IS《ISの帝王:小説版》 作:只の・A・カカシです
B 当然です。状況描写の一切を廃していましたから。
A ・・・あれは!?ランキング!?
B に乗った筈か?残念だったな、作A。もう落ちたぜ。
A ・・・。
4月下旬。殆どの生徒が筋肉モリモリのマッチョマンにタフネス設計の2人を合わせた3人にも慣れ、授業も最初ほど滞ることもなくなっていた。
「これから、基本的な飛行操縦を実戦して貰う。飛んでこい、織斑・オルコット。」
実際に見せようと、織斑先生は2人に指示を出す。
「ウラァ!」
「何を!負けませんわ!」
しかし、何が切っ掛けになったのか、2人はISの展開速度を競い始めた。
ババァン!【99997/99999】
【24500/27000】
すかさず出席簿が(大気との摩擦で)火を噴く。
「(ISの)展開と収納の速度を競うな!・・・早く飛べ!OK?」
「「OK(ですわ)!」」
快心のOK。
だが、彼らも黙って叩かれるはずがない。言い終わる寸前に飛び立ち、見事に出席簿を躱して見せた。
「・・・必ず叩かれに戻ってこい。」
空を見上げ、悔しそうにそう吐き捨てる織斑先生。
「お断りだ!」
誰が好きこのんで叩かれに帰るものかと、一夏は付け加える。
「織斑、喋っている暇があるのか?置いて行かれてるぞ!飛ばせ!」
落ちる感覚は優れている一夏ではあるが、飛ぶことに関しては代表候補生であるセシリアに一日の長があり、少々遅れを取っていた。
「オラァ!」
「負けませんわ!!」
シュバァンッ!!【-5000/5000】
言われれば行動で答えるのがこのクラスのやり方。飛行で発生した衝撃波でアリーナのシールド全損しようがお構いなしだ。
「やり過ぎだ!馬鹿者!」
ガンッ!【99988/99999】
バスンッ!【14003/27000】
すかさず一夏に出席簿を、セシリアには直ぐに投げられそうなものが山田先生しかなかったので彼女を投げ当てる。
「・・・セシリア、ISが飛んでいる理由は何だ?」
物が当たっても、バランスを崩すことなく飛行を続けられるIS。一夏は、ふと不思議に思い尋ねる。
「こういうことですわ!」
バコーンッ!【99999/99999】
セシリアの右ストレートが一夏の顔面に食い込む。
「・・・良く分かった。」
しかし、筋肉言語と侮る事なかれ。何と彼女は、パンチで発生する衝撃でそれを伝えたのだ。
「2人とも流さないで下さい!!」
ボヨォン【4000/4000】
忘れられていたが、山田先生を助けようとした人は誰もいなかった。
何故か?地面に墜落しても胸部装甲で跳ね返るからです。
そう言う訳で、全く相手にして貰えない山田先生。もっとも、跳ねることにより巨○に対する生徒の嫉妬心が煽られたと言うのが大部分の理由ではあったが。
「(セシリアと二人で)楽しそうだなぁ、一夏!!・・・一夏ぁ、降りてきてみろ!一発で眉間を叩いてやるぜ!小学校からの
要は自分も混ぜろと言う箒。
「・・・篠ノ之。そのインカムは私のだ。放せ!」
ゴッ【1998/2000】
私も騒ぎたいのを我慢しているのだと、出席簿の威力はいつもの1割未満だった。
「・・・織斑、オルコット!急降下と完全停止をやれ!地上から10cm以内でだ!」
何時までも騒がれているのが気にくわなかった織斑先生は、突如として2人に命令を出す。
「では一夏さん、お先に。」
優雅に急降下急停止を決めてみせる。
「9cmか。上出来だ。次、織斑!」
「ヌォォォ!」
ドゴォォォーンッー!【9900/15000】
続く一夏は、豪快に急降下急停止を決めて見せた。
「誰が地面に突っ込めと言った!」
しかし、織斑先生は地上か10cmと言っただけで、上か下かまでは指示していない。
「完全停止と、(凹んだ)地面から10cm以内だ。」
胸を張って答える、タフネス設計の骨格と肉体を持った人間隕石。
「・・・その筋肉は締m、仕舞ってろ。穴も後で埋めとけ。」
先日、一斗瓶でグランドにクレーターを量産した人の台詞とは到底思えない。
「・・・はい。」
筋肉を封印されては、一夏は元気が出ない。
「織斑、武器を展開しろ!」
そこに飛ぶ、指示。
ガチャン!デェェェェェェェン!
