IS《ISの帝王:小説版》   作:只の・A・カカシです

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A ファントムタスクってのは何者なんだ?
B ISの強奪はもちろん、あらゆる爆弾テロに絡んでるサイコ野郎共だ。
A サイコ野郎にバットモービルか・・・
一 ああ、携帯電話にもならない最悪のバッドモービルだな。
作 !?


第42話 IS乗りの典型だな!過激派もいい所だ

 「こんなところに隠れてたのね。」

 「ああこの部屋がそうだ、ここが悪党の隠れ家だ。」

 さも当然のように入室してきたのは楯無であった。

 「!?手前ェどっから入って来やがったァ!どっかし天丼、お前何やってんのか分かってんのかい!?今ここは全SYSTEMをROCKしてんだぞ!?」

 気分は分からなくもない。だが、現実に入られているのだから仕方ない。

 「・・・まあ、一夏君の部屋に入ることに比べればまだ、ねえ・・・。」

 最近、自分の潜入スキルが否応なしに上がっていることに、楯無は複雑な気分になる。それも、一介の生徒の部屋に入るためだけに身についたものなのだから。

 「まあいい、見られたからにはお前もブッころっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 そう叫びながら、8本ある足のうちの一本で楯無の胸部を貫いた。

 「お前、目ェ付いてるか?」

 「手応えが・・・ない、だと・・・。」

 次の瞬間、目の前から楯無が消える。

 「この馬鹿!ヴァカ女!マヌケぇい!水でできた分身攻撃してどうする!」

 「何なんだよ手前らはぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 戦闘のプロだと自負していただけに、ただの高校生に負けたとあってはプライドがずたずたになってしまう。だからこそ、警察だとか軍の特殊部隊だとか言って欲しかったのだが。

 「織斑一夏だ。よろしく。」

 「更識楯無よ♪よろしくね?」

 自己紹介をされてしまった。

 「うるせぇぇぇぇぇぇぇ!!!ヤロォォォオブッコロッs――」

 「オータム、知ってるか?コイツは学園祭今日(学園最強)でね、勝つと生徒会長やらなくちゃならないんだが、良いのか?」

 なぜか手が止まるオータム。

 「一夏君、それ適用されるのは生徒だけよ?」

 「マジか。」

 不公平だなと一夏はぼやく。

 「シャァァァァァァァァ!!!油断したなぁガキィ!!」

 この瞬間が来ることを計算に入れて先ほどから固まっていたオータム。だが、せめて声は出すべきではなかった。

 「うるせぇ、黙れ!ぶっ殺すぞ!」

 ズドーンッ!【15000/30000】

 「グホァッ!?」

 返事をする前に、喧しいことを理由にショットガンを顔面に撃ち込まれた。

 慌てたようにオータムが一夏から距離をとる。

 「ところで楯無、さっきからやけに暑いんだが?」

 「うーん、そうねえ。ええ焦ったわ。いきなりあなたが重火器をぶっ放すんだもの。」

 「?」

 何を仕掛けているのか、一夏には皆目見当がつかない。

 「一夏君、水蒸気爆発って知ってる?」

 埒が明かないと思った楯無は、答えを教えた。

 「なるほど、その為に部屋の湿度を上げてたってんだな?Foo!ええぞぉ!あんた頭良いじゃねえか!それでここのクレイモアを起爆させようってんだな?こんな時こそ頭を使わねえとな!」

