こんなに早く続きを書けたのは久しぶりです
それではどうぞ
「んーっ。14時間の空の旅、お疲れ様」
「お疲れ様っす!」
「お疲れ様神夏」
「雲の上があんなに綺麗とは…」
「驚愕。素晴らしいものを見ました」
「神夏さんの横に座れただけでもう、死んでもいい…」
若干一名謎な感想を抱いていらっしゃるが、死なれては後味が悪いので思う存分生きてください。
「荷物もみんなとったかな?それじゃ、知り合いが近くに来てくれてるみたいだから行こう。くれぐれも貴重品は手元から離さないのと、知らない人に話しかけられても手を取ったりせずに断ること。でなきゃ帰れなく…」
「Hi〜!」
「え?えっと、は、はろー?」
「〜〜〜!」
そんなことを言っていた矢先、殿町(呼び捨てで呼んでくれと言われた)がいかにもな金髪なお姉さんという感じの人に話しかけられている。それに応えてしまっていて、金髪から早口英語で捲し立てられている。
「〜〜〜!」
「お、おー、イェスイエス?」
「じゃ、ないでしょ。殿町」
「あっ!え、えっと神夏さん。この人なんて言ってるかわかりますかね?早口すぎてなんて言ってるか」
「…あー、ちょっとだけ待ってね。〜〜〜〜?」
「〜〜〜〜?」
「〜〜〜!」
「〜〜〜?」
「〜〜〜………fucking get out of my sight , bitch , with this guy。OK?」
目の前の女とはさも他人かのように、まるで通行人かのようにさりげなく近づいて私のバックに触ろうとしていた女の手を思い切り掴む。そいつの手をミシミシと音がなりそうなくらいに握り、普段使わないような強い口調で金髪の女に押し付ける。
「〜〜!」
「〜〜〜?〜〜〜〜」
「⁉︎You’ll regret this!」
最初こそ私の言い方に怒っていたが空港にいる警備員を呼ぶそぶりをした瞬間、最近の悪役でも言わないような捨て台詞を言いながら逃げていった。(ちなみにだけど「後悔するぞ!」って言ってました)
知らない人とか言ってたはずの2人はそんなことを気にする余裕もないのか、仲良くそそくさと立ち去って行った。
「ま、こうなるわけ。殿町、あのままだったらその旅行バッグごと持っていかれてたよ?」
「ええ⁉︎」
「さっき私が掴んだ方の女と金髪の女はグル。片方が気を引いて片方が荷物を取るコソ泥の常套手段。改めて言うけどここは日本ほど治安良くないからもう少し警戒心を持ってね」
「き、肝に銘じておきます!」
敬礼のポーズをしながら返事をしたので、今後は多分大丈夫、と思いたい。みんなにも初っ端に経験してもらったから肝に銘じられたと思う。
「それじゃあ…えーと、空港から出て…」
「神夏、途中なんかすごい言葉…言ってなかったか?」
と、地図を確認しながら歩いていると士道がそう小声で言ってくる。
「ああ、うん。言ったよ。今すぐ視界から消えろビッチ共ってね」
「そんなこと言ったのか⁉︎だ、大丈夫なのか?後から何かしてきたりとか…」
「ダイジョーブダイジョーブ。ま、追い払うときの常套句みたいなものだと思ってくれたらいいよ。えーと、赤いワゴン車……みっけ」
士道の言葉を半分くらい聞き流しながら駐車場を探すと事前に教えられてた車を見つけ全員でそこへ向かう。ちなみにだけど私の胸を見て鼻で笑って馬鹿にしてきたからキレたわけではない。断じて。本当に。
「Hello」
「あら、日本語で大丈夫ですよ。初めまして神夏様。お友達の皆様方」
「あ、ほんとです?初めまして。えーと…」
「これは申し遅れました。私は送迎を一任されたルイスと言います。日本には何年か住んでいたこともあって日常会話なら喋れますのでご安心ください」
「御丁寧にどうも。ルイスさん。この人達が今回のイギリス旅行に来た友達です」
私の言葉を皮切りにちょっとした自己紹介タイムを挟む。それから運輸業者なんかを用意してくれていたみたいでボストンバックなどの大きな荷物を先にホテルへ輸送してくれた。
