IS《ISの帝王:小説版》   作:只の・A・カカシです

2 / 72
作品中の擬音を減らしたい。けど減らせない、今日この頃。


第2話 幼馴染みとの再会

 1時間目の授業中、隣からの視線に気付いた織斑一夏は隣の席に目を遣る。

 「・・・何だ。」

 「おっと、そんな視線を向けないで。びびって会話も出来やしないわ。」

 「・・・。」

 授業中に下らないネタに付き合う暇はない。と、言う目のマッチョマンに睨まれて観念したのか、隣席の生徒は早々に本題を切り出す。

 「え、えっと・・・参考書見せてくれないかな。」

 「駄目だ。」

 「どうして!」

 一夏は織斑先生の方を確認し、こちらに気が付いていないことを確認する。

 「知らない方が良い。理由を言うと、・・・俺が死ぬ。」

 理由もクソも持ってないだけなのだが。

 「分かるわ、話して数分の私でも死ねばいいと思うの・・・。」

 小声とは言え、本当のことを言ってしまえばただでは済まない。もっとも、下らないことを言ったので・・・

 ズババァン!【9991/9999】【19/100】

 当然、こうなる。だって、心の中を読んでくる相手ですから。

 「次喋ったら口を縫い合わすぞ。」

 全く持って、正論です。

 「俺は良い。だが隣の女子は止めてやれ。死ぬほどダメージを受けてる。」

 普通の人間を、タフネス設計の肉体を持った自分達と同等に扱うのは拙いと、一夏は忠告を行う。

 が。

 「私に叩かせたのは、お前等だ。」

 〈・・・くたばりやがれ。〉

 ズバァン!【9987/9999】

 それは流石に、擁護の仕様がないです。

 

 

 

 「・・・ちょっと良いか。」

 「OK!」

 休憩時間。一夏は、話し掛けられた方を向くこともせず、わざと音を立て机に伏せる。ただし、面倒くさいから伏せたのではなく、よく気の知れた相手ゆえの行動である。

 「おい!」

 思わず大声が出てしまう、話し掛けた少女。

 「安心しろ。冗談だ。」

 「廊下に来い。」

 きつい冗談だ。と、言いたげな顔をしながらも、平然と会話を続ける。

 「良いだろう。」

 2人は廊下に向け、歩みを進める。それは、さながらモーゼの奇跡の人間版だ。何せ、上級生まで分けていのだから。・・・何故、教室内に上級生がいるのかはお察し下さい。

 

 「そう言えば」

 「何です?」

 人気の少ないところ・・・と言うよりも、誰も付いてこられない場所まで行き、2人は話し始める。

 「去年、剣道で全国優勝したらしいな。」

 一夏は、脳筋でありながらも情報収集に長けている。

 「当然です。プr・・・どこで聞いた!?」

 彼女にとって、高校の剣道大会など晩飯にちょうど良いくらいのことで、まさか一夏がその程度のことを知っているとは思いもしないことであった。

 「新聞に書いてあった。」

 「何で読んだ!」

 それくらい自由にしてやりなよ。

 「秘密だ。」

 それくらい答えてやりなよ。

 「もうやだ!」

 篠ノ之箒は、男口調だった気がすると一夏が思った刹那。

 「鶏肉だお(^ω^;)。」

 「!?」

 思わずカカシになってしまった一夏を見て、箒は顔を赤らめる。

 「い、いや何でもない・・・//。」

 とっさに否定したことにより、2人の間に微妙な沈黙が訪れる。

 「・・・何年ぶりだ。」

 普通、その話題は会話の最初に持ってくるべきだと、誰か教えてやれ。

 「6年ぶりですなあ。昔を思い出さぁ!」

 「(髪型も)変わらんな。」

 「お前に褒められたんだ。」

 「箒――」

 ようやく会話が軌道に乗り始めた途端、鳴り響くチャイム。

 〈ちっ、時間か。クソッタレ。〉

 呑気なこと言っているが、時間切れどころか遅刻寸前である。

 「一夏ぁ。遅れるぜ、急ぎなよ。」

 「今行く。」

 全速力で走る、走る、飛ぶ!

