デート・ア・ライブ 黄金の精霊   作:紀野感無

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今回で原作6巻に突入。

神夏が救われる物語にするのにどこのタイミングがいいのか探り探り作っていきます。
また大まかな流れを組み立てなければ…。

一応○○が出てくるあたりでどんな展開があるかだけは決まってるんですけどね


そういえばデアラ最新刊がもう直ぐでますよ。みなさん買いましょう
表紙の絵を見ただけで鳥肌立ちました。ほんとヤバいです。


茶番はこの辺で、それではどうぞ。


第6の精霊の物語
38話


「…はい、治療完了だ。だけどしばらくは安静に。…重症を負ってしまった君に言うのも酷だとは思うがシン、本当によくやったと思うよ」

 

「はは…俺も無我夢中でしたので」

 

あれから俺は気を失っていたらしい。

目が覚めたのは一日経ったあとだった。

そして今、医務室で最後の治療を済ませ、そのまま再度バイタルチェックをしてもらった。内臓などは奇跡的に無傷だったらしい。

 

……あと、すごい左腕が重い。

 

「それで…ひとまずは目標達成、と言えば良いのかな?」

「多分…これが心を開いてくれているのか分かりませんが…」

「側から見ると心を開いているというよりは…溺愛している?」

「ですよね…」

 

そう、左腕に神夏がくっついているのだ。四糸乃と一緒に。

ちょっとでも離れようとするならすごい不安な顔をする。

…これは心を開いていると言っても良いのか?

 

「観測データの方ではどうなってるんですか?」

 

「ふむ…四糸乃に対してとはまた違った反応になってるね。君が離れようとすることに対して恐怖を抱いていると言えば良いかな?四糸乃がよしのんが離れることで心が不安定になるようにね」

 

「なるほど」

 

急にこうなってしまったが、前までの反応を考えると良くなったと捉えて良いだろう。ただ…。

 

「令音さん、俺…」

「しばらくは神夏と共に過ごすしかないだろうね。君と離れようものなら自殺しかねない」

「…わかりました」

 

まあそうなるのは分かっていた。元よりそうするつもりだった。

琴里のことも怖がっていたが大丈夫なのだろうか。

 

 

 

 

〜その日の夕方〜

 

「か、神夏…危ないからちょっと離れてくれないか?」

「……」

 

結論から言って大丈夫だったのだが…料理の時すらくっついている。

ものすごい頼られてるという感じがして悪い気はしないのだが…刃物を扱っている時だけは本当に危ないから離れて欲しい。

 

「神夏、すぐに終わるから待っててくれないか?」

 

「…」

 

そう言うと神夏はまな板の上の食材を、皮の剥かれたジャガイモに人参を見て右手を向けた。

すると突然黄金の波紋が現れてそこから武器が射出され、野菜を切り…もとい斬られた。と言うよりは、まな板やシンクごと貫通してる気がする。

 

「…はは、ありがとうな。でも…次からそれは無し。いいか?」

 

「…?」

 

神夏なりの手伝いのつもりだったのだろう。代わりに台所が壊滅しかけたが。

…ここにきたばかりの十香を思い出すな。

 

そこからは頑張った。片腕しか使えない状態で。本当に頑張った。

 

「琴里ー、十香ー。運ぶの手伝ってくれー」

「分かったわ」「分かったのだ!」

 

神夏はご飯を食べるのは流石に一人でやってくれた。まあ、四糸乃を抱いてはいるが。

 

 

 

 

…さて、これからどうするべきか…。神夏の記憶が戻るように尽力すべきなのか、それとも…このまま霊力を封印させてもらえるまで好感度を上げるべきなのか…。

 

ただ、それ以上に、だ。

 

「これは流石におかしいだろ!」

 

寝ることすら共にとは思ってもいなかった。俺が離れたら何が起こるのかわからないのはわかるけど。しかも四糸乃いないし!

 

「…l have a question for you。Can I ask you?」

 

「え?」

 

そんな時だった。全くこれまで喋ろうともしなかった神夏が突然喋った。ただ、何を言ったのかがすぐに理解できなかった。

 

「…ok?」

 

「え、えーと…あー、ソーリー、ワンモアタイム…」

 

「I have a question for you。Can I ask you?(あなたに質問があります。聞いてもいいですか?)」

 

えーと…私に質問があります、ってことか?えーと…

 

「お、オーケイ。アスク、ミー…えーと、サムシング(いいよ、なんでも聞いてくれ)」

 

「…What’s your name ?(あなたの名前は?)」

 

「へ?え、えーと…マイネーム、イズ、シドウイツカ」

 

「…シドウ、My name is Gil Kamiya。l understand Japanese。Why do you like me?(私の名前はギル カミヤ。日本語もわかります。なんで私が好きなんですか?)」

 

神夏が聞いてきいたのは、…聞き間違いじゃなければ何故私が好きなのか。えーと…なんて言えばいいのだろうか。

 

