IS《ISの帝王:小説版》   作:只の・A・カカシです

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腐るよなぁ
まったくだよ。一話投稿にこれじゃあ、大げさすぎるんだよ
只の・A・カカシです、何を書いてんだか


24話 トマト祭り IN 1-1

 その日の夜、一夏とシャルルが廊下を歩いていると、山田先生に呼び止められた。

 「あ、織斑君、デュノア君、良いところにいました!」

 「何だ?」

 良いところにということは、あまり良くないことを知らされる前兆でもある。

 「今日から大浴場解禁です!!」

 『やっぱりか』と、頭を抱える。

 それにしても、そんなことをうれしそうに、しかもバカでっかい声で話すのだろう。

 「!?」

 シャルルは、聞いていないよと驚きを隠せない。

 「今日はボイラーの点検があったので、元々使えない予定でしたが、終了したので特別に男子に開放します!鍵は私が預かっているので、脱衣所の前で待ってますね!」

 それだけ言うとこちらの返事を待つことなく、普段デンデンムシなんて比較にならないぐらい亀な山田先生が瞬く間に去っていった。

 「待て、・・・クソッ!」

 「ど、どうする?」

 「行くしかない・・・。」

 

 出来る限り早く準備を整え、大浴場前へと向かう。

 曲がり角を抜け、大浴場の入り口が視界に入ると、既に山田先生はその前で待機していた。

 「あ、来ましたね。一番風呂です!」

 その姿を見つけるや否や、嬉しそうに大きな声で話し掛けてくる。

 「どうも・・・。」

 「あ、ありがとうございます?」

 あまり嬉しく無さそうな返事。

 「では、ごゆっくりどうぞ。」

 けれど、山田先生はそれを初めて入る大浴場に緊張していると取ったのか、2人に笑顔で行ってらっしゃいと言った。

 ドアを閉め、山田先生がドアの前から去っていくのを待つ。足音が遠ざかったところで、一夏はシャルルに言う。

 「シャルル、先に入らせて貰う。待ってろ。直ぐに上がってくる。」

 そう言ったかと思うと、素早く他の列の棚の陰に消えていき、直後に浴場のドアの開閉する音だけが脱衣所に響く。

 しかし、このとき、シャルルはあることを決意した。

 〈・・・よし!入ってやろ!〉

 確信犯である。

 早速服を脱ぎ、浴場へ突撃!

