デート・ア・ライブ 黄金の精霊   作:紀野感無

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オリジナリティのストーリー難しくない?
二次創作ですらこれなのにオリジナルオンリーで書き上げてる人なんなん?
バケモン?

そんな感じで四苦八苦してましたがなんとかかけました
それではどうぞ


注 残酷な描写あります


72話 ペロー童話の猟奇殺人鬼

「時崎狂三、ラフムの殲滅に成功しました!」

「八舞姉妹もです!」

「美九さんあと僅かです!」

「司令のエリアは終了しました!」

「十香さん次のエリアへの扉を発見しました!」

 

「四糸乃さん次のエリアに入りました!」

 

「わかった。観測を続行してくれ。何か異変があったら知らせてほしい」

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

ラタトスクでは琴里から送られてきた端末を元に精霊全員の観測を続けていく。

唯一ギルガメッシュのみ所在がわからなかったが、不思議と全員が『彼女なら大丈夫だ』と確信していた。

 

「えっ⁉︎」

 

「どうしたんだい?」

 

「あ、あの、四糸乃さんの位置が急に…」

 

「?」

 

令音がモニターを見ると、四糸乃の霊力反応が明らかにおかしい位置-開始位置の真反対に存在していた。

 

「まさか…。四糸乃の他に次のエリアに進めそうなのは?」

 

「一番近いのは十香さんです!」

 

「わかった。十香と四糸乃に観測機を多めに回して。十香以外の子には次のエリアにはまだ進まないよう伝達を」

 

四糸乃は、遥か前方のルシフェルの初期位置の真横のエリア…つまり真反対まで移動していた。

明らかに物理法則を無視しており、誰もが観測機の故障を考えたが、何度観測をしても結果が変わることはなかった。

 

「っ⁉︎村雨解析官!四糸乃さんの元に…」

 

「わかっている。皆は引き続き他の子達を」

 

ラタトスクの中でけたたましいアラームが鳴り響く。令音はそれをすぐに切り、四糸乃へ連絡を繋げる。

 

「四糸乃、アナスタシア皇女殿下、聞こえるかい」

 

『は、はい!』

『問題ないわ。それで、どうするのが最適だと思う?』

 

四糸乃たちの眼前にある横倒しになったビル。

ちょうど一番高く、四糸乃たちがギリギリ見える位置に十字架が刺さっており…

 

1人の少年が括り付けられていた。

 

『す、すぐに助けなきゃ…』

『ダメよ四糸乃。あそこに見える男。アレがいる限り私たちは迂闊に助けに行けないわ』

 

アナスタシアが指差した場所にいたのは1人の男。

幾重にも重ねたローブと貴金属に身を包み、眼を広く剝く蛙顔をした不気味な巨漢で、手には一冊の本を持っている。

 

そんな彼の周りにはラフムを付き従っていた。

 

「中津川くん。あの男について情報は持っているかい?」

「はい。彼はおそらく『青髭』です」

「青髭⁉︎あの童話の⁉︎」

「確か、猟奇殺人鬼の話だったかな?」

 

令音の言うことに中津川は深く頷く。青髭の童話は有名だったためか、クルーに動揺が走る。中津川はそれを無視して進言する。

 

「令音さん。青髭はラフム以上に、迅速に始末すべき存在です。おそらくルナさんも同じ判断を下すでしょう」

 

あの規格外のルシフェルですら救うべきと判断を下していた中津川に、令音は驚きながらも冷静に状況を判断する。

 

「わかっている。だが先に人質を助けるのが先ではないかな?」

 

「ええ、その通りですが…あの青髭を侮らない方が懸命です。あの人質…いえ、私たち以外が発する言葉、目に見える全てが罠だと思うべきです」

 

相手のことを一番わかっているのは神夏ギルと中津川。それを理解していた令音は数分考え、彼の提案を受け入れる。

 

「四糸乃、アナスタシア皇女」

 

『聞こえていたわ。私としても賛成よ』

『で、でも…あの子を助けないと…!』

 

「ああ。人質を助けるのも重要だ。けど焦ってはダメだ。それは向こうの思う壺だろうからね。まずは青髭およびラフムの殲滅。それから人質を救出だ。いいかい?決して先走ってはいけないよ」

