インフィニット・ストラトス~皇室の楯~(凍結)   作:のんびり日和

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感想欄で法律の事でご指摘を頂き、一度消去して書き直しました。
読んでいただいた読者様、感想を書いて下さった方々、誤字等を送って下さった方々。
申し訳ございません。


それと法律に関してはほぼド素人の為、全く分かりません。もしこれも違うと言われましても申し訳ないですが、これで行きます。


8話~RE~

検察庁で取り調べを行われた千冬は数日後、拘置所で弁護士と会っていた。

 

「お待たせしてすいません、織斑さん」

 

「それで私の要望通りいけるのか?」

 

千冬はイライラした表情を浮かべながら、弁護士の足立に聞く。

 

「残念ながら、被害者の方達に示談を申し込みに向かいましたが聞き入れてもらえませんでした」

 

そう言うと千冬はガンッと拳で机を叩いた。千冬の容疑は傷害罪、誘拐未遂、公共施設不法侵入だった。だが暴行した教師の内2人程が意識不明の重体だった為、警察は殺人未遂も加え再逮捕されていた。千冬は初犯の為、数年の刑か示談で済むのだが、示談は被害者側は一切受け入れなかった。

 

(示談が成立しなければ、私は刑務所行き。そうなったら世間からの目で私の行動は大幅に制限される。そうなれば一夏に逢うチャンスが大幅に減る。それだけは何とかしなければ)

 

千冬は何とか刑務所行きだけは避けねばと考えを巡らせていると、弁護士の足立が声を掛ける。

 

「あの、織斑さん。一つだけ刑務所に行かない方法が有ります。ですが、勿論監視などが着きます。それでも世間から織斑さんに向けられる非難の声は低いと思われます」

 

そう言うと千冬は世間から向けられる非難の目が少しでも低くできるならそれでやれ。と伝えた。そして足立は拘置所から去って行った。

その頃IS委員会では、重役達が冷や汗を流しながら緊急会議を開いていた。

 

「それで被害者があの天城家のご子息なのは確かなのか?」

 

「……はい」

 

重役達はそれぞれどうするかと相談を始めた。千冬は教師に暴行、公共施設の不法侵入、器物破損など色々やった。更に一番不味かったのは連れて帰ろうとしたのが、赤の他人しかも天皇陛下の守護家、天城家の息子。揉み消そうものなら自分達の存在事消される可能性があるのだ。だからこそ腕のいい弁護士に依頼をし、出来るだけ罪を軽くしようと考えたが、もはや無理であると考えていた。

すると扉をノックする音が鳴り、委員長は入室を許可する。

 

「あの、委員長。女性権利団体会長、芹沢さんからお電話が……」

 

その言葉に委員長は大きく溜息を吐いた。

 

「用件は?」

 

「はい、腕のいい弁護士を雇ったのですか?と聞いてこられましたが」

 

「だったら安心しろと伝えろ。それと彼女はもうモンドグロッソに出場させられんと伝えておいてくれ」

 

「わ、分かりました」

 

そう言い秘書は退出していった。

 

「……向こうも大慌ての様ですね」

 

「全くです。女性達の憧れだと思われたブリュンヒルデがまさかの犯罪。情報の漏洩を塞ごうとしたが時すでに遅し。我々にも責任が飛び火しなければいいのですが……」

 

「もう過ぎた事は仕方がない。さっきも言った通り織斑千冬は次のモンドグロッソには出場させん。理由は分かり切った通り……天城家の怒りを買わないためだ」

 

そう言い会議を終了した。

 

それから数日後、織斑千冬の裁判が行われた。傍聴席には記者達も居り、世界的に有名な第1回モンドグロッソ覇者の裁判とあって全員聞き漏らさない様にボイスレコーダーを片手にメモを取る準備をしていた。

 

「では検察側、起訴状を読み上げてください」

 

裁判長はそう言い検察官は立ち上がり、罪状を読み上げた。

 

「○月×日、被告人織斑千冬は浄苑小学校から帰宅しようとした生徒3名の中にいた一人に現在行方不明になっている自身の弟と見間違え接近。不審者と思った3人が逃げたのを追いかけ、校内に侵入。その後3人は昇降口付近にいた教師に助けを求め、学校校内に避難。その後、被告人が昇降口へと到着。扉を閉めた教師に開ける様に言ったがそれを拒否され、窓を割り扉を開け教師に暴行。その後生徒達が避難した職員室へとやって来て扉を蹴破って中へと侵入。そして中にいた教師達が被告人を取り押さえようとしましたが、被告人は教師の持っていた刺叉を奪い取り教師達を殴打。そして生徒達が避難していた校長室に入ろうとした所、被害者生徒達の家のお手伝いが被告人を取り押さえ逮捕。その後詳しく調べた所暴行を受けた教師の数人が意識不明の重体に陥っていることが分かりまして、後日殺人未遂として再逮捕しました。罪状殺人未遂、傷害罪、公共施設不法侵入」

