IS《ISの帝王:小説版》   作:只の・A・カカシです

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前書きなんか思いつか・・・いらねえや。・・・前書きなんか必要ねえ!ヤロォォォォォ!腹筋オブクラッシャァァァァァァァァァ!!!


13話 待ってたんだ。

 21時。ようやく部屋に戻ることが許された一夏。

 「就寝時間に遅れるぜぇ、急ぎなぁ。」

 玄関のドアを開けると、箒が帰りを待ってくれていた。

 「随分と急かすな。何があったんだ?」

 就寝時間まではもう少し時間があったと思うがと言うと・・・。

 「私は空腹なんだ。」

 「空腹?何でまだ晩飯を食ってないんだ?」

 「とんでもねぇ、(お前の帰りを)待ってたんだ。」

 「・・・待っていた?何故?食堂はもう閉まったぞ?」

 「いや、まぁ、・・・待ってたんだ。」

 突然、箒から勢いが消え急にモジモジとし始める。奴らしくもねえ。

 「待ってたって・・・、どうするんだ?」

 今から作り始めたって、消灯時間には間に合わない。

 今夜は即席麺か何かで凌ごうと思っていた。しかし、2人での夕食がそれではわびしい。

 「だから、作って待ってた。」。

 「なるほど、何か良い匂いがすると思った。」

 良かったと呟きながら、部屋の奥へと進む。

 「・・・返事を聞くのが怖いんだけど、晩飯は食ったのか?」

 「いや。」

 「『食った』って言うわけないわよね。」

 「食べてない。」

 「本当に?」

 「・・・信じろよ。」

 第一、今の今まで保健室に閉じ込められていたのだから、食べようがない。

 机の上に用意されていたのは・・・。

 「チャーハンを作ったんだが、・・・どうかな?」

 美味しそうな色に仕上がっている。

 「どれ、いただきます。」

 「ど、どうだ?」

 一口食べ、一夏は動きを止めた。

 「・・・味付けはなんだこれ?」

 食べられれば何でもOK!な訳ではない。一夏だって、美味しく頂きたいのだ。

 「知らない方が・・・、私も知らん。」

 何処かで聞き覚えのある台詞。

 「いや、味付けを忘れた。」

 まさかあの箒が!?といった表情の一夏を見て、即座に否定した。

 天を仰ぐ箒。

 そんな箒を見て、気にするなと声を掛ける。そして、『塩と胡椒をかけてもらえるか?』と言ったところで、それは起きた。

 「何を言っているんだ?チャーハンには醤油だろ?」

 「なぜ、醤油なんだ?塩胡椒なら、味がスッキリするのに。」

 「一夏、古いぞ。醤油こそ、日本人の魂!」

 「古いのは手前ぇの方だ!」

 「やるか!」

 2人が、ドンッと足を踏みならし立ち上がった瞬間!

 デェェェェ―――

 ゴォンッ!【9000/9999】

      【1100/2000】

 「やっかましいわぁ!半分ずつにせぇ!!」

 一夏の効果音を遮り表れた、隣の部屋の生徒(1組)。

 「「!!」」

 その手があったか!と目を見開く。あったかじゃねえよ!脳筋!

 「じゃ、帰るね。」

 「メイグラシアス。」

 「・・・スペイン語か。何故知っている?」

 色んな国を回ってきたことが生きた。

 「知らない方が良いわ。」

 そんなことはどうでも良いから、早く食べようと着席を促す。

 「・・・醤油も良いな。」

 「塩胡椒もうまいぞ。」

 なんだかんだ、終わりよければ全て良いの2人であった。

 

 「「ごちそうさまでした」」

 時計の針は、就寝時間直前を指していた。

 「さて、時間だ。」

 「歯磨きして、クソして寝な。(・・・ん?)」

 「「!?」」

 突如現れた、山田先生。

 「・・・・・で、ではなくてですね。あ、あの、篠ノ之さん、お引っ越しです。」

 ちょっとふざけちゃいましたと舌を出す。その舌引っこ抜いて、織斑先生に送りつけてやろうか?

