IS《ISの帝王:小説版》   作:只の・A・カカシです

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私を覚えているかね、読者?
いいや。
作Bだ(汗&大嘘)。
残念だったな。
作A、君は国外追放だ。
えぇぇぇ!?

*某MAD動画より引用


22話 ただの打ち身ですな(大嘘)

 第3アリーナへと救助へ向かう一夏とシャルル、そして観客席からアリーナまでの間で合流した箒。

 「大丈夫か?鈴、セシリア。」

 駆け寄り声をかける。

 「・・・ッう、・・・い、一夏・・・。」

 「だ、大丈夫でs・・・ッウグ!」

 痛みにより返事もままならない。かなり酷くやられており、自力はおろか、抱えての搬送もリスクがあると判断する。

 「無理に動くな。・・・担架を取ってこなくちゃ。」

 「私が行こう。お前がいた方が良い。」

 「ぼ、僕も行くよ篠ノ之さん。」

 「頼む。」

 2人はと言うより、箒がシャルルを引き摺りながら走って担架を取りに向かう。

 「ら、・・・ラウラは?」

 苦しそうな声。

 「退いた。」

 出来るだけ聞き取りやすいよう、短い返事で返す。

 デェェェェェェェン!

 「ラウラぁ!どこだ!!」

 とそこへ現れた織斑千冬。効果音が一緒?いえ、こっちが本家です。

 「千冬姉、もう奴は帰った。それから、ここには怪我人がいるんだ。静かにしろ。」

 「」

 悪いことをしたなと、ゴメンのポーズを行う。

 「おい、一夏!持ってきたぞ!」

 超高速で担架を取り戻ってきた2人。

 一夏がどうもというと、シャルルが僕は足手まといだったな・・・。と項垂れていた。

 「箒は、俺とセシリアを。シャルルと千冬姉は鈴を頼む。」

 しかし、落ち込んでいる間も惜しい。シャルルを励ますことは後回しにし、急ぎ指示を飛ばす。

 よし任せ解けと、シャルル以外異常なまでに足音のしない患者搬送が始まった。

 

