みんなも買うよね?(
あとデアラ4期おめでとうだぜ!
歓喜です、ええ、歓喜ですとも。
それではどうぞ
「な、なんだ……アレ」
「さあ!王国が反転した。控えろ。人類。
魔王の凱旋だ」
エレンに腹を刺された士道は、傷口を炎が舐め、ようやく意識が戻ったが、十香の様子がおかしい事に気付いた。
霊装を纏っているのだろうが、それが、普段の十香とまるで違うことに。
紫を基調とした、いつもの真逆と言えばいいのか。
まるで、今の神夏ギルのようだと、感じていた。
「くふっ、くふふふ」
「何がおかしいのです?」
「いやぁ、私の感情を、私は理解ができなかった。だが……私の中に未だ燻っている英雄王。お前のおかげで、わかった。
私は、私に振り向いてくれない五河士道に嫉妬していた。気にくわないだけだ。私を見てくれないのが。
それに滑稽なことに神夏ギルの中であの男が五河士道に成り代わっている。それは嫉妬するはずだ。なぜ気づかなかった。
でもそれ以上に、五河士道を殺されるのは私の体が受け付けないと言うのもよくわかった。
けどまぁ……我が同胞のあの姿は改めて見て思う。完璧に私と同類に成り果てた。それに加え、
神夏……いやルシフェルは、高らかに笑い何かを言っていた。
そしてメイザースと向かい合っていた。
「そうですね。完璧な反転体です。それが私たちの前に二体もいるのです。その二つを得られたなら私たちの悲願に近づくことでしょう」
「デェモォ、君は、私には構っていられない。断言できる」
「何?」
「ふふ、今にわかる。君は、私に構ってなどいられなくなる」
「私を、無視するな。人間」
十香の声によって神夏たちへ向けていた士道と美九の視線が十香へ引き寄せられる。
十香はどこか怒っているような、そんな顔をしていた。
「なんだここは、と聞いている」
「え……?」
士道には十香が何を言っているのか一瞬理解ができなかった。が、神夏の状態……つまりは、反転している可能性を考えてしまった。
しかし、ルシフェルが現れたとき彼女は状況を把握できていた事を思い出し、何か違うと感じていた。
「貴様、答えろ。ここはどこだ」
「え?ええと、DEMインダストリーの日本支社……じゃないんですかー?」
「聞き覚えがないな。なぜ私はこんなところにいるのだ?」
「いや、そこの
士道だと返答がもらえない、と思ったのか十香は美九に聞く。
美九は元凶のエレンとウェスコットを向き、十香もそれを追うようにそちらに目をやった。
「……それに、だ。なぜ貴様がいる」
「君を助けに来た、といえばわかるかな?【
「私を……貴様が?」
「信じられない、といった顔だねぇ。我が同胞」
「貴様に同胞と呼ばれる筋合いはない。貴様は、元より私とは存在そのものが違う」
「釣れないなぁ」
十香はルシフェルとまるで見知った仲のように言葉を交わしている。
互いに認識がある、という事だろう。
それを士道たちが知る由も無いが。
「エレン、今回は十分な収穫だ。魔王の顕現を見ることができた。いかに君とはいえど魔王二人相手は厳しいだろう。だからここは引こう」
「わかりました」
「ほら、臆病者はにげる。定石だね」
「黙りなさい。貴女ごときがアイクを罵倒など、許されません」
「へえ」
ルシフェルは右腕をあげ、そして勢いよく振り下ろした。
すると、いつか見た黒い雷のようなものが辺り一帯に落ちた。
エレンたちはおろか、美九に十香まで巻き込んでいた。
十香は巨大な剣で、美九は音による壁で、エレンは魔力による壁で防いでいた、
「ふふーん。やっぱりこの程度は防ぐよねぇ。うんうん。じゃあ次は……」
「小癪な」
「っと」
再度ルシフェルが腕を振り上げると、十香は鏖殺公のような巨大な剣でもってルシフェルに肉薄した。
ルシフェルは剣を蹴り、十香に腕を伸ばし、十香はそれを弾き、互いに攻撃をさせないかのように戦闘を始めた。
「エレン、君も傷を負っているんだろう?万全を期して次に挑もうじゃないか。ここで魔王が共倒れしてくれたらそれはそれで儲けものだからね。だから今は退こう」
「ええ、わかりました」
「悪いが、ここで失礼させてもらうよ。生き延びたならまた会おう。タカミヤ……いや、イツカシドウ」
「え……?」
ルシフェルと十香が互いに殺気を放ちながら戦闘をしているというのに、士道は聞こえたウェスコットの言葉に眉をひそめた。
崇宮。確かにウェストコットはそう言った。士道の妹を自称する、真那の姓を。
「ちょっとまて、あんた、俺のことを知ってるのか?」
「いいや、知らないさ。
言い終わると、ウェスコットはエレンに抱えられ何処かへ飛んでいった。
ドガン!