 「何故、箒が引っ越す必要があるんです?」

 男女が同じ部屋で暮らすことがどういうことなのか、彼らに考えろと言っても無駄だ。

 「そ、それはですね、部屋に都合が付いたからです。」

 「随分と急だな。明日じゃ駄目だったのか?」

 「そうですね。あ、でも安心して下さい!私も手伝いますので。」

 報告に来ただけかと思っていたら、まさかの今から引っ越し。これには、臨機応変が得意な2人も驚く。

 「待って下さい、山田先生!それは今からではないといけませんか?」

 「当然です。学園の決定ですから。」

 「・・・クソッタレがぁ!」

 箒は竹刀を取り出し、山田先生に突き付ける。

 「し、篠ノ之さん!竹刀を仕舞って下さい!早く荷物もまとめて下さい!」

 「ところで山田先生。消灯時間はもうすぐですが?」

 聞く耳持たぬと、竹刀の先をのど元に押しつける。

 「(山田先生も)今日は(もう)休め。」

 更に一夏が援護射撃を行う・・・も。

 「ダ メ で~エ~ス。」

 「「」」

 普段からは想像も出来ない強情振りに、困惑してしまう。

 「それに、身長170cm、筋肉モリモリ、マッチョマンの変態の織斑君がいるんだから、全然OKです!」

 携帯の待ち受け?聞くまでもありません。

 しかし、酒は入っていないようだが、この異様なテンションは何だ?深夜には早いぞ?

 でも、油断しているとやられますよ?

 「山田先生、一夏は死ぬほど疲れてるんだ。起こさないで貰えるか?」

 シーッと、口の前に人差し指を当て、一夏の眠っているベットを指さす。

 「!?お、織斑君!?何時の間にベットに・・・。起きて下さい!でないと、織斑先生が私のお姉さんに―――」

 ゴンッ!【103/3000】

 何か淫らなことを考え始めた途端、頭にドカンとドギツイ一撃。振り返れば、そこに織斑千冬の姿。

 「山田先生、仕事をしろ。」

 「ひ、お、織斑先生!」

 ちゃんと仕事をしていますよと、書類を見せるがもう遅い。

 「お前に仕事を押しつけるのは、これで最後と言ったな。」

 「そ、そうです・・・。し、仕事して下さい・・・。」

 「アレは嘘d――」

 ドベキシ!【1/20000】

 「オフウイ・・・。」

 「手前ぇの差し金か!!」

 ブチ切れた一夏。しかし、それは一夏をベッドからおびき出す巧妙な罠だった。

 「では、引っ越しましょう!」

 年の功ですねと笑ってみせる山田先生。

 「「どうやって荷物をまとめた!」」

 あれだけ散らかしておいたはずなのにと驚く2人に、こう言ってやった。

 「タンスに詰め込みました!」

 こう見えて一番脳筋なのは、山田先生なのかも知れない。

 「「」」

 「では、織斑君!運んで下さい!」

 「・・・ふざけやがってぇ!」

 何でもっと軽い入れ物を選ばないのか。手前の筋肉じゃないから疲れなんか知るってか!?怒りの爆発した一夏は、遂に最終兵器を取り出した。

 デェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェン!

 「ひ、お、お、お、織斑君!!!ロケットランチャーは、し、締まっt、仕舞って下s・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 そこに立ってろと、山田先生を壁に蹴ってめり込ませ、立て続けに撃ちまくる。

 ドドドォォォォォォン!【0/7000】←部屋のライフ

            【1/3000】←山田先生

 「これで片付いた。」

 バカ教師2人は、跡形もなく消し飛んだはずだと、一夏と箒は確信した。

 しかし!

