IS《ISの帝王:小説版》 作:只の・A・カカシです
ダメだ
いらん
後にしろ
・・・言うと思った(POCHI☆
ブワッハハハハハハハ!!!
放課後の第二整備室に一夏と簪の姿はあった。
「ISはどのくらい出来上がってるんだ?」
「このぐらい・・・。見た方が早い。」
そう言って、簪は専用機『打鉄弐式』を展開する。
「どこで組み方を習った?」
ISは既に組みあがっており、一見すると完成しているように見えるが。
「まだ、武装が・・・。」
「例えば?」
「マルチロックオンシステムと・・・荷電粒子砲。」
「何でそんなおもちゃを・・・。」
呆れた様子で一夏が呟く。
「おもちゃなのは・・・仕方ない。」
だって装備を送ってくれないからと、少しだけ悲しそうにする。
「代わりにこれを積むか?」
それを見かねて、一夏がどこからともなく棒状の何かを取り出し、彼女に差し出した。
「何?」
「レールガンってやつだ。」
その瞬間、簪が一夏を鋭くにらみつける。
「・・・あなた、一夏じゃない。」
少しだけ頭をかくと、一夏は頬の辺りを掴んで自分の顔の皮を引っ張った。その下から出てきたのは。
「参ったな。もうばれたか。大佐のフリは難しい」
ラウラであった。
「分かる。EM銃の使い手はあなただけ。」
簪はそっぽを向いて、少しだけ頬を膨らませる。
「ラウラはもう行ったぞ。」
「!?」
その僅かな隙に、ラウラは去り本物の一夏へと入れ替わっていた。
「だが、お前はお前の姉より、ずっと見込みがある。」
俺達の変装を見破れるだけでも上級者と、一夏が感心したように頷いている。
「それは慰め?」
「俺は嘘は言わん。」
「・・・。」
ゆったりとした足取りで、一夏が打鉄弐式に近付く。そして、彼は時々頷きながら装甲を指でなぞる。
「装甲の組み付けが甘い。」
完成を急ぎすぎたなと、少しだけ厳しいコメントを出す。
「だが、そこさえ何とかすれば、後は大丈夫だ。」
「分かるの?」
「分かるさ。お前も、じき分かるようになる。」
そうは言われても不安は残る。表情からそれを察した一夏は、小銭を取り出した。
「冷えたジュースを買ってこい。作業はそれからだ。」
「うん。」
お金を受け取ると、簪は少し駆け足で整備室から出て行った。
「おりむ~、女の子はいつでもダイエット中なのだ~。」
それを見てか、機材の隙間より布仏本音がユラユラと出てきた。
「それがどうした!」
勿論、そんなところにいたのはお見通しだったため、一夏が驚くことはない。
「ジュースなんか勧めちゃ駄目だよ~。」
「だったら運動すれば良いだろ!」
「そういうことじゃないのだ~。」
本音が、普段からは想像も出来ないほど機敏な動作で作業台の上にあったスパナを引っつかみ、そのまま勢いに任せて一夏に襲い掛かった。
しかし。
「スパナで俺を殴るのは止せ。スパナが勿体ない。それに、修理申請をするのはお前じゃない、俺だ。」
「うぃ!」
流石にスパナが折れるとは思ってもみなかったのか、本音は途轍もなく慌てていた。
「ただいま・・・。あれ、スパナが折れてる・・・。」
何も聞かずに、簪は本音を睨み付ける。
「おじょうさまー、ごめんなのだ~。」
「本音、今すぐ買いに行って!」
「うえぇ~・・・。」
主人の指令を渋る使用人とはこれいかに。
「早く行け!簪の気が変わって、退学書を書かれる前にな!」
「!!」
これぞ、THE・肉体派。一夏の威圧感の前では、重度の怠け者でも本能が体を動かしてしまう。本音は、瞬く間に整備室より飛び出し、ホームセンターに向かうのであった。
なんやかんやあって夕方。
「ふう・・・完成した・・・。ありがとう、織斑君。」
システム構築から装甲の組み直しまで、一通りの作業を終え打鉄弐式は形になっていた。
「慌てるな。まだ終わっちゃいない。」
「?」
「おりむ~、第六アリーナ取れたよ~!」
まだなにかすることがあったかなと簪が首を傾げたところへ、本音が一枚の書類を持って戻ってきた。
「テスト飛行する気じゃないよな!?」
「・・・やるとも。」
