インフィニット・ストラトス~皇室の楯~(凍結)   作:のんびり日和

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7話

智哉達を乗せた車が天城家へと到着すると、入口に居た雪子が慌てた表情で車へと向かい扉を開け智哉達を抱きしめた。

 

「あぁ、3人共。本当に無事で良かったぁ」

 

雪子は涙を浮かべながら抱きしめ、3人も涙を流しながら抱きしめ返す。

 

「さぁ、中に入っていらっしゃい。お母さんはお父さんも待たないといけないから」

 

そう言われ3人は首を縦に振り、従者達と共に中へと入って行った。3人が入って行ったのを見送った雪子は目尻に溜まった涙を拭うと、智哉達の前には見せた事のない冷たい表情を出す。

 

「……鴉羽、紅翼」

 

そう言うと2人の黒装束が何処からともなく現れた。

 

「何でしょうか雪子様」

 

笑みを浮かべた銀白色の女性は、腰に携えた太刀の持ち手に手を置く。

 

「何ですかぁ雪子様」

 

赤髪の女性は手を頭の後ろに組みながら雪子に用を聞く。

 

「……私の大切な息子達を襲った愚か者についての情報を集めなさい。そして隙あらば「其処までだ、雪子」アナタ!?」

 

自身の部下に智哉達を襲った者を暗殺しようとしたが、颯馬は寸でで止めた。

 

「お前の気持ちは痛いほどわかる。だが奴は既に警察に引き渡されている。我々の介入は無しだ。鴉羽、紅翼。お前達はもう下がっても構わん」

 

「分かりました、颯馬様」

 

「了解でぇす」

 

そう言い2人は姿を消した。雪子は悔しさのあまりのギュッと手を握りしめていると、颯馬がそっとその手を握りしめた。

 

「雪子、お前があの子達の事を可愛がっているのは私もよぉく知っている。だが一時の感情に身を任せるな。お前はあの子達の母親だ。なら先ずはあの子達の傍に寄り添ってやるのだ」

 

そう言われ雪子はまた涙を流し、はい。と小さく呟き颯馬と共に家の中へと入って行った。

それから2日が経った日。家の門に2人の男性がやって来た。

 

「御免下さぁーい!」

 

そう言うと従者の一人が門へとやって来て出迎える。

 

「どちら様でしょうか?」

 

「どうも、私○○警察署刑事課の賀上と言います。そして此方が」

 

「同じく仲村と言います」

 

2人は自身の名を述べながら警察手帳を見せる。

 

「刑事さんでしたか。何か御用でしょうか?」

 

「先日発生した浄苑小学校襲撃事件の事で少しお話を伺いたく参りました」

 

そう言うと従者の気配が変わった。

 

「…分かりました。少々お待ちください」

 

そう言い従者は姿勢を戻すと、颯馬の元へと向かった。従者の気配の変わり様は2人の刑事も感じ取っていた。

 

「……今の従者、一瞬殺気を放ちましたよね?」

 

「あぁ、それもかなりの憎悪を込めたのをな。この家にとって襲われた3人は大切な存在なんだろぉ」

 

そう言いポケットに手を突っ込みながら待っていると、先程の従者が戻って来る。

 

「お待たせしました。どうぞこちらへ」

 

そう言われ2人は従者に連れられ、家の奥へと連れていかれた。そしてある一室へと連れていかれ、中へと入れられた。

 

「こちらで少々お待ちください」

 

そう言い従者は退室する。それから数分後に颯馬が部屋へと入って来た。

 

「お待たせして申し訳ない。天城家当主、天城颯馬と申す」

 

そう言うと2人は名を名乗り目的を話す。

 

「それでは本日は参りましたのは先日の事件の事です」

 

「私の息子達が襲われた一件ですね?」

 

「そうです。そちらの従者の方々が犯人を拘束しこちらに引き渡された後、取り調べを行っていたのですが」

 

「此方の質問に対しても答えず、ただ『弟を迎えに行った。あいつ等が先に手を出したんだ』の一点張りでしてね」

 

そう言うと仲村は呆れた様な雰囲気を出しながら、ため息を吐く。

 

「私達としてはそんな嘘が通るわけが無いと思っているのですが、念には念をと被害者の一人、天城智哉君からDNAを少々取らせていただきたく思い此方に参った次第なんです」

 

仲村がそう言うと、颯馬は考え込む仕草を取る。

 

(どうしたものか。もし取らせた場合、智哉はアイツの弟だと発覚する。そうなると智哉はまた一人ぼっちの暮らしが待っている。そんな生活だけはさせられん。どうしたら……)

 

そう考えていると、襖が開き恵梨香が入って来た。

 

「お父さん」

 

