インフィニット・ストラトス~皇室の楯~(凍結) 作:のんびり日和
夕方6時頃、恵梨香はかなたの運転する車で家へと戻って来た。
「ん~! いや~、社長って大変だね」
「そうかもしれませんが、それも恵梨香様そして智哉様の夢の為でもございます」
車から降りた恵梨香は体を伸ばしながら家へと入って行く。その後ろをかなたは追随していく。
そしてかなたは颯馬、雪子そして暗部部隊筆頭の美哉に今日の報告をすべく別れ、恵梨香は自身の部屋へと向かい襖を開く。
「ただいまぁ~」
「あ、お帰りお姉ちゃん」
「お姉ちゃんお帰り~」
「お帰りなさいませお姉様」
智哉、穂香そして黒江が恵梨香を出迎えると一緒にいた刀奈達も挨拶をする。
「お邪魔しています、恵梨香さん」
「お邪魔しています」
「お久しぶりでございます、恵梨香さん」
「お久しぶりでぇす」
そう言い4人は頭を下げた。
「お、いらっしゃい。とも君に聞いたけど暫くこの家で泊まるんだって?」
「はい。お父さん達の仕事が結構長引きそうで、お母さんも応援で向かったんです。それで家に私達を置いて仕事に行くわけにはいかないと言う訳で、此方に」
「そっかぁ。そっちのご家族は大変だね」
そう言い恵梨香は上着を脱ぎハンガーにかける。そして智哉達と同様に畳に座り、テレビに目を向ける。
「ありゃりゃ、やられてるね。とも君此処何回目だっけ?」
「もう数十回は行ってる気がする。途中まではいいところまで行けるんだけど、最後辺り敵が多すぎるんだもん」
そう言いもう一度装備編成画面へと戻り、装備を変更する。
「このゲーム、本当に圧倒的物量でプレイヤーを殺しにかかってくるね」
簪はコントローラーを持ちながら次の装備をどうするか考え込む。
「けど、この前お姉ちゃんインフェルノでラスボス倒したよね?」
穂香がそう言うと、智哉や簪は驚き顔を恵梨香に向けた。
「いや~、あれは偶々だよ。だって体力2000ちょいしかない状態で挑んだんだよ」
「けど装備はほぼレベル90近くの武装だったじゃん」
穂香はそう言っていると、簪と智哉は互いに顔を見合い頷く。
「お姉ちゃん」
「恵梨香さん」
「「攻略法を教えてください」」
そう言い頭を下げた。恵梨香は苦笑いを浮かべ、仕方ないと言いコントローラーを取る。
「それじゃあソロでラスボスを倒したこの私の実力。特とご覧に「皆~、ご飯よ~」続きはご飯を食べた後だぜ!」
と言いコントローラーを机の上に置く。そして全員部屋を出て居間へと向かうと机を並べ刀奈達も座れるようされていた。
「さぁ好きな場所に座りなさい」
颯馬は笑みを浮かべながら上座に座っていた。
「は、はい」
まだ緊張しているのか刀奈達はそれぞれ智哉達の近くに座った。因みに智哉の隣は穂香と黒江が座っており、恵梨香は穂香の隣にいた。刀奈達は向かいの方である。
「はい、今日のご飯は少し豪勢にしてみましたよ」
そう言いながら雪子は机の上にオードブルの盛り合わせの様な色とりどりの料理が載っていた。
「わぁ~美味しそう!」
本音は料理を見て目を輝かせて身を乗り出す。
「こ、こら本音! お行儀が悪いですよ!」
虚は本音にそう叱り座らせた。
「ハッハハハ。別に気にしてはおらんよ。美味しそうな食べ物を見て興奮するのは誰だってあることなのだからな」
颯馬は笑みを浮かべながらそう言うと、虚は申し訳ありません。と一礼する。そして雪子は最後にお寿司を持って来て机に置き席に着く。
「さてそれじゃあ、いただきます」
「「「「「いただきます!」」」」」
「「「「い、いただきます」」」」
颯馬の挨拶と共に智哉達も続き、刀奈達は緊張した雰囲気で挨拶をし箸を持って料理を頬張った。
「うわぁ~、すっごく美味しいぃ!」
本音はオードブルに載っていたエビフライを食べながら感想を述べ、刀奈や簪もそれぞれ料理を頬張って頷く。
「お母さんが作ってくれた唐揚げとは違って、こっちはお肉がジューシー!」
「こっちのイカリングは衣がサクサクで美味しい!」
「此方のお寿司も新鮮さが有ってとても美味しいです」
