IS《ISの帝王:小説版》   作:只の・A・カカシです

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ISの帝王がお好き?けっこう。ではますます好きになりますよ。さぁさぁ、どうぞ。ISの帝王の小説版です。・・・快適でしょ?あぁ、仰らないで、内容はそのまま。でも、MAD版なんて勢いだけで、トーシローには読みにくいし、原作の進捗によっては滑るわ、誤字は多いわ、ろくなことはない。ネタも増量してあります。どんな腹筋の方でも大丈夫。どうぞ読み回してみてください。・・・いい作品でしょう?余裕の笑い声だ、文章力が違いますよ


第3話大戦だ!!

 3時間目。開始のチャイムはとうに鳴り終わったが、頭を抱えながら転げ回る生徒が多数いたため、彼女等の回復を待ってから織斑先生は話を始める。

 「・・・この時間は、実践で使用する各種装備の特性を説明・・・の、筈でしたが!HRで、再来週行われるクラス対抗戦に出場する代表者を選出出来なかったので、今から立候補者を募る。やりたければ手を挙げろ!OK?」

 「OK!」

 真っ先に返事をしたのは一夏。だが、彼の両手はポケットに突っ込まれており、クラス代表に立候補する気はさらさらないようだ。

 ズバァン!【1941/9999】

 快音が響くゥ! しかし、他の追随を許さない筋肉により、ダメージは殆ど通っていないようである。

 「真面目にやれ!」

 ごもっともですが、何故その台詞を叩く前に言わないのだろう。

 「・・・自薦他薦は問わん!誰かいないか?」

 立候補者はいないか?と、聞いておきながら、いないと分かるや否や手の平を返し、他薦自薦を問わないという。まぁ、こればかりは仕方がない。

 「はい!私は織斑君が良いと思います!」

 「私もそれが良いです!」

 それまでと打って変わって、一気に教室のテンションが上がる。

 他薦ってのはいいもんだよなぁ。人に押しつけて自分は温々出来るんだからなぁ!

 「候補者は織斑一夏。男性、170cm。筋肉モリモリマッチョマンの変態だ。・・・他にいないか?」

 シレッと弟を変態呼ばわりする織斑先生。いや、千冬姉。

 「俺はクラス代表になる気はない。・・・傍観側で静かに暮らすつもりです。」

 「どこかの馬鹿(共)が、お前が適任だと推薦したんだよ。諦めろ。」

 ハエも止まる隙がない早さで返ってきた、逃げ道はないという宣告。

 〈ふざけやがってぇ・・・!〉

 一夏が心の中で盛大に毒づいた時だった。

 「そんなの認められませんわ!クラスの諸君。あなた方には、1組のような学級のおかれた状況が、まったく理解できていらっしゃらないのですわ!全員まとめて(私を)推薦せんかい!」

 『そんなになりたいなら、最初から立候補すればスッキリするのに』等と、クラスの誰も思っていない。思っているのはただ1人

 「どうした、何故もっと言わない。」

 一夏だけである。

 「口だけは達者なクラスの代表には、この私が適任です。」

 一夏に乗せられ、饒舌になるセシリア。それにしても、その台詞は自嘲ですか?

 「自覚はあるのだな、小娘。」

 「当然ですわ!実力で言えば、クラス代表を張れるのは、・・・私だけです。」

 織斑先生のどす黒いオーラをものともせず、自分を指さしながら自信たっぷりに話し続ける。

 『え?私?』

 この時、セシリアの首は傾いており、指は自分の耳の方を指していたためブルー・ティアーズはそう言ったが、悲しいことに誰にも聞こえていなかった。

 もっとも、ブルー・ティアーズの言うことはあながち間違いではないが。

 「それマジでいってんの?」

 良い返し(ヤジ)だ。どこで覚えた。

 「当たり前ですわ!」

 しかし、調子に乗ったセシリアは止まらなぁい!