 「え・・・?エェ!?一夏君なにそんな危ないものを仕掛けて・・・!?」

 まさか学校ごと吹き飛ばすつもりではと、楯無がナノマシンの回収を行おうとした、まさにそのとき。

 「チクショー!(このまま)やられてたまるかぁ!」

 ズドー――チュドォォォォォォォォォォォォン!!!【100/3000】

 オータムがISの火気を使用してしまった。しかも、きっちりと引火させてしまい、派手に爆発が起きる。

 ただ、流石は一夏。校舎には傷が入らないギリギリの火薬で抑えているようだ。さっきは手加減無しで校舎ぶっ壊したけど・・・。

 「げほっげほっ・・・私を巻き込む気!?」

 咄嗟に一夏の背後に回り、一夏からの筋肉支援防御、要は一夏を盾にした楯無は難を逃れる。

 「俺の影に隠れといて何を今更、楯無の名が泣くぜ。それとオータム、お前見た目よりアタマ悪いな。」

 「このままやられるかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 よほど危険を感じたのかそう叫ぶと、自爆装置を起動させ、ISを乗り捨て逃走を始める。

 「あばよ!」

 そう言って壁にあいていた穴から脱出していった。

 一夏は、特に慌てる様子もなく哀れにも乗り捨てられた自爆装置作動中のISに近付いた。

 「これと、これと、これ・・・めんどくせえぇぇぇぇぇぇ!!!」

 バキィッ!!!【0/30000】

 解除操作を行おうとしたが、あまりにも煩雑すぎたのでISを持ち前の筋肉に物を言わせ圧縮。システムごと停止させた。

 「やることが派手ねぇ・・・けど、逃げられちゃったわ。」

 残念がる楯無。だが。

 「逃げられてないぞ!安心しろ、地球上にいる限りは完全に射程圏内だ。いつでも捕まえられる。」

 余裕綽々の一夏。どこからその余裕が出てくるのか。楯無は、その余裕は危険よと忠告するつもりで、行動を起こした。

 「ああ、そう・・・ところでこれなーんだ♪」

 「俺が鼻かんだティッシュだろ?」

 「へ?アレ!?」

 「お前が探してるのは王冠だろ?安心しろ、ここに仕舞ってある。」

 「」

 つもりだったのだが、一夏のほうが(超えられない壁)一枚上手だった。

 

 「なぁにが簡単な仕事だチックショウメェ!!!」

 IS学園近く(当社比)の公園まで、オータムは命からがら逃げてきた。

 ここまでくればもう追っては来ないだろうと移動速度を落とした。

 〈水飲み場があるな・・・飲んでくか・・・〉

 走り続けたことでのどが渇いていた。持ち合わせがなかったので、脱水症状を防ぐためにも給水しようと、栓を捻り水を出した。

 「よう、飲んでるなあ。」

 「ああ・・・。」

 このときオータムは、水飲みに来た人に話しかけられたのだと思った。

 「今日は暑いなあ、ええ?」

 「あー全く・・・!?クソガキ!?」

 このジョークセンスに引っかかりを覚え顔を上げてみれば、そこには完全に巻いたと思った一夏が立っていた。

 「逃げられると思ったか?逃走中にバカでけえ声で叫ぶヴァカがどこにいる。」

 「クッ・・・!」

 己の失態に、オータムは苦虫を噛み潰したような顔をする。顔芸をしてもらっているところ悪いが、逃走経路の路地一本まで一夏は知っていたので、いつ声をかけるか一夏は迷っていただけだった。

