色々と申し訳ないです…。また変なテンションで書いてたためおかしいことになってました。
それではどうぞ
英雄王様が私の中に引っ込むと同時に、私は、全力で走った。
足元が凍ってるせいで何度も足を取られかけたけど一度も転ぶことはなかった。
距離にして40メートルほどだろうか。
霊力がほぼ尽きているとはいえ、まだ精霊としての高い身体能力を維持できており、4秒くらいで指示された場所についたと思う。
けど、ASTの人間は、そんな私を簡単に逃がしてくれるはずもなかった。
「⁉︎」
「にがさない…!」
曲がった直後に、後ろから肩を何かで貫かれた。
一度味わったことのある感触だった。
前にも、十香と五河君が、会って間もない頃に、二人が話し合うために、その時間稼ぎをしてその時に負った----とは言ってもあのときは霊力切れ、ではなく索敵を怠った結果なんだけど-----その時とは状況が違えど、
全く同じ殺気、技量、武器で肩を貫かれ、空間転移をする前に私は痛みのあまりその場に転げてしまった。私を貫いた人が誰かなんて確認しなくてもわかる。
あの、白い髪の、クラスメイトでいつも十香と言い争いをしてた人だ。
「痛っ……」
「……」「どーも、ナイスです」
そこにマナもやってきた。所謂、絶体絶命、かな?
……ははっ、情けない。英雄王様に逃げる手はずまで整えてもらったのに。
「さて、【アロガン】。覚悟はいいでやがりますか?ダメと言ってもやりますが。心残りがあるなら聞いてやらねーでもないです」
「……そうだね。2つくらい…心残りがあるかな…」
「へえ、それはなんですか?」
「……マナ、今からする質問にちゃんと答えて…よ?答えてくれたら、私はおとなしく命を差し出すよ」
「…なんでやがりますか?」
そこで、私はずっと疑問だったことを、マナに投げかけてみることにした。だって、どうせ-------なんだから
「ねえ、マナ。……なんで、なんでおじさん達を殺したの…?あの人たちは関係なかったはずだよね…?」
「は…?」
マナは意味がわからない、と言った顔をしてきた。
それでも構わず、私は口を開けた。
「私が、精霊の力を得た日から、私はこの世界にとって災厄。そんなことはわかってる。そんな私を放っておくわけにもいかないから、殺そうって考えのASTも理解できるし、君たちの主人が私から力を奪って無力化しようって考えもわかる。
…でも、なんで?なんで私を殺さずに……叔父さんを…叔母さんを……
「い、一体……なんの…?」「?」
「私は…それを許さない。
人を殺すのは、嫌い。
だけど……アイザック・ウェストコット、エレン・
絶対に」
「い、いやいや、ちょっと待ちやがれです!私は、アロガンの家族は精霊となんの関係もなかったから全員記憶処理をして生きて返した、って聞いてやがりますよ⁉︎何かの間違いなんじゃ……」
「間違いなんてことは……ない。絶対に。映像でしっかりとみせつけられたんだから。しかも、
「な…⁉︎」
その言葉を発すると、マナは小さく嘘だ嘘だ…と呟きながら動揺した。
…うん。そうだよ。
と、動揺してるマナとそれに驚いている一人のASTの元に、1つのエネルギー弾みたいなものが降ってきた。
二人に当たりはしなかったが、粉塵を巻き起こした。
「「⁉︎」」
「英雄王様……私なんかのためにここまで…ありがとうございます」
(気にするでない。我が臣下を目の前で殺させる王がどこにいる。それにただ我の失態に対して我が尻拭いをしただけのことだ)
「はい…それでも、心から感謝します、我が王……。…いてて、早く…いかないと…すぐ目の前なんだから……」
痛む身体を無理矢理起こし、言われた場所へなんとか向かう。あと五歩前へ進めば辿り着く。そう思うととても安堵した。
「に…がすかぁ!」
「きゃ…」
憎しみや憎悪といったあらゆる負の感情が混ざったかのような大声とともに、私のお腹に激痛が走った。
同時にとてもお腹周りが暖かくなった。
「ぁ…」
「……」
なんとか動く首を動かして、後ろにいる人間を見ると、それは…
「精霊は、絶対に、逃さない。何があろうと…私は……精霊を殲滅する」
白い髪の、クラスメイトだった人だ。
「……これ、もうちょっとで死んでた気がするなぁ…。でも…残念。もう
「⁉︎」
「じゃあね…人間さん。あ、そうそう……マナに、
喋ると、口の中に赤い液体がたまって喉がつまりかける。が、辺りが光り始め、人間が慌てるもすぐに空間転移が始まった。
そこで私の意識は途切れた。
目がさめると、無機質な白い空間にいた。
ピッピッという規則正しい電子音が鳴り響いていた。
それと同時に、規則正しい寝息も。
首を回してあたりを確認すると、一度見たことのある場所だった。
確か、ラタトスク、だったか。そこの治療部屋みたいなところだったはずだ。
私の体には、よくある手術とかするときにつけるような、薄緑の透明なマスクみたいなのをつけられており、右腕に点滴を打たれてた。
寝息のする方をよくよく見てみると、蒼い髪があり、傍らにはパペットが。
確か、あの巨大な氷ウサギの天使を操っていた子だ。
ガチャッ
状況確認をしていると、ドアが開き、そこから3人ほど入ってきた。
「…っ!神夏!目を覚ましたのか…!」
それは、五河君と……えーと、確か村雨令音先生?と、十香だった。
「……どういう状況?ついでに言うと、どれくらい私寝てたの?」
「1日と8時間くらいよ。四糸乃の霊力を封印した後あなたを探したら、やたらと弱った状態で私たちの家に倒れこんでたから急いでラタトスクに連れてきて治療したのよ」
と、また一人入ってきて、その人が説明してくれた。確か五河君の妹だったかな?