少しだけ逡巡した簪ではあったが、簪は了承した。
「行こうぜ!」
一夏が威勢よくそう言って、三人は整備室を後にした。
第6アリーナへは、一夏と簪のみで入った。
「スラスター出力、正常。・・・織斑君はチェックしないの?」
一夏が腕を組んで簪の作業を見守っていると、彼女からそう指摘を受ける。
「チェック?何を。」
「・・・油圧とか。」
「どの油圧?おめでとう。デタラメのガバガバだ。」
そう言ってコンソールを開き、実際に狂っていることを見せる。
「じゃあ・・・先に上に行って。」
「OK!」
一夏が白式を展開する。
「・・・それは何?」
その、あまりにISらしからぬ外見に簪は眉間にしわを寄せた。
「
一夏がスラスターをふかす。。
「どうした、上がれ!」
出力が高まっていく。
「・・・どうしたの?上がらないの?」
「上がりやがれ!」
マックスまで上がりきっているが、気体が浮き上がる気配はない。
一瞬だけ、ほんの1センチ足が地面から離れた。しかし、そこで燃料切れ。ズウンッと重い音を立て白式は地面に落ちた。
「駄目そうだ。」
あきらめた様子の一夏。
「上昇するってことが?」
「まあ、そんなところだ。・・・ラファールを借りてこなくちゃ。」
「駄目。・・・出払ってる。」
そのへんのチェックに抜かりがない辺り、流石は暗部の娘だろう。
「諦めるのはまだ早い。あそこを見ろ。」
「・・・何?」
一夏が指差した先には・・・。
「誰かが置きっぱなしにしてる。」
ラファールが一機、ポツンとたたずんでいた。
「!!だめ、それは止めた方が・・・。」
「グランドへの無断駐機は高くつくもんだ。」
「」
それには何も言い返せず、一夏がラファールを装着するのをただ見ていた。
「急ごう。ディナーの時間がなくなっちまう。」
ラファールを装着した一夏が戻ってくる。
「簪、(ISの)調子は?」
「(バグが)多すぎだけど、・・・良い。」
少なくとも白式よりはと付け加えて。
「・・・大体できた。・・・今日はありがとう。」
それから程なくして、バグの修正はほとんど終わった。
「帰ろう。腹ペコだ。」
「うん・・・。」
しかし、降下をはじめた瞬間だった。突然、スラスターの燃焼が不安定になり、ボンッと爆発してしまう。
「「!?」」
〈何で!?反重力制御が!!〉
高度は見る見るうちに下がっていく。焦りによって修正の操作に狂いが生じる。
「ウォォォォォ!!」
簪の落下コースへ、一夏が急降下で割ってはいる。そして、彼女を受け止めると、そのままタワーの外壁に向けて突っ込んだ。
「(このタワーも)年だなぁ。」
当然、何もなかったかのように立ち上がると、凹んだタワーの外壁を見てそう呟いた。
「お、織斑君、大丈夫・・・?」
「
珍しく体の心配をされた一夏は、少しだけうれしそうだった。
『ちょっと!そこの生徒!今の音、何!?こっちにはタワーの破損って出てるんだけど!?』
そこへ、教員がスピーカーを使って割り込んでくる。
「お気になさらず!タワーの点検です。」
『ほ、本当に!』
「今直す!」
振り返ると、凹んだ部分を掴み強引に引っ張る。が、バキッと音を立てて外壁は剥がれてしまった。
「・・・あ、壊した。」
「予備がある。」
どこからともなく、一夏は新品の外壁を取り出しそこにはめ直した。
「これで(交換)出来た。」
『直ったわ。疑ってご免なさいね。』
「」
そのダイナミックぶりには、流石の簪もただ唖然とすることしか出来ないでいた。
「帰ろう。食堂が閉まっちまう。修理は明日だ。」
そういって、二人はアリーナから引き上げていった。
同じ頃、武道館で特訓を受けているものがいた。
「もう終わりか!?(武道館の)使用料を払った。もっと見せろ!」
箒が楯無に向けてそう吐き捨てる。
「いやぁぁぁぁっ!」
楯無が起き上がり、箒に向けて突進する。しかし、あっさりとなぎ倒されてしまう。
「また寝てるのか?」
「イエ゛ェェェェェアッ!」
立ち上がってきた楯無に、箒はコップをくわえさせた。
「(プロテインは)美味いか?」
「もっと頂戴!」