 衝撃波により吹き飛ぶ屋根、飛び散る窓ガラス!大気を焼きながら飛ぶその姿は、まるで流れ星!

 「怖いか?織斑と篠ノ之(クソッタレ)。当然だ。元ブリュンヒルデの私に勝てるもんか。」

 も、一歩及ばず。敢えなく遅刻。

 「「試してみるか?俺(私)だって元(現)篠ノ之流剣道者だ。」」

 次の瞬間、一夏と箒のやや逆ギレ(自己防衛?)により戦いの火ぶたが切って落とされ、教室内はドンパチ、賑やかになった。

 ではここで、各人のライフを見てみましょう。

 【9000/20000】

 【800/9999】

 【300/1000】

 【【1/100】】

 上から、千冬、一夏、箒、その他全員。

 

 

 

 「―――ですので、ISの基本的な―――であって、その―――すると――」

 鼻提灯が弾ける中、山田先生はスヤスヤ・・・ではなく、すらすらと教科書を読み進めていく。

 プチッ

 (*^○^;)!!

 明らかにドス黒いオーラを出しながら、乾燥機の電源を入れるターミねーちゃん。

 「クラスメイトを起こさないでやってくれ。死ぬほど疲れてる。」

 自責の念から、クラスメイトを起こさないよう願う一夏。

 「もう遅い。」

 しかし、時既にお寿s・・・遅し。クラス中で鼻提灯が一斉に破裂する。

 「どうして起こした!」

 「・・・参考書はどうした!」

 怒りのあまり、やや暴論を吐く一夏。しかし、いとも容易く躱された上に痛いところを突かれてしまう。

 「!!」

 何を隠そうこのマッチョ、枕にするものがなかったので起きてただけなのである!

 「(机の上にある)これだけだ。」

 「」

 正直に告白。織斑先生はあまりのショックに、絶句してしまう。

 ベシッ!【1017/9999】

 それでも尚、口より先に手が動くのは織斑千冬のターミねーちゃんたる所以であり、それに反し今までのそれと比べ衝撃が微々たるものであったのは、織斑千冬がブラコンであったためである。

 「・・・起きていたことだけ評価してやる。で、参考書をどこへやった。」

 この言葉が、まさか自分の評価を下げる一撃になると、誰が予想できただろう。

 「お前が部屋でドンパチした後の片付けで、一緒に捨てちまったんだよ!」

 静寂・・・と言うよりは、死にたくなかったら誰も話すなと言う空気が教室に広がる。

 「・・・後で再発行してやる。取りに来い。」

 「資源を無駄に使うな。・・・必要ない。」

 にべも無く断る一夏。

 「何・・・だと?」

 あまりにブッ飛んだ答えに、千冬のボイラー圧は安全弁作動限界に達する――

 「捨てる前に全部覚えておいたんだ。」

 「流石だ一夏。やっぱり(予習を)やって来たか!」

 も、次の瞬間に冷温停止。

 「当然だ。知識がなければ、ISはガラクタ以下でしかない。」

 「良い心懸け(センス)だ。」

 自分の弟の出来の良さに、手前味噌を並べる織斑千冬。

 「お、織斑君、分からないところは無いですか?参考書無くても付いてきてますか?放課後、(補習)授業受けて貰って良いですか?」

 この巨*メガネは今の話を聞いていなかったのだろうか。それとも、知っていて尚のことなのだろうか。もし後者なら、窓から放されること間違いなし。

 「いや、結構!(・・・ん?)」

 「ああ、そんなに言われたら私・・・。」

 当然の答えが返ってきたはずなのに、何故か自信を喪失している山田先生。

 「あー、んんっ!山田先生(ずうとるび)、座布団はk・・・授業の続きを。」

 しかし、元ブリュンヒルデがそれを許すはずがない。

 「は、はい!」

 流石は、織斑先生!余裕の迫力だ、威圧感が違いますよ。

 威圧感に圧倒された山田先生は、急ぎ足で教壇に上がり、自分が落とした電子ペンを踏んで転けた。

 全くお笑いだ!

