IS《ISの帝王:小説版》 作:只の・A・カカシです
「最新話未確認読者に告ぐ。こちらは港湾労働くm・・・違った、只の・A・カカシです。君等は腹筋の
「緊急! 繰り返す、緊急! ただちに作Bに連絡されたし」
「まず腹筋を鍛えよ。さもないと撃墜するぞ。聞こえるか!」
「脅しじゃないわ、連中本当に(次話を)撃ってくるわよ。他作品からの読者はみんなここを避けてるわ」
「鍛える時間はあるか?」
「相手はISの帝王なのよ?コメントを書けば返信に時間を割いてくれるかも・・・。」
「よし、行け!」
夜、1025号室には、シャルルだけがいた。
「あ、おかえり。」
一夏が保健室から帰ってこなかったので、今夜は1人かなと思っていたところへ一夏が帰室する。
「誰だ?・・・シャルルか。」
まあ、そうだろうなと呟く。
「うん、先生に同じ部屋だって。それより、織斑君。大丈夫だった?」
「あぁ、今は何とか。」
とは言っているが、壁を伝いながら何とかといった感じである。
「お風呂準備してくるよ。待ってて。」
「いや、調子が悪いんだ。とてもじゃないが入れない。・・・着替えたら、今日は休ませてくれ。」
午前中の一夏とは全く別人どころか、病気を患い弱り切った人のようになった彼を見て、シャルルの心配は増すばかり。
「ほ、本当に大丈夫なの?」
「安心しろ。変なものを食べただけだ。食中毒とかじゃない。」
「いや、変なものって十分ヤバイよ!?」
「寝れば直る。」
「」
何処のおばあちゃんの知恵だと突っ込みたくなるが、そこは堪える。
「じゃ、おやすみ。」
病院着のままここに帰ってきたので、一夏はそのままベッドに入った。
「うーん。いいのかなぁ・・・。」
その姿を見ながら、不安が増すシャルルであった。
「一夏!起きてるか!?」
もの凄い大声に、シャルルは飛び起きる。
「うわ!?何!?」
時計を見れば、まだ朝4時半。ふと目を遣ると、一夏のベッドはもぬけの殻だった。
「少し待て。今行く。」
声が聞こえてきた方向。それは・・・。
「お、織斑君、お風呂入ったの!?大丈夫なの!?」
「安心しろ。もう直った。」
そう言いながら、風呂場からジーンズにタンクトップ姿で現れる。
「そ、そうなんだ。」〈早っ!昨日あんなに疲れてたのに!?〉
無駄な気遣いはさせないようにと、シャルルは必死に表情を取り繕う。
「じゃ、行ってくる。」
「ど、どこに?」
玄関へと向かう一夏に、シャルルは尋ねる。
「トレーニングだ。シャルルも来るか?」
「トレーニングって・・・。昨日、体壊して人のする事じゃないよ!!」
「「体を壊したから、壊れないように鍛えるんだ!」」
「」
予想の斜め上どころか、全く別次元の答えに、シャルルは黙るしか他がなかった。
「じゃ。・・・それより箒、今はルームメイトが居るから、明日からはもう少し静かに来てくれ。」
「む、そうだな。すまなかった、デュノア。以後気を付ける。」
「いや、いいよ。」
その位の良識はあるんだなーとシャルルが思った直後。
「それより、一夏。ノックしたら直ぐに返事をしてくれ。叩き疲れたぞ。」
「・・・え?」
ノックというフレーズに、シャルルは固まる。
「いや、すまん。風呂に入ってたんで聞こえなかった。」
「ま、待って!ノック聞こえなかったけど?」
「当然だ。ここのドアは防音性能が高いからな。俺でも一枚ドアを挟めば聞き取るのは困難だ。」
「」
何でそんな面倒くさいものを?ドアホーンはと、シャルルの頭の中を様々な方法が飛び交う。
「じゃあ、行ってくる。」
そんなことも露知らず。一夏は廊下へと消えていった。
「・・・本当に叩いたのかなぁ?」
今ひとつ箒の言ったことが信じられないと、ドアを開けてみる。
〈人感センサーか何か取り付けた方が良いのかな。でも勝手に取り付けたら――〉
と、ドアの廊下側を見たシャルルは声を上げる。
「うわ!?」〈の、ノックってこんなにドア凹むっけ!?〉
ベッコベコに歪んだドアの表面。試しに叩いてみると、非常に堅そうな音と手応え。
〈えぇ、こんなの凹む!?無理だよ!狂ってるよここの人達!人間じゃないわ・・・。〉
