IS《ISの帝王:小説版》 作:只の・A・カカシです
B 何故今更?
A 今しか出来ないからだ。話しを引っ張り出すためにMAD版を編集しあげたんだ!
「ふぅ・・・あの子たちには困ったものねぇ・・・」
楯無は薄暗い部屋に籠もり、書類を広げていた。
「は、そうだ名案!思いついちゃった!」
そう言って楯無は立ち上がり、わざわざ机の上に電話機を持ってきて、もう一度腰掛けてから電話を掛ける。
「もしもし織斑先生ですか?少しご相談したいことが。」
「・・・どうせクラス替えとかだろ。」
「あ、ご存じで・・・。」
知らないはずがなかろうと言わんばかりに、ガチャッと電話が切られた。
「ふう・・・ま、厄介な人たちはまとめて置く方が得策よね♪」
肩の荷が下りたように息を吐く。そして少しは楽になるのではと、淡い期待を抱く。
・・・混ぜるな危険を知らないのだろうか。
それともう一つ。誰も許可はしていない。
「あら、簪じゃない。何でここに?」
翌朝。鈴がSHRの時間に一年一組の教室の前を歩いていると、何故か簪と出会った。
「渦中の日本人を救いに来た。」
「そう・・・妙ね私もよ。」
「ダブルブッキングと言う訳・・・。」
などと、つまらない会話を交わしていると。
「何してる?二人とも、さっさと教室に入れ。」
ガラッと一組の教室のドアが開き千冬が声を掛けた。
「二組の教室より狭いわね。」
入るなり、そう言った鈴。
だが仕方ない。出が0で入が2なのだから、現状2組より3人も多い。
「と、言うわけでよろしくね一組の諸君。」
既に、簪と鈴は説明を受けていたが、一組の生徒は(一部を除いて)何のことか分からずポカンとする。
「山田君、例のもの・・・ゲフンゲフンッ。説明を。」
「はい。えーとですね、この度生徒会長が、一年生の専用気持ちはペテン師だ。泥棒、人間のクズ、チンピラ、ゴロツキ、犯罪者だ!と、言うことで、全て一組に集めることになりました。」
その説明を受けた一組の生徒からは・・・。
「あんの野郎ォ・・・」
「今度会ったら撃ち殺すぞ。」
「いい年こいてお姉さんぶってる連中がどういう奴か、わかってるぞ!」
「今度絶対アイツの尻尾捕まえて酷い目に合わせてやる」
「ふむ・・・歴代最凶にして最大の問題クラスの誕生だな。・・・どうしてくれるんだ?楯無、この愚の骨頂としか言いようのない大問題を。」
状況は、もう言うまでもないだろう。
流石の千冬も、今回ばかりは生徒達の心境に同情する・・・ふりをして、出席簿で全員の頭を叩いて回った。
その様子を歌にすると
『千冬の手には出席簿が一つ、生徒を叩くと出席簿が割れた。慌てない、慌てない。も一人叩くと出席簿は粉々、叩いてみる度出席簿が割れる。アイアイアイアイどーしたんだーいアイアイアイアイなんーでー。だって出席簿は柔らかい(一組比)、叩いたら崩れちゃう。嘘でない、嘘でない。』
となる。
ここはホテルの元最上級スイートルーム。『元』が付くのは、市の部屋を束が研究室に無断で改造したから。
その部屋で、一機のISが完成した。
「じゃっジャーン!これがマドちゃんの機体だよー!聞いて気絶するんじゃねえぞ?これは手製のISだ!」
「あんたが作ったのか?」
草木も眠る丑三つ時に呼び出されて、不機嫌極まりないマドカは適当にあしらう。
「私が作るわけないだろ?広告読まないのか?毎日郵便物に部品が仕込まれてる!それを一つずつ貰って組んだのさ!」
「ふざけやがってぇ!」
そんな下らないもののお披露目のために、こんな時間に呼び出されたのか。マドカは束に遅いかからり舌を引っこ抜きに掛かる。
「じょ、じょほぉだんだよぉ!?」
「今度ふざけた真似をすると、溶鉱炉で溶かすぞ。」
何とか逃げ出すことに成功した束に、マドカは警告を行った。
「いやーマドちゃんの愛情表現は過激だなぁ。それより、これが!マドちゃんのISだよー!」
自信たっぷりに名前を発表した束。
「初恋のネエちゃんに形がソックリだ。」
「名を『黒騎士』!それで最初のターゲットだけどね?」
「何だォ!」
「いっくんが良いと思うな♪」
「「「駄目だァ!!!」」」
突然、どこからともなく涌いてきたスコールとオータムが、マドカと同時にそれを否定する。
「・・・・・・ゑ?」
そして束は、もう一夏の脅威など忘れたのかポカンとした。
木の葉も色づき落ちようかという季節。IS学園の全校集会に、楯無は壇上に立ち咳払いをしてから話を始めた。
「えー、皆さん、これまで延期になっていた修学旅行ですが・・・待って織斑君、そのロケットランチャーを私に向けないで?」