 

 

 

 「ちょっと、よろしくて?」

 「良くなぁ~い!(・・・ん?)」

 ジョン繋がりのあの人の言葉で返事をする一夏。

 「な、何ですか!?そのお返事は!?」

 まあ、切れられて当然の返答ではある。

 「」

 己の口から思いがけない台詞が出たせいで、一夏は固まる。一夏のテンションは一体どうなっているのやら。

 「・・・聞いてますの?」

 一瞬の静寂に痺れを切らした金髪ドリルは、恐れることなく一夏に迫る。

 「当然だ、クソッタレ!」

 見ず知らずの人(金髪ドリルならより一層)に迫られ、必然的に返しも強くなる。

 「まあ!何ですのそのお返事は?!私に話し掛けられるだけで光栄だと思わなくって!?」

 「面白い奴だ。名前を覚えるのは最後にしてやろう。」

 遠回しにお前なんか知るか宣言を行う一夏。

 「あなた!私の自己紹介を聞いていませんでしたの!?」

 それに対し、金髪の返しは的外れなものだった。

 「部屋がドンパチ、騒がしかったから俺が最後だったろ。忘れたのか。」

 「!!」

 忘れてやがったな、このアバズレ。

 「まあ、良いだろう。で、一体何の用だ。」

 「ええ。忘れていましたわ。世界で初めての男性IS操縦者が現れたと聞きましたから、イギリスの代表候補生である私、セシリア・オルコットがわざわざ会いに来ましたのよ。」

 美味しくなさそうな八宝菜よろしくふんぞり返るセシリア。

 「イギリスの代表候補?」

 わざとらしく聞き返す一夏。

 「ええ、何か?」

 小馬鹿にされたことを敏感に感じ取り、返しがやや威圧気味になる。

 「代表候補生がなんだ?」

 対する一夏は、徹底的にその一点を聞き続ける。

 「で、ですから入試で唯一教官を倒した私があなたに直接ご教授差し上げようと言うのですよ!?」

 自信満々の4字に得意げの3字を掛けても、なお言い表せられないほどのドヤ顔をするセシリア。

 「お前は今、唯一教官を倒したと言ったな。」

 しかし、一方の一夏は表情一つ崩さず、淡々と問いかけた。

 「そうですわ!それが何か?」

 「アレは・・・ウ ソ だ。」

 ゆっくりと、死を宣言するかの如く事実を言う。

 「「「え゛えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」

 それに対する反応は、クラスメイトの方が早かった。しかしそれは、飽くまでセシリアが硬直していたからで・・・。

 「な、なぁぁぁぁあああああ無阿弥陀仏(もあみだんぶ)!?」

 イギリス出身なのに浄土真宗だったのか、それとも一瞬の間に冷静さを取り戻し、ボケを入れる余裕が出来たのか。

 「わ、私だけではない、と!?」

 「「「他にもいると!?」」」

 ただ、驚いていることに代わりはないようだ。それにしても見事な繋ぎと協調である。

 「・・・時間切れだ。遅れても知らんぞ。間に合わなかったら、お前等は死ぬ。」

 死に神が迫っていることを、淡々と告げる。もっとも、驚愕のあまりチャイムが聞こえていないことに気が付いていたので、助けてやる気があるならもっと早く教えていたわけであって・・・。

 「くっ、また来ますわ!逃げないことよ、よろしくって!?」

 「安心しろ。何も(逃げるような真似は)しない。」

 パパパァァァァァン! 【【1/100】】

            【23/1500】

 上がクラスメイト、下がセシリア。彼女等は無事、出席簿の餌食と相成りました。

 〈間に合わなかったか・・・。惜しい奴等を亡くした。〉

 勝手に殺さないで上げて下さい。まだ彼女たちは生きてますから。

 




小説番は秀逸ですか?
秀逸だ!MADには及ばないがな

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。