シャルルは改めて、彼らがある意味人間を辞めていることを再認識した。
それから2時間後。
〈・・・ん、ドアが凹んだままだったか。〉「ただ今。」
「あ、お帰り一夏。ねえドアが――」
凹んだままなんだけどと言おうとしたシャルルの目の前で、一夏はドアに回し蹴りを入れた。
「これで直った。」
「えぇ!?ちょっと、余計に凸凹になるよ!」
「自分の目で確かめろ。」
〈直らないよ、そんな乱暴に――〉「って、えぇ!?綺麗になってる。」
そんな方法で直る訳ないと信じて疑わないシャルルは、ただ驚く。
「いいか、シャルル。このドアの上から4/7辺り目掛けて、蹴りを入れるんだ。そうすると、良い感じになる。いいか、よく覚えとけ。ドアとポンコツは叩けば直る。」
聞かれてもいないのに、直し方をレクチャーする一夏。
「む、無茶だ・・・。ま、まさか、毎朝やってるの?」
「安心しろ。2~3週間に一回ぐらいだ。」
「あ、それ位な・・・って十分多いよ!ドアなんて、滅多に凹まないよ!」
その位なんだと思った自分が、何かに汚染され始めている気がして仕方がないシャルル。
「ドアが無くなるよりマシだ。」
「」
以前は木製のドアだったからよくなくなっていたと付け加えられ、今のドアがどれだけ有難いかを感じるシャルルであった。
「さて、朝飯を食いに行こう。遅刻すると、千冬姉の制裁が待ってる。」
4日後の土曜日。一夏、箒、セシリア、凰、シャルルの5人は練習を行っていた。
「えぇっと・・・、一夏達は軍人じゃないんだよね?」
訓練中の休憩時間。彼女が、もう何度目かの質問をしてきたが、そう思うのも無理はない。何せ、彼女は初参加なのだから。
「そうだ。・・・何で何回も聞くんだ?」
いつもより抑えているつもりだが、何かおかしいところがあるかと逆に尋ねられてしまう。
「いや、おかしいよ!一夏達は、一体何なのよ!・・・ああぁ!!チェーンガンを引っぱり出す、ロケットランチャーはブッ放す、僕を投げる(←根に持っている)、IS(訓練機)を強奪するのを手伝えなんて突然メチャクチャは言い出す。かと思ったら人を騒ぎに巻き込んで怪我人は出す、挙句はISを持ち上げる。本当に人間なの!?整備科が、一夏を撃とうとしたから助けたよ。そうしたら僕まで追われる身だ!一体、何なのか教えてちょうだい!!」
「駄目だ。」
あっさりと断られてしまう。
「駄目ェ!?何でさ!」
しかし、理由も無しに説明を拒むような一夏ではない。
「アレを見ろ。」
一夏の指さした方向にいたのは黒いIS。
「誤魔化さないで・・・・・、あ、あれはドイツの第3世代型!」
「私の本国からの情報では、まだ試作段階と聞いていましたが・・・。」
やはりヨーロッパの国同士、近隣国のIS事情に詳しい。
「大佐ぁ!調子はどんなだ?」
そんな2人には目もくれず、ラウラは話し続ける。
「俺は軍にいたことはないぞ。その呼び方は止せ。」
「っふ、頑固だな。・・・ジョン!私と勝負しろ!専用機がある今、今度こそ勝ってみせる!さあ、ISを出せ!」
「・・・俺は、織斑一夏だ。」
まさかこんな繋がりが出来るとは思いもよらなかったと、一夏はドイツで偽名を使っていたことを後悔する。
「まぁ、いいだろう!だが、私達『シュヴァルツェ・ハーゼ』にとって貴方は大佐でありジョンだ!」
「今度ホラを吹いて見ろ。バラバラにして飛ばすぞ。」
あまりに人の話を聞かないラウラに、箒がキレる。
「ふん、剣道しか知らん女が何を言うかと思えば。滑稽だな。気に入った。殺すのは、最後にしてやろう。」
「今の言葉、そっくり帰してやろう。」
ヒートアップする2人。
「ま、待って!生身の人に――」
「ま、見てなさい。大丈夫だから。」
慌てて仲裁に入ろうとするシャルルを、鈴が引き留める。
「えぇ!?だって!!」
「・・・いいだろう。今すぐ死ね!」
慌てふためくシャルルの前で、ラウラがレールガンを放った。それは、一直線に箒へと向かい、そして・・・。
バショッ!【0/500】
「・・・なっ!」
「へ?し、篠ノ之さん?し、竹刀だよね、それ・・・。」