 も、少し気恥ずかしくなり、ゆっくりとドアを開け尋ねる。

 「一夏、入るよ?」

 「丁度よかった。上がるところなんだ。ゆっくりして良いぞ。」

 何と、丁度ドアの前に一夏が立っていた。だが、何故か服を着ていた。

 「エエエェェェェェェェェェェ!」

 かごの中に着替え一式を置いたままにしていたのを確認していたシャルルは、何故一夏は服を着て出てきたのかが分からない。

 一方、当の一夏は特にシャルルに興味を示すことなく脱衣所へと戻り、ドアを閉めた。。

 「僕の話を聞けぇぇぇーーーーー♪(・・・ん?)」

 「良いだろう。」

 華麗なリズムに乗せ『待て』と言うと、天井板外し、そこから風呂場へと最入浴する。

 「ど、何処にあがってるの!」

 床を切って現れるよりはマシでしょ。

 「シャルル・デュノア、横から話すか、上からはナスカ。(・・・ん?)」

 某映画のパロなのは分かりますが、何で地上絵になってんですかねぇ・・・。

 「お、降りてきてよ!」

 「・・・仕方がない。」

 ストッ、ツルッバキィ!【0/200】

 大人しくシャルルのお願いを聞き受けたのだが、一夏らしくもなく足を滑らせタイルを3枚割ってしまう。

 「しまった、床を壊した。・・・!隠れてろ!」

 「ふぇ!?」

 何かを聞き取り、シャルルを湯船に投げ込む。刹那、ドアが強烈に開け放たれる。

 「一夏ァ!今の音は何だ!」

 現れたのは織斑千冬。

 「こっちへ来て確かめろ!」

 「良いだろう。」

 見た方が早いと、来るように言う。

 そして、織斑先生はそれを見て一言。

 「・・・なんだこれは!」

 と絶叫する。

 「天井が抜けたんだ。」

 床を割ったことを、天井板が落ちてきたせいにする。

 「修理の申請をしなくては・・・。点検係めぇ!クソぉ、サボったか!ウォォォ!」

 バキョォォォン!【0/1500】

 八つ当たりするのは良いんですが、どうにも織斑組合員はドアからは出たがらな嫌いがあると思われる。

 「こ、これじゃあ、出られないよぉ~。」

 しかし、一番迷惑被っているのはシャルルだ。

 まず、廊下から見える状態で上がるのは恥ずかしいし、増してその姿を見られてしまうと男子と誤魔化していることがばれてしまう。

 「これで(目隠しは)出来た。」

 そんなシャルルの心境を察し、一夏は先程外した天井板を明いた穴を塞ぐのに使う。

 「何か一夏らしいな。・・・何か慣れちゃったかな?」

 「いいことだ。」

 何故か、良い感じのムードになる。

 「でね、・・・一夏。僕の本当の名前、教えとくね。シャルロットだよ。」

 顔を赤らめながら、本当の名前を言う。

 「カルロット?」

 わざと空耳を噛ます一夏。

 「しゃ る ろ っ と!!」

 「冗談だ。」

 「笑えないよ!!亡くなったお母さんから貰った名前なのに。」

 「・・・すまない。」

 思いの外、重たい話だったので、一夏は申し訳なくなり謝る。

 「・・・じゃ、ゆっくりしてこい。俺は先に帰ってる。」

 俺がいては、どうやってもくつろげないからと立ち去ろうとすると。

 「あ、待って!」

 随分と積極的なシャルルに、一夏は歩みを止める。

 「それから僕、ここに残ることにしたよ。」

 湯船の縁に、身を持たれ掛けながらそう話す。

 「風呂にか?」

 しかし、そのせいで勘違いされてしまった。

 「違うよ!IS学園に!」

 必死にそれを否定するシャルルだった。

 

 

 

 翌朝、HR直前の1組。二つの席が空いていた。一つはラウラ。そしてもう一つはシャルルの席だ。

 ラウラは昨日一夏に倒されたから分かるのだが、なぜデュノアがいないのかで、話題は持ち切りだった。

 「ねえねえ、織斑筋――」

 「ほお、私の名前でふざけるとは良い度胸だ。」

 一夏に尋ねようとしたのだが、思わぬ狂敵の登場に震え上がる。

 「ち、違います!織斑先生のことではないです!!」

 出席簿であの世に送られるのだけは御免だと、慌てて訂正を入れる。

 「そのくらいにしてやれ。」

 「冗談だ。」

 しかし、何時になく織斑先生の態度が柔らかい。

 「織斑組合員以外笑えません!お、織斑一夏君!」

 今度は命がないと、聞き間違えされないようフルネームで呼ぶ。

 「何だ?」

 「デュノア君は?」

 「放してやった。」

 放すたってどこへと首を傾げる。そもそも、一夏はシャルルを拘束していなかったはずだ。

 「・・・何処へ?」

 「知らん。遅れるぞと言ったんだが、何処かへ消えた。」

 「あ、そう。」

 丁度そこへ、ヘロヘロになった山田先生が入室してきた。

 「あ、あの皆さん、転校生・・・ではないけど転校生を紹介します。入って下さい。」

 「失礼します。シャルロット・デュノアです。改めてよろしくお願いします!」

 「はあ、部屋割りし直しです・・・。」

 物理的にも精神的にも堪えたと、山田先生は教卓に突っ伏す。

 「へぇ、デュノア君じゃなくて、デュノアさんだったんだ。」

 「道理で、筋肉モリモリのマッチョマンにならないと思った。」

 しかし、そこは流石組合員の卵。あっさりと受け入れてしまう。

 ドゴォンッ!【0/1000】

 と、そこへ、教室の壁をブッコワッシャァァァ!して現れた凰。彼女の髪の毛は、全てが立っており、見るからに怒っていることが分かる。

 「フー、フー!一夏ぁ!昨日デュノアとお風呂に入ったんですって!?えぇ!?4ねぇ!」

 答える間もやらねえと、凰は衝撃砲を一夏の顔面目掛けて撃ち込む。

 ズドンッ! バチュッ!【0/50】

 飛び散る赤い塊。沸き立つ赤い霧。

 「「「キャー!?」」」

 「危ないところだった。」

 しかし、やられたと思われていた一夏は、無傷でその場に立っていた。

 「一夏!?今殺したはず!?」

 信じられない光景に、驚きを隠せないでいる凰。

 「残念だったな、鈴。トマト缶だよ。」

 潰れた缶と今取り出した缶を見せつけ、これでどうだと言わんばかりのドヤ顔を決める。

 「頭来た!!」

 ズドォォォォオンッ!【0/40】

 赤い塊が以下略。

 「残念だったな。水煮トマトだ。」

 そう言って、また潰れた缶詰めを取り出すが、先程のそれと何が違うのか分からない。

 「「「いや、一緒だし!」」」

 「・・・一夏ぁ!食べ物を犠牲にしてまで命を守るとは、アンタふざけてんの!?」

 「「「いや、そっちの方が普通でしょ!?」」」

 やはり、組合員の卵である彼女たちにはまだ普通の考えが残っており、マトモなことを言った。

 「うっさい、うっさい、うっさい!!いっぺん逝ってこい!!」

 ズドォォォォンッ!

