インフィニット・ストラトス~皇室の楯~(凍結) 作:のんびり日和
恵梨香と黒江が天城家の養子となり、智哉と穂香の部屋に恵里香と黒江を一緒の部屋で過ごすことが決まり、部屋は広くなりました。
2人が天城家に入って1年が経ったある日。
部屋で寝ていた智哉は目覚し時計のアラームで目を覚まし、利き腕を伸ばして止めようとしたが利き腕の右腕が動かなかった。それどころか誰かに捕まれている感覚があり智哉は左手で布団を捲ると、自身の右腕に抱き着いている恵梨香が幸せそうな顔で寝ていた。
「恵梨香お姉ちゃん。朝だよぉ、そろそろ起きてぇ」
そう言いながら左手で揺する智哉。恵梨香はうぅぅん。と声を出しながら目を覚ます。
「あ、とも君おはよぉ~。そしてお休みなさ~い」
そう言いまた寝ようとする恵梨香に智哉はもう一度恵梨香の肩に手を置き体を揺する。
「だから朝だよぉ~。起きないと遅刻しちゃうよ」
そう言っていると部屋の襖が開き、割烹着を着た雪子がお玉を持ってやって来た。
「あらあら、まだ3人は寝てるの?」
「あ、お母さん。うん、恵梨香お姉ちゃんは一度起きたんだけどまた寝ちゃった」
智哉がそう言うと、雪子は部屋の中へと入って来て、すぅーと息を吸う。
『早く起きなさぁーーい!!!』
「「「は、はいっ!?」」」
雪子の大声に智哉以外の3人は飛び起きる。
「皆起きたわね? それじゃあ顔を洗って居間に来るんですよ」
そう言い雪子は部屋を後にする。びっくりして飛び起きた3人は暫く呆然としていたがすぐに我に返り、4人は洗面所に向かい顔を洗いに行く。
顔を洗い終えた4人は居間へと入ると新聞を読んでいる颯馬を見かけ挨拶する。
「お父さん、おはよう」
「「おはよう、お父さん」」
「お父様、おはようございます」
「うむ、おはよう。そう言えば智哉以外はまた雪子に起こされたのか?」
颯馬は読み終えた新聞を畳み、笑みを浮かべながらそう聞くと3人は、アハハ。と苦笑いを浮かべながらそれぞれの定位置に座る。
「穂香と黒江は良いとして、恵里香はもう少し自分で起きられるようにしないといけませんよ。皆のお姉ちゃんなんですからね」
そう言いながら両手鍋を持った雪子がやって来た。
「あうぅ、努力します」
「それと智哉に抱き着いて寝るのも、程々にね」
自身の定位置に座った雪子は、味噌汁を器に注ぎながらそう言うと黒江と穂香がずるい!と声をあげる。
「お姉ちゃん、ずるい! 穂香もお兄ちゃんに抱き着いて寝たかった!」
「私もです! 恵梨香お姉様だけずるいです!」
2人は頬を膨らませながら抗議の目を向けると、恵里香は明後日の方向に目を向ける。
「い、いや~、私も気付いたらとも君の腕に抱き着いて寝ててまぁいいかって思っちゃってね。(∀`*ゞ)テヘッ」
この行動を見た2人はカチンと来る。
「今日の夜は黒江がお兄様の隣で寝ます!」
「それがいいよ黒江!」
「なっ! ダメに決まってるじゃん! 年功序列で布団を敷こうって決めたじゃん!」
3人はむぅー!と睨みあっていると、笑顔だが後ろに般若を浮かべた雪子が止めに入った。
「3人共、早くご飯を食べないと遅刻しちゃいますよ?」
そう言われ3人は、は、はい!と冷や汗を滝の様に流しながら朝食をとり始めた。
朝食を終えた4人はそれぞれ登校の準備をし、玄関まで来る。到着すると相も変わらず颯馬と雪子、そして部下達が待っていた。
「それじゃあ4人共、気を付けて行ってくるんだぞ」
「今日もしっかりと勉強して来るんですよ」
そう言われ4人ははぁ~い。と了承する。
「それじゃあ―――」
「「「「行ってきま~す!」」」」
「「「「「行ってらっしゃいませ、若様! 恵梨香お嬢様、穂香お嬢様、黒江お嬢様!」」」」」
部下達の横断幕を見て4人は玄関から出て門へと向かう。
「いや~、いつ見ても元気があるね」
「はい、なんだか元気を貰える気がします!」
「そうだね、黒江」
「一日の始まりって感じがするよね」
そう言い門まで行くと、恵梨香は門近くの倉庫から自作の電動自転車を出し跨る。智哉達は秋達の車へと乗り込む。
「それじゃあとも君。気を付けてね」
「うん、恵梨香お姉ちゃんも学校頑張ってね!」
そう言い手を振って出発した。恵梨香は家から程遠い工業系の高校に通っており、以前通っていた高校より友達ができ楽しい高校生活を送っており、卒業したらIS専門の会社をたてる予定でいた。