 「おい、どうした?水飲んでいいぞ、喉乾いてんだろ?邪魔なんかしやしねえって。」

 「けっ、どうだか。」

 「お前なんか何処にいたって捕まえられる。」

 「・・・。」

 言われてみれば、CIAやFBIなどの警戒網を幾度となく逃げ切れたのにもかかわらず、彼一人を振り切れていない時点で詰みであることに気が付く。

 「!?」

 そんなことを考えていたとき、突如として身動きが取れなくなった。そして、水が容赦なく体に掛かる。

 「ラウラ、止してやれぇ。溺死体でも作ろうってのか?」

 「いや、なに変な汗掻いてるから水浴びさせてやろうってんだ。」

 そろそろいい頃だろうと、ラウラがAICを解除する。

 「クソッ!手前何しやがる!」

 溺死体にはならぬよう、呼吸だけはキッチリ確保しておく程度には、まだ彼らにも心は残っている。

 「一つ聞きたいんだが、お前のISはアメリカの第二世代だなぁ?そんな燃費の悪い玩具で何しようってんだ?・・・何処で手に入れた?」

 「・・・。」

 「何処だ答えろ!」

 「・・・。」

 ラウラの尋問に対し、オータムは強気に(だんま)りを決め込む。

 「見上げた忠誠心だオータム。だがな、お前の命を張るほど値打ちのある携帯か?」

 「け、携帯!?」

 が、これには驚いて声を出してしまう。

 「何だ?お前遅れてるのか?ISは最強の携帯電話だ。今の学生じゃ誰でも知ってる。」

 「」

 例え口が裂けても、IS乗りはISのことをコケにしない。そう言うものだと思ってきただけに、ショックが隠しきれない。

 『一夏さーん、一機来ましたけど、どうします?』

 「通してやれよ。テロリスト同士、感動の再開をさせてやろうじゃないか。」

 そんな彼女を他所に、一夏はセシリアからの通信に応える。

 『了解ですわ。あら?一夏さん、こちらに攻撃を仕掛けて来るのですがどうしましょう?』

 「OK、落として良いぞ。」

 『了解ですわ♪』

 やられたらやり返す。倍ではなく徹底的に叩きのめす。それが一夏達のポリシーである。

 

 公園上空で待機していたセシリアは、一夏に睨まれているテロリストの仲間から攻撃を受けていた。

 「レーザーが曲がる!?何てエネルギー効率の悪い!私が真っ正面に構えているのですから真っ直ぐ突っ込んでくれば良いものを・・・仕方ありませんわね。」

 失礼。敵の攻撃にウケていた。

 敵が装着していたISは、セシリアの姉妹機に当たる機体で、セシリアの母国のイギリスから奪取されたISであった。それはつまり、弱点が大体想像できるということ。

 ガチャッズババババババババババ!!!【30000/40000】

 これがISの正しい使い方だと言わんばかりに、チェーンガンがぶっ放した。

 『!?貴様、何故ビットを使わない!?』

 「ビット・・・?ああ、あの特攻用の・・・何でしたっけ?」

 『』

 使うには煩雑すぎることに加えて、連射性能がチェーンガンの半分すらないので長らく存在を忘れていた。

 『おい!エム、私を迎えに来たんじゃないのか!?』

 そのとき、遙か下から怒号が飛んでくる。

 「あら、お迎え!?大変ですわね、どうぞお通り下さい。」

 『』

 セシリアは、わざとらしい仕草でエムにお迎えに行ってらしたらと勧める。

 相手にするだけ馬鹿らしいと思ったエムは、実は追い込まれているのだとつゆ知らず降下していく。

 カチャッズドォォォォォォォォォォォォン!!!【8000/8000】

 そして、何を血迷ったのかラウラに向けて発砲した。

 「フンッ、片手間に沈黙できるとはドイツの遺伝子強化素体、口ほどにも――」

 「大佐ァ!火薬が炸裂していないはずなのに砂埃がやけに臭いです!」

 「!?」

 残念ながらNO DAMAGE!

 オマケに爆風に感想まで付けるぐらいには余裕を残したまま。

 「何言ってんのよ!硝煙の匂い?・・・あぁ、何よこんなもの、BB弾手榴弾を投げただけじゃない!」

 鈴は、いつになく弱気な発言をしたラウラに喝を入れるようにそう言った。

 「な、何・・・!?」

 「ああ、BB弾か・・・全くビックリさせないで頂きたい。」

 煙が晴れると、着替えたわけでもないのに真っ新なIS学園の制服を着用したラウラが平然と立っていた。

 「エム!こいつらは異常だ!さっさとずらかるぞ!」

 軽く死ねる爆発を起こしたにもかかわらず、傷一つ付かない連中は手に負えないとオータムは判断した。

 「うるさい!おめおめと引き下がれるか!」

 しかし、マドカはそれが認められない。

 今までどんな相手にも勝ってきたと言うプライドがそうさせていた。

 \デェェェェェェェェェェン!!!/【50000/50000】(ゴマンドー!)