……うん、あとどっかで見たことあるなと思ったけど、これラタトスクの人だ。士道も気づいたのかパチクリしているし。
荷物の輸送が終わって、また席を決めると言うことでくじ引きで天国と地獄を味わってそうな感じになり皆でワゴン車に乗り込む。
「それではどちらへ向かいましょうか?どこでも、とは言えませんができる限りお連れしますよ」
「じゃあ最初は大英博物館で。そのあとはその場の流れで」
「かしこまりました」
後から今日1日は何ヶ所かの観光しあとはそのままホテルで体を休める予定を伝え、みんながピックアップした行きたい場所のリストをルイスさんに渡す。あとはこの人が多分、いい具合にしてくれるでしょう。
「では私はこれで失礼します。また明日よろしくお願いします」
「はい、ありがとうございました。お休みなさい」
「お休みなさいませ。……Is it okay to cross the line?」
「Don't do it!」
最後にとんでもないことをぶち込んできて、思わず大声で返してしまう。周りの通行人とかがこちらを見てくるがそんなのは梅雨知らず、笑いながらルイスさんは車に乗ってどこかへ行った。
「なあ、ルイスさん最後なんて?」
「……イチャコラして一線超えちゃダメだぞ?だってさ。だから、やるかボケ!って返しといた」
「…お疲れ様」
「本当にね。で、部屋割りは決まった?一応男女混合部屋にもできるって言われたけど」
「絶賛そのくじ引き中。あとはルナと耶倶矢だけで殿町がいつもの如く天に祈ってる」
「ああ、なるほどね。みんな男女混合には賛成なんだ。別にいいけど」
そして起こったのは殿町の歓喜に満ち溢れた声。と言うことは私は殿町の部屋らしいね。
「で、もう1人は?」
「俺だな」
「ああなるほど。道理で双子さんもあまり気落ちしてないわけだ」
盛り上がってる4人の横を通り、チェックインをササっと済ませて鍵を受けとりみんなに分配。このあとは自由時間の予定なので私は部屋でゆったりする予定。
「それじゃみんな。改めて言うけど外に行く場合は必ず部屋の人みんなで行くこと。それと外に出ることを別部屋の人に伝えてから出ること。これで襲われちゃいましたって言われても私は何もできないからね?」
みんながはーいと返事をし、エレベーターへ向かう。みんな今日行った場所がどうだったかとか、明日どうするかなどの話をして盛り上がっていた。
だけど私は、明日のことを思うと途端に体が辛くなる。
行きたくない。
だけどいかなきゃ何も始まらない。
自分への戒めのためにも、私は行かなくちゃならないんだから。
「琴里ー!」
「はいはい。落ち着いて十香」
フラクシナスのある一室に十香がやってきた。十香だけじゃない、四糸乃に美九もやってきていた。
「それで改めて聞くわ。みんな何があったのか教えてくれる?そうねぇ、四糸乃から」
「は、はいっ」
手にパペットをはめている蒼髪に蒼眼な子、四糸乃は少し震えながらもゆっくりと口を開いた。そして信じられないようなことを語った。
「な、なにか、変な感じがしたんです。誰かに見られていると言えばいいでしょうか。それで振り返っても何もいなくて。勘違いかなと思ったんですけど、少しあるいたらまた、変な感じがして。それに…感じたのが、人とか、犬や猫とは、全然違う感じがして……。それでちょっと声のようなものも聞こえたんです」
「その声ってどんな感じの言葉か、覚えてる?」
「え、えーと、確か……
『『めとさつ』って言ってたよん!よしのんも聞いたから間違いない!』
「めとさつ…。わかったわありがとう。それじゃあ次は十香。お願いできる?」
「うむ。…とは言っても四糸乃とほとんど変わらないのだが。私も何か変な感じ、誰かに監視されているような気がしたのだ。人とかあのメカメカ団とはまた違う、気味の悪い感覚だった。だけど私は四糸乃と違って聞こえてきたのは『うわふ ぬくむ』と言う言葉だったな」
四糸乃と十香は全く同じことを体験したらしい。そしてまた変な日本語ではあるけど意味のない言葉。以前に士道が聞いたものと何か関わりがある?これは何にせよ警備を強化すべきかしら。