「ふーん……。で、この子はなんでここに?」
「神夏の側から離れたがらなかったんだ。よっぽど懐かれてるんだな」
「……この子に何か特別なことをした記憶がないんだけど……まあいいか。……そう、か。この子の霊力も封印することに成功したんだ。よかったね」
小さな寝息を立てている子の頭を優しく撫でると、くすぐったかったのか小さく声を漏らした。
この時、神夏の理性が飛びかけたらしいがそれはまた別の話。
「〜〜……ッ、ふぅ、死にかけてたところを、どうもありがと。お礼はまた後日に改めて言うから、今日のところは帰らせてもら……えそうにないね、これ」
「当たり前じゃない。精霊とはいえ、あれだけの重傷を負ってたんだから。検査が終わるまでは帰らせないわよ。ついでに、あなたについて教えてもらえると嬉しいんだけど?さらに言うと貴女に言いたいことがある人が若干名いるのよ」
令音さんによる無言の点滴等の改修が終わったので、体を無理やり起こして帰ろうとするも、十香と五河妹に立ちはだかれた。
「五河妹さん。それは私の霊力を封印したいからとかそう言う感じ?その件なら私は今までに何回も断ってるはずだよ?」
怒気を含んだ視線で妹さんを睨むと、そんなものなんてどこ吹く風、と言った様子で
「まあ、それもあるわね。けど、先に…ほら、十香」
「う、うむ…」
五河妹に促され、十香がオドオドしながらも前に出てきた。
「か…神夏ギル。その……なんだ。悪かった」
「…?私、なんかされたっけ?君の愛しの五河君には何かした記憶はあるけど」
「愛し……っ⁉︎ああ!もう!こんな感じでからかわれる気がしたから嫌なのだ!」
「ていうか、本当に何かをされた記憶がないのよ。実をいうと、この子の名前も、わからない」
よほど疲れていたのか、まだ寝ている蒼い髪の子を撫でると全員に驚かれた。
「で、まあ、その辺りとか、二度も助けてもらったわけではありますし、私については後々話すことは約束するから、十香、もうこれ以上用はない?」
「まだ終わってはいない!スゥーーハァーー。神夏ギル、その、なんだ……。この前は、よくわからないことで、関係ないのに怒鳴り散らして悪かった……」
と、謝られた。てか、そんなことされたのね。
「うん、まぁ別にいいよ。記憶にないし。そんな気にしなくていいよ」
「だが!お前がシドーを貫いた件に関してはまだ許してはないぞ!」
「お、おい十香。それに関してはもう…」
「別に、私も許してもらえてるなんて思ってない。私のしでかしたことの罪の重さは自分が一番わかってる」
「いやいや!神夏、それに関しては俺はもう気にしてないから!」
五河君が気にしなくても私が気にするのです。
閑話休題
その後、部屋の中には五河君と、起きた四糸乃とよしのん、私だけという状況にしてもらった。
映像、音声も、インカムも今回だけは、許した。
別に聞かれて困る、といったことはないから。私のことを知ればきっと離れてくれると思ったから。
「えーと、そうだな。五河君は何が聞きたい?」
「できるのなら、神夏について、かな?精霊の力云々、じゃなくて、神夏自身について」
「私自身のこと?えーと、そうだな。胸はAでしょ?3サイズに関しては測ったことないから知らない。好きなタイプは、うーんそうだな。四糸乃みたいな子はどストライク。控えめに言ってオタク。ひどく言うと声豚&英雄王に責められたい願望あるM…」
「ちょっ、ちょっ!ストップ!ストップ!」
「えー、なにさ」
「絶対意味が違うことわかってるだろ⁉︎」
「私のことを知りたいんでしょ?だから懇切丁寧に私自身のことを教えてあげてるのに、なにが不満だと言うの?」
「……違うんだ、そうじゃない。俺は……」
……どうしよう。茶化すつもりだったのに真面目な顔になられた。
「あー、はいはい、ごめんなさい、私が悪かったからそんな堅っ苦しい顔しないで。
……そうだね。……五河君ってさ、誰かを殺す、なんてことをしたことあるわけないよね?」
「は…?あ、当たり前だろ」
「自分の目の前で、誰かが死んだ、ってのを見た事は?」
「い…いや、無い……と思う」
「そう、じゃあ目を閉じて、今から私が言うことを想像して見て」
そう促すと、五河君も、四糸乃も目を瞑った。
「まずは自分の大切な人……そうだね、家族あたりを思い浮かべて。誰でもいい。……思い浮かべた?」
「あ、ああ」「はい…」『思い浮かべたよー』