 一時間後、保健室には元気に騒ぐ凰とセシリアの姿があった。

 「別に、最初からやられっぱなしだった訳じゃないからね。」

 「そうですわ。鈴さんが仲間割れをしたせいです!」

 「な!あんたがいらないことを――」

 口論に発展しかけたため、箒が2人の傷口を突く。もっとも、彼女の突くは、刺すに近いかも知れないが。

 「「ウギッ!!」」

 変な声を出し、枕に顔を埋める2人。

 「今度余計に騒いでみろ。傷口をぶっ叩くぞ。」

 「し、篠ノ之さん、厳しいね・・・。」

 「ふん、自業自得だ。」

 大人しくしておけば、箒に突かれることもなかったのだから当然と言えば当然である。

 「そのくらいにしてやれ。・・・しかし、ただの打撲程度で済んで良かった。」

 「そのくらいだったら寝れば直るって言うんでしょ。」

 「・・・何で分かった。」

 まさかシャルルに言おうとしたことを先に言われると思っていなかったため、思わず聞き返してしまう。

 「僕も、伊達に一夏と同じ部屋で生活してるわけじゃないからね。」

 そもそも、怪我と体調を崩したら早く寝ろって何時も言ってるからと付け加えると、一夏は『そうか。』とだけ言って、途端に黙った。

 「・・・!何か来る。それも集団だ。」

 だだし、ただ黙ったわけではない。彼の耳が何かを捉えた。無論、箒もである。

 ・・・ドッドッッドッドドドドド!ドーン!【0/2000】

 飛び散る(ドア)ガラス、吹っ飛ぶドア!アルミの枠組みだけは、辛うじて難を逃れる。

 「わぁ!?ど、ドアが!!」

 こんな派手な飛び方するのと、信じられない表情のシャルル。

 「「「織斑(デュノア)君!!私とペアを組んで!!」」」

 そんなシャルル(とドア)にはお構いなしに、雪崩れ込んできた生徒達は紙を店ながらそう言った。

 「駄目だ。」

 即答。それも、紙を見るまでもなく。

 「「「駄目ぇ!?何で!?」」」

 ここは保健室だから静かにしろと言うよりも、さっさと退散して貰った方が結果的に静かな時間が長くなると考える。

 「シャルルと俺が組むからだ。」

 「「「何だ、なら仕様がないね・・・。他の女子と組まれるよりましだし。」」」

 「!?」〈他の女子って、もしかしてばれた!?〉

 乱入してきたときにデュノア君って言っていたが、宙を舞うドアに気を取られており聞こえていなかった。

 「「「じゃーね、織斑君!シャルル君!また明日!!」」」

 挨拶こそ空元気で元気のい挨拶をしたが、一度後ろを向けば、残念とばかりにトボトボと保健室から出て行く。

 〈あ、ばれてないみたい・・・じゃなくて!〉「ま、待ってみんな!ドアを直して――」

 シャルルが言い終わるよりも早く、敏感に発される言葉を予測したのか蜘蛛の子を散らすように散っていった。

 「逃げ足、速っ!」

 これが織斑組合員の実力なのかと、別の意味で関心したシャルル。

 「・・・・・このドアはもう駄目だ。」

 ドアが壊れると言うのはかなり大事なのだが、一夏はドアを壊されまくったせいで、それに麻痺してしまっていた。おまけに、一瞥するだけで使用の可否が分かるようになってもいる。

 「一夏!幼なじみでしょ!私と組みなさい!!」

 「い、一夏さん!ここはイギリスの代名詞、セシリア・オルコットと組むべきですわ!!」

 ここぞと言わんばかりに、痛みを堪えて猛アピールを始める怪我人。

 「それは無理だ。」

 しかし、あっさりと振られてしまう。

 「無理!?何でよ!」

 「そうですわ!説明を要求します!」

 一夏が訳を言おうとした瞬間、吹っ飛んだドアに驚くこともせず入ってきたのは。

 「お二人のISですが、ダメージレベルがCを超えています。ここで無理をすると、後々、重大な欠陥に繋がることもあります。急速も兼ねて、今回の出場は認めません!」

 山田先生であった。その手には、2人の待機状態のISが乗せられている。

 「俺はシャルルと組むからだ。」

 そんなこと何かが、ペアを組まない理由じゃないと一蹴する。

 そして、専用機がないなら量産機を使えばいいだろと言った時だった。

 「「それは、候補生のプライドが許さない(ですわ)!!」」

 口ではそう言っているが、専用機を壊したことへの後ろめたさの方が大きい。それに、専用機と量産機では勝手が違うので、慣れていない機体で戦って負けるのが怖いだけだったりもする。