 

『…はい』

『指示は任せたわよラタトスクの皆さん』

 

「ああ。大船に乗った気でいてくれ」

 

 

 

 

 

「(さて…理想は人質とアレを分断して戦うことだけど、恐らく無駄な足掻きにしかならないわね。なら…)」

 

令音達の指示通り、青髭とラフムを出来うる限り早く殲滅する。だけれど…

 

「行くわよ四糸乃。気をしっかり保つのよ?」

「は、はい…!」

『むっふー!これからが正念場ってやつだね!』

 

だけど四糸乃の顔は優れていない。()()()()()()()()()()が解けつつある証拠なのでしょう。

 

「(全く……マスターも人が悪いわ。この戦いが終わったらどんな事になるのか、想像に難くないでしょうに)」

 

四糸乃だけじゃない、他の精霊たちも人を殺したかもしれない罪悪感に、これから先ずっと圧し潰されるかもしれないというのに。

 

「(そこはちゃんと責任を取らせるとして…命令は守らなきゃね)」

 

先導するように青髭へ向かって歩いていく。

 

「おっと、それ以上近づくのはやめることをお勧めします」

 

「四糸乃、いつでもザドギエルを使えるようにしておきなさい」

「は、はい!」

 

青髭からの忠告を無視し、お構いなしに進む。

 

『下だ!』

 

「「!」」

 

令音の言葉を聞いた瞬間に背筋に悪寒が走り、四糸乃を抱き後ろへ跳ぶ。

直後にさっきまでいた地面の中から紫色の触手が飛び出す。

 

「おや…残念」

 

触手の本体であろう生物が姿を表す。深紫を基調とした体色をしており、蛸とヒトデを融合させたような禍々しい姿で、触手の中心にはタコ同様口があり鋭い牙が並んでいる。確かこれは……

 

「いきなり海魔なんて随分なご挨拶ね。少しくらい普通に会話したらどうなの?」

 

「これは失礼しました。私の名は『ジル・ド・レェ』、我がマスターからは『青髭』と呼ばれております。

早速本題に入らせていただきますが、私はあなた方を殺せと仰せ仕りました。抵抗しないのであればせめてもの慈悲に、優しく殺して差し上げますが…どうされますか?」

 

「そ、そのまえに!あの子を解放してください!」

 

「あの少年のことですか?もちろん構いませんとも。私とラフムたちに勝てたら、の話ですがね」

 

『嘘をついている。青髭に人質を解放する気は全く無い。また、優しく殺す、というのも嘘だ』

『四糸乃さん、アナスタシア皇女殿下。あの男の言葉は全て嘘だと思って行動して下さい』

「じゃあ遠慮なく凍らせていいわね」

「あ、あのっ!」

 

敵をどう倒すのかばかりを考えていた令音やアナスタシアへ、四糸乃は大きく声を上げる。

 

「…どうかしたの?」

 

四糸乃は心臓がバクバクしながらも、自分の考えを、成したい事を口にする。

 

「あのっ!私とよしのんで、あの男の子を助けに行きます!その間、あの人と周りのラフムたちをお願いできませんか!」

 

四糸乃の提案に、アナスタシアは目を大きく見開く。同時にインカムの向こうからもざわめきが聞こえてくる。

 

「ダメよ。危険すぎるわ」

『アナスタシア皇女の言う通りだよ四糸乃。戦力を分散させるべきではない』

「でも…助けれるかもしれないのに、手を差し伸べないなんて。そんなの…できません!それに士道さんならきっと同じことを…」

「ええ、言うと思うわ。だけどね四糸乃。よく考えて。今一番危険なのは私と四糸乃が離れることよ。忘れてるかもしれないけれど、貴女は命を狙われているの」

 

「おやおや?作戦会議ですか?」

 

そんな2人へ青髭は容赦無くラフム、海魔に命令を下し、化け物の軍勢を四糸乃達へ向かわせる。

 

アナスタシアはそれに動じることなく片手を向け、横にいる小さな黒い妖精『ヴィイ』の力も借り、英雄としての力を遺憾無く発揮する。

 