 「まったくお笑いだ。一夏が居たら、奴も笑うでしょう。」

 皮肉たっぷりに箒が言う。それにしても、彼女の知り合いには目の前にいるマッチョマン以外の一夏がいるのか?

 「1組には、圧倒的実力でクラスメイトを導く代表が、必要なのですわ!」

 当然のことではあるが、まだ彼女は一夏がどれだけ強いのか知るよしもない。

 「何故あなたが?」

 「いいですか!?私のクラスの代表に、日本のトーシローごときが選出されることは許されませんわ!文化的にイギリスに劣っている国で3年間も暮らすこと自体、耐え難い苦痛というのに・・・。」

 調子に乗りに乗りまくったセシリアは、自分でも気付かぬ内に暴言を吐いていた。

 「イギリスの代表候補、クラスメイトは関係ない。止めておけ。目的は俺だろう。」

 一夏は、間髪入れずに反応する。

 「フッ、ウフフフフフフフフ・・・。」

 思わぬところからの横槍。最高に達していたテンションが、怪しい方向へと傾く。

 「堪忍袋の緒をやられた。お前にも勝てる。・・・来いよセシリア。レーザーライフルでも何でも持ってかかってこい!俺が(クラス代表になりたくないから)苦しみもがいて、勝っていく様を見るのが望みだったんだろう?そうじゃないのかセシリア。」

 やたら強気な態度で、セシリアを挑発する一夏。

 「手前ぇを、倒してやる!」

 まんまと挑発に乗ったセシリアの目は、焦点が定まらない。

 「さぁ、こっちを向け。一対一だ。クラスメイトに邪魔されて、楽しみをふいにしたくないだろう?・・・・・来いよセシリア。怖いのか?」

 臨戦態勢に入った一夏の筋肉が盛り上がる。

 「「「きゃー!」」」

 すかさずクラスから黄色い声が上がる。

 「ハンデなんてやらねぇ!フフフエヘヘヘ・・・。」

 「「「きゃー!」」」

 狂ったセシリアに、クラスから悲鳴が出る。

 「ハンデにもう用はねぇ!・・・・・はじき(mk-Ⅲ)も必要ねぇや、へへへへへっ。誰が手前なんか、・・・・・あなたなんか怖くありませんわ!」

 〈〈もどった!?〉〉

 寸でのところで、セシリアは自我を取り戻す。

 「・・・貴方、ぶっ殺して差し上げますわ!」

 「「「???」」」

 いかれた日本語に、クラス中の生徒が首を傾げる。

 「そこまでだ。それ以上喋ると、会話を縫い合わすぞ!」

 すかさず仲裁に入った織斑先生。ところで、会話を縫い合わすって何ですか?セシリアに合わせて、あなたまでいかれた日本語を話す必要はありません!

 「提案があります!」

 と、ここで、約一名クソ度胸だけでこの空気に飛び込んでくる。

 「なんだ?言ってみろ。」

 「2人でIS戦を行って勝った方をクラス代表にしてはどうでしょう!」

 このやり取りの中で、一番まともな言葉。故に、耳石と声帯、口の筋肉だけで話していた人達は頭が起動し、静まる。

 「・・・山田君、学内の通信とアリーナの使用状況を全て傍受しろ。」

 「は、はい!」

 突然の盗聴命令。しかし、山田先生は遅れることなく作業に取りかかる。

 「な、何が始まるんですか?」

 最前列の生徒が、恐る恐る訪ねる。

 「大惨事敗戦だ。」

 敢えて誰が負けると言わないのは、優しさか、それともセシリアが調子に乗るのを防ぐためか。

 「「「えぇええぇぇぇぇぇ」」」

 しかし、真っ先に反応したのはクラスメイトの方だった。

 ズパァン!!20hit【【-99/100】】

 叫んだ生徒の大半が、出席簿・オブ・クラッシャー(破壊者の出席簿)の餌食になる。

 ・・・お!良く見たら1しか減ってませんなぁ。(錯乱)