 「ま、しょうがないわね。」

 「えぇ、まったくですわ。」

 強がって見せる2人だったが、威厳の『い』の字も見当たらない。

 とは言え、この辺りはISトーシローの一夏には分からないところなので、えぐってやらないことにした。

 「山田先生、一つ質問があります。」

 「はい、デュノア君。何でしょう。」

 「先生は今、二人と仰いましたが、ラウラさんは含まれていないのですか?」

 一夏にやられたのだから、彼女の損傷も相当の筈ですと尋ねるが・・・。

 「ボーデヴィッヒさんですか?いえ、何も聞いてませんが・・・。」

 まさかの情報無し。まさか、どこかで倒れているのかもしれないと思い始めた瞬間、思いもよらない事実を告げられた。

 「あいつは、必ず出る。」

 一夏は、あっさりとそう断言する。

 「「えぇ!?あの状態で!?」」

 バシーン!!バシーン!!【1102/1600】

             【1057/1500】

 今度は竹刀で打ち抜かれる。それも、力いっぱいのフルスイングで。

 「よ、容赦ないね・・・。」

 「我慢した方だ。」

 私が織斑千冬なら、あと3回、それも傷口を叩いているだろうと告げる。

 「・・・続けるぞ。これが何か分かるか?」

 そう言って取り出した幾つかの破片。それを2人の前に出して見せると。

 「「これは甲龍(ブルー・ティアーズ)の装甲じゃない(ですわ)。」」

 すぐに何であるのかを理解する。

 「あぁ、そうだ。さっきグラウンドを探してきたが、これ以外に破片は見つからなかった。」

 「じゃあ、イマイチって言ったのも・・・。」

 「そうだ。IS相手では、あの程度の爆破はただのクラッカーにしかならん。」

 あれだけ大きなクレーターをこしらえても傷一つ付かないと、一夏はISのすごさに脱帽する。

 「生身で私に立ち向かった方に言われても、説得力ありませんわ!」

 「イギリス、アンタもやったじゃない。」

 「あ、あれは篠ノ之さんに渡されたからですわ!」

 バゴゴォォォン!!【1004/1600】

           【857/1500】

 「「ヒグッ・・・。」」

 今度は傷口を叩かれた。

 「次は、セシリアのサンドイッチだからな。」

 そして、あまり騒ぐようだったらベッドから起きられないようにしてやると言い残す。

 「・・・まだあったのか。」

 「あぁ、冷凍保存してある。」

 呆れ気味に聞く一夏に、箒は出来ればセシリアにも是非食べて欲しいからなと返す。

 「それっておいしいですか?」

 何も知らない山田先生は、それを体力が回復する何かと勘違いしたようだ。

 「・・・食べてみるか?」

 「「「・・・。」」」

 黙り込んだため、流石の彼らでもこれをお勧めするのは憚られるのかと思っていると。

 「い、いえ、嫌な予感がするので遠慮しておきます。」

 「怖いのか?山田先生。」

 「勿論です!!相手があなた達ですから・・・。」

 意外と本気で食べさせに来ていると悟り、必死に否定するのであった。

 

 

 

 夜。1025号室では、一夏とシャルルが話をしていた。

 「一夏、さっきの話は本当なの?」

 「あぁ、本当だ。」

 「でも、僕なんかじゃ一夏の足手まといに・・・。」

 ここに来て一週間にも満たないが、シャルルはメンタル・・・と言うよりも自信をほぼ喪失していた。

 「安心しろ。シャルほどの技術があれば、俺の足手纏いになることはない。」

 慰めではない。ISの操縦なら、シャルルの方がはるかに上手いのだから。

 「・・・篠ノ之さんは?」

 「あいつは既に警戒されている。シャルルの方が都合が良いんだ。」

 「そうなの?」

 それで一夏や箒が来たのを知って逃げたのかと推測する。

 「あぁ。それに俺達は殲滅には向いているが――」

 シャキン!ズドン!【2383/3000】

 ―――ゴロゴロゴロ・・・

 丸く切断された床が宙を舞う。そして、部屋の奥に落ちる。

 「手加減が出来ない。・・・またつまらぬ物を切ってしまった。(・・・ん?)」

 某泥棒の一味の様に、床を切って現れた箒。

 「し、篠ノ之さん、どこから来てるの!?」

 「見ての通りだが?」

 ごく普通のように言っているが、鉄筋コンクリートの建物を斬るのは相当難しい。ISでも粉砕が精一杯なのにとシャルルは目を見開く。

 箒は、驚き固まるシャルルの肩に手を乗せ言う。

 「そういうわけでデュノア。私の代わりを頼んだぞ。」

 「篠ノ之さんの代わりは無理だよ。」

 即答で、あのメンバーみたいに派手に戦うのは出来ないと言い返すが。

 「大丈夫だ。お前はかなり筋が良い。」

 「・・・筋?」

 そのいやな予感は的中した。

 「明日から、シャルルもロケットランチャーとチェーンガンを練習してくれ。」

 「来ると思ったよ!!一夏、それは無理!」

 「大丈夫だ。説明書通りにやればできる。」

 説明書って何?何でISを使わないことにこだわるのと、シャルルは頭を抱える。

 「今日は遅いし、もう寝るか。」

 「そうだな、失礼する。」

 そんなことを気にする素振りもなく、箒は穴から帰っていた。

 「・・・一夏、壊れるのはドアだけじゃないの?」

 それですらおかしいのだが。

 「グラウンド、アリーナのシールド、整備室、格納庫、コンテナくらいだな。」

 物体であれば、ほぼ一通りのものを壊しているのではないかと疑いたくなるほど壊していた。

 「ところで、この穴どうするの?」

 突っ込むこと自体無駄だと悟ったシャルル。

 「米粒でも付けとけ。」

 「いや、耐えられないよ!」

 「だったらお札でも貼ってろ!」

 とは言っても、床(下の階の天井)はテーパー状に切り抜かれていおり、何も付けなくても床が抜けることはなかったと思われる。




(鍛えてから)読みに来い、読者!
(腹筋を)6つに割れ!油断するな!!

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