「ん? 恵梨香か」

 

「お嬢さんですか?」

 

賀上がそう聞くと颯馬は、肯定する。

 

「天城家長女の天城恵梨香と言います」

 

「それで恵梨香、何か用か?」

 

「うん、とも君のDNA検査、受けてもいいと思うよ」

 

そう言うと颯馬は一瞬驚いた表情を浮かべる中、仲村がその訳を聞く。

 

「その訳を聞いても宜しいでしょうか?」

 

「理由なんて簡単だよ。教師達を暴行するような奴がとも君の姉な訳無い」

 

そう言うと鋭い視線を刑事たちに向ける恵梨香。

 

「……そうですか」

 

「それでお父さん、どう?」

 

考え込む颯馬は何か考えているんだろうと思い顔を賀上達の方へと向ける。

 

「分かった。恵里香、智哉を呼んできてくれ」

 

そう言われ恵梨香は智哉を呼びに行き、それから暫くして智哉がやって来て刑事は智哉にDNAを取ることを伝える。

 

「……お姉ちゃん」

 

智哉はあの女性が本当の家族だったらと思い恐怖から涙を浮かべながら恵梨香の裾を掴む。

そんな智哉に恵梨香は大丈夫。と言って智哉の頭を撫でる。

 

「それでは、取らせていただきますね」

 

そう言い刑事は智哉の口内に綿棒を入れ口内を拭く。そして髪の毛を数本貰い帰って行った。

その後、智哉を部屋へと戻した後恵梨香と颯馬、そして雪子は部屋で智哉のDNAをの事を話していた。

 

「で、恵梨香よ。何故智哉のDNA検査を受けてもいいと言ったんだ?」

 

「そうです! 何故?」

 

そう言うと恵梨香は部屋に入って来た時から持ってきたある紙の束を二人に見せた。

 

「これは?」

 

「とも君とアイツのDNA検査の結果」

 

そう言うと2人は驚き、智哉のは分かるが何処で織斑千冬のDNAを入手したのか分からなかったからだ。

 

「一体何時の間に?」

 

「私がこの家に養子として入って2ヵ月程経った日かな。万が一血液検査とかがあった時にとも君の正体がバレるじゃないのかと思って髪の毛を一本入手して検査したの。織斑千冬のDNAはアイツがISに乗った際に自動的に入手できたから簡単に手に入った」

 

そう言うと2人は納得した表情を浮かべ、紙の束を捲って行く。そして最後の紙に書かれていた文章に目が行く。

 

「……この結果は本当なの?」

 

「うん、その紙に書いてある通りだよ」

 

恵梨香がそう言うと2人は安堵した表情を浮かべる。2人の手にあった紙に書かれていたのは

 

『DNA不一致:この二人に姉弟関係はありません』

 

とあった。

すると颯馬は何故不一致だったのか疑問に持ち恵梨香にその訳を聞く。

 

「何故智哉と奴のDNAが合わなかったんだ?」

 

「多分、とも君が誘拐された時に注射された薬が原因かもしれない。その薬が何らかの作用でDNAを変化させた可能性があるの」

 

そう言うと颯馬はなるほど。と呟きながらもこれで一安心だなと安堵する。

 

それから数日後、警察署の取調室にて女性警官に連れられ千冬は席に座らせられその向かいに賀上が座った。

 

「さて織斑さん。先日、貴女が弟だって言っていた少年に会って来ました。それでDNAを頂き、検査をしました」

 

そう言うと千冬は自身の弟だと確信した表情を浮かべるが賀上から告げられたのは

 

「結果は……貴女と彼との間に姉弟関係はありませんでした」

 

そう言うと千冬は信じられないと言った表情を浮かべる。

 

「そんな、嘘だ。出鱈目なことを言うな!」

 

そう言い賀上に掴みかかろうとしたが、女性警官が取り押さえる。

 

「出鱈目と思われるのは勝手です。ですが、結果は覆りません」

 

そう言い結果の紙を見せた。其処には姉弟関係無しと明記されていた。

 

「こんなの何かの間違いだ‼ もう一度やれ!」

 

暴れる千冬に賀上は語尾を若干尖らせながら答える。

 

「もう何回もやった。だが結果は変わらねぇよ。此処に書いてある通りアンタとあの子に姉弟関係は一切無い!」

 

そう言い紙を机に叩きつけた。

その後、千冬は検察の取り調べを行うべく検察庁に連れていかれた。その後はトントンと進み裁判まで運ばれた。

 




次回予告
裁判へと掛けられた千冬。弁護士は何とか無期懲役は避けようと必死になる。
そして判決は驚きの結果となった。
次回
下された判決
~また智哉達の前に姿を現したら……覚悟しておきなさい。~
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