「…わた、し、貴方と…会ったこと、ない…。貴方、私大切て、言った。私も…貴方が、大切…。なんでか、わからない…。でも…何故か貴方が、離れると、私、とても、怖い…。あの小さな子よりも、貴方離れるのが、居なくなるのが、とても…怖い」

 

震えながら神夏は必死に伝えてくれた。

俺と会ったことがないと言うことは…記憶喪失なのは確実か。でもどこまでの記憶がないのか…。

 

そして、神夏が大切な理由。

 

今までは精霊だから、辛い様子の彼女がいたたまれなくて、助けなければ、と思った。

 

 

でも、多分そうじゃない。

 

 

きっと…俺は…

 

 

「…俺は、ずっと元気な神夏を知っていてな、神夏が辛いことを背負っていることも知っている。神夏が何を経験してきたのかを、断片的にしかわからないけど、それらは俺にお前を大切だと思わせるには十分すぎるものだ。他のみんなだってそうだ。

精霊だから守るんじゃない。

みんな辛いことを背負っていて、それで自分を責めて、自分を傷つけていて、それが俺にとってもとても辛いから、みんなを助けて、守りたい。

もちろん神夏もだ。十香に四糸乃、琴里に耶倶矢と夕弦も。

この世の全ての辛い人たちを守るのは俺には到底無理だけど、せめて俺の手が届く人だけでも、守ってみせる」

 

思ったことをそのまま伝えると神夏はすごいキョトンとした顔をした。

そのすぐ後に小さく微笑んだ。

 

「…なんで、大切なのか、分かった…気がする。貴方、私の大切に、とても似てる。…あと、ここ、どこ?私、イギリス、いた。気づいたら、ここ。どこ、なの?」

 

「ここは日本だよ。神夏は近くの高校で俺と同じ学年なんだよ?」

 

「え…私、まだ、ジュニアハイスクール…。え?私、ハイスクール?」

 

「ああ、そうだよ。記憶がなくなってるからかその辺あやふやだよな。うん、明日しっかりと話そうな!知らないこと、なんでも…は難しいけど俺が答えれる限りのことを教えてやるよ」

 

 

 

 

 

 

〜9月〜

 

時が経ち9月8日。あれからだいぶ神夏は慣れてくれた。琴里や他の精霊達にも。それに加えて辿々しいが会話をしてくれるようにもなった。ただ記憶喪失はどうしても治りそうになかった。令音さん曰く、本人が思い出すのを無意識のうちに拒んでいるとか。

 

キスをして霊力を封印してみたらどうかという意見もあったが、それをしようにもそこまでの好感度ではないこともわかっていて、意気込んだもののすでに手詰まりだった。

好感度が高い、というよりは依存と結論づけられた。

 

そして俺から離れようともしないのも変わらなかった。あと外へ出ようともしない。正確には俺が外へ行くとついてはくるが。自ら外へは決して出ようとしなかった。

何をするにも俺と四糸乃の側から離れようとはしなかったから、必然と俺と四糸乃、神夏という三人組が出来上がっていた。が…ひとつだけ問題がある。

 

「…今日から学校なんだよなぁ…」

 

そう、学校が始まってしまう。

このまま登校したら確実にまずいことになる。

 

「私も副担任としてサポートするから、頑張ってくれ。神夏は、君と一緒なら構わないと言っていたから」

「はい…」

 

令音さんと話している最中も四糸乃を抱きながら俺の左腕に神夏はくっついている。慣れたとはいえ…流石にこのまま学校に行くのはまずい。

 

「神夏、学校にいる間はこういう風にくっつくのは無し…ってのはダメか?」

「…No」

「はは…だよな。でもこのままだと神夏も勘違いされちゃうぞ?」

「勘違い?」

「あーその、俺と付き合ってるとかなんとか、色々噂されるかも…」

 

「それだ」

 

神夏と話していたら令音さんが急にそう言う。

…まさかとは思いますけど

 

「もしかして令音さん。その、それだ、っていうのは…」

 

「そのままの意味だよ。学校では神夏と付き合ってるとして仕舞えばいい。そうすれば多少は…」

 

「いやいや!それは…」

「…?」

 

神夏は何を言ってるのかよくわかっていなかったが…ええ、大丈夫なのか?

 

「とりあえず行ってからでないとなんとも言えないね。…かんばれ」

「はぁ」

 

しょうがないか…。俺一人が犠牲になって神夏が守れると言うなら安い…やすいものか。

 

「じゃ、じゃあ神夏、それでも大丈夫か?」

 

「付き合てる…て、シドウ、私のボーイフレンド?」

 

「あ、ああ…その、いいか?」

 

「…イイ、よ。それで、シドウ、困らない…なら」

 

「あ、ああ。ありがとう、神夏」

 

ただ、どうしても波乱が巻き起こるのは確実だろう。どうするべきか…。

 

 

 

 

 

〜学校にて〜

 