よしのんまでやってるらしい、まあいいけど。四糸乃たちの場合はお互いに想像してるのだろうか。
「……じゃあ、次だ。……はい、二人ともこれを持って」
「?なんだ、これ」
「まあいいから、二人で、これを持って。……それじゃあ、始めようか。
神夏に言われるがまま、目を瞑り、自分の大事な人-----色々たくさんいたので、琴里を思い浮かべた。そして、神夏に言われた通り、何かを持った。何かの棒のような、そんなものだった。それに俺と神夏、四糸乃、よしのんの手が重なる。
「さて、二人…三人?とも、大事な人の元へ、帰っています……」
いつもの、玄関を開けて、そこに琴里がいる場所を想像する。白リボン---無邪気な姿か黒リボン----高圧的な司令官モードのどちらにするかは迷ったが、白リボンの方を想像した、
「すると、大事な人で家族であるはずの、相手に激しい拒絶をされます。その人に、家族ですらない、と言われます」
「……っ!」
すると、目を閉じて真っ暗だと言うのに、その光景がはっきりと、見えた。
(嫌っ!近づかないで!)
聞こえるはずのない幻聴まで聞こえてくる。
(お願いだから、消えて!)
心が、よくない感情に蝕まれる。
吐き気が襲ってきたが、なんとか耐えた。
「そして、その数十秒後には、血にまみれた家族が」
今度も、はっきりと映ってきた。
ありとあらゆる武器で、串刺しにされた姿の、琴里。
血が大量に、流れ出ている。
どうあがいても、助からないだろう。
「……っっ!」
「〜〜〜……!!!」
「……二人とも、辛いなら、やめる?」
「い、いや…だ……いじょうぶ…だ」
「わ…たし、も……。だい…じょう……ぶです」
『僕も…ヘイキ、だよ』
あの陽気なよしのんまでもが、声に覇気がない。
神夏は優しく言ってくれたが退くわけにはいかなかった。
「そ……。それじゃあ、続けるね。
……血まみれの家族には、幾多もの武器が突き刺さっていました。そして、なにか感じます。
……まるで
すると、急に琴里に突き刺さっている武器の長さ、特徴…、それに、どう刺さっているのかが手に取るようにわかった。
そして…
「そこで、これは自分が起こした惨劇だということを理解します。理解した直後、玄関のドアを誰かに蹴破られます。そこから、見ず知らずの人が、入って来ます。轟音に驚いて見に来た人たちでした。
すると……なんと、家に入って大切な人の亡骸をその他大勢の人が見た瞬間に、大切な人と同じように、串刺しになったのです」
近所の人たちが、いつも挨拶をしてくれる人が、商店街の人たちが、入って琴里を見ると同時に、色々なところから現れた武器で、串刺しにされていった。
自分の意思とは、無関係に。
体の中をよくない感情が支配し、力を暴走させていた。
心の中で必死に、やめろ、と叫ぶも意味はなく、とうとう無差別に武器が発射されていく。
より一層、体が絶望といった感情を支配していった。
そして、憎悪という感情も。
「もう、自分でも気づいていた。これは、
空を飛んで、下を見下ろすと、沢山の人がこっちを見ながら指をさしたり、カメラで撮ったりしていた。
「すると、また、力が、暴走をした。武器の発射口がたくさん出現し、下に溜まっていた人間を、一人残らず、殺し尽くした」
憎悪の感情をもって、下にいた人たちを全てを、殺して、殺して、殺しつくす。
「気付くと、あたりに人間は一人もいなかった。
家族も、近所の人も、学校でよく話した人も、誰もが、串刺しになっていた。
一旦冷静になれて、地面に降り、血溜まりの中を、歩く」
これは、悪い夢だ、と思いながら、死体をかぎ分け、歩く。武器は気付くとすべて消えていた。
この全てを、俺が、殺した。
この手で。
家の中に入れば、きっと全て夢となって、元に戻ってる。そんなことがあるわけないのに、そう思いながら、家の中に戻る。
「しかし、自分の家に入ったことで、より深い、絶望を、味わうことになり、そこで意識はしばらく途切れます」
琴里の、血まみれで、穴がたくさん空いた身体を見て、これにならない絶叫を、雄叫びをあげ、そのまま意識が途切れた。
はい、どうでしょうか…。今度は……大丈夫、なはず…。
最近、疑心暗鬼にならない時の方が少なすぎてやばいです…。
と、とりあえず楽しんでもらえたら幸いです。
読んでくださりありがとうございます
サブタイトルあったほうがいい?
-
あったほうがいい
-
無くてもいい