デート・ア・ライブ 黄金の精霊   作:紀野感無

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いよっし、か・け・たぁ!
いやほんとお待たせしました(汗

仕事関連で精神的に病みかけてちょっと筆が取れていませんでしたという言い訳だけ投下しておきます(小声

感想でいただいたのですが、士道の反応には目を瞑ってあげてください…
ラフムの悲惨さを知らないが故の反応としては当然だと思っています

さてそれではどうぞ


62話 人類悪

「……あ、思い出した。琴里、中津川さんに連絡ってとれたりする?」

 

「え?」

 

「ちょっと聞きたいことがあるし、その内容も士道達に聞かせておいた方がいい内容だろうから。できる?」

 

「できるけど…何を話すの?」

 

「そりゃもちろん『ルシフェルの顕現させたモノ』について。すこーしばかり、中津川さん側でも思うところがあるらしいから」

 

色々と詮索をしようとする琴里を一旦黙らせ中津川さんへ連絡を取ってもらう。しばらく経つと先ほど映像を見るのに使ったモニターへ中津川さんが映る。

 

『お待たせしました司令、神夏さん、士道さん達も」

 

「あ、どうも。ちょっと聞きたいことがありまして」

 

『ルシフェルのことについてですか?』

 

「正解です。昼に電話もらった時に言っていた『人類悪ティアマトの持つ権能の極一部を顕現させている』について、根拠とかを聞けたらな、と。あとはティアマト…というよりは『人類悪ビースト』について必要最低限しか教えてないっぽいのでもう少し詳しく話しておいた方が良いと思いまして」

 

『ふむ…。ではまず最初の疑問について私なりの考えをお伝えします。恐らく神夏さんも気づいておられるでしょうが…』

 

「ま、答え合わせのつもりでやりましょう。私らのオタク知識の見せ所でっせ旦那」

 

『確かにそうですね!ではまず……司令、ルシフェルは自身のことをなんと言っていたか、特に天使についてなんと呼称していたか覚えておられますか?』

 

「な、何よ急に。えーと……『人類の敵』だったかしら?」

 

『はい。正解です。実はその答えこそがルシフェルの顕現させたものは、より正確にいうならば()()()()()()()()()()()ティアマト神の権能の極一部、という根拠でもあります。なぜならば『人類悪』であるのならばルシフェルに扱えていいわけがありませんから。何より、仮に顕現させれてたとして現時点で何も起きていないのがおかしいですし』

 

「「「「?」」」」

「ああ…そういうこと」

 

中津川さんの言いたいことはなんとなくだがわかった。

 

「んん?ちょっと待ちなさい。中津川、それにルナ。ルシフェルが顕現させたのは『人類悪』のもつ権能の一部、そう言ったわよね?」

 

『その通りです』

「そうだよ」

 

「で、ルシフェルは自分の天使のことを『人類の敵』呼称していた。だからこそ極一部のみを強引に顕現させているだけ。本来扱えていいものじゃない、と」

 

『恐らくは』

「そうだね」

 

「いやおっかしいでしょうが!人類の敵を顕現させれる天使なら『人類悪』とやらは普通に顕現させれるものでしょうが!」

 

私と中津川さんは予想通りの勘違いをし、怒っていた琴里を横目に見ながら苦笑するしかなかった。

 

『あー、やはり…。というより、字面だけではそう受け取りますよね…』

「ま、コレに関しては紛らわしいのは否定しない。中津川さんの言っている意味はわかりました。確かに見落としてたな…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()し」

『というより、ティアマト神を顕現させれたのなら今現時点で何も起こっていないのがおかしいんですよ』

「まあまあ、その辺を話しだすと長くなっちゃうんで。オタク特有の熱に引かれますし」

『それもそうですね。では話を戻しまして…士道くん』

 

「は、はいっ!」

 

『『人類悪』とはどのような存在か、わかりますか?』

 

「へ?」

 

中津川さんはいきなり核心をついた質問を投げかけた。それに驚きながらも少しの間考えるそぶりを見せ、口を開く。

 

「いや、文字通りじゃないんですか?『人類にとっての悪』だから『人類悪』。それ以外にどう…」

 

「はい不正解」

『残念ながら違います』

 

「「「「え?」」」」

 

4人が素っ頓狂な声を上げ、どう説明したもんか悩んでいると中津川さんが口を開く。

 

