インフィニット・ストラトス~皇室の楯~(凍結) 作:のんびり日和
智哉と美哉達は日が沈み始めた6時頃まで行われ、そして美哉が訓練を切り上げた。
「み、皆さん今日はありが……とう」
そう言い智哉は前に倒れそうになると恵梨香が受け止めた。智哉はスゥスゥと寝息を挙げながら寝ていた。
「ありゃりゃ、とも君たら余程疲れたんだね」
そう言い笑みを浮かべながら抱き上げる恵梨香。
「それじゃあ私達はとも君を部屋まで送るけど、美哉さん達は?」
「私達は颯馬様に呼ばれてますので、此処で失礼いたします」
そう言い美哉達は一礼し、道場から出て行った。
そして道場から母屋の方へと進み、普段颯馬が仕事をしている部屋へと到着し襖越しに颯馬に声を掛ける。
「颯馬様、ただいま参りました」
「うむ、入れ」
そう言い美哉達は中へと入り下座の方に正座で座る。
「さて、本題の前に智哉の格闘術の訓練、智哉はどれ程身に付いたと思う?」
「そうですね、若様は大変技術などの呑み込みなどが速く、既に時雨の近接格闘術のほとんどを憶えたかもしれません。更に剣術と並行して武器を持った状態での足技などの訓練を鴉羽が行った所、此方も呑み込みが速かったです」
美哉はそう報告すると颯馬はそうか。と笑みを浮かべ、頷く。そして表情を引き締め真剣な表情へと変えた。
「さて、では本題に移る。お前達を呼んだのは他でもない、智哉達の事だ」
「若様の事ですか?」
時雨がそう言うと颯馬はうむ。と頷き続きを話した。
「お前達も憶えているだろ? 去年のあの事件を」
そう言うと5人は険しい表情を浮かべながら頷く。
「智哉達にあのような悲劇に巻き込まれないようにする為に、智哉達の護衛部隊を編成すべくお前達を呼んだのだ」
「護衛部隊ですか?」
「そうだ。今までは時雨と秋の2人で3人の護衛をして貰っていた。だがあの事件が起きた以上、護衛をする人数を増やさねばならないと思ったからだ」
そう言い颯馬は真剣な表情を浮かべながらそう言う。颯馬が説明をしている中、時雨と秋は悔しい表情を浮かべていた。自分達が智哉達の状況をもっと詳しく知れるようしておけば悲劇は起きなかった。あの日智哉達のクラブが早く終わったと連絡が来るように簡易通信機や教師達にそう言った報告が来るよう頼んでおけば。と後悔の念に苛まされた。
「……時雨、秋。お前達に責任はない。あの子達が襲われたのはこの私の責任だ。だからこそ今後あの子達が襲われるような事が無いようにする為に力を貸してくれ」
「……私の様な未だ未熟な力でも宜しければ存分にお使いください」
「……同じく、天城家に仕えている人物としてこの力が当主の役に立つのなら存分に使ってくれ」
そう言い時雨と秋は平伏し、颯馬に忠誠を見せた。颯馬はうむ。と頷く。
「さて、智哉達の護衛部隊なんだがお前達の他にもあと3人程いれる。入れ」
そう言うと美哉達が入って来た襖とは反対の襖が開き3人の従者が入って来た。一人目は茶髪で短髪の小柄な女性で、何故かメイド服を身に纏っていた。2人目は黒を基調とした着物を若干緩めた様な服装で、恵梨香と同年代の女性。そして3人目は綺麗な翠眼をした水色髪の女性だった。暗部部隊筆頭の美哉はその顔を見てどの部隊所属の人間でどういった人物なのか頭の中にいれている人物ファイルから引き出した。
「隠密諜報隊の忍足あずみ、皇族護衛隊の切姫夜架、後方支援班狙撃隊の泉谷ホロウ。この3名が若様の護衛部隊に加える者達ですか?」
「そうだ。忍足、切姫は秋達と同様智哉達の身辺警護に当たらせる。ホロウには高台などからの遠距離護衛についてもらう。この護衛部隊の隊長は美哉、お前に任せる。暗部部隊筆頭を兼任させるから大変かもしれないが、頼むぞ」
「御意」
「お前達も自分達の部隊の仕事と兼任することになるが頼むぞ」
「「「「「「「御意」」」」」」」
美哉達が平伏し、任を了解したのを確認した颯馬は部屋から出て行く。そしてそれぞれ楽な姿勢となりそれぞれ顔を見合う。
「さて、秋と時雨は忍足達と会うのは初めてでしたね」
「はい、この屋敷には多くの人が出入りするのですが、この御三方とは初めてです」
そう言うと美哉は3人に目線を向ける。
「じゃあ、あたいからな。あたいは忍足あずみ。隠密諜報隊の隊長だ。まぁ名前の通り秘密裏に情報収集や暗殺などをする部隊を任されている」
「私は切姫夜架。天皇陛下並びにご家族をお守りする護衛部隊の隊長を任されておりますわ」
「泉谷ホロウです。後方支援班狙撃隊に所属しております」