 「どうした?来いよドM女!怖いのか?」

 まあ、このロケットランチャーを担ぐ姿が絵になる男の前には、耐えられるのも時間の問題であることは明白であるが。

 「帰るぞオォータムゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

 「だから言ったろうがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 体の五感全てで一夏達のことを危険だと理解した2人。マドカはオータムを抱えると、イグニッションブーストを使い、ビルの向こうへとかっ飛んでいった。

 「さて、学園祭を楽しむとするか。」

 その掛け声と共に、亡国企業の2人を追いかけていた全員がIS学園への帰路についた。

 

 

 

 「失礼します学園長。」

 後日、IS学園にある秘密の部屋を楯無は訪れていた。

 「ああ、ご苦労様。報告をお願いします。」

 楯無と向かい合って座っているのは、IS学園の学長、轡木十蔵であった。

 「何から話すべきでしょうか・・・では、織斑一夏君についてですが・・・彼の素性は知れば知るほど逸般人としか・・・校舎は崩す、地雷は仕掛ける、挙げ句にテロリストを玩具にする。戦闘能力も私の力が及ぶ範疇にはありません。」

 「そう、ですか・・・織斑先生といい全く・・・。」

 過去に色々とやらかしてます。まあ、被害よりも恩恵の方が遙かに大きい手ので雇われ続けていますが。

 「次に亡国企業(ファントムタスク)ですが・・・一夏君が我々の見方である限りはカカシ・・・を燃やした塵に等しいでしょう。」

 「更識君には苦労をかけますねえ。」

 一夏が逸般人であることを轡木は知っていた。だが、彼は表だって動けないので、代わりに楯無に一夏の能力を調べて欲しいと依頼したのである。

 「ええ、おかげさまでガタガタです・・・。」

 「」

 が、楯無が鍛えられ始めていることを知り、返す言葉がなかった。

 「ところで、虚ちゃんが入れてくれたお茶を・・・私用のプロテインでした・・・。」

 「・・・くれぐれもエキサイトしないように、無理もしないように・・・。」

 申し訳なさそうに、轡木は頭を下げたのであった。

 

 

 

  時間は巻き戻って、IS学園・学園祭の当日の夜。

 「あなた達のような猛者がどうしたのよ・・・。」

 「「奴らはヤバイ奴らはヤバイ奴らはヤバイ奴らは野蛮・・・・・・。」」

 襲撃に選抜した2人が、送り出したときと寸分違わぬ姿で帰ってきた所まではよかった。だが、2人揃って常にこれだけを口から漏らし続けていた。

 〈この二人をここまで追い詰めるなんて一体・・・。〉

 スコールが、一夏の強さに歓喜し身を震え上がらせる。

 「お前は・・・知ってるか・・・アイツの恐ろしさを・・・。」

 「私は怖い・・・。」

 このままでは埒が明かない。ここは一つ手当をと思い、話し掛ける。

 「オータム、疲れてるのね、髪を洗ってあげるわ・・・エムは機体を再調整――」

 「人のユメ・・・ヒトノゴウ・・・このすばら・・・。」

 「・・・暫くは駄目そうね・・・。」

 駄目なことを悟った。

 どうにも2人ともメンタルはへし折られたのではなく、粉砕機に掛けられた上で石臼で挽いたかのように粉々になったようだ。これは、修復に時間が掛かるわねと、スコールは頭を抱えた。




B やぁ、ご機嫌いかがかな?
A 最高だよ。今日か明日には貴様(の腹筋)は死ぬか破壊される。MADでお祝いだ。

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