IS《ISの帝王:小説版》 作:只の・A・カカシです
夜。IS学園の前に止まったタクシーから、ツインテールの女子が降臨した。
「ここがIS学園・・・。ようやくその時がやって来t――」
ドンッ!・・・デェェェェェェェェェェン!
それを歓迎するかのように、打ち上げ式筋肉花火が炸裂した。いや、偶々上がっただけなのだが・・・。
「!?・・・今の音何?一夏?・・・そんなことより、早く受付に行かなきゃ。・・・って、ここどこ?誰かー!」
一夏のことを知っている彼女は、某自動車保険のCMのように叫ぶ。
「・・・・・」
だが、地面が180度回り誰かが出てくる何てこともなく、ただ虫の鳴き声だけが響いている。
「返事なんか無いわよね・・・。手がかりは、
クシャッ【2/15】
ポケットからクチャクチャのメモ紙を出し、広げる。
「・・・本校舎一階総合受付事務所。あぁ、ダメ!こんなのメモじゃないわ!ただのガム捨て用の紙よ!」
クシャッ【1/15】
そう吐き捨て、再びポケットに突っ込んだ。
「・・・嫌んなっちゃう。」
溜息を一つ吐き、トボトボと歩き始めるのだった。
〈まずい、本気で迷子になった。・・・誰もいないし。〉
そして、ものの5分と経たぬ内に道に迷う。
「だから、感覚をだな・・・。」
「!!」
その時聞こえてきた、聞き覚えのある声。
「やっただろ!」
〈来た!一夏!!〉
少女はガッツポーズを作り、意気揚々とそちらへと足を向け
「いt――」
声を掛けようとして動きを止めた。
「あんなのは剣道じゃないわ!何本竹刀が折れた!」
一夏の隣には、ポニーテールの大和撫子。
「箒が、ロケットランチャーを撃つからだ!」
剣道じゃないと言っておきながら、自分が一番剣道していない最たる例だ。もっとも、一夏も突っ込むところが違うが。
〈あ・・・、あれロケットランチャーだったんだ。・・・ってか剣道場って、ロケットランチャーに耐えられったっけ?〉
話の次元が違いすぎて、逆に冷静になる。
「そもそも、何処でロケッt―――」
〈あぁ、ダメ!こんなの私の知っている
中学時代を思い出せば、一夏は当時から筋肉にものを言わせる嫌いがあったが、今のそれとでは比べものにならない。
彼女は、その場から逃げるように走り出した。
「あ、あったわ。以外と近くに・・・。」
やけになって走った結果、事務室は速攻で見つかった。
「すいません!転入生の凰鈴音です。」
暇そうに紅茶を啜っていた事務員が、凰を見るや否や、飲んでいるのは烏龍茶だと、ペットボトルを見せてきた。
「・・・早くしてよ!」
ぶっちゃけ、何を飲もうが凰の知ったところではない。
ビクッと体を震わせ、お茶を机の上に置き急いで窓口へと駆け寄ってくる。流石にむせるようなことはなかった。
「はい、・・・確かにご本人様ですね。では、此方の書類に―――」
デェェェェェェェェェェン!