 「織斑先生、内線(テレックス)速達のメッセージ(業務連絡)です。」

 「どれだ?・・・なるほど、いいだろう。」

 山田先生は受話器を取り、内線で事務室に連絡を行う。

 受話器を戻したのを見て、織斑先生はクラスにその内容を伝えた。

 「織斑、オルコット。クラス代表の決定戦は一週間後の月曜日だ。放課後、第三アリーナがドンパち賑や・・・第3アリーナで勝負を行う。いいな?」

 クラス中を見渡し、反対意見が無いことを確認。

 「では、授業を――」

 始めようとしたところで、鳴り響く授業終わりのチャイム。

 何て都合の良いチャイムだ。流石だIS学園!

 その生徒の様子を尻目に、信じられないという顔で、自分の腕時計と壁掛け時計を交互に見る織斑先生。そもそもの原因は、あなたが途中でふざけていたせいですよ!

 

 

 

 放課後。夕日により赤く照らされた教室に、一夏は1人残っていた。

 いや、彼の筋肉を一目見ようと集まっていた野次馬を撒きに出ていたので、厳密に言えばずっと教室にいた訳ではない。

 「さて帰るか。」

 伸びをし、強張った体を伸ばす。一つ息を吐き、カバンを持ち上げた時だった。

 「ああ、織斑君。帰ったかと思いました。」

 何時も通り(まだ知り合って1日目)の雰囲気を纏い現れた山田先生。

 「今帰ろうとしたところだ。何です?」

 こんな時間まで残ってはいたが、別に家に帰りたくない訳ではないので、話し方でそれとなく急かす。

 「あ、はい。織斑君の部屋が決まりました。」

 「部屋!?決まってなかったんじゃ・・・・・。」

 端的な答え。しかし、予想していなかったそれに、一夏は度肝を抜かれた。

 「残念だったなあ。トリックだよ。」

 「そう言うことです。」

 ふらりと現れた織斑先生。それに相づちを打つ山田先生。

 「千冬姉!会議に行ったんじゃ・・・。」

 予想外のことが続き、一夏の脳は錯乱する。

 コンッ!【9998/9999】

 それを見通してか、教室に誰もいなかったので織斑先生の出席簿は優しかった。

 「それもトリニック(鶏肉)だ。」

 そして、何故か謎の日本語を放つ織斑先生。

 「!?」

 案の定、山田先生は聞いたことのない先輩の台詞に硬直した。

 しかし、そんなことは何処吹く風。

 「(部屋に)乗り込むまでは監視カメラが見張ってる。部屋の中では作者が部屋替えまで一緒だ。投稿が途絶えたら、作者は死ぬ。」

 部屋までの行動を、しっかりチェックすると宣言。

 ・・・・・えぇ!?何か今、一夏を逃がしたら殺す宣言されたんですけど!?