「ぐぅ……痛いなぁ、
「貴様に手加減だと?笑わせるな。本気を出していないだけだろうに」
突然、何かが吹っ飛び、俺の真上の壁に激突した。パラパラと粉塵を巻き上げながら落ちてきたのは、ルシフェルだった。ルシフェルの胸には大きい一本の傷が出来ていた。
が、それもすぐに治っていたが。
「五河士道、君は邪魔だ。今すぐこの場から消えてほしい。その方が巻き込まないで済むしね。今から私が使うのは……見境、ないから」
「見境が……?どういう」
「ふふ……わす、れた?私の力が扱う、もの……は、なにか」
士道はそう言われ思い出した。ルシフェルが扱うものは
『人類の敵』だという事を。
「傷が浅かったか。貴様はこの場で消しておくとしよう。せめてもの情けだ。苦痛の間も無く消してやる」
「ふふ……無理だ。今から扱うのは、本当の意味での、人類にとっての、害。悪、敵だ。日本古来の鬼や、蛇の化け物、暗殺者集団なんかの人間が作り出したものの比にならない。文字通り、人類の敵、だ。五河士道、早く、消えろ。でないと、命の保証を、出来ない」
士道はそう言われるも、救わねばならない、そう更に強く思ったからこそ、即座に返答をする。
「断る!俺は十香を助けに来た!それにルシフェル、
命の保証ができない?なめるなよルシフェル。俺はいつだってそんな状況に立ってきたさ!今更どうってことはない!」
士道の言動は、聞くものによっては蛮勇に他ならないだろう。
だがそれでも、士道にとって譲れないことだった。
士道にとって、十香は、神夏ギルは、精霊の皆は、それほど特別に他ならないのだから。
そんな彼女らを救うためなら、自らの命すら賭ける、士道はそう誓っているのだから。
「……知らないよ。……………。
我は門を知れり。汝、見ること能わず。
我は禁断の
「ふん。【
ルシフェルが何かを唱えたと思うと、十香は剣を、ナヘマーと呼んだ剣を無造作に、ルシフェルに、俺たちに向かって振り抜いた。
「ぐ……っ」
士道は前に出て手に持っていた鏖殺公で、防ぐ。
転げずに済んだものの、両手が激しく痛んでいた。
「ちょっと、あなた知り合いじゃなかったんですか?助ける必要ないくらい激強じゃないですかー。ていうか、さっき胸貫かれてましたよね。なんで生きてるんですかー」
「俺も、何が何だか。神夏と同じ……のように見えるけど。あと、特異体質なものでな。あとで説明する」
士道は美九からの問答に答えながらも片時も十香から目を離してはいなかった。
僅かでも離すと殺される。
そんな予感がしていたから。
「やはり【
十香の視線は、顔は、明らかにこの場の全てに対して明確な敵意を持っていた。
「十香!おまえ……どうしちまったんだ!俺のことを覚えていないのか⁉︎」
「十香……?私のことか?」
どうやら、士道たちのことはおろか自分の名前すら忘れている様子だった。
「……どうすれば」
『……どう!士道!応答しなさい!士道!」
「!琴里!」
そんな絶望的状況の中、士道の耳に聞き慣れた声が響く。
どうやら、ジャミングが解除できたのか、通信ができたらしい。
『何があったの⁉︎』
「わからねえ!俺がエレンに胸を刺されてる間に十香の様子がおかしくなっちまったんだ!なあ、あれどう見ても神夏と……」
『……っ、ええ、恐らく。同じよ』
「そう…か。なあ、琴里。あの十香も封印できるのか?」
『それは、わからないわ。例がないもの。でもそれ以前に、今の十香の士道に対する好感度じゃ不可能よ』
「じゃあ一体どうすれば……」
『十香の意識をこっちに引き戻すしかないわ。可能性があるとすれば……』
そして琴里はその『可能性』を述べる。
それを聞いた士道は、ゆっくり、息を吐いた。
「結局、やることは変わらないってことか」
『ええ。でも一番は神夏がどう動くかよ。彼女の気まぐれで、私たちの生死は決まると言ってもいい』
「何をごちゃごちゃと言っている」
十香は焦れったいとでも言うように、士道たちを睨み、ナヘマーと呼ばれている巨大な剣を士道たちに向ける。
「貴女を、悪い子を今から叱りましょうって事よ。
そんな十香へ、立ち直ったルシフェルが風貌を変えて向かい合う。
魔女のような帽子をかぶり、額には鍵穴のような真っ黒いアザのようなものが。
そして両の手には巨大な鍵のような錫杖を持ち、背後には巨大な鍵を円形に束ねたようなものが浮遊していた。
「異端のモノが、偉そうな口を。そのようなマガイモノの力しか扱えない貴様が私を叱るだと?自惚れるな」
「間違ってはいないわね。でも、ニセモノがホンモノに敵わない、なんて道理は無いわ。だって、正義の味方が言っていたんだもの。だからその通りよね」