4人が料理を褒めながら食べている姿に、雪子は笑みを浮かべながら同じく料理を口にする。
「ふふふ。そう言ってくれて嬉しいわ」
そして夕飯を終え、智哉達は部屋へと戻り恵梨香のゲームを眺めた。すると穂香はふと壁時計を見ると9時を指していた。
「あ、そろそろお風呂に行こうよ」
「おりょ、もうそんな時間? それじゃあお風呂に行こっか」
「はい」
「そだね」
そう言い4人が立ち上がると、刀奈達は驚いた表情を浮かべる。
「ん? どうしたの?」
「あの、智哉君も一緒にお風呂にですか?」
「うん、何時もこの時間になったらお風呂に行ってるよ」
4人は当たり前と言った表情でいる中、刀奈達は頬を若干赤く染めていた。そして恵梨香達に聞こえない様に円陣になる。
「ど、どうしよう。その智哉君とだったら別に良いかなって言う気持ちはあるけどまだ心の準備が……」
「わ、私だって無いよ、お姉ちゃん」
「み、水着を持ってくればよかったです……」
「ほぇ~、そんなに気にするような事なのぉ?」
3人は本音ののんびりとした性格がこの時だけ羨ましいと思い、見ていると恵梨香が話しかけた。
「どうかしたの?」
「い、いえ。大丈夫です」
3人は頬を染めながら大丈夫と言う。恵梨香達は首を傾げながら刀奈達と共にお風呂場まで行く。恵梨香達の後ろを付いて行くように刀奈達は頬を染めながら、どうしよう、どうしようと悶々としていると
「はい、お風呂場とうちゃ~く!」
そう恵梨香が言い刀奈、簪、虚はビクッと肩を跳ね上げ顔を上げると青と赤の暖簾の付いた入口があり、暖簾には『男』、『女』と描かれていた。
「え? もしかして男女別……」
刀奈はそう口から洩らすと、恵梨香がニヤニヤと笑みを浮かべながら顔を向ける。
「おや~? もしかして男女同じお風呂だと思ってたぁ?」
そう言われ3人は顔を真っ赤にしながら頷いた。
「私は別にともともと同じお風呂でもいいかなぁって思ってましたぁ」
本音はダボダボの袖を振りながらそう言うと、智哉は顔を赤く染め困った顔を浮かべる。
「の、のほほんちゃん。それは流石に僕恥ずかしいよ」
「にゃははは、残念ながらそれは出来ないんだよね。……恋人同士なら11時以降に行けば混浴は出来るけど」
最後らへんを誰にも聞こえないほどの小さな声で呟く。そして智哉以外は女湯へと向かい、智哉は男湯へと入って行った。
お風呂場に入って行った後、刀奈達の前には大きなお風呂場が広がっていた。
「す、凄い」
「家のお風呂とは比べられないほどの大きさだね」
「お、温泉施設と同等の広さ何でしょうか」
「わぁ~、広~い!」
4人が驚いた表情を浮かべている中、恵梨香達はかけ湯をしてお風呂に浸かる。
「お~い、驚いているのは良いけど風邪ひいちゃうよ」
そう言われ4人は我に返りかけ湯をしてお風呂に入った。8人はお風呂場で体を洗いっこしたり、恵梨香と刀奈のぽよよんとした胸に嫉妬の目線を送り、胸の小さい者連盟を結成したりと楽しんだ。
それから暫くしてお風呂から上がった7人は本音が用意した動物寝巻きに着替え脱衣所から出る。
「いや~、この寝巻きなかなかいいね」
ウサギの寝巻きを纏った恵梨香はそう言うと
「そうだねぇ、私この寝巻き気に入っちゃった!」
猫の寝巻きを着た穂香は恵梨香に同意しながら後に続く。
「お姉様達の寝巻きも大変可愛らしいです」
リスの寝巻きを着た黒江は、恵梨香や穂香の寝巻きを褒める。
「えへへへ。用意した甲斐があるよぉ」
何時もと変わらない狐の寝巻きを着た本音はダボダボの袖を胸の辺りにあげる。
「は、初めて着ましたが中々着心地はいいですね」
羊の寝巻きを着た虚は、普段から着ている本音がどうして動物寝巻きを着たがるのか何となく理解できた。
「本音ってこの動物寝巻きシリーズどれだけ持ってるんだろう」
ハムスターの寝巻きを着た簪は以前にも何度か動物寝巻きを本音と共に着たが、どれだけ種類があるのか気になった。
「……ねぇ本音ちゃん」
一番後ろにいた刀奈は自身の寝巻きについて本音に声を掛ける。
「なぁにかたちゃん?」
「どうして私は豚さんなの!?」
