アンケートにサブタイトルあった方が良いかどうかというのをおいてありますので、投票してくださると嬉しいです
とりあえずは最新話から順に(もしくは章ごとに)付けていきますので、気が向いたら覗いてみてください
それでは本編どうぞ
イギリスから帰った次の日、士道の家に向かう。チャイムを鳴らし、寝ぼけている-おそらくは時差ボケのせいだろう-士道が出てくる。
「おはよう寝坊助さん」
「…おはようルナ」
「琴里はいる?」
「ああ、もう起きてるはずだ」
「そ、んじゃお邪魔しても?」
「もちろんだ」
「おはよう琴里」
「おはようルナ。何かあったの?」
「まあ、そうだね。一応琴里達にも伝えておいた方がいいと思ってね。…十香達は?」
「まだ寝てるわよ。読んできた方がいい?」
「そうだね。出来るのなら精霊の人はみんな読んでほしいかな。あとは令音さんと中津川さんもこの場にいて欲しい」
「わかったわ。ならラタトスクの会議室に来なさい。そこならモニターとかも色々あるから会議しやすいわ」
琴里が退出し、この場に私と士道の2人だけになる。…ちょっと気まずいなぁ。
「ルナ」
「んー?」
「その…この前はごめん。感情的になっちまって」
「あーうん、私のほうこそごめん。士道の性格は分かった上で煽ったような部分があるから、あれに関してはおあいこ」
「でも」
「?」
「お前が死ぬのを許容したわけじゃないからな」
「……そう。期待してるよ。私のほうこそ死ぬ以外の選択肢を用意できるならして欲しいしね」
ま、無理だろうけど。
「…あ、そうだ。ちょっとだけ相談なんだけど」
「?」
「はいこれ」
「……?」
士道に何枚かの紙を渡す。そこには何枚かの写真と説明が書いてある。
「それ、出来れば早いうちに決めておいて」
「……?どういうことなんだこれ」
「どう言うことも何も、書いてある通りだよ。それに関しては私よりも士道の方が適任でしょ」
「これやったとして、どうなるんだ?」
「ルシフェルを攻略する手助けになるのと、ラフムどもと戦うのが格段に楽になる。だから真面目に考えといて。できれば3日以内に。早ければ早いほどなお良い」
「わかった。考えておくよ。琴里や精霊のみんなとと相談しても良いのか?」
「もちろん」
ひらひらと手を振りながらテレビをつける。…あ、神話特集やってる。あとで見よう。
「おーおー、精霊がこれだけ集まるとやっぱりすごいもんだね」
ラタトスクの会議室には十香から始まり四糸乃、琴里、耶倶矢、夕弦、美九が集まる。更に中津川さんと令音さん、そして士道。あとは…
「狂三、いるんでしょ?」
適当に声をかけると私の後ろに誰かが現れる気配がする。
「狂三…ッ⁉︎」
「ご機嫌よう士道さん。そして他の皆様方も」
「私には挨拶なしかい。誰の影に潜らせてあげてると思ってんの」
「あらあら、嫉妬ですかルナさん」
「よぉーし狂三の秘話をバラしちゃうね。とりあえず裏路地で猫に餌をあげてにゃーんってしてたことから…」
「あらールナ様本日もお美しいですわね。肩を揉んで差し上げますわ」
分身体なんだろうけどニコニコしながら肩を揉む狂三は、正直言って面白い。
「さてみんな集まったと言うことでこれからの話を…」
「ここまでさせておいてスルーですの⁉︎」
「はいはい。取り敢えず座れば?」
テンションの高い狂三を私の横に座らせる。そしてルシフェルに渡された-ちょっとクシャクシャになってしまっているが-1枚の紙をテーブルの上に載せる。
「これは…」
「有体に言えば招待状。ルシフェルから私たちへのね」
琴里がそれを手に取り中身を読む。次第に怪訝な顔つきになっていった。
「なにこれ、本気?」
「本気だろうね。反英雄や精霊を宿せる時点で出来てもおかしくないし」
紙には至極単純なことだけ書いてあった。
『三日後、士道とマガイモノ全員を連れて家で待機しろ。
誰か1人でも欠けていた場合、手始めに天宮市の人間全てを殺す。
P.S ラフムはまだ出すつもりはないので安心していい。あいつらを使う時は全面戦争になった時だけだ。また、ラタトスクとやらも好きに介入するといい。どうせ結果は変わらないからね』
昨日渡された時の三日後なのであと残りの猶予は2日もない、というのを確認した上で全員をぐるっと見渡す。
「さて、ここまでされた上でラタトスクに聞くけど、ルシフェルへの対応を変える気は?」
分かっていることを改めて聞く。だけど琴里は「変える気はないわよ。救うに決まってるわ」と腕を組みながら言う。士道も頷いているからルシフェルの霊力を封印すると言う方針はあくまでも曲げないらしい。