『まずその解釈が分かりづらいんですよねぇ。士道くん。人類悪というのは『人類にとっての悪』ではなく『人類が滅するべき悪』なんですよ』

 

「え、えーと…?」

 

『もっと分かりやすく言いますと、私たち人類の悪行により生まれた存在です。つまりは自業自得の行いの産物なのです。ですがそんな悪行を働いた人類すら愛し、そのために動いた結果厄災と成った存在。それが人類悪です」

 

「??」

 

まだよく分かっていないようなのでさらに付け足しで説明を私と中津川さんで始める。

 

「人類悪とは言っているけどその本質は人間が人間であるが故に犯してしまう悪癖。その究極系のようなものが具現化しバケモノになった存在だと思ってくれて良いよ。だから、なんと言えばいいのやら…」

『要は人間にとっての癌細胞のようなものなんです。人類史数千年にとっての癌細胞とでも言いましょうか。私たちが人間である以上生まれて来ざるを得ない悪。それが人類悪-人類が滅すべき悪-なんです。それにですね、この人類悪という存在の根底にあるのは『人類を愛しているからこそ救いたい』という思いです。言い換えるならば『人類愛』でしょうか』

 

「でも中津川。私に説明した時に『人類と人類の文明を滅ぼす破滅の化身』っていっていたじゃないの」

 

あら、琴里にそんな説明してたんだ。いや間違っていないけども。

 

『はい。その通りです。ですがそれは結果論なんです』

「その辺を話し始めるとものすんごーく長くなるので一旦割愛しようか。ま、要は人間のために良くしたい。人間をそれほど愛している。今以上に良くする為には今いる人類を一旦滅すしか道はない。そんな考え方とでも思ってくれたらいい」

 

人類悪についての認識をみんなと共有し終え、みんなの頭がいい具合に情報過多となったあたりで更に最悪な情報を落とす事にしようか。

 

『それでは次に『人類悪』、又の名を(ビースト)と呼ばれる存在を討伐する際に本来必要な戦力について。どちらかというとこれから話すことのほうがルシフェルの顕現させたモノは極一部であると断定した大きな要因です』

「超簡潔に言うと私の中にいる王様と同格、もしくはそれ以上の力を持つ存在が7人必要でしたっけ」

『そうですね。完全に成熟した個体である場合は7人の総力で以て…だったような。あの辺複雑すぎて今回のケースだとどうなるのか理解しきれないんですよねぇ』

 

「な、7人…?」

 

「そう。7人。王様と同じくらい無茶苦茶な精霊が、しかも私みたいに霊力切れっていうデメリット無しで目の前に7人並んでるのを想像したら分かりやすいんじゃないかな?そんで王様自身も『自分だけでは持てる全てを出し尽くしても敵わない』と称している存在。……ここまで言えばルシフェルがどんなものを喚び出したか嫌でもわかるでしょ?」

 

「……とんでも、ないな」

 

先ほどまでしていた人類悪の定義の話よりもずっと早く納得してくれてこちらとしてはありがたい限りだった。

 

『と、大袈裟に言いましたがこれらのことは一旦横に置いてもらって、というか忘れてもらって結構ですよ士道くん』

「そうそう」

 

「「え?」」

 

と、士道と琴里が今日で幾度目かの疑問に満ちた声を上げる。

 

『これまでの話はあくまでも完全な人類悪が顕現してしまった時の話です。今回ルシフェルが顕現させたであろう権能は人類悪であるティアマト神のもつ数多くの権能のうち、『ラフムを生み出す権能』のみとそう考えています。それ以外を顕現させているとなると何も起きておらず、私たちの観測にも引っかかっていないのがおかしいですから』

「そんでラフムだけならなんとかなる可能性は高い。……ですよね?」

『その通りです。()()()()()()()()()()()という事に目を瞑りさえすればラフム自体は精霊の皆様ならば充分対処できる相手です。恐らくですがASTのようにリアライザを用いている特殊部隊であっても死傷者無しでとはいかないでしょうが対処は可能でしょう。精霊並みの力を持つとは言え特殊能力も何もない、耐久力と攻撃力のみ、霊力も扱えない魔術も使えないだけの存在ですから』

 

そう、蟻の軍隊のような群れということにさえ目を瞑ればラフム如きどうとでもなる。周辺の被害を考えなければ、だけど。

 

「ま、そゆこと。だからその時が来たら私が…」

 