刀奈はそう言い自身が豚な理由が分からず、本音に選んだ理由を聞く。
「えぇ~。だってかたちゃんこの前身体検査の時、体重が増えたってお姉ちゃんに言ってたじゃん」
「それは成長したら自然と増えるのねって言う意味で言ったの! 別にご飯の食べ過ぎで体重が増えたって言う意味で言ったんじゃないわよ!」
「そうだったんだぁ。けどそれ以外の寝巻き持ってきてないよぉ」
替えが無いと本音が言うと刀奈はガックシと肩を落とし、なら我慢すると言いトボトボと歩く。
7人は智哉が出てくるのを待つべくお風呂場の出入り口で待っていると
「お待たせぇ!」
そう言い暖簾をくぐり抜けて出てきたのは、柴犬の寝巻きを着た智哉だ。
「お、とも君の寝巻きも可愛いねぇ」
そう言い恵梨香は近付く。
「お手!」
「……えっと、ワン?」
そう言い出された手に、手を置く智哉。
「か、可愛いぃ~~~!」
恵梨香はデレデレとした表情を浮かべ、後ろにいた穂香達も可愛い瞬間が見れて役得と思った。
そして部屋へと戻って来た8人はそれぞれ布団を敷きその上でトランプでババ抜きや7並べをして遊んでいると、簪と本音。そして智哉と穂香、黒江は眠くなり布団に入り眠り始めた。
5人が布団に入り残った3人はそれぞれジュースを飲みながら談笑をしていた。すると虚は今日テレビでやっていた出来事について述べた。
「そう言えば恵梨香さん。今日テレビで発表された計画、まだ起業されて1年程しか経っていないのにあんな計画が実行されるなんて驚きました」
「私もです」
そう言うと恵梨香はそう?と笑みを浮かべた。
「ふふふ。それじゃああのプロジェクトのもう一つの計画を話そうかな~」
そう言うと刀奈と虚は首を傾げる。
「もう一つのプロジェクトですか?」
「そう。宇宙にあげてISの機体性能だとか調べるのは、あくまでデータ収集が目的。本命はもう一つのプロジェクト。それは―――」
一旦間を開く恵梨香。そして
「
「「っ!?」」
束の話したもう一つのプロジェクトに、2人は息を呑んだ。
「ど、どうしてそのプロジェクトを発表しなかったんですか? 発表すれば多くの国などから支援が受けられるのに」
「理由なんて簡単だよ。この発表をした場合、いい顔をしない人って誰だと思う?」
「えっと……ッ! 女尊男卑の女性!」
虚は真っ先に浮かんだ者を口にすると恵梨香は「正解!」と言った。
「男性でもISに乗れるようになったら、あいつ等の立場なんてすぐに崩れ去る。だからこのプロジェクトを発表すれば被害なんて考えずプロジェクト潰そうとしてくる。だからカバープロジェクトを立てて、宇宙でこっそり実験するのさ。因みにJAXAやNASAの人達もこのプロジェクトについては知ってるよ。政府には伏せてるけどね」
そう言いジュースを飲む恵梨香。
「凄いですね。そんな壮大なプロジェクトを企画していたなんて」
「ふふ~ん。これもとも君の夢の為さ」
そう言い智哉の頭を撫でる恵梨香。撫でた際に智哉の口から「……ふみゅ~」と声が漏れ、恵梨香の鼻血メーターが一瞬超えかけるが、何とか踏みとどまった。
「とも君は何時か、ISに乗って空を飛んでみたいって言ってたんだ。だから私はとも君の夢を叶えるべく頑張っていみゃぁ~~~~!!!?????!」
いると言おうとした恵梨香が突然変な声をあげ、刀奈達は驚く。
「ど、どうしたんですか!?」
「と、と、とも君指吸われてるぅぅうぅぅ~~~!」
そう恵梨香が言うと、2人は智哉の方を見ると寝たまま頭を撫でていたであろう恵梨香の手を取って、指をチュパチュパ吸っていた。
「だ、だめぇ~~~! そ、それ以上吸われたら恵梨香さんおかしくなっちゃうぅぅ~~~!?」
そう言うと理性が限界に達したのか、そのままバタンキューと倒れ気絶してしまった。2人はポカーンとした表情を浮かべるも、直ぐに我に返り恵梨香をそのままにしておく訳にはいかず布団を恵梨香に被せ、自分達も布団に入った。
次回予告
夏休み、智哉達は家事の手伝いや時雨達と訓練をしたり普段やっている事を終え、刀奈達と共に遊ぶ。
次回
小学生最後の夏休み