「それじゃあ最後、美九。お願い」
珍しく大人しい美九に何があったのか尋ねると途端にビクッと肩を震わせた。何かに怯えているようだった。
「……最初は私も、四糸乃さんと同じで得体の知れない何かに見られている感じがしただけでした。けど振り返ったり空も含めて辺りを何回も見渡しましたけど何もいませんでした。怖くなってしまって少し走りながら帰ったんです。
その時に道をちゃんと見ていなかったからなのか普段は行かない裏路地に近い場所に、行っちゃいました。そこで早く元の道に戻らなきゃなとか思ったら……」
そこでまた美九の声が詰まる。いつも天真爛漫な美九とは思えないほど、何かに怯えている様子だった。
「……帰らなきゃな、って思ったら、グシャッて、何かを潰したりするような、音が聞こえたんです。それに付随して誰かが喋る声が。私が聞いたのは『つひせえ きえせえ』って声でした。…何をしてるんだろうと、音の方を、覗いて…覗いてしまいました」
「な、何がいたのよ」
「……あまり、信じられないようなことかもしれないですが、私が見たのは紫色の人じゃないナニカ、そうとしか言えないものでした。…怖くてすぐに息を殺して隠れちゃってあまりちゃんと見れていないんですが、脚が蜘蛛みたいに尖ってて、何かをいじくり回していたような、感じでした。
何と言うか、心の底から恐怖が、嫌悪感が湧き出てしまうような、そんなものでした。それを間近にした時は、ずっと隠れていたとは言え今すぐ逃げ出したいと、本気で思いました。…だけど『くかをお』って聞こえたと思うと、バサッと大きなと鳥が飛ぶかのような音が鳴りました。それで変な感じの、恐怖心とかが一気に消えて、改めて見てみると、そこには何もありませんでした。……私が言えるのは、これだけです。すいませんあまりお役に立てず」
「そんな事ないわよ。何か異変を感じたってだけでも私達にとってはありがたいのよ。それだけ貴女達を守れる可能性が高まるんだから。それじゃあ美九、大体どの変だったか覚えてたら教えてもらってもいいかしら?そこを中心に捜索をしてみるわ」
「は、はい。わかりました」
士道がや四糸乃聞いたと言う『めとさつ』、十香の聞いた『うわふ ぬくむ』、美九の聞いた『つひせえ きえせえ』。
つながりが全くわからないけれど調べてみる価値は大いにある。
「みんな、今日は、と言うか今後しばらくはフラクシナスに泊まっていきなさいな。襲われないとも限らないからね」
「う、うむ」
「わかりました」
『おっけーよーん!』
「わかりました」
元気のない美九を慰めるのに苦労はしたけど、夜には何とか元気を取り戻したようで少し安心した。
というよりは元気になりすぎていつも以上にスキンシップが激しくなってしまったけれど。
『じやいぬすえ、きくうすい。めとくってょっつ』
「ふーん。ま、別にいいよ。どうせいつかバレる事だし。人間を無闇矢鱈に殺さなければいいから、引き続き監視ね。それといい加減に私をお母さんと呼ぶな。次そう呼んだら壊すぞ」
『んくっつ』
「……信用ならないな」
前話を投稿した時、何名かトラウマフラッシュバック!してるのを見て作者は愉悦に浸っておりました。
だがしかし作者にも致命傷ブーメランが届いておりますはい。
これを機にもう一度アニメのバビロニアおよびゲームの方のシナリオも読み直したんですがもう心ズタボロだが泣けるとか言う意味がわからない(
終局特異点も見ようかなと思いましたが寄り道が過ぎるので頑張って耐えました褒めて(
それでは読んでくださりありがとうございました
感想や評価をくださるととても嬉しいです。
サブタイトルあったほうがいい?
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あったほうがいい
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無くてもいい