辺り一面の気温は急激に下がっていき、0度を下回り氷点下へ。しかし止まることはなく、気温はマイナス100度を下回る。

これはアナスタシアの持つ能力の1つ【陣地作成】によるもので、自身の有利な環境へ作り変えていく。

 

「ほう。素晴らしい」

 

「この程度で驚いてもらっては困るわ」

 

極寒の環境は次第にゆっくりと拡大していき、最終的に現在のエリア全てを飲み込む。しかし人質の周囲だけを器用に変化させずにいた。

 

「なるほど。流石は氷の国の皇女、という事ですね。ならば…私も同じことをするまで」

 

青髭が指をパチンと鳴らすと、アナスタシアと同様【陣地作成】を用いて周囲を自身の有利な環境へ-まるで猛毒の沼とでもいうような-変化させていく。だがアナスタシアほど広くはなく、せいぜい半径数十メートル程度だろうか。

 

「四糸乃、改めて確認するわ。本当に1人で人質の子を助けるために動くつもり?」

「っ、はい!」

「……はぁ。分かったわ。ラタトスクの方々、聞こえてるかしら?」

 

『ああ。聞こえている』

 

「今から()()()()()()人質救出を行います。次に青髭の討伐。これに異論はあるかしら?」

 

インカムの向こうからはザワザワと焦燥が伝わってくる。

 

『アナスタシア皇女殿下。ですが…』

 

「相手の思う壺、そう言いたいのでしょう?」

 

『っ…はい。断言しますが、あの男は1秒たりとも長生きさせるべきではありません。この場全てを…』

 

「分かってるわ。でも貴方達は守ると豪語していた精霊に、一生癒えない傷をつけるつもり?」

 

『っ……いえ、そのようなことは……』

 

「なら決まりね。四糸乃も、良いかしら?」

 

「はい…!もちろんです!」

『よしのんもいるぞぉー!』

『……!』

 

「クスッ…ええそうね。ヴィイもよしのんも居たわね。それじゃあ…4人であの子を助けに行きましょう」

 

絶対零度の皇女は、氷の精霊と共に進軍を始める。

 

 

 

 

「じゃあ、手筈通りにね」

「はい…!」

『お任せあれー!』

 

四糸乃は自身の天使【氷結傀儡(ザドギエル)】の力で、アナスタシアの作り出した絶対零度の空間の大きさに合わせ、巨大な氷の結界を貼る。

嘗て士道に助けてもらう前、自分へ向けられる悪意から身を守るために使った結界を、今度は他の人を助けるために行使する。

 

そうして出来上がったのは絶対零度の空間の中、散弾銃を乱射しているかのような吹雪のドームの領域。ラフムと海魔の大群のうち、半分ほどは危険を察知したのか地面や空中へ避難する。僅かでも避難が遅れた個体は絶対零度の空間により動きが鈍り、その瞬間に四糸乃の結界による吹雪の雨で穴だらけになり絶命していた。

 

「ほう…素晴らしい。ならばこちらも手札を惜しんではいられませんね」

 

青髭は持っている本を開き、何かを唱え始める。

 

「ラフム、それと私の可愛い海魔たちよ。近くへ」

 

絶命を免れた2種類の怪物が、地面から、空から、あらゆるところから青髭の周りに集まる。その間にも刻一刻、絶対零度および散弾の吹雪が吹き荒れる領域が押し寄せてきた。

 

だがそんなモノには意を介さず、ラフムと海魔を()()()()()()

 

四糸乃とアナスタシアは異変に気づいておらず、先に気づいたのは観測をしていたラタトスクだった。

 

「…!これ、は…」

 

モニターに映ったのは2人の領域へ無作為に突撃していくラフムと海魔。先ほどまでと同じ、考え無しの突撃かと思われたが…

 

「なるほど。あの化け物どもを改造というからどんな事を、と思ったが存外シンプルに徹したようだ」

 

突撃している化け物たちは、凍りつき、穴だらけになりながらも強引に再生し四糸乃たちの元へ強行突破を試みていた。一体が息絶えると死体を盾の代わりにしさらに前へ。

 

「2人とも。非常に高い再生力と極低温への耐性を付与する改造を施した化け物が君たちの元へ向かっている。迎撃できるかい?」

 

『もちろんよ』

『は、はい…!』

 