 バチュ【0】

 パサッ・・・

 やや逆上気味に放たれた一発を、またしても一夏は避けることなく正面から受け、そして・・・。

 赤い以下略。

 今度は何で防いだのだろうと、反応を待つ。しかし、待てど暮らせど返事がない。

 「・・・あれ?何コレ?」

 「ほおずき?」

 そして、その傍に落ちていた一枚の白い紙。

 「見て、手紙。」

 それに書かれていることを読み上げる。

 「えーっと?『みんなへ。ほおずきは、俺の墓にでも差しといてくれ。』だって。」

 「・・・え?」

 一拍置き、凰の顔から血の気が引き、そして。

 「い、一夏?いちかぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」

 凰が、悲鳴を上げる。

 その背後でドアが開き入ってきたのは・・・。

 「すまない、遅くなった。・・・何か賑やかだな。」

 一夏である。教室に入ってすぐ、壁が崩れていることを気にも掛けず千冬に話し掛ける。

 「あぁ、気にするな。・・・遅かったな。」

 「仕方ないだろ。ウサギ耳の変態に絡まれたんだ。」

 遅れた理由を、一夏が言うと。

 「っち、あのバカ。ちょっと消える。・・・悪いが、(クラスを)静かにしといてくれ。」

 「あぁ。」

 返事を聞き、織斑千冬は携帯片手に教室から出て行った。

 「うあわぁぁぁぁぁっぁ・・・!!」

 「・・・おい、鈴!静かにしろ。」

 耳が痛いからと、泣き叫ぶ凰を一夏は一喝する。

 「・・・へ?一夏?アンタ、今・・・?」

 確かに殺したはずとオロオロする凰を余所に、一夏は教室を見回す。

 「何だ、この惨状は!!・・・おい、ラウラ。出て来い!」

 「ハッ!大佐!」

 返事がした方を見れば、欠席と思われたラウラは着席しているではないか。

 「俺がドイツに行ってる間に、何したんだ?」

 あの一夏が、珍しく本気で怒った表情を見せる。

 「いえ、大佐の真似をしたまでです!」

 眼帯をクイッっと上げながら、いつもの感じに振る舞ってみましたと笑みを堪えながら真顔で答えた瞬間。

 怒ベキシ!「ヒデブ!」【1/8000】

 目にも止まらぬ速さで、ラウラの()()の根を止める。

 一仕事終え、手をはたく一夏。いつもの光景だ。

 そんな中、一夏に話し掛ける奴が居た。

 「お、織斑君。ドイツって外国のあれ?」

 「そうだ。」

 それ以外にあるなら行ってみたいと一夏は返す。

 「昨日の今日で?何しに行ったの??まさかラウラさん関連?」

 妙なところで、鋭い勘を見せる。苦笑いをしながら答えた。

 「そうだ。・・・だが、安心しろ。ただの惨歩だ。」

 昨日のあれを開発した研究所を破壊しに行ったとは言わない。

 「字が怖いけど!?」

 しかし、微妙な発音の違いから、うっすらとではあるが感付かれる。

 「気にするな。」

 そして一夏は、続けてこう言った。

 「気にしたら、教室は死ぬ。無事授業を受けたかったら、教師に協力しろ!OK?」

 山田先生はロクなこと言わないから寝ていて良いぞと煽る。

 「「「OK!」」」

 一斉に机に伏せ、その音が教室に響く。

 その光景を見た凰は、見事だわと言いそして。

 「あのさ、一夏。昨日、デュノアとお風呂に入ったってのは・・・。」

 「あぁ、ラウラだ。」

 それを聞いてデュノアは、一夏じゃなかったんだと項垂れていた。

 「凰さんは自分のクラスに、デュノアさんと織斑君は早く席について下さい!そ、それから皆さん!起きてくださ~い!」

 仕業のベルが鳴る。今日の授業も、教室が派手にドンパチ賑やかになるだろう。




作A あれは・・・25話!?まだ書いてなかったんじゃ・・・。
 B 残念だったな。土曜日に仕上げてやったぜ。
 A 必ず書き上げてやる。

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