恵梨香とは逆の方向に向かって走り出した車の中で、智哉は今日の学校行事を楽しみにしていた。
「今日の行事って楽しみだね、お兄ちゃん」
「そうだな。他校の人達と交流会ってことで集まるんだからな」
「私も楽しみです!」
3人はどんな生徒が来るんだろうと楽しみにしている中、秋と時雨は笑みを浮かべていた。2人はあの事件以降なかなか笑みを浮かべなかった智哉と穂香、そして新しく加わった黒江が笑みを浮かべながら学校を楽しんでいる事に喜んでいるのだ。
「もう間もなく学校に到着します。下りる準備を」
「今日も何時もの時間あたりに迎えに来るから、校門前で待っててくれ」
「「「はぁ~い!」」」
3人は返事をした後ランドセルを持ち、車が停まるのを待つ。そして車が何時もの校門前へと到着し、降りた秋達は行ってきますを言い3人はクラスへと向かった。
「皆おはよ~」
「おはよ~」
「皆様おはようございます」
智哉達は挨拶しながら中へと入ると、既に教室内に居た生徒達は挨拶をして今日の行事の話題をする。
「おはよう智哉。今日来る他校の生徒ってどんな人なんだろうな?」
「う~ん、僕的には面白い人だったらいいなぁ」
「私も」
「私もお兄様達と同じ意見です」
「ハハハ、相変わらず穂香さん達は智哉と同意見だな」
智哉の友人は苦笑いでそう言っているとチャイムが鳴りそれぞれ席へと着くと、担任の教師と他校の生徒だと思われるバンダナの少年とツインテールの少女がやって来た。
「はい、皆さん。こちらのお2人が本日から1週間ほどこのクラスで一緒に勉強していきます、○○小学校の生徒さん達です。では自己紹介をお願いします」
2人ははい。と返事をしバンダナの少年が前へと出た。
「五反田弾って言います。実家が定食屋を営んでます。特技は料理を作ることです。1週間よろしくお願いします!」
弾の自己紹介が終えた後、次にツインテールの少女が自己紹介を始めた。
「凰鈴音と言います。お父さんの転勤に伴って家族一緒に日本に引っ越してきたばかりです。日本語はある程度分かりますが、まだぎこちない所がある為手助けしてくださると有難いです」
2人の自己紹介を終えると、クラスは拍手が起きる。
「はい、それじゃあ2人は後ろに空いている席に座って下さい。では最初の授業は算数になりますから皆さん準備してください」
「「「「は~い!」」」」
授業が始まって暫くし、給食の時間。智哉と穂香と黒江、そして弾と鈴の机をくっつけて給食を受け取り席に着く。
そしていただきますの挨拶をした後、給食を食べながら弾は智哉に話しかける。
「えっと、「僕? 僕は天城智哉って言うんだ。宜しく!」お、おう宜しくな……」
弾は怪訝そうな顔で智哉の顔を見ていると、隣にいた鈴が弾に声を掛ける。
「ちょっと、弾。どうしたの?」
「いや、保育園の頃からの友達にそっくりでな」
そう言うと鈴は思い出すように言う。
「そう言えばアンタ、その保育園からの友人が今行方不明って言ってたわね」
「おう」
「行方不明?」
智哉は給食に出た牛乳を飲みながら、そう聞くと弾が頷く。
「俺の幼馴染の一人なんだけど、2年位前に行方不明になったんだ。警察や町内の人達が必死に探したんだけど、結局見つからない仕舞いでさ。結局その友達は未だに行方不明状態なんだ」
「へぇ~、その友達早く見つかるといいね」
智哉はそう言うと弾はそうだな。と落ち込みながら頷く。
「ところで、天城君は「あ、僕の事は智哉でいいよ。天城だと3人いるから」そう? それじゃあ智哉って呼ぶわね。で、智哉のお家って凄いの?」
鈴はそう聞くと智哉と穂香と黒江は首を傾げる。
「何で?」
「いや、早速友達になった女の子から聞いたんだけど、智哉のお家ってあの天皇陛下と親しい家柄だって聞いたから」
「うん、お父さんが天皇陛下と幼少の頃から友人だって言ってたよ」
穂香がそう言うと、鈴と弾はマジで!?と驚いた表情を浮かべる。
「……凄いな智哉達の家って」
「そうかなぁ? そうだ、弾のお家って定食屋さんを営んでいるって言ってたけど、どんなお店なの?」
智哉は自身の家より弾の定食屋が気になり、そう聞くと弾はうぅ~んと困った表情を浮かべる。
「どんなって言うとなぁ。まぁ頑固なじいちゃんが営んでる店だな」
「へぇ~、弾のお爺ちゃんって頑固なんだ」
「おう。五月蠅くしたりしたらお玉が飛んでくるんだぜ」
