IS《ISの帝王:小説版》   作:只の・A・カカシです

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読者:(作Aが)死んでんじゃない?
作A:生きてるよ。


第49話 E(えらい)O(漢らしい)S(装備ですね)

 放課後の食堂で、箒とセシリア、シャルロット、ラウラ、鈴の5人が、さながら圧迫面接のように簪を囲んで座っていた。

 「で、話しとは何だ?」

 「」

 凄みを利かせて話すラウラに、簪はすっかりと萎縮してしまいオドオドとしている。

 「そんなに威圧しちゃ駄目だよ。ね、簪さん。」

 「・・・。」

 見かねたシャルロットが、少し手遅れ気味だったが助け船を出す。シャルロットのニコッとした柔らかな笑みに、簪は少しだけ緊張状態から解放される。

 「そろそろ冷えたジュースに替えなさいよ。もう温いでしょ。」

 かれこれ10分以上この膠着状態が続いていて、厳密にはジュースは温くなったのではなく氷が溶けて薄くなったと言う方が正しい。

 「それで、答えは決まったか?」

 「・・・。」

 ちうーッとストローでジュースを飲み、喉を潤す簪。

 「話にならん!お前は唇にリップクリームと間違えて糊でも塗ったのか!」

 ここに来て、遂にラウラの怒りが暴発した。但し、威嚇用の声だけ大きいものだ。

 余計萎縮しちゃうでしょ。せっかく心を開き始めたのにと、心の中でシャルロットは泣いていたが、以外にも効果を発揮した。

 「!!わ、私は・・・何て言うか・・・。」

 「ハッキリと言え!」

 ボソボソとした声で以て結論を言わない簪に、ラウラが更にプレッシャーを掛ける。

 「そ、その、希望がないって言うと嘘・・・。けど、何て言うかそんなのでは・・・ない。」

 「何だ、ハッキリと言え。」

 「感謝は・・・してる。けど、そこまでしたいわけじゃない。」

 とても申し訳なさそうに、簪は答えた。

 「このやり方には馴染めない。」

 「・・・うん。」

 そうだろう。所かまわずドンパチする連中に、誰が好き好んで近付こうと言うのだ。

 「・・・。」

 「そうか。・・・気が向いたらいつでも来てくれ。待ってる。」

 そう言うと、ラウラは冷えたジュースを買いに向かった。

 

 