それでも、一瞬も遅れることなく武器を指してみせる。問題は出した武器の種類だ。
「・・・(ロケットランチャーを)どこから持ってきた!」
まさか隠し持っているとは夢にも思って見なかったため、織斑先生は珍しく驚く。
「今出てきた。・・・貴方が(先月騒いだ時に)埋めたんですよ。」
そう言いながら、陥没した地面を指さす。
「・・・・・そうか。」
酒に飲まれて色々やらかしたことを引き出され、織斑先生はばつが悪そうにそっぽを向いた。
「・・・織斑、雪片を出せ。」
場を取り繕う言葉が思いつかず、仕方なく授業を続ける。
ガチャッ!デェェェェェェェェェェェェェェン!
「うるさ「「「キャー!!」」」・・・。」
クラスの歓喜に掻き消される千冬の声。フラストレーションが溜まる。
「セシリア、武装を展開しろ!」
もたついたところを出席簿で片付けようと思い、不意を突いたつもりだった。
が、素早い反応をされてしまう。展開したのは、ブルー・ティアーズ(ビット)。
「・・・mk-Ⅲを出せ!」
意図した物と違ったため、今度は武器を指定する。
「はい!」
「良い速さだ。だがな、オルコット。横向きに展開して誰を撃つつもりだ?」
「問題ありませんわ、織斑先生。私とブルー・ティアーズなら、どんな相手が来ようと怖くありません!」
自信タップリに答えるセシリア。織斑兄弟相手に景気よく突っ込んでコテンパンにされた人と同一人物には思えない。
「口だけは達者な代表候補生ですな。全くお笑いだ。一夏に聞かせたら、奴も笑うでしょう。」
「ちふ・・・織斑先生、俺は何です?」
吹き出しそうになるのを堪えながら言った織斑先生の言葉に、不思議に思い聞き返す
「お前は
公私の区別ぐらい私でも付けると言うことらしい。
「「「・・・・・。」」」
「」
だらしない顔の織斑先生に、全員が言葉を失う。
その空気に気が付き、直ぐさま表情を整えるが、後の祭りである。
「・・・オルコット!近接武器を出せ!」
苦し紛れに放った一言。しかし、一向にセシリアがインターセプターを展開する気配がない。
「ぶっ殺してやる!」
「「「!?」」」
インターセプター展開の掛け声がこれ。汚嬢様に成り下がった瞬間である。
ズバァンッ!【3/27000】
「もっとまともな呼び出しを考えるんだな!」
ストレス全乗せショット。出席簿で叩き、一瞬でISのライフを削り取る。
『一夏サァァァン!貴方のせいですわよ!』
脳震とうを起こし起き上がれないため、個人間秘匿通信で文句を言うセシリア。
「何だ、生きていたのか。」
意地の悪い一夏は、わざと個人間秘匿通信を使用せずに返事をする。
『し、静かにして下さいまし!そ、それより、(筋肉言語を覚えさせた)責任を取って下さい!OK?』
「OK!」
ズドンッ!【1/1500】
もっとも言葉を発しようが発しまいが、織斑千冬の直感の前では無意味である。
「勝手に個人間秘匿通信を使うとは、良い度胸だ、オルコット。気に入った。叩くのは最後にしてやろう。」
「もう叩いただろ!いい加減にしろ!」
「「「そーだ、そーだ。」」」
「」
いくら織斑千冬と言え、数(主に一夏と箒だけど)に差があっては反論が出来ない。
その沈黙の均衡を破ったのは、良くも悪くも空気を読まない山田先生である。
「て、言うか皆さん!このグランドの惨状を見て、何とも思わないんですか!?」
必死にそう訴える。
しかし。
「え?なに言ってるの、やまや?」
「そうだよ、何かおかしい?」
物が景気よく壊れる1組において、その光景はいつも通り。恐ろしいことに、1組の生徒はそれに慣れてしまっていた。