「チックショオオオオ!見損なったぞ士道!十香ちゃんに鳶一嬢がいながら!」

「殿町…なんか、すまん…」

「謝るんじゃねぇ!惨めになっちまう末長く幸せにしろよこんチクショオおめでとう!」

 

案の定学校に到着するや否や、全員に質問責めにあった。特に女性陣が神夏に色々聞こうとしていたから何とかそれをブロックする。だって全員殺気すげえんだもの。それで神夏が怖がってしまったから必死に守った。

他男性陣には俺がボコボコにされたが。

 

「…シドウ、Sorry(ごめんなさい)…」

「いや、気にするな。この程度なんてことないさ」

 

隣の席に座った神夏が心底申し訳なさそうに伝えてくれ、それをみた女性陣がまた騒ごうとしたが先生により記憶喪失のことが告げられ、一応は収まった。

噂で記憶のなくなった神夏をこれ見よがしに手篭めにしたとかなんとか言われていたが気にしないことにした。でないと俺の心がもたない。

 

「なあなあ、どこまで行ったんだ?キスくらいはしたのか?デートとかは?」

「…殿町」

「いーじゃんかよ!親友の恋路は気になるもんだろ!」

 

騙してるという罪悪感が押し寄せてくるがここはグッと堪える。

令音さんと事前に決めていた通りの設定を口にする。

 

「まだ数回デートに行ったくらいだよ。神夏自身が外に出ることを怖がってたからな。家の周りをゆっくりと歩いてまわったりとか、そんな感じだ」

 

「くぅー!いいねぇ!青春してんねえ!チクショウ!」

 

殿町は羨ましがりながら悔しがってどこかへ走っていった。

 

「…シドウ、ごめん、なさい。迷惑…かけ、て」

「ん?ああ気にしなくていいよこのくらい。いつもこれ以上に恥ずかしい目にもあってるからな」

「?」

 

訓練で黒歴史バラされたり公衆に広められたりするよりは断然マシだ。

…ただ、ずっと視線を送られてるのが気がかりだ。

 

「…Sorry、私…何か、ついてる?」

 

「……」

 

そう、折紙だ。ずっと神夏を睨んでる。昼休憩には一度呼ばれ、事のあらましを聞かれた。

 

それもそうで、折紙はASTに所属していて精霊を殺すのが目的なのだ。ずっと煮え湯を飲まされていた相手がこの状態なのだ。狙わないはずがない…と、思っていたが、折紙からは

 

(なぜ付き合ったの)

 

と、最終的に聞かれた。というより大半がそれに関してだ。

…なんで?

 

「彼奴らの喉を噛み千切らん!」

「「「「おおおおおお!!!」」」」

 

教室で帰る準備をしていたら同じクラスの亜衣とその親友の麻衣、美衣の女生徒三人組が突然壇上に立ち(ほとんど聞き取れなかったが)今年の天央祭というここら一体でやる祭へのやる気を煽っていた。

煽られた生徒は皆雄叫びをあげていて神夏はもちろん、十香ですら怖気させていた。

 

「シドウ、皆、戦争、する?」

「はは…まあある意味戦争…?かな」

「戦い…なら、少し、役に…立つ」

「いやいや、実際に殺しあうわけじゃないからな?」

「?」

 

神夏は神夏で戦いと聞いて黄金の波紋を展開しようとしていた。慌てて止めて天央祭について一から説明した。

その際に十香と折紙でまたイザコザがあったりしたが、その辺はいつものことなので割愛しよう。

 

 

その後、殿町が俺を天央祭の実行委員に仕立て上げるとは夢にも思わなかったが。

神夏がいるからと弁明しても、私達みんなでサポートするから大丈夫!、と押し切られてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜???〜

 

「ほう、AAAランク精霊『プリンセス』に精霊の力を扱う少年。更には私達が取り逃がしたSランク精霊『アロガン』か。そんな三人が同じ学校に通っているとは、確かに興味深い」

 

「は。更にマイラ・カルロス程度なら瞬殺までできるほどアロガンは力を洗練させています」

 

「そうだね。確か傲慢な口ぶりでない時は、SランクどころかCランク程度のものだったが…そうか、そこまで成長していたか」

 

「はい、更に私達が発現させていた『魔王』も鳴りを潜めていましたが、潜めているだけで内部には『魔王』の片鱗がいることも確認できました」

 

「そうか。やはり抑え込んでいるのは彼女の()にいる英雄王ギルガメシュのおかげだろうね。それで…その魔王はどうだった?勝てるかい?」

 

「…正直に言いますと真正面からでは無理でしょう。右腕のみで私たちを全滅させかけましたから。ですが、彼女の魔王には慈悲が残っている。それを利用すれば容易いかと。無論、こちらも無事では済まないでしょうけど」

 

「うん、なるほど。じゃあ…数年越しの再会になるわけだ。楽しみだね」




次回、新たな…精霊が現れる、かも?

ご存知あの方。
さあ修羅場ですよ楽しみです(ゲス顔


読んでくださりありがとうございます

サブタイトルあったほうがいい?

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