3人の自己紹介を終えると紅翼が手を挙げた。
「なぁ、今気付いたんだがどう言う風に若様達の護衛をするんだ? 僕、若様達の護衛任務に就いた事が無いから分かんないんだけど」
そう言うと秋と時雨、美哉とあずみと切姫はえ、無いの?と言った表情を浮かべた。
「な、なんでお前達はそんな表情を僕に向けるんだよ! 僕だけじゃなくクロにも向けろよ!」
そう言いクロこと鴉羽に指をさすが、鴉羽は笑みを浮かべた。
「残念だけど、私は何度か颯馬様の護衛についた際に、若様達の護衛もしていた亊があるよ」
そう言うとえっ!?と驚いた表情を浮かべる紅翼。そして今度はホロウに目を向けると
「私は美哉様が智哉様達と共にお買い物に行かれた際に近衛として就いていた事が何度かあります」
そう言うと紅翼はガックシと膝を墜とした。
「ぼ、僕だけやったことが無い……」
「まぁ君は戦闘強襲隊に所属しているから、そうそう若様達の護衛任務を回されることは無いだろうね」
鴉羽がそう言うと紅翼はうがぁ~!?と声をあげ頭を抱える。すると襖が開き、顔を覗かせる人物がいた。
「なんか紅翼さんの奇声が聞こえたんだけど、大丈夫?」
そう言い顔を覗かせたのは智哉だった。智哉が突然現れたことに全員驚き直ぐに姿勢を正す。
「こ、これは若様。ご安心ください、紅翼が少し頭を打ってその痛みから悶えていただけです」
そう言い、そうよね紅翼?と後ろに若干薄い般若を浮かべながら聞く美哉。紅翼はそ、そうです!と言いぶつけた様に見せる為に頭を摩る。
「そうなんだ。それじゃあ……」
そう言い智哉は紅翼に近付き、紅翼が摩っていた所に手を当てて
「痛いの痛いの飛んでけ~」
と言ってやった。紅翼は顔を真っ赤にしていると智哉が顔を見る。
「あれ、紅翼さん顔が赤いけど大丈夫?」
「だ、だ、大丈夫です‼」
そう言い智哉から直ぐに距離を取り息を整える紅翼。智哉は頭に疑問符を浮かべながら首を傾げていると、近くに居たあずみが話しかける。
「所で智哉様、何か用が有ってこの部屋に来られたのですか?」
「え? あ、そうだ。僕お風呂に行こうと思ったんだけど僕のパジャマが見当たらなくて、美哉さん何処に仕舞ったんですか?」
「パジャマですか? それでしたら畳んでお風呂場の箪笥に仕舞ったと思いますが……」
「あれぇ、それじゃあ何処か見落としたのかなぁ」
そう言い戻ろうとすると、あずみが智哉に声を掛けた。
「では、私も一緒にお探しいたします!」
「では、僭越ながら私もお供いたしますわ」
そう言い夜架とあずみは立ち上がり、智哉と共に部屋から退出していった。
「あの、美哉様。あずみさんの口調が変わったような気がしたのですが……」
「そう言えば時雨達は知らなかったわね。彼女は信頼でき、そして忠誠を誓える者だと認めるとあんな風な口調になるのよ。因みに颯馬様の前でもあの口調よ」
そう言うと秋と時雨はそうなんですか。と納得した表情を浮かべた。その頃紅翼の方は鴉羽が刀に手を掛けながら紅翼に近付いていた。
「全く君、なに羨ましい事をされているんだい?」
「ぼ、僕だってまさかあんな事をしてくださるとは思いもしなかったんだよ! だから僕は悪くない‼」
そう言いながら逃げる様に後ずさるとガシッと背後から肩を掴まれ、紅翼は後ろを見ると無表情を浮かべたホロウが居た。
「なに羨ましい事をしてやがりますか」
「だ、だから僕は悪くないっ!?」
そう言いながら逃げようとする紅翼。それを逃がさまいと捕まえるホロウ。そして刀に手を掛けながらゆっくりと近づく鴉羽。
「はぁ~、あなた達。そろそろおふざけは其処までにしなさい」
そう言い美哉は遊んでいる?3人を止めに入った。
「仕方ないねぇ。紅翼、命拾いしたね」
「今回だけは見逃してあげます」
そう言い2人は紅翼から離れた。
「し、死ぬかと思った」
「あの二人が本気で殺す気でしたら、もうとっくに貴女は殺されてます。……さて皆さん」
2人を止めた後、美哉は真剣な雰囲気を醸しながら部屋にいた者達を見渡す。
「忍足と切姫には後で私が伝えますが、若様達の護衛についての話し合いを10時頃行います。それまで各自自分達の仕事を行うように」
「「「「「御意」」」」」
そう言いそれぞれ自分達の仕事をしに部屋を出て行った。
次回予告
智哉達の護衛部隊が編成され数ヵ月が経ち、智哉達は夏休みへと入った。智哉達が家で寛いでいると刀奈、簪、虚、本音が天城家へと泊まりにやって来た。
次回
お泊り会
~今日は皆でこれを着て寝よぉ‼~