事務員の会話を遮るように聞こえてきた、あの効果音。
「何!?」
聞き覚えのある音に、凰は辺りを見回す。
「まぁ落ち着け。そんなにビビられちゃ、焦って書類も出せやしねぇ。」
間違われちゃ後始末が面倒くさいと、落ち着くように促す。
〈・・・ここ本当にIS学園?・・・・・はぁ。〉
ここでは日常のことで慣れているのか、事務員は淡々と種類を整理している。
凰の気は重くなるばかりだった。
「以上です。お疲れ様でした。頑張ってくださいね。」
程なく、転入の手続きは終了した。
「ありがとうございます。・・・それから一つ聞きたいんですけど、織斑一夏って何組ですか?」
「一組ですよ。気になりますか?・・・ちなみに彼、一組の代表です。」
答えながら、大して枚数のない書類一式をやけにでかいホッチキスで留める。
「二組の代表って決まってますか?決まってたら教えてくれませんか?」
「決まってますけど・・・、聞いてどうするんですか?」
「譲ってってお願い(物理)するんです!」
結論から言うと、彼女もまた肉体派の人間であった。
「織斑君!クレイm・・・クラス代表就任、おめでとう。」
凰が転入の手続き行っていた頃、食堂では一夏のクラス代表就任パーティーなるものが開催されていた。
「あぁ、どうも。」
恥ずかしそうと言うよりは、面倒くさいと言う感じの一夏。
「皿と箸を貰えるかな?」
「「「どうぞ!」」」
お皿を配っていた人に言ったのだが、何処に隠れていたのか、彼女の背後から現れた数人が1人当たり指二本ぐらいでそれを持ち手渡してきた。
「・・・どうも。」
驚きながらも、それを受け取る。
「・・・何で、皆で持つんだ?一人で持てばすっきりするのに。」
「もーう、織斑君ったら古いんだ!今の流行は、皆で手渡すのよ。」
最新と言えば、一夏は何でも納得する。それは、とある朝食の席で確認済みだ。
「へっ・・・。俺が中学校の頃に、友達の料理屋の奴が妹と二人で運ぼうとして、(バランスが取りにくくて)破壊的だって怒られてたぞ。・・・その通りかもな。」
今回も体験談を引っ張り出したが、やれやれと言った顔で納得した。
「・・・・・(前菜の)中身は何だこれ?」
得体の知れない・・・と言うよりも、明らかに食べられなさそうなそれを、箸をひっくり返し掴み出す。
「知らない方が良いわ。」
明後日の方を見ながら、作ってきたクラスメイトはボソリと言った。
「「「・・・・・。」」」
皆が一斉に動きを止めたその様は、世界の時が止まったようだった。
「そ、それではご唱和下さい!織斑君「「「おめでとーう!」」」」
それでも誰か1人(山田先生除く)が声を出せば、皆が一斉に反応するのは良いことだ。
ポンッポポポンポンルッポンポン
どうやってこの音をクラッカーから出しているのか。
「・・・・・面白いクラッカーだ。気に入った。使うのは最後にしてやろう。」
デェェェェェェェン!
そう言って一夏はポケットに仕舞う寸前に、紐を引いた。
因みにだが、先程凰鈴音が驚いたのは、この音である。
「最後に使うと言ったな?・・・あれは嘘だ。」
「「「イェーーーーイ!!」」」
この展開に慣れた1組の生徒は、乾杯をする。
「いやー、これでクラス対抗も(筋肉が)盛りがるね!」
「ホントホント!」
そう言って相槌を打ったのは・・・
「何で2組がいるんだ?1組の騒ぎのはずじゃぁ・・・。」
「当然です。
「」
自称パリピ、寮室番号不定(見つけられず)、無職(帰宅部)の生徒だった。
「・・・お前は誰だ。」
しばらく経った頃、またしても見知らぬ生徒が入ってきたことを見つけた一夏。
「まぁ落ち着け。ペンを突き付けられてはビビって取材もできやしねぇ。・・・新聞部だ、織斑君。少なくとも今のところはな。」
今のところ・・・は?