「……そう。ま、好きにしなよ。んで話の本題に戻すと、ルシフェルの思惑は、士道を手に入れる事と四糸乃、美九を殺す事。この二つだと思って良いと思う」
名前を言われた士道、四糸乃、美九の3人が一気に緊張に包まれる。それに構わず言葉を続ける。
「で、私の役目は主に士道を守ること。それに全力を尽くすつもりではあるけど正直なところ私1人だと不可能に近い。だから…」
「私たちの力を借りたい、って事ね」
「そういうこと。ただ私の方でも案はある。その為にも狂三以外のみんなは一度士道と話をしてほしい」
『『『?』』』
私以外が疑問符を浮かべていたがそれに構わず話を続ける。
「それでだけど、琴里は『ラフム』についてどこまで説明してるの?」
「まだよ。これから説明する予定だったの」
「ラフム?」
「それって、なんです…か?」
「それに関しては見た方が早いかと」
狂三が指をパチンと鳴らすと、影の中から現れたのは一つの死体。
それが出てきた途端に私と狂三を除いた全員が-十香達だけでなく事前に映像を見ていた八舞姉妹までもが-壁際に背中をつけるほどに距離を取る。
「……だすなら出すって言ってよ」
「ちゃんと出す直前に言いましたわよ?…まったく、こんなものを納めておけなんてわたくしといえど迷惑極まりないですわ」
「せ、説明しろ神夏ギル!こ、これは…」
「はいはい。説明するから。狂三、それ納めてもらえる?」
「……いやですわ。もう消し飛ばしてしまいたいですもの」
本当に、本当に嫌そうに顔を顰めるので仕方なくラフムを掴み狂三と共に外へ出してもらう。念のためラタトスクも見張ってもらっている。
「んじゃ、上に投げるからやってもらって良い?」
「ええ」
上にぶん投げると同時、狂三が銃を乱射し死体を穴だらけにする。そこへ霊力をぶつけでもしたのか盛大に破裂し霧散していった。
それが終わるのを見届けた後、再度ラタトスクに回収され先程までいた会議室の中に戻る。
「さ、話の続き…みんな大丈夫?」
ぐるりと見渡すと全員冷や汗をかきながら呼吸を整えて、そして一言
『『『大丈夫じゃない!(ではない!)』』』
ですよねー。
「落ち着いた?落ち着いたね?じゃあ話の続きいこうか」
落ち着ける訳はないが話が進まないので、抗議の声を無視して話を続ける。
「アレの名前はラフム。端的に言えば新しい人類。…とは言っても、敵意を持って襲ってくる化け物、と言う認識でいいよ。
「士道は大丈夫だと思うけど精霊のみんな、特に四糸乃と美九は万の軍勢はいるアレに襲われるのを覚悟しておいて。で、正直に言うと君らだけでアレに対抗するのは不可能に近い」
今度は私の言葉に反論してくる人はいなかった。死体であの反応なのだから生きているモノと会った時はどうなることやら。
「1対1での戦闘なら精霊のみんななら絶対に遅れをとることはない。だけどアレが万の軍勢で襲ってきたらひとたまりもないと思う。そこで、士道には伝えてあるけど私の方で戦力の増強をする」
「増強?」
「詳しい話はみんなで士道に聞いて。やれるなら早いうちの方がいいからこの話し合いが終わった後にすぐにでも士道と話し合うこと。狂三は後で私のところに来て」
「わかりましたわ。それで…肝心なことを話しておられませんよねルナさん?」
「…分かってるよ。士道、いや敢えてラタトスク、と言おう。今回ルシフェルを懐柔して封印できなかった場合、どのくらいの被害になるのか想像できる?」
「少なくとも天宮市を住民ごと更地にしてでもラフムを根こそぎ殺しでもしなければ、最悪の場合日本だけではなく全世界に被害が行くでしょうね」
そう答えたのは中津川さん。その回答に全員が驚愕の目で中津川さんと私を交互に見る。…対応が遅れたらどんなことになるのか知っている人がいると言うのはありがたい。
「そう。だからこそみんなに守ってほしいことがいくつかある。これから言うことを肝に銘じてほしい。
まず第一にラフムは躊躇いなく殺すこと。人間を素材に作られた存在であろうと、そうでなかろうとね。
第二に、もし士道が失敗した場合はルシフェルを殺すこと。もし協力できないとしても私と狂三でやるからそのつもりで。
第三に
有事の際は私を見捨てて逃げること。以上」
ルナの提案はあまりにも受け入れ難いモノで、すぐに全員が反論をしていく。
だけど少し高圧的な態度をとり全員を黙らせていた。
「ルナ、俺からも言わせてくれ。そんなことが俺たちにできると思うのか?」