「ダメよ。ルナ、貴女は戦場に立たないで」

 

「はい?」

 

私が戦場に立つ旨を言おうとすると琴里がそれを遮ってくる。それの意味が分からず素っ頓狂な声をあげてしまう。

 

「どういうこと?」

 

「そのままの意味よ。ルナ、貴女は戦いに参加させないわ」

 

「私抜きで勝てると思ってんの?」

 

「それとコレは話が別なのよ。ルナ、あなた自分の体のことわかってるの?」

 

「わかってるよ。だけど戦場に立ってはいけない理由にはならないと思うんだけど?」

 

「絶対にダメよ、認めないわ。これは私だけじゃない。ラタトスク全クルーでの総意よ」

 

「で?そんなこと私に関係ない。私が何をしようが私の勝手でしょ。なんで私の事をお前たちに決められなきゃならない」

 

「……」

「……」

 

これぞまさに一触即発とでもいうのか。琴里がこちらをしかめっ面で見てくるので睨み返す。

 

「悪いけどこれは譲れないよ。ルシフェルが私から分離した時から覚悟はしてた事なんだから」

「私としても譲れないわよ。なんで見殺しにしなきゃならないわけ?そんなの絶対に嫌よ」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!2人とも何を言ってるんだ⁉︎琴里、見殺しってどういう事だ⁉︎」

 

そんな私達の間に入ってきたのは士道。本気で意味が分からないのか私たちを交互に見ていた。

 

「なに、伝えてなかったの?」

 

「……伝えれるわけないじゃない」

 

「へぇ。それはつまり士道のことを信用していないと。そういう訳だ」

 

「ちがっ!」

 

「違わないよ。君たちの思想はどうでもいい。士道があの程度の事で覚悟ができないとでも思ってんの?私より付き合い長い割には士道のことを何も見ていないんだね。それでルシフェルを救うとは。自惚れにも程があるんじゃない?」

 

恐らく事情を知っているであろう琴里とモニター越しの中津川さんは苦虫を噛み潰したような顔をしている。……まあどうでもいいか。何をしようが私の結末は変わらないんだから。

 

「ま、そこに関してはどーでもいいや。それにラタトスクって組織自体は元々信用していないからね。今更どんなことが起きようが興味ない。んで、士道が一番知りたがっているであろう内容についてだけど…琴里」

 

「……何よ」

 

「言わないなら私が自分で言うけど?」

 

最後の情けで琴里に問いかけるとしばらく黙り込んで何かを考えていた。急かしたりはせずに数分間じっくり葛藤させ、琴里は口を開いた。

 

「私が伝えるわ。だからルナ、お願い。貴女は戦場に立たないで…」

 

「だからの意味が分からないんだけど?まあいいや。自分で使えるってなら伝えておいて。

 

これで特に話すことはないかな?そんじゃ士道。それとついでに精霊諸君。私はちょいと屋外に行って夜風に当たってくるので自分の中の気持ちの整理でもしててちょうだいな。ついでにラフムの対策でも立ててれば?ま、こんな話いきなりして覚悟をしろなんて、無茶振りにも程があるのはわかってるからさ。んじゃまた1時間後くらいに」

 

そうして皆に何かを言われる前に部屋を出た。

さて……どうしましょうかねぇ。

 

 

 

 

 

 

「な、なぁ琴里。ルナと言い合ってたことって何のことなんだ?」

 

ルナは止める間もなく外に出てしまい、沈黙に支配されてしまった。それを何とか払拭すべく琴里に先ほど話していた内容を聞くと顔をあげてこちらをまっすぐ見てくる。

 

「琴里…?」

 

だけどその目はいつものように凛とした自信満々な目ではなく今にも泣きそうな目をしていた。

 

「士道。先に謝っておくわ。本当に、ごめんなさい。…それと、不甲斐ない私たちを許してちょうだい。中津川、令音に神無月、十香や四糸乃達を呼んできてちょうだい」

『畏まりました』

 

モニターの前から中津川さんがいなくなり、しばらく経った後に画面に十香達が勢揃いする。

一体何があるんだ…?

 

「みんな、集まってもらったのは他でもない。ルナの事について皆へ伝えることがあるから」

 

『神夏ギルの…?』

『ルナさんに、何かあったんですか?』

 

「結論だけ先に言うわ。

ルナ…神夏ギルは

 

 

 

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次回 ルシフェルが何かをするかも


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