と被ってしまい、そこに何かが居ることしか判別できない。
「一夏!侵入者よ!あやまっt・・・じゃない、逃げるわよ!OK?」
「OK!」
怒ごぉぉぉぉぉぉん!【800000/999999】
相手の戦闘力を測ることもせず、怒りの零落白夜をお見舞いする。
「ちょっと、一夏!何も見えないじゃない!!」
しかし、衝撃で舞い上がった砂埃により、相手の姿が完全に隠れてしまう。
特に仕掛ける様子がない一夏に、凰が話し掛けようとしたその時。
「いたぞぉぉぉぉぉぉ!」
ズドォォォォォォォン!【750000/999999】
ズバババババババババ!【730000/999999】
アリーナに響く叫び声と銃声。ダイナミックグラウンド整備の始まりである。
見れば、放送席に武装した女子2人。1人はロケットランチャーを持った箒。もう1人は、黄金カワニナヘアーでお馴染みチェーンガンを持ったセシリア。
「ちょ、イギリス!何でIS仕舞ってんのよ!」
持ってる物を、何で使わないんだとすかさず突っ込みを入れる。
「はっ!そ、それは・・・。」
おろおろと、理由を考えようとするが・・・。
デェェェン!【27000/27000】
結局、一夏の十八番を使って誤魔化すしか思いつかなかったようだ。
「何誤魔化してんのよ!つーか、IS出すのおっそ!」
「・・・今度余計なこと言いますと、む*を縫い合わせますわよ。・・・はっ!ありませんでしたわ!」
「あんた、後で覚えときなさいよ・・・。」
こんな状況でもふざけていられるのは、一夏が居るからだろう。
「・・・攻撃をしない時は仕掛けてこないとは、面白い奴だ。気に入った。壊すのは最後にしてやろう。」
ベキィッ!【14000/16000】
攻撃してこないなら先にこっちを済まそうと、凰に左パンチを入れる一夏。
「ちょっと、なにすんのよ!危ない!」
ビシュン!
それと同時に、無人機が介入してくる。が、難なく回避。
「・・・お前を壊すのは最後だと言ったな。」
余計な手出しをしてくれたもんだ。
「・・・(ウィィィィィィィン、ウィンウィン)」
訳:怖いかクソッタレ。当然だぜ、無人ISの俺に勝てるもんか。
「試してみるか?・・・アレは嘘だ。」
何故、機械と通じる・・・。駆動音しかしないはずなのに。
ベベベベキィッ!【10000/999999】
一瞬で無人機をダルマにしてしまう。
その瞬間を見た凰が目を顰めたが、恐る恐るダルマにされたそれを見て驚いた。
「これは・・・無人機!?ISは人が乗らないと動かないんじゃ・・・」
「・・・(ウィィン、ウィィィンーーー、ウィン)」
訳:残念だったなぁ、トリックだよ
「くたばりやがれぇ・・・。」
ドベキシ!【0/999999】
「・・・(ウィィィィン)」
訳:オフイ・・・。
完全に動作を停止したか、一夏が確かめに近寄った瞬間!
ドカァァァァァァン!
「ぬおおおお!」【0/99999】
もろに無人機の自爆に巻き込まれ、一夏の意識は闇に落ちた。
「・・・・・。」
一夏が目を覚ますと、消毒液の臭いが漂ってきた。
「一夏、起きた?」
声の方向に顔を向けると、ドアップで視界に入ったのは凰のおしり。枕元に、座っていた。
「確か、自爆を喰らって・・・。」
再び視線を天井に戻し、話し続ける。
「・・・麻酔破片だよ。本物の破片使いたかったぜ!」
何故か得意気な凰。そもそも、あれはお前の(破片)ではないだろ!
「鈴はどこだ!」
まさか、まだ夢の中なのかと焦る一夏を、優しくなだめる。
「嘘よ。本物だから。」
「そうか・・・。」
ほっと、一夏は目を瞑る。
「鈴、試合はどうなった。」
落ち着くのを待ち、気になっていたことを尋ねる。
「気にしなくていいわ。無効だから。」
「・・・すまない。」
親しき仲にも礼儀ありと、凰に謝る。
「言わなくていいわ。もっp、篠ノ之さんから聞いたから。」
途中で呼び方を変えたのは、臭いを嗅いだからだ。
しかし。
「風下でもないのに、よく鼻が利くモンですなぁ!」
感心したように表れた箒。
「げ、1*0番-*00番!じゃ、一夏、バイバイ!!」
脱兎の如く退散する。
「待ちやがれ!クソッタレ!」
鬼の形相で追いかけるは箒。
「保健室でドンパチするとは気に入った。ボコボコにして、ベ(ネ)ットに放り込むのは最後にしてやろう。」
それをとっちめるは、鬼神の織斑千冬。
「「ち、千冬さん!!」」
「そのアルコールはどこで買った!」
すかさず、ビニール袋の中身を確認する一夏。
「・・・消毒用アルコールだよ。本物の酒買いたかったぜ!」
そう言いながら棚から空のボトルを取り出し置き換えると、空になった方をゴミ箱に投げ捨てる――が、投げる速さが速すぎて、一瞬で蒸発する。
しかし、いつもに比べて騒ぎ方が大人しいなと感じた一夏は、誰が足りないのかを思い出した。
「山田先生はどこだ!」
「!!・・・用を思い出した。一夏、ISの解析に協力しろ。OK?」
「OK!」
ドベキシ!【1/20000】
「オフウイ・・・。」
『サボる気しかねえじゃねえか、このタコが。』と、打ちのめす。
「箒、鈴。(山田先生の所まで)運ぶのを手伝ってくれ。」
「「いいわよ。」」
翌日、燃え盛るIS学園の地下50メートルの部屋から不死鳥の如く蘇る織斑千冬が発見され、同室内ごと無人機を焼き尽くした更にその翌日、IS学園の地下50メートルの部屋で冷たくなっている山田先生が発見され、『女の敵は死んだ』と、凰鈴音は静かに息を引き取った。
作B おい、A。最後のこれは何だ?
A MAD版の時に、2人で書いたのを改変したんだ。
B そうか・・・。