「できる、できないじゃない。見捨てなきゃ君たちが死ぬんだよ。ラフムくらいなら私でもどうとでもなるけどね、みんな死なずに、となると難易度は格段に跳ね上がる。私1人を見捨てられずに全滅なんてしたら目も当てられない。だから1人でも多く生き残ってもらうための提案」
琴里たちはみんな、出来るわけがないと言っているがルナは顔色ひとつ変えず、どこか怒っているかのような声色で喋る。
「それでも無理だと言うなら…今すぐルシフェルを救うなんて世迷言は捨てろ。士道、それに琴里、十香たち、ラタトスクのクルー全員もだ。もうコレは誰も死なずに、なんて甘ったるい理想が通じるようなモノじゃないっていい加減理解しなよ」
「っ…そこまで言うことないだろ!」
「言うようなことなの。……士道、何も私をすぐに見捨てろってわけじゃない。もうどうにもならなくて、全員が生きて帰れそうになかったら最初に私を見捨てろ、ってだけ」
「そんなこと言っても…」
「そうならない為の作戦会議と戦力増強なんだよ。私だってラフムなんぞに殺されるのは死んでもごめんだからね。…だから、君たちも私が、士道が、この街のみんなが死ぬのか嫌だって言うのなら最後の一つはともかく残りの二つは肝に銘じておいてほしい。んで、話の続きを…」
クスクス クス
クス クス クス
クス クスクス
そこに、笑い声が響く。
それに気づいた全員が辺りを見渡すと髑髏の面をつけた人が-性別や背丈こそ違うが何十人も-壁際に立っていた。
その中の1人がゆっくりとこちらに歩いてくる。
「これはこれは、随分と呑気なことだ」
「ルシ…フェル」
そいつが仮面を外すとルシフェルだということがわかる。
一斉に全員が緊張していたが臆することなくルシフェルに対して一歩を踏み出す。
「やあ我が運命人よ。元気そうで何よりだ」
「ありがとう。ルシフェルこそ元気そうで何よりだ。急にどうしたんだ?俺をデートに誘いにでも来てくれたのか?」
「ふふ、デートの誘い、というわけでは無いが誘った場合は受けてくれるのかな?」
「もちろんだ」
「そう、ありがとう。…ま、断るという選択肢はないだろうけどね。それで、私を救うとかいう世迷言はまだやろうとしているのかな?」
「当たり前よ。ラフムとやらをたくさん作ってるみたいだけどその程度で諦める私たちだと思ってるわけ?」
琴里の言葉に対してルシフェルはなお笑みを崩さず見てくる。まるで何かを嘲笑っているかのように。
「ラフムのことを懸念してるなら、残念ながら危機感が欠如しているとしか言えないね。ラフムどもの生産体制はとっくのとうに私の管理下を離れてるよ。だから放っておけば延々と増え続けるぜ?なんせあれはラフムどもが勝手に
「ラフムが…学ぶ?」
「ま、詳しいことは実際に出会ってからだ。私の方である程度強引に制御はしているがいつまで持つかは私もわからないからね。それよりも士道。こんなマガイモノよりも私と一緒にデートをしようじゃないか。二日後の約束の日までね」
ルシフェルが俺に手を伸ばし、それに思わず恐怖し一歩下がってしまった。
「あはっ、何を怖がってるんだい?言っただろう?デートをするだけさ。ま…少しくらいはつまみ食いをしても…」
ザシュッ
「ぎっ…」
次の瞬間、ルシフェルの右肘から先がなくなっていた。同時に何か温かいものが顔にかかる。それを触ってみると赤い色の液体で、血だとすぐに分かった。思わず叫びそうになるがみんなのいる手前、口に手を当て強引に声を抑える。
「ったぁ…容赦が無いね我が宿主も」
「はぁ…はぁ…そのへんに、しておけよルシフェル。次手を出そうとしたら、その程度じゃ、済まないよ」
「クスッ、ほんのわずかな霊力を出すだけでそうなるキミがどうにかできるとは思えないけどねぇ?だがいいモノを見れた。コレは二日後も退屈しなさそうだ」
切断された右腕を拾い上げ、ひらひらと振りながらルシフェルは出入り口へ向かう。
「ちょっ、ルシフェル⁉︎治療しないと…」
「あはっ、優しいなぁ士道は。心配ご無用。この程度の傷はすぐに治る。それじゃあ私は殺されないうちに帰るとしよう。…2日後を楽しみにしているよ士道。我が運命人よ。
キミの選択を、決意を、覚悟を。
キミの全てを楽しみにしているよ」
-わかってる。こんなことで突き放し続けたところで結果は何も変わらない。
だけどそれでもやらなきゃ。
いざとなれば狂三にも頼んであるし王様にも懇願すればなんとかなる、かも知れない。
だけど、ラフムを殺し尽くすには、
なら
死ぬのは、私1人だけでいい-
サブタイトルあったほうがいい?
-
あったほうがいい
-
無くてもいい