 「(今月に入ってから)ビール代に幾ら使った。」

 一夏に特に深い意図はなく、普段家に帰ってこない姉が幾ら使ったのか気になっただけのことだったのだが・・・。

 「十万円ポンと注ぎ込んだぜ。・・・だけどな一夏。お前と住めるなら、ノンアルコールでも喜んで呑むぜ。」

 ドベキシッ!「オフゥィ・・・・・」【1/20000】

 予想外に浪費していたことを聞くや否や、一夏はキレた。そして、たった一発で元世界最強をノックアウト。

 「お、織斑先生!?」

 信じられないという表情で、山田先生は一夏と織斑先生の顔を交互に見る。

 「今度余計に酒を買ってみろ、財布を縫い閉じるぞ。」

 威圧感たっぷりに、一夏が宣告する。対する千冬姉は、泡を吹きながらもビクッと動いた。

 「・・・山田先生、頼みがあるんだが、千冬姉に余計な金を使わせないでくれ。死ぬほど浪費が激しい。」

 「りょ、了解です・・・。」

 何度も頷く山田先生。

 無理もない。普段自分を玩具にしている人を、一瞬でノックアウトする人に逆らえるだろうか。いや、無理だ。

 「あぁ、それと、大浴場は使えないからな!」【2000/20000】

 しかし、織斑千冬も伊達に世界最強をやっていた訳ではない。織斑千冬のブリュンヒルデたる回復力で、山田先生が気配を察知した時には立っていた。

 「!?」

 第1話で一夏の行った、静かに素早くである。

 「流石だ千冬姉。やっぱり回復してきたか!(・・・ん?)」

 やはり、妙なところでブラコンが炸裂する。

 「当然だぜ、くそったれ(一夏)。大浴場はOK?」

 しかし、『OK』を振った時の声が、授業中のそれとは明らかに違った。

 「OK!」

 当然、ブラコン全開状態のマッチョマンの変態は、何処から出したのかお風呂セット抱えてている。

 「お、織斑君!?女の子とお風呂に入りたいんですか!?」

 今の流れで、本当に行く気はないと分からないのだろうか?

 「面白い奴だ。お前と入るのは最後にしてやろう。」

 勿論、これもネタ振りなのだが・・・。

 「え゛えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?だ、駄目ですよぉ!あぁ、織斑先生が義姉さんにぃ!!」

 何を妄想したのか、山田先生は某顔付き蒸気機関車よろしく暴走を開始する。

 しかし、やかましさに堪忍袋の緒がブッチした織斑千冬により、山田先生は粛正される。

 「止まれぇ!」

 ベキ【0/3000】

 バタンッ!と棒のように倒れる山田先生。千冬は、脈を取る。

 「(心肺が)止まりました。」

 いや、いかんでしょ!

 「まずいな。」

 まずい、まずくないじゃなくて普通に殺人です!

 「任せろ。」

 何処から引っ張ってきたのか、一夏の手には2本の太いケーブルが握られていた。それは、高圧電線。

 バチィ!【2999/3000】

 からの大電流!

 「この手に限る。」

 ・・・いや、普通焦げる。(*よい子以外も真似しないこと)

 「・・・織斑君は、誰かに『野蛮だ』って言われたこと無い?」

 目をパチクリさせながらも、一周回って冷静になった山田先生は何をされたのかを正確に推測した。

 「帰るぞ、急げ。」

 ただ、そんなことはどうでも良く、一夏はさっさと帰りたかった。

 「え、お、織斑君!お風呂の件は?」

 何故か、執拗に聞き続ける山田先生。

 「一緒に入ってやると言ったな。あれは・・・ウソだ。」

 埒が明かないと一夏は、勿体ぶることなく告げる。が。

 「えぇ!?織斑君は女の子に興味がないんですか!?」

 どうしてこの巨大Suicaの持ち主の発想は、『お互い黙っていれば大丈夫!』でお馴染みの某運転手の運転みたいになるのだろう。

 「今の聞いた!?中学時代の交友関係の裏付けを取って!11時間後までにな!」

 気が付けば、教室の前には人だかり。これでは、一夏の努力も水の泡だ。

 「はぁ、山田先生。」

 疲れたような、苛立っているような声。

 「何でしょうか、織斑先生!」

 嬉々とした声で返事をした次の瞬間。

 バコーン【2/3000】

 痺れを切らした織斑千冬により、再び粛正された。

 「一夏、もう帰って良い。」

 アイコンタクトで、任せろと伝える。

 「もう(こんな学園は)お断りだ!」

 一夏も、アイコンタクトで任せたと返す。

 一夏がダッシュで教室を飛び出す。それを野次馬が追おうとした瞬間!

 ババババシィン!【【【1/150】】】

近くに雷が落ちた以上の音量が、廊下に響いた。刹那、手を突くことなく倒れ込む野次馬達。

 死に神の出席簿(デスファイル)誕生の瞬間である。

 あぁ、でも大丈夫。明日には今日の記憶も無くなってるでしょう。




Matsudaステイディアムにて覇気の帝王という文字を見かけ、ワクテカする今日この頃。

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