淀みなく振り抜かれた竹刀が、それを弾いた。
「む、折れたか。私もまだ、鍛錬が足らんな。」
「いや、それ物理法則越えてるから!普通、レールガンに当たった瞬間に竹で出来た物なんか木っ端微塵になるからね!?」
物理法則云々で満足してくれる人間じゃあないです。
「うん、確かに鍛錬不足かもね。一夏でも、ロケットランチャーぐらいなら竹刀で撃ち落とすし。」
「凰さん!?一夏、ホント!?」
まさかの援護射撃に、信じられないを通り越して、コイツら人間じゃねぇといった顔になる。
「シャルルさん、一々驚いていらしたら、体が持ちませんわよ。受け流すのが一番ですわ。」
「チェーンガンを撃つオルコットさんに言われても・・・。」
今日の訓練でそれを使っていたため、彼女もまた人外判定されたようだ。
『そこの生徒、何をしている!』
突然、スピーカーから先生の怒鳴り声が響く。
「・・・ふん。今日のところは引いてやる。大佐、また来る。」
『学年とクラス、出せk・・・おい、そこの黒いの!何処に行く!待ちなさい。ガチャ・・・』
去っていったラウラを追いかけていったのか、マイクを放り投げたような音がした後、放送はブツリと切れた。
「うっさいわね、まったく。何よ、ただ遊んでるだけでしょ、あんなの。」
「あ、遊び!?ISが生身の人間に発砲して、遊び!?」
「シャルルさん、仕方ありませんわ。一夏さんは、私に生身で挑んできましたから。」
「」
それは流石に嘘でしょ、嘘と言ってよぉと、シャルルの開いた口は塞がらなかった。
夕方。
「つ、疲れた・・・。」
そう言ってシャルルは地面に大の字に寝ころぶ。
「さて、〆に行くか。」
「し、〆?」
まさかまだ何かあるのと、身構えるシャルル。
「ランニングですわ。一夏さんと篠ノ之さんは何時も終わる前にアリーナを走られるのです。」
「い、今から!?一週が10kmあるのに!?」
良かった参加しなくていいんだと言う感想よりも、この時間から走りに行くことに対して驚きが先に来る。
「そうよ。見てみなさい、もうあそこまで行ってるから。」
「え、どこ?・・・!?速!?」
既に4分の1を走っている。今の今までそこにいた気がするのに、である。
「疲れていらっしゃるのかしら。普段より遅いですわ。」
「お、遅い!?アレで!?もう、ランニングじゃないよ!ダッシュだよ!」
「はいはい。アンタは早く慣れなさい。」
「」
シャルルは必死に記憶を探ってみるが、代表を含めてフランスにはあんなに体が強い人は居ない。
こんなのが代表候補生ですらないことに、首を傾げるほかに打つ手がないシャルルであった。
「あ、織斑君。ここにいましたか。」
練習が終わり、2人が更衣室で着替えていると山田先生が入ってきた。
「今から帰るところです。何か?」
「はい。今月下旬から、大浴場が使えるようになります。」
「だ、そうだ、シャルル。」
前の一件で、山田先生は一夏がお風呂好きだと思っていたようだが、残念。特に拘りはない。
「え、あ・・・そうですか。」
「「??」」
妙にテンションの下がった山田先生に、首を傾げる2人。
「え、い、いやぁ、楽しみです。」
「そうか、ならよかった。」
山田先生の心情を感じたシャルルは、急いで取り繕った。
「あ、それから織斑君。白式の登録に関する書類があるので、職員室まで書きに来て下さい。」
普通、そっちの方が重要なのではないか?
「そうだな。・・・先に一旦部屋に帰って風呂に入ってきてからでもいいか?」
汗だくで気持ち悪いからなと言うと。
「えー、職員室の鍵のことがあるので、出来るだけ早く来て欲しいのですが・・・。少々枚数も多いですし・・・。」
力では勝てないので、申し訳なさそうにと言うよりは下手に出る。
「そうか・・・。分かりました。シャルル、そう言うことだ。先に帰っていてくれ。」
まあ、良いだろうと、一夏は山田先生について行くのだった。
「う、うん。分かった・・・。」
「読者の腹筋を割るのは、薄いガラスを割るようだぜ」
「・・・ネタは(コマンドーに)絞ってろ。その文章(状況描写)も閉じとけ。・・・あ、これ小説版だった。」