「っ!村雨解析官!」

「どうしたんだい?」

「ルナさんが-----」

 

「…………。え?」

 

 

 

 

「来るわよ四糸乃」

「はい…!」

 

アナスタシアが言うと同時、四方八方から吹雪を突破した化け物たちが現れる。

巨大なウサギの天使【氷結傀儡(ザドギエル)】を駆使し-嘗て魔術師(ウィザード)達をテリトリーごと凍らせた時のように-多くのラフム達を、如何に高い再生速度と極低温への耐性を得ていようと、その()()()()凍らせていく。

 

「行き…ましょう!」

『むっふっふー。よしのんたちの勇士を士道くんに見せられないのが残念

だね!』

 

「ふふっ。そうね。頼りになるわ四糸乃」

 

四糸乃と氷結傀儡(ザドギエル)が先行し、2人(と2体)は人質を救出するため全力を尽くしていく…。

 

 

 

「はっはっ…」

「見えてきたわ。もう直ぐよ」

「…!」

 

ラフムと海魔の軍勢を、天使【氷結傀儡(ザドギエル)】を駆使し切り抜ける。改造する一手のお陰で予想よりも押し寄せてこないのがせめてもの救いか、酷く消耗はしたがなんとか人質の辿り着く。

 

「ラフム達は私に任せて。四糸乃はあの子を助けてあげて」

「はいっ…!」

 

 

「ふむ…?困りましたねえ。

()()()()()()()()()…。マスター。これも貴女様の策なのでしょうかねえ」

 

 

 

四糸乃は磔にされた少年を丁寧におろし、心配そうに顔を覗き込む。

 

「う…」

 

「あの…大丈夫、ですか?」

 

少年は目を覚ましたかと思うと、まずは四糸乃に驚き、続いて氷結傀儡に驚き-だがそれでも何かに怯えながら-どこかに逃げ場はないかと周りを見た。

 

「あ、あのばけものは…!」

「安心して…ください。私たちが、やっつけました」

『そーだよん。助けたよしのんたちに感謝しなよぉラッキーボーイ君』

 

『助けた』 その言葉に安心したのか、少年は涙を流していた。

だが…それもすぐに止まり、何かを思い出したのか酷く狼狽し、四糸乃から離れようとする。

 

「だ、大丈夫です!私たちは、助けに……」

 

()()()()()()!ぼく、あいつに…」

 

「え?」

 

「早く逃げてお姉ちゃん!」

 

そう叫びながら少年が四糸乃を突き飛ばす。

 

 

 

ドォン!

 

 

 

突き飛ばした少年の頭が突如破裂する。

辺りに肉片が飛び散り、最も重い部分を失った体はドサ…と倒れる。

 

四糸乃は状況が理解できず、数秒の間フリーズしてしまう。

 

だが数秒後には脳が理解した。してしまった。

 

「〜〜〜………!」

 

四糸乃は声にならない悲鳴をあげながら少年だったモノに近づいていく。

青髭はそんな四糸乃を見て口角を上げ、魔導書に手をかざす。

 

少年の首から下が跳ねる。四糸乃はそれに驚き飛び退いてしまう。

 

心臓があった部分から紫色の触手が出現し、多く分岐しながら少年の身体中へ刺さる。まるでビデオの早送りかのように急速に、体の節々が紫色の体に変化していきラフムへ至る。

 

「あ…あ……」

 

その場にへたり込んでしまった四糸乃は力を使うことができず、ただ涙を流すしかできなかった。

 

顔からは恐怖以外の感情は読み取れなかった。

 

「ギギ…づわ?……しをすぬえに」

 

ラフムはかろうじて人の言葉を喋り、四糸乃へ近づいていく。

 

「(にげ…なきゃ)」

 

頭ではわかっていても体が動かない。インカムからも誰かが必死に叫んでいたが、恐怖のあまり脳が全てを遮断していた。

 

目と鼻の先まで近づき、蜘蛛のような脚を大きく上げ-

 

 

 

躊躇いなく振り下ろした。

 

 

 

 




いやぁ推しを曇らせるのは楽しいねぇ(ゲス

次まで四糸乃サイドは続きます。次回くらいまで残酷な描写が多めなのでご注意を(今更か


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