 「・・・筈か?残念だったな。」

 「な、織斑先生!部屋は一夏が破壊したはず・・・。」

 「トリックだよ。直ちに部屋を変えなければ、お前等は死ぬ。OK?」

 一体、どんなトリックを使えば、人も建物も傷つけずにアレを耐えしのげるのか、是非とも教えて貰いたいものだ。

 「「OK!」」

 2人とも昼間に暴れ回ったために限界が近い。

 体中の筋肉を盛り上がらせながら、一夏はタンスを持ち上げたる。

 その光景は、見ているだけでムキムキっと言う音が聞こえそうなほどだ。

 

 「・・・では、これで引っ越しは終わりです。お二人ともお疲れ様でした。」

 結局、山田先生は終始手ぶらだった。一夏が、『このタンス、ビックリするぐらい軽いから暇なら持って良いぞ』と何度も勧めたのだが、その都度断られた。

 「「・・・必ず、仕返しに行くぞ。」」

 指をポキポキと鳴らすその様は、歩く騒音発生器!

 「ひっ!そ、それは学園にお願いします!!」

 「どこにいる!」

 何処にいるって、学園はここではないのか?

 「し、知りません!・・・ひぃぃぃ。お、織斑先生が知っています!先生と今晩呑む約束をしてるんです!」

 やはり疲れたくなかったから俺達に引っ越しの一切をさせたのかと溜息を吐く。

 「屋台でか。」

 「!!ど、どうして!」

 「この外出許可書がそうだろ。」

 「!!う、うわぁぁぁ!」

 箒の取り出したそれを見て、必死に奪い返そうとする。

 何時の間に、何処でと聞く間も与えず一夏は窓を開け、山田先生の足を持ち逆さ吊りにして外に突き出す。

 「お前と風呂にはいるのは嘘だと言ったな。」

 「そ、そうです織斑君・・・。」

 「あれ本当だ!」

 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・。」

 パッと手が放された約2秒後。約74km/hで山田先生はビオトープへと入水した。

 その飛び込みの美しさたるや、世界大会で満点優勝間違いなしとだけ書き記しておく。

 

 「山田のやつ遅いな・・・。」

 校門(守衛)の前で、織斑千冬は目を瞑り俯いた状態で人待ちをしていた。

 「す、すいません。お待たせしました!」

 「やっと来たか・・・。ようやくその時がやってきた。」

 ふとそこで、山田先生は足音を立てずに歩けたのかという疑問が浮かんできた。刹那、背中を電気が走った。

 「財布を縫い合わすのは給料日にしてやると言ったな。」

 裁縫道具を持ち、財布を寄越せと迫ってくる。

 「い、一夏!?何故ここに!?山田はどこに!?」

 「コレが何か分かるか?」

 取り出したのは、黒い箱。

 「っち、ボイスレコーダーか。・・・だがな一夏、時間外の外出は校則違反だ!お前はもう終わり(反省文)だ!」

 勝った!と思ったのも束の間。

 一夏も同様の外出許可書(山田先生の)を持っていた。

 「!?」

 流石の千冬も、この暗さでは文字まで読むことは出来ない。てっきり一夏に発行されたものだと信じ込む。

 「・・・(晩飯に)ピザ食いやがってぇ!!!」

 こっちには何も持ってこなかった癖にと、一夏は襲いかかる。

 ボコヲォッ!←1Hit・2Hit・3Hit・Critical Hit☆!4Hit

 「ウヲォォォォォォォ・・・・・。ヌィィィィ・・・。」

 急所だけを的確に突き、目立つ外傷を残さぬよう気を付けて絞める。

 眠ったことを確認し、財布を探り出す。

 チクチク【200/150】

 丁寧に縫い合わされる財布。ライフが振り切っているのは、一夏が補修も行ったからである。

 「これで出来た。」

 財布を元の場所に戻し姉を肩に抱えると、寮へ向け歩き出した。

 

 

 

 翌朝。織斑千冬はいつも通りの時間に目が覚めた。

 「・・・んん。・・・朝か。」

 どうやら、機能の記憶は残っていないようだ。

 「・・・目覚め酒でも買いに・・・!!・・・一夏め!・・・くそぉ、縫ったかっ!・・・うぉぉぉーーーーーん。」

 ・・・失礼、思い出したようだ・・・・・。




(原作1巻が終わったから)見にこいカルロ!

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