 この日、一年一組は身体測定を行う予定になっていた。しかし、時間になっても記録員が来ないため、一夏は待ちぼうけを食っていた。

 「織斑君、遅くなりました。書類の整理に時間がかかって――」

 そして、その記録員は山田先生でm入室した途端に遅れたことの言い訳を始めたため一夏からロケットランチャーをお見舞いされる。

 「待つのは苦手でね。」

 少しして、書類を持って千冬が入ってきた。

 「山田先生・・・。織斑、こいつはどうした?」

 真っ黒になり床で眠る山田先生を見て、彼女は顔をしかめる。

 「ここに来るなり、ばったり。夢の世界に旅立っちまった。」

 「んん。おい!山田君!起きないか、このぉ!」

 出席簿が山田先生の頭に高速で叩きつけられた。

 「あ、殺した。」

 「(残基に)予備がある。」

 すぐにAEDで運ばれてきて、山田先生にビリビリするような刺激をお見舞いする千冬。

 「はっ!こ、ここは?」

 「いつまで寝てる、さっさと測定席に着け!」

 「は、ひゃい!」

 千冬に脅しを掛けられた山田先生は、煤を払う間も惜しんで駆け足で記録席に飛び込む。

 「いいぞ、入ってこい!」

 すぐに一夏は、外で待っているクラスメイトにそう呼びかけた。

 「ん?測定って織斑君がするの?」

 「う、嘘!?」

 「ほ、本当だ!昨日の晩ご飯おかわりしちゃった!」

 その声で一夏であることに気がついたクラスメイトは、驚いたような表情で教室の中を覗き込み、各々が感想を言っていた。

 「安心しろ、少しの脂肪なら腕力で誤魔化してやる。」

 その中でも、少しだけ引っかかった呟きに一夏は丁寧に返す。

 「胴体真っ二つにならない・・・よね?」

 「さあな。」

 「「「」」」

 織斑筋がいかにヤバイかわかっている1組の生徒はそれを聞いた途端、一斉に口を閉ざしてしまった。

 「始めよう!山田先生。記録ミスをしたら、溶鉱炉で溶かすぞ。」

 「あ、ありえません・・・。たぶん・・・。」

 過去にいろいろと思い当たる節がある山田先生の言葉は、尻すぼみになっていった。

 「じゃ、行こう。」

 「はーい!一番!相川清香!入りまーす!」

 「相川、(臨海学校から)見ないうちに貫禄が付いたようだな。」

 元気よく(やけくそ&から元気)で飛び込んできた相川に、一夏は容赦なく現実を叩きつける。

 「そ、そう?織斑君は・・・随分と締まったみたいだね。」

 残念ながら、彼女には反撃の台詞が思いつかなかったようだ。

 「友の忠告だ。」

 「な、なに?」

 「ジム通った方がいいよ?」

 おっかなびっくりしていた相川に一夏は短くそう告げた。そして、しばらく沈黙。

 「・・・あのー、織斑君と相川さん。そろそろ始めて貰えませんか?」

 その様子を教室の片隅から見守っていた山田先生は、時間がないと恐る恐る一夏に催促を行った。

 「あぁ、悪かった。始めるぞ。」

 「お願いしまーす!」

 次の瞬間、相川の腹は太ももと大差のない太さまで絞り上げられる。

 「グエッ!」

 彼女は、堪らず声にならない悲鳴を上げた。

 「バスト65、ウエスト40、ヒップ80。次。」

 計り終えて一夏がメジャーを放す、と。

 「た、タイム。」

 相川の次に身体測定を待っていた生徒が前へ出て一時中断を要求する。

 「どうした。」

 「か、体がちぎれる。」

 「「「チェンジで!」」」

 「・・・そうか。」

 一部の例外を除いた全員がものすごい剣幕で迫り、流石の一夏もそれには逆らえなかった。いつになくしおれた一夏は、トボトボと教室から出て行く。

 「惜しかったな。あと一歩だった。」

 そして、出たところで箒から慰めの言葉を掛けられた。

 「あぁ、やり過ぎた。」

 「なに、また機会があるさ。」

 「お断りだね。」

 残念ながら、クラスメイトからは速攻で拒否されてしまった。

 

 

 

 それから数日後のこと。一年生合同の実習がアリーナで行われていた

 「おい、筋肉に自信のある手前ら。前へ出てこい。」

 生徒たちの前に立つ千冬の言葉で6人が自主的に、一人はラウラに首根っこを掴まれて引き摺られながら前へと出る。

 そして、相対すると真っ先に一夏が口を開いた。

 「何だ。」

 「先日の襲撃事件の迎撃(とその後のトーナメント戦)で、お前達がアリーナを滅茶苦茶にしたな。よって、当分の間ISの使用を禁止する。」

 「そうか。いつも通りだな。」

 ISを使ったことは数えるほどしかないと、上の無知さをあざ笑う一同。

 「で、何をさせるつもりだ?」

 わざわざ呼び出したのだから雑談だけじゃないはずだと、一夏は話しを切り換える。

 「あぁ。山田君、頼むぞ。」

 「はい!じゃあ、こちらに注目してください!」

 一人テンションのお高い山田先生。誰も触れない。

 「何が入ってるか知ってるか。」

 「悪いが知ってる。」

 「まあ、そうだろうな。」

 そして、一夏達はと言うと面倒くさそうにそれを眺めていた。

 「黙ってろ。」

 それを千冬が一蹴したところで、山田先生がロックに手をかけた

 「はい、では、オープン・セサ――」

 「焦れってぇ!さっさと開けッてんだこのぉ!」

 しかし、この男はそれを待ってやるほど気は長くない。いや、暇ではない。

 「やっぱりEOSか。」

 感慨深そうに箒が呟く。

 「おぉ、ハニー。」

 「ようやく筋トレ道具のお出ましだ。」

 躊躇することなく一夏と箒、ラウラはコンテナの中に進んでいく。

 「鬼に金棒ってヤツ?」

 「そうだ。乱暴者の生徒に、友情の印を。・・・乗れ。」

 鈴がぼやくと、千冬が頷きながらそう答えた。

 「ありがとよ。」

 EOSをコンテナから出すと、七人は黙々とそれの装着を行う。シャルロットとセシリア、それから簪以外の者達の手つきには一切の迷いがない。

 「馬鹿なこと聞いて悪いが、ISの時よりフィットしてないか?」

 「バッチリだ。余計な補正がないお陰で、乗りやすい。」

 手や足を動かして、一夏が操作性の確認を行う。箒やラウラも、同様の確認を行っていた、

 「じゃ、山田先生。その他の生徒の指示は任せた。」

 千冬の言いつけに、山田先生は晴れやかな表情で「はい!」と返す。まあ、一夏達の内の誰か一人を相手にすることを考えれば、残りの生徒全員を相手するなど朝飯前のことだ。

 「手前ら、並べ。」

 少しして、七人に千冬が集合をかけた。

 「何をさせる気だ?模擬戦でも使用ってのかい?」

 「そうだ。文句でもあるのか?」

 「クラシックに?」

 やりたくてウズウズしていたといった感じで、一夏が火縄銃を取りだした。それは、クラシックっというより骨董では?