そう言うと、智哉達はへぇ~。と面白い人だなぁと思っていると、鈴がそうだ。と手を叩く。
「ねぇ今日は無理だけど今度の休みとかに弾の家に遊びに行かない?」
「おいおい、鈴。ウチみたいな定食屋に智哉達を連れて行ったら、智哉の両親怒るかもしれないだろ」
弾は呆れた表情で鈴に言うと、確かにそうかもと呟くと智哉が否定する。
「ううん。別に大丈夫だと思うよ。と言うよりも僕も弾のお爺ちゃんが営んでる定食屋さん見てみたい!」
そう言うと弾はえぇっ!?と驚く。
「いや、結構汚いぞ。そんな家に「それじゃあ今度の休みに弾の家に集合ね」勝手に決めるなよ!」
弾は叫びながらそう言っていると鈴は、なら止める?と聞くと弾は、まぁいいけど。と渋々と言った表情で了承し智哉達は楽しみだなと思った。
そして休みの日。智哉と穂香と黒江は弾の家に遊びに行こうとした時、恵梨香と颯馬と雪子が面白そうだから私達も行こうと一緒に行くこととなり、護衛の秋と時雨の2人を含んだ8人で弾の定食屋へと向かった。
8人は車で弾の祖父が営んでいる定食屋、五反田食堂へと到着し降りていく。すると自転車に乗った鈴も丁度合流した。
「えっと、智哉。そっちの人達って?」
「僕のお父さんとお母さん。後お姉ちゃんと護衛の2人だよ」
「そうなの? その初めまして、凰鈴音と言います」
鈴はそう言い頭を下げると、颯馬達は笑みを浮かべる。
「おぉ、これはご丁寧にありがとう。智哉達の父颯馬と言う」
「母の雪子って言います。智哉達から貴女の事は聞いてますよ。何でも元気一杯の活発な明るい子だそうですね」
「は、はい! 元気だけが取り柄なんです私」
鈴は綺麗な人と見惚れていると、扉から弾が出てきた。
「お、知ってる声だと思ったらもう来たんだな。ところでそちらの人達は?」
「あ、弾。こっちの人達は僕の両親とお姉ちゃんと護衛の人だよ」
「えっ!? ご家族総出!? えっと五反田弾って言います。智哉君とは仲良くさせてもらってます」
弾は腰を曲げながらそう言うと、颯馬達は鈴の時と同じように挨拶をする。すると扉から一人の年配の男性が出てきた。
「おい、弾! 何時まで店の前で突っ立ってるんだ。さっさと…客を…中に……。も、もしかして」
そう言い年配の男性は颯馬へと近づく。
「も、もしや天城颯馬様じゃありませんか?」
「ん? えぇ、いかにも私は天城颯馬だが、何処かで会ったことがありましたかな?」
「お忘れですか? 昔貴方の家の調理場で板前見習いとして働いていた五反田厳です!」
厳がそう言うと颯馬は、おぉ!と思い出したかのように声をあげる。
「これは懐かしい。数十年ぶりですな」
「えぇ、本当に。貴方の家で教えてもらった技術などが今こうして活かせているので大変貴重な修行時期でした」
厳はしみじみと思い出しながらそう言い、颯馬達を中へと案内した。
「ささ、どうぞ。汚い店ですがどうぞお座りください」
そう言い厳は厨房へと入り、自慢の定食の準備へと向かった。
「お父さんの知り合いだったの?」
智哉はそう言うとうむ。と颯馬は肯定した。
「私がまだ家を継ぐ前から、彼は家の板前の見習いをして居たんだ。そしてそれから暫くして独立したんだ。まさか此処で店を開いていたとは驚きで一杯だよ」
颯馬は朗らかな笑みを浮かべていると、厨房に居た厳はいやはやと笑いながらフライパンを振る。
弾は今まで見たことない程の笑みを浮かべる祖父を見て戦慄していた。
「俺、あんな笑顔を浮かべた爺ちゃん見るの初めてなんだが」
「確かにそうね。私が来た時も何時も厳しめの顔してたものね」
鈴は弾の言い分に同意し、席でお冷を飲む。
そして厳が作った野菜炒め定食がみんなの前に出され、それぞれ箸を付ける。颯馬はいい味だと褒め、雪子もそれに同意し頷く。
智哉達も何時も家で出る野菜炒めと違い、噛めば噛むほど味が染み出てくることに驚き、満足した。
そして弾や鈴達と2階へと上がり、ゲームをやり始める。途中で恵梨香が裏技やら嵌め技を繰り出すなどゲームバランスを崩壊させることをしたがそれでも楽しい時間を過ごした。
そして夕方、智哉達は弾達に別れの挨拶をして颯馬たちと共に家へと帰って行った。
次回予告
1週間の交流会は終わり数ヶ月後。智哉は友人に剣道の試合に代理出場を頼まれる。そして試合当日智哉の試合の番が来ると、相手は自身の過去を知っている少女だった