「うぅ、また始末書が・・・。」
今日もまた徹夜だと、頭を抱えしゃがみ込む。
「安心しろ、いま綺麗にする。」
そう山田先生に声を掛け、アップを始める。
「え?織斑君?此処に整備道具はありませんよ?」
「平坦に成れッてんだ、この凸凹がぁ!」
不思議そうに見つめる山田先生の前で、一夏はグラウンドを殴りつけた。
音を立て、グラウンドの地形が代わり始める。そして。
「何か、余計に酷くなってませんか!?」
至る所が波打ち、見るも無惨な姿になったグラウンド。
「・・・・・綺麗にすると言ったな。」
「そうですよ!私だって始末書なんか書きたくないです!」
「アレは、・・・う そ だ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
叫び声を上げたかと思った次の瞬間、手で衝撃を緩和することもなく山田先生は後ろ向きに倒れた。
「・・・よし、時間だ!コレで午前の授業を終わる。気を付け!」
お腹が空いた千冬は、ややフライング気味に授業を終わらせる。
「・・・ヤァーマダ!起きろ!」
「は、ハヒィ!」
織斑千冬の声がすれば、以下略。
「礼!」
「「「ありがとうございました!!」」」
各人が散っていく。その先頭集団にいた織斑千冬は、後ろを振り返りながらこう言いはなった。
「あぁ!おい、織斑!・・・穴埋めといてくれ。」
先日、織斑千冬が酒に酔いグラウンドを月の表面にした時、整地したのは一夏だった。だから、今回は代わりにやれと言ってやる。
「・・・穴を埋めんのは、手前ぇだ!」
スカッ、ドゴォーンッ!【900/15000】
案の定、叩きに来た。一夏は、それを上から下へ受け流す。
結果、過去最大級の蟻地獄の巣が形成される。
「・・・埋めとけ!」
そう言い残し、さっさと食堂の方へと向かっていく。ランチ特打に引きずり込もうと思っていた一夏の思いは、空振りに終わる。
「・・・クソッタレが!」
1人残された一夏は、ぐるりとグラウンドを見回す。
「整備道具がないな・・・。壊物に行くか。」
ボソッと呟く。
「買い物?付き合うよ!」
その時、クレーターの中から、隠れん坊(?)をしていた女子が現れる。
「(整備に巻き込んで)悪いな。」
「115号倉庫・・・。ここだ。開いてくれ!」
ドアに付けられている機械に、パスワートを打ち込む。ブザー音がし、ドアの鍵が加除される。
「ワァオ・・・。」
中には、土からトンボまで様々な整地道具が揃えられている、
「これと、これと、・・・それからコレだ。」
手早く道具を選び出し、台車に乗せる。
「コレなに?」
女子生徒は、見慣れない袋に入った黒い物体の名前を尋ねる。
「砂利だ。」
「砂利ぃ?・・・そうね。」
確かに砂利だ。音も質量も、そして何より袋に砂利と書いてあるのだから、間違いようがない。
「行くぞ!」
勢いよく台車を押し、急いでグラウンドへと向かう。
台車?当然100%OFFです。
「まだ、凹んでいるところはあるのか?」
40分が経過した。一夏と女子生徒が整地を終えると同時に、見計らったように織斑千冬は現れた。
「平坦だけです。」
泥だらけになり、ややお疲れモード。
「次の授業が始まる。織斑、戻ってこい。」
「(昼飯がまだなので)お断りだ!」
次の瞬間、学園中の時計が一声に爆発した。
伏線の内容が変わっているはずだ!っとでも思ったか?残念だったなぁ。トリックだよ。
高評価(=腹筋の熱盛ィィィ!!!具合を報告)するのを、楽しみに待ってるぜ!