筋肉痛が酷すぎて、コップ一杯程度のそれでは効き目がないと楯無は感じていた。
「今日の訓練はここまでだ。」
「はぁ、はぁ・・・。」
肩で息をする楯無の横で、稽古を付けていた箒は汗一つ流していない。それはもう、超クール。
「時々思うんだけど、箒ちゃん達って一体何もの?教えて頂戴!」
「駄目だ。」
にべもなく断る箒。
「駄目ェ!?何でよ!」
「教えないんじゃない。教えられないだけだ。実はな、私達もよく分かってないんだ。気が付いたら、強くなってた。」
「」
ズボラにも程がある事実に、あの楯無も黙り込む。いや、一夏達に対してはしょっちゅう黙っていたか。
「行こう。飯の時間だ。・・・悪いが、二年生の寮食堂案内して貰えるか?一年の所は混んでいてな。」
「いいわよ。行きましょう。」
「あぁ。」
武道館を出て、特に会話もなく歩く二人。
「・・・ねえ、箒ちゃん。あなたはお姉さんのことどう思ってるの?」
沈黙に耐えかねて楯無がそれを訪ねた。
「逝かれた天災。」
「亡霊かしら・・・。」
箒が束を亡き者として扱ったことを理解できるほどには、楯無も成長している。
「編集長、調子は?」
翌日の放課後、第二整備室に一夏はいた。
「悪くなかったけど、織斑君がこんな所に呼び出すなんて。何の用事?」
一夏が呼び出したのは新聞部の部長、黛薫子であった。
「ISを弄れるか?」
「整備でも改造でも何でも出来るわよ。」
「修理を頼む。これでどうだ?」
誰にも見られないよう、一夏は黛に何かをこっそりと手渡した。
「・・・OK。これで修理できるわ。」
いわゆる特ダネというやつである。
「・・・織斑君、この人誰?」
そのやり取りを傍らで見ていた(何をしているかを見せるほど一夏は柔ではない)簪が、見慣れない人物に警戒を示す。
「黛薫子。新聞部の部長だ。」
一夏に紹介された黛が、簪の顔をのぞき込む。
「へー、君がたっちゃんの妹さん?」
「・・・一応。」
コンプレックスを触られ、簪は不快感を示す。
「流石は織斑君が手を掛けるだけはあるわね。たっちゃんの100倍は賢そうだわ。」
「100?1、000の間違いじゃないのか?」
「言われてみればそうね。始めましょ。」
「速さが肝心。」
簪の気持ちが落ち込んでいるのことに、一夏と黛は気付いていた。しかし、フォローを入れても慰めにしか受け取らないだろうと、あえて放置して作業に移るのであった。
「ま、こんなところね。・・・っち、一時間。かかりすぎね・・・。」
「!?」
開始からたったの一時間でISの整備が完了してしまったことに、簪は目を丸くする。
「簪は知らないだろうが、編集長は精神的におかしくなる前、ISの整備資格を取った。」
「何で学生を?」
もし本当なら、IS学園に来る必要が感じられないと首を傾げる。
「
その理由を、黛はサラッと言う。
「(あんなのに)惚れるとはな。」
「嘘だとでも?」
「あぁ、常識的じゃない。非常識。」
「仰る通り。」
しかし、現在はそうではない。原因は一夏の手によって千冬の生活態度を知ってしまった(一時間ほど前に)というものがある。
「・・・あの、テストフライトに・・・。」
そうやってジョークを飛ばし合っていると、簪が割り込んできた。
「駄目だ。」
「駄目?!何で!」
しかし、一夏はこれを一蹴した。その訳は。
「外を見ろ。外を見ろって。見えたろ暗い空。シールドバリアに激突する方に1000円。始めようか?」
「・・・今、作業中。」
先ほどまで手持ち無沙汰にしていたのに、指摘されるや簪は急にプログラミングのチェックを開始した
「おや、そうかい。」
意地悪そうな声で一夏が煽る。
「調子の良いことで・・・。」
悔しそうな表情をして、簪は作業のスピードを速めた。
B 書けたらWardの文章をコピーして、ハーメルンへ貼り付けてやる
A 俺もビッグだったもんだ!ランクインか!
B 眠りに堕ちやがって・・・いつの話してんだ
A 一年前
B 結構、(明日も)よろしく(あるとは言ってない)
次回が2018夏休み分の最後です。