その話を切り出した瞬間、一夏にそれを向けられた楯無は、さして意味もないが演台の影に隠れる。
「俺はお前に生き地獄を味わわせるために来た・・・。」
「マジで怒ってるわね?」
「あの時俺たちがなんと言われたか・・・。」
「ア“-何と言ったんだ?」
一応、知らない振りだけはしておこうと楯無は棒読みで尋ねてみる。
「『お前たちはペテン師だ。泥棒、人間のクズ、チンピラ、ゴロツキ、犯罪者だ!』」
「私そこまで言ってないわよ?!」
するとどうだろう、身に覚えのない言葉のオンパレードではないか。
「「「山田先生めぇ!クソォ!盛りやがったか!」」」
今度は職員室の方を見て、一組の生徒全員がキレる。
「ま、まあ落ち着いて。そう怒鳴られたんじゃビビって話もできやしないわ。」
「で、俺たちを呼び出した要件は何だ?」
そこまで言うならと、一夏は楯無に振り返る。
「十八時間前我が学園のヘリが・・・ああ待って!帰らないで!・・・えー、様々な事情で延期になっていた修学旅行ですが、また何がしかの介入がないとも言い切れません。そこでこの場に、前もって君をお仲間ごと呼んでおいた。」
「前乗り視察ってわけか・・・なんでここにいる教員を使わず、俺たちを呼んだんです?」
「どこかのヴァカがお前が適任だと推薦したんだよ。」
生徒だけの集会で、教員は一切呼んでいない・・・筈だった。
「ほう・・・?更識ィ・・・教員をヴァカ呼ばわりとはいい度胸だな?」
「ひ、ヒィィィィィィィィィィ!!!」
「よぉし、クソッたれども!ボーナスが欲しけりゃ気を緩めるなよ?いいな?」
完全に萎縮してしまった楯無に変わり、千冬が壇上に上がる。
「俺たち専用機持ち全員送り込む気か?」
一夏が尋ねる。
「ああそうだ!オルコットと凰、更識は織斑と。篠ノ之、デュノア、ボーデヴィヒは別行動だ。」
「どうにも、一夏に避けられてるって、気がするんだな。」
だが箒が、その組合せに納得がいかない様子だ。
「き、気のせいダヨ。」
「ふっふーん?だと良いが?」
多少の疑惑を残しつつ、全校集会は終了した。
「では、本来の目的を話します。」
放課後、楯無は専用機持ち全員を呼び出していた。そう、全員。
「亡国企業の掃討作戦か?」
早速、一夏がそれを口にする。
「ハメやがったな!?このクソッタレ!嘘つきみぃ!修学旅行だの視察だの、あれは私たちを引っ張り出すための口実か!?」
それに箒が乗っかる。
「なぁ、儀式を遮るようで申し訳ないけど、そっちのお二人何者だ?」
そして冷静に、ラウラが見慣れない二人のことについて尋ねる。
「今回の戦力(?)よ。ダリルとフォルテ。」
手短に名前だけを楯無が紹介する。
「んまっ、俺のヘルハウンドも2.8になったしな?」
サラッと行われた自慢は、一夏と愉快な仲間には到底聞いて貰える筈もなく流される。
「私の最後の警告は無視された。亡国企業は命に替えてこの償いをしなければならない。諸君の手腕に未来を掛けた。多くのISが死ぬだろう。この無意味な死は、テロリストの無知に対する代償だ。もはや哀れみなど無い。もう彼らは逃げられないのだ。亡国企業が、この戦争の代償を払いきれないと真に気付くまで、我々が攻撃の手を緩める事は無い!」
そう、声高らかに宣言を行ったのは楯無。勿論、実行するのはいつでも一夏達なのだが。
「怖いわーテロリストよー。」
棒読みでシャルロットがそう言う。
「・・・どっちがテロリストだって?」
「決まってるでしょ、アナタ。」
「私が何したってのよぉ~」
楯無も偶にはとそれに乗っかった拙かった
「複数の殺人。」
「誘拐」
「強姦」
「恐喝」
「通貨法違反」
「それに、麻薬の密売だ。」
「・・・お姉ちゃん、最低」
「待って簪ちゃん!私そんなことしてないわよ?!」
総口撃を受けて、楯無はせめて妹だけでも疑惑を晴らそうとしたのだが・・・。
「二番目は?」
「~~~やりましたッ!」
どう考えても言い逃れはさせて貰えないと、楯無は項垂れる。
「よく言ったぁ!それでいい!」
「・・・もう、なんだか疲れるわ。兎に角、各自出撃に備えて解散!」
集めておきながらも、一刻も早く撤退したくなった楯無は、投げやりに集会を終了させたのだった。
それから何日か過ぎて遂に京都へ行く日になった。
『まもなく、京都です。We‘ll soon make a brief stop at Kyoto.』
一行を乗せた新幹線は、間もなく京都に到着しようとしていた。
「この間逃げられてからずっと復讐を思い続けてきた・・・。よぉやくその日がやってきた。長かったぜ。」