 「織斑、それはよせ。デュノアとオルコットと更識が死ぬ。」

 そこには触れず、もとい気が付くことなく千冬はスルーした。

 「そうか。じゃ、何でする。」

 「ペイント弾。」

 背中側に隠していた一丁の銃を、彼女は顔の横に構える。

 「おいおい、ス○ラトゥーンごっこでもさせる気かよ。」

 いくら筋肉馬鹿とは言え、一夏はそこそこゲームを嗜んでいる。まあ、主に弾のせいではあるが。

 「なに、楽しいアート製作だと思えばいい。」

 「報告書は?」

 「山田先生で。」

 「OK。始めよう。」

 責任の所在を明らかにしたところで、一夏達はアリーナの中央に向けて歩いて行く。

 「お、重い。」

 「動かしづらいですわ。」

 「これ・・・重すぎる・・・。」

 まあ、思うように動けていないものが三人ほどいた。それがデュノアとセシリアと簪であるのは言うまでもないだろう。

 そんな三人の前で、一夏を始めとする四人が戦闘を開始する。

 「ば、化け物ですわ・・・。」

 「僕もそう思う。・・・一夏達って、本当に何者?」

 〈やっぱり、断ろうかな・・・。〉

 その速度は途轍もない高速で、ISに勝るとも劣らない。三人はアリーナの隅の方で立ち尽くすしかない。

 「大佐ァ!その程度ですか!?」

 「今行くよ!」

 「っく、流石だメイトリクス!」

 「その呼び方は止せ!」

 突如、途方もない量のインクが途轍もない威力で以てラウラに降り注いだ。一夏の放ったそれに、彼女では耐えきることができる筈もなくあえなく沈黙する。

 

 「やるじゃない篠ノ之!」

 その一方で、箒と鈴は五分五分の戦いを繰り広げていた。

 正しく言うのであれば、鈴がちょこまかと逃げ続けていたから消耗率が五分五分なのである。

 「来いよまな板。怖いのか?(ペイント)銃なんか捨てて、かかってこい!楽に倒しちゃつまらんだろう。ナイフを突き立て、私が苦しみもがいて、転がる様を見るのが望みだったんだろう。そうじゃないのかまな板!」

 流石に痺れを切らして、箒が挑発を開始する。

 「てめぇを殺してやる!」

 禁句を連発され冷静を欠いた鈴は、怒りに任せて箒へ突進した。

 が、いとも簡単に夢の世界へと旅出たされてしまう。仕方ないか。

 「こいつを仕留めるなら、怒らすのが一番だ。」

 「あぁ、全く。」

 「じゃ。」

 「始めるか。」

 「「アート作品(ペンキぶちまけ)の製作を!」」

 そこから、一夏と箒が壮絶な撃ち合いを開始する。それまでのぶちまけが、まるで下準備とでも言わんばかりの勢いである。

 「デュノア!邪魔だ!隅に避けてろ!」

 流石に一夏との撃ち合いとなれば、器用に何かを避けて撃つなどという余裕があるはずもなく、シャルロットは頭からインクを被る。それでも、威力だけは何とか落とせていたようで彼女はカラフルになっただけで済んだ。

 「セシリア!俺の射線を開けろ!さもなきゃインクで(金髪ドリルを)吹っ飛ばすぞ!」

 それは一夏も同様で、彼もまたセシリアに誤爆(?)を行う。

 〈わ!速く逃げなきゃ!・・・ど、どこに?〉

 が、最も動きの悪い簪だけは一夏と箒の両方からのインクが同時にヒットした。

 「「悪い、簪。少し避けててくれ。こっちは(山田先生を忙殺するので)忙しいんだ。」

 「」

 だが、簪がまだまだ未熟なのは二人も理解しているので、先の二人のように責め立てるような言葉は掛けなかった。

 

 「はーい!授業を終わりまーす。」

 「終わりィ?EOSに乗せといて、もう(EOSが)クビかよ。」

 暴れたりないと言った感じで、一夏が山田先生に詰め寄る。

 「ええ、片付けを・・・ア゛イエ゛ェェェェェェェェェ!?!?!?何ですかこれェェェェェェェェ!?!?!?」

 この次も授業ですよと言おうと振り返った山田先生は、アリーナの惨状を目の当たりにして動揺を隠せない。

 「現代アートだ。」

 それに対して、一夏は淡々と返す。

 「これは・・・〈*自主規制〉あたりかしら?」

 「現代アートはお好き?」

 「ええ、ゾッコンですよ。」

 しかし、悪魔のささやきに山田先生はうっかりと答えてしまった。

 「ソイツは良かった。じゃ、片付け任した。」

 しまったと思ったときには後の祭り。一夏や箒は勿論、その他の筋肉集団も一瞬にしてアリーナから消え去った。

 「あぁ!織斑君、片付けは手伝って!・・・篠ノ之さーん・・・いないですね。オルコットさーん・・・いないのか。デュノアさーん・・・もいないのか。更識さーん・・・は二年生か・・・。」

 どこぞのコピペを彷彿とさせる言い回しで山田先生は呟いたが、実は一人だけアリーナに取り残されていた。

 〈忘れられてる・・・?〉

 そう、簪である。専用機持ちの中で、ただ一人逃げ遅れた彼女ではあったが、その存在に山田先生は気がつくことができなかった。




許してくれ!本当に書いている時間がなかったんだ!
ついでに言わせて貰うと、MAD版も書く時間が取れていねえ!春の陣をやるとかいって大口を叩いたが、2回とできる気もしない!許してくれ!
OK?
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