「……あいも変わらず、貴様の言葉一つ一つには虫唾が走る」
「ふふ。ふふふ。そうよね、私と貴女は、元より互いに相入れない存在だものね。……五河士道、時間は稼いであげるわ。その間に、作戦を立てておいてくださいな。何分持つかわからないけれど。1分は稼いで見せるわ。
さあ、始めましょう【
開け、門。
降臨せよ、ヨグソトース」
ルシフェルが錫杖を空中に刺した瞬間、十香を、巨大な紫色の蛸の足のようなものが包み込む。
一瞬のことで殆どの者が理解できていなかったが、ルシフェルは十香へ向かって駆けた。
そして二人を、蛸足のようなものが包み込み檻と化す。
「で、作戦はなんですかー?聞いてあげなくもないですけど」
「……十香に、近づく。それしかない」
「はい?それが作戦ですか?」
「ああ。近づければ、可能性がある」
「そーですか。……わかりましたー。それなら、私に考えがありますぅ」
美九はそれを聞いて、しばらく黙りこくってしまった。
それは士道も同じで今ルシフェルが十香と戦っている(?)間は、見守ることしかできなかったからだ。
バゴッ!
「「⁉︎」」
檻が、突然歪む。
さらにメキメキと音を立て、バギャっと衝撃が加えられ、最終的に破られた。
「ぁ……ぅ……」
「ルシフェル!」
「完全に扱えないもので挑もうなど、身の程を知れ」
十香は、ルシフェルの顔面を掴み檻から出てきた。
ルシフェルは傍目から見ても瀕死だった。
無造作に放り投げられ、地に伏せる。
「あとは貴様らか。なぜ貴様が【
言って十香は斬撃を飛ばしてくる。
士道はなんとか初撃を防ぐも、十香はまた剣を振り抜く。
「あああああああああああっ!」
が、その衝撃波が来る前に美九が大声を発し不可視の壁を構築した。
それが辛うじて士道達を守ってくれる。
「美九……!」
「勘違いしないでくださいよー?私は、『好き』とか『大切』とか『死んでも』って言葉を軽々しく使って、簡単に翻す男が一番大っ嫌いなんです。
あなた、言いましたよね?命を懸けてでも十香さん、それとそこの人を助けるって。なら、最後まで責任持ってください。
私を……失望させないでください。
私は、それを見るためにここまできたんですから」
「美九……ああ、そうだな」
士道は手の中にある鏖殺公を握り直し、十香を睨めつける。
「さあ十香。じきに朝だ。帰って飯にしよう。もちろんルシフェル……神夏も一緒にな。今ごめんなさいって言えば、今日は朝昼晩、お前の好きなメニューで統一してやるぞ」
「何を言っている?」
「十香……」
士道が近づこうとする直前、美九はその場でくるりと体を回転させ、タップダンスのように地面に靴底を打ち付けた。
「ちょっとくらい待ってください。私は考えがあると言いましたー。節操無いから嫌いなんですよ、男は。
防御の声を、全方位から十香さんにぶつけます。彼女相手では何秒もつかわかりませんが、少しの間なら動きを止められるはずです。その間に、方法とやらを試してくださいー」
「ああ……わかった!」
「ではいきますよー。
【
美九の天使が、まるでパイプオルガンの金属管のようなものが現れ、先端をマイクのように美九に向けられた。
それだけではなく、およそ半分が削り取られたビルの床の各所にも金属管が現れ、十香に向けてその先端を可変させた。
『ーーーーーーーーーッ!』
耳の奥に響くような高音の声を、自分の周囲にある天使めがけて発する。
ガブリエルによって幾重にも反響された声は、まるで目に見えない手で締め付けるように十香を拘束した。両腕が不自然に歪み、ロープで縛られたかのようにぐぐっと体に密着した。
「恩にきる……美九!」
士道は、その1秒すら無駄にしないよう、駆けだした。
「イグ………ナ。イグ……ナ、トゥ…フルトゥ……クンガ」
ちょっとした裏話
実は、オリ主が扱うもの、当初の予定はセイバーアルトリアorランサーアルトリアのオルタでした。
ただ、人類の敵か、となって調べたり相談したりした結果
あれ、敵じゃなくね?
と、なりました。
まず、FGO内で『人類の脅威』特攻が入るサヴァを筆頭に、混沌・悪属性の持ち主を筆頭に出していくと思われます。
(本当ならナヘマーとロンゴミニアドがぶつかる予定だった)
サブタイトルあったほうがいい?
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あったほうがいい
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無くてもいい