「安心しろ、何もしない。」
ペンを胸ポケット(胸筋の間)に仕舞う。
「本当に?」
疑心暗鬼の黛。
「・・・信じろよ。」
一夏はそう言うしか他がない。
「・・・分かったわ。私の名前は黛薫子。副部長です。では、本題。無事取材を終わらせて欲しければ、私達に協力しろ。OK?」
「OK!」
一夏は、それを快諾する。普段は言う相手がアレなだけで、基本的には快諾している。
「ではまず、ずばり織斑君!クラス代表になった感想を!」
「アリーナをドンパチ賑やかにしてやる。」
「うん、良いねぇ!」
何故、剣が主武装の彼がドンパチするのか、気にならないのだろうか。
「後で適当に付け加え「たら、バラバラ死体にして飛ばすぞ?」・・・たりしないから、安心して。・・・うん。」
危うく口を滑らしそうになり、慌てて否定した。
「それから、セシリアちゃんも、何かコメント頂戴!」
「私ですか?そうですわね。一夏さんについては沢山話したいことがあるのですが、何故私が辞退し―――」
必死にメモを取る黛の肩を、一夏はつつく。
「黛さん。頼みがあるんだが、セシリアに話を振らないでくれ。死ぬほど(話が)長いんだ。」
「分かったわ。捏造しとく。」
そうしている間も、ベラベラと、長ったらしく、口から生まれたように、取り留めもなくetc・・・喋りつつけるセシリア。
「(捏造させて)すまないと思ってる。」
せめてもの謝罪を、一夏は入れておく。
「さてと、もうこんな時間ね。最後に写真撮らせて貰っても良い?」
明日の朝刊に間に合わなくなるからねと付け加える。
「「「「勿論です!」」」
瞬間的に身だしなみを整えるパーティー参加者。
「お、みんなノリが良いねぇ!〈ホントはツーショトが欲しかったけど・・・。〉はい、寄って寄って!!」
「「「イェーーーーイ!」」」
「じゃあ、撮りまーす。笑顔だ、笑顔を出せ!35×51÷24は?」
何故、ややこしくするのか。しかし。
「2!!」
答えなんか何でも良いだろうと、定番の2と言い放つ。
「違う、74.3だ!」
それを訂正したのは、箒だった。
パシャ【17/5231】←残り記録枚数
「どうやって計算したの!?」
目を白黒させ驚く黛。
「(黛の)メモ帳(に書いてあるの)を見たのよ。」
その答えは、途轍もなく基本的なことであった。
その後もパーティー人数は徐々に増え、絶えず大盛りの皿はドンパチ賑やかだった。
パーティー終了後、自室に戻った一夏と箒。
「疲れたか
まだ私は動けるぞと、竹刀を振り回してみせる。
「試してみるか?俺だって元男子中学生だ。」
そう言い、一夏も竹刀を手にとる。
が。
バシィインッ!【9980/9999】
ライフこそほぼ満タンだが、精神ポイントの枯渇している一夏の動きは鈍かった。
「ッ・・・。」
「一夏ァ、体力はどんなだ?」
うずくまった一夏が心配になり、箒は声を掛ける
「もう一発殴って、確かめろ。」
「いや結構。遠慮させて貰う。」
竹刀を仕舞う箒。
「怖いのか?」
「当然だ。剣道で暴れられる相手がいなくなったら困る。」
こう見えても、意外と仲間思いなのである。
「・・・着替えて寝るか。」
「あぁ、そうしよう。」
そう言ってタンスから着替えを取り出す一夏。
「・・・一夏、糸が出てるぞ。」
その後ろポケットから、糸が飛び出していることに気付く。
「ん?・・・まt」
一夏が制止しようとした寸前、箒はそれを吊るために引っ張った。
デェェェェェェェン!
「・・・クラッカー!?使い切ったはずでは!?」
仕舞う振りをして使っていたのに何故と、驚きを隠せない。
「残念だったな。トリックだよ。(・・・ん?)」
しかし、そんな余裕を噛ましていられるのも今の内である。
「織斑ァ!篠ノ之ォ!今の音は何だァ!?」
目敏く聞きつけた織斑先生が、やって来た。
「「こっちへ来て確かめろ!」」
こうなっては、逃げる手段がない。
「遠慮させて貰う!!リア充・オブ・クラッシャー!!」
別に好きこのんで一緒の部屋にいる訳ではないのに、リア充扱いされても困るだけである。
その時、ドアの向こうから、何かを突き刺した音が聞こえた。
そう、
「手前等は、もう終わりだ!!」
カチッ!
ドォォォォォォンッ!【0/2000】
鳴り響く非常ベル、作動するスプリンクラー。
集まった野次馬達は、その惨状を見てこれは絶望的だと手を合わせ、念仏を唱えた。
前話で【熱盛ィィィ!!】を使ったら、作Bから『組合員にそれは受けないだろ。』と言われ、結構ショックを受けている作Aです。
*編集しました