車窓に流れる街を見ながら、ラウラが一人囁く。
「笑ってる・・・人を殺す前だというのに・・・」
それをしっかりと察知して、箒が戦慄・・・・・した演技をする。
「お前ら気が早すぎるだろ・・・。」
「各自、状況に備えよ。解散!」
「おーい・・・。」
未知のテンションの一夏達に、助っ人の二名はただただ圧倒されるのだった。
「今のところ証拠はまだ固まってません。」
「そそ、ふにゃふにゃでしてね。」
京都の街を歩きながら楯無と山田先生は千冬に、説明するまでもない状況を説明していた。
「更識、山田君・・・。確証を掴め!誰かが核弾頭を乗せた車で一夏の前に乗り出してから騒いでも遅いんだ!」
まさにその瞬間、ズドォォォォォォォォォンッというとどろきと共に爆煙があがった。
「あのヤrrrルォオ!先におっぱじめやがったな!!」
公衆の場で戦闘を始めたことにではなく、網のそ・・・蚊帳の外にされたことに千冬は怒る。
「お、織斑先生、これは!?」
「急げよ、例のものも準備しろと伝えとけぇ!」
「は、はい!」
そう言い残し、千冬は関節を鳴らしながらかっ飛んでいった。
時間を数分だけ戻した、爆発の現場に一夏はいた。
「古都をランニングってのも、良いもんだ。」
のんびりと(一夏比)走っていた一夏は、京都の景観を眺めながらは走っていた。
「・・・ん?」
ふと視線の先で、何かが光った。一夏は、瞬時にそれが自身に当たらぬ軌道と分かった。
そして、足下に着弾。小さな砂埃が起きた。
「やってくれるよ!堂々と正面からか?ぬへへ」
「やっべぇ、見つかった。」
「アンタ何考えてんだよ!せっかく誘い出した獲物を逃がしちまって!話してるのに目を逸らすな!アンタテロリストとして恥ずかしくないのか!」
スコープから目を離すと同時に立ち上がり走り出したダリルを追いかけながら、悪態をつくフォルテ。
「テロリストの典型だな!過激派もいい所だ!」
しかし彼女たちの逃走は、許しては貰えなかった。
「ぐぇ!?アンタ、まさか・・・!?」
足止めをするように撃ち込まれたロケット弾。
「我がテンペスタに抜かりはないんだナァ!!」
彼女らの前に立ちはだかったのは、右腕を欠損し身体の至る所に火傷の跡の残る、隻眼の女性だった。。
「でぇい!これが黙っていられるか!コルドブラッド!」
フォルテが足止めとばかりに攻撃を繰り出す。
「おっとぉ、そっちが二機ならコッチも考えがあるのサ!アーリィテンペスト!」
「へっ、三体二って訳か?それで互角にやれるつもりか?ばぁさん。」
「婆あがその口潰してやるのサ。」
淡々と攻撃を躱し、そして反撃を行うアーリィ。
「フォルテ!あれをやるぞ!
「成功するかはアンタ次第だ。オッケィ?」
「OK!アイス・イン・ザ・ファイア!」
「私のテンペスタはその程度突破するのサ!」
読んでいましたとばかりに突撃を行うテンペスタ。
「残念でした、ハズレ」
ところがそれは攻撃ではなく煙幕に近い性質のもので、三人の視界はほとんどゼロになった。
「ずらかるぞ!」
「イエッサ!」
二人の足音が遠ざかっていく。
「やれやれ、珠のお肌が焼けるじゃないのサ。ま、やることやったし、見物でもいくかナ」
少し気怠げな様子でそれを見送って、アーリィはISを
そんな面白げな戦闘があったにも関わらず、一夏が参戦していないのには訳があった。それは。
「お前・・・!」
「よう、相変わらず脳みそまで筋肉か?織斑一夏。」
オータムの気配を察知していたからだ。
「うちの学園の生徒が二人そっちに寝返ったって聞いた。まさか違うよなぁ?」
問いただすような口調の一夏。
「生憎だが、本当だ。」
対するオータムは手駒が増えた安堵感と、やられっぱなしではメンツに関わるからと、大きな態度で打って出る。
「そうか・・・残念だ。あんたは逃がしてやりたいが、生憎こっちも手札がいる。」
「ああ?」
そんなことできるのならやってみろと、挑発のつもりで聞こえないふりをしてみた次の瞬間。
「オフィ・・・・」
彼女は一夏の戦闘力の前に倒れた。
「捕まえrrrrロぉ」
厳密には縛り上げろだが、彼らには大した差でない。
「話しながら仕留めたのか。」
「毎度会ってそうそうさよならじゃ相手が気の毒だ。」
「・・・思いやりがあるなぁ。」
そう言うお前達はどうなのだと言わんばかりに、一夏は皮肉たっぷりに返してやったのだった。
組合員の大部隊が展開中です。ここから3~4話の距離に迫ってるそうです。
どのくらいで来る?
せいぜい1.2時間です