 

そう言い検察は席に座る。

 

「被告人、今検察が呼んだ起訴状に間違いはありませんか?」

 

「……コク」

 

千冬は只何も言わず首を縦に振る行為をするだけだった。

 

「弁護側、何か発言は有りますか?」

 

「はい、弁護側は被告人は当時、精神的異常が有った為、正常な判断が出来なかった為に今回の悲惨な事件が起きたと考えております。ですので被告人は適切な治療を受けさせるべきだと考えております」

 

弁護側の発言には、傍聴席にいた事件を担当した刑事達を驚かせた。

 

「おいおい、あの弁護士何を言ってるんだよ?」

 

「奴め、あれが狙いか?」

 

賀上は弁護士の足立が言っている事に理解できずにいる中、仲村だけがそれを読み取った。

 

「何を狙っているんですか?」

 

「奴が狙っているのは、奴がさっき言った通り精神病院に入れるつもりなんだよ」

 

「ま、まさかそんなことが可能なんですか?」

 

「織斑千冬の行動とか調べただろう? 奴はこれまでずっと弟を探すために休むような事が無かった。その間に精神異常が起きてもおかしくないと考えたんだろう」

 

仲村の推論に賀上は、そうなのかと納得しそれだけは起きるなよと願う。

 

そして互いに証拠品を出していると弁護士側は新たな証拠を提示した。

 

「此方は精神鑑定士が診た被告人の鑑定結果です。ご覧の通り被告人には大きな精神的異常があると出ています。その為被告人は当時、正常な判断が出来ず赤の他人の少年を自分の弟と見間違えた可能性があります。そして教師達を殴打したのも、本来ならやってはいけないと判断できるはずが、精神的異常によって正しい判断が出来ず結果的に暴行してしまったと考えられます」

 

新たに出た証拠には検察側も驚き、精神異常として無罪になる可能性があると分かり、巻き返そうとしたが確たる証拠が無く反論が出来なかった。

それから裁判は進み、そして判決の時が来た。

 

「主文、被告人を精神病院への強制入院とする」

 

裁判長の判決には賀上達は絶句した。記者達も世界的有名な織斑千冬が精神病院に強制入院となったことを記事にすべく大慌てで出て行く。

 

「おいおい、何だよそりゃあ」

 

「あぁ。こりゃあ最悪な展開になったな」

 

そう言いながら悔しい思いをしつつ裁判所を後にする賀上達。

 

拘置所では千冬と足立が面会していた。

 

「では、織斑さん。私はこれで失礼します」

 

そう言い足立は去ろうとするが

 

「待て! 警察が調べたDNA検査に間違いは無かったんだろうな?」

 

そう言い千冬は警察が千冬と智哉のDNA検査の結果を偽っていないのか聞くと

 

「えぇ。口内と髪の毛の両方を調べて出した結果だそうです。残念ですが被害者の少年とは姉弟関係が無いのは確かだそうです」

 

そう言い出て行く足立。千冬は本当に無かったのかと落胆し項垂れる。

 

 

 

 

裁判の結果は、雪子達の元にも伝えられ雪子は只暗い空に浮かぶ月を見上げていた。

 

「……そうですか。報告ご苦労様です。下がっても宜しいですよ半蔵」

 

「御意」

 

そう言い半蔵と呼ばれた従者は忽然と姿を消した。するとその傍に颯馬がやって来た。

 

「……報告は聞きましたか?」

 

「あぁ」

 

颯馬は何も言わず雪子と同じく月を見上げる。

 

「あなた」

 

「ん? 何だ?」

 

「もし、あの女がまた智哉達の前に現れたら……」

 

雪子はそう言い手を握りしめていた。雪子は智哉達に怖い思いをさせた千冬が憎くて堪らなかったのだ。そして今回の裁判の結果にも納得がいかなかったのだ。

颯馬は雪子の手をそっと握りしめ、鋭い眼光を月へと向ける。

 

「あぁ勿論。私達があの子を守る。その為にお前達、しっかりと警戒しておくんだぞ?」

 

颯馬は背後の部屋に向け言葉を投げる。

 

「主の命、しかと承りました」

 

「若様は我らの新たな次期当主。命を賭けてでもお守りいたします」

 

「若様に不届きを働くものには死を」

 

3人の女性はそう言ってスッと消えた。




次回予告
月日は経ち、智哉が小学6年生のある日。智哉は秋、時雨と共に訓練をする。すると穂香達と美哉達がやって来て共に訓練を行う。
次回
守る力を求め
~自分を守る為、そして皆を守る為に力を付けたいんだ~
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