湊友希那との一日   作:siitake1515

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初めて友希那が家に来た

週末で予定もない日の朝。いつも休日は昼過ぎまで寝ている俺がこの時間に起きているのには理由がある。なぜなら…

 

「おはよう」

友希那がいきなり訪ねてきたのだ。

「いや、朝早くない?まだ8時だぞ」

「別にいいでしょう、それに最近会えなかったじゃない。少し寂しかったのよ…

友希那は頰を染めながら目をそらす。聞こえてるんですがそれは。

「にしたってなあ、できれば家にいたいんだが」

「なら、あなたの部屋に上がってみたいわ。今まで上がったことなかったし」

「まあ、それならいいけど少し待っててくれ。軽く掃除して来る」

そう言って俺は階段を登り部屋に入る。そしてテキパキと散らかっている衣服やペットボトルなどを片付けた。とりあえず人に見せられるくらいになってから友希那に声をかける。

「おーい、上がっていいぞー」

「お邪魔します」

礼儀正しくお辞儀をして友希那が部屋に入ってくる。

「なんか持って来るわ」

そう言い残し、俺は下に降りた。そしてお盆にお茶とコップを乗せて部屋に向かう。片手でお盆を持ちドアを開けると…

 

 

 

友希那がベッドに入って人には見せられない顔をしていた。

 

 

 

…これは幻覚だな、うん。そう判断した俺は一旦ドアを閉める。そしてもう一度ドアを開けると友希那はベッドに寄りかかり、カバンから譜面を何枚か出していた。

「……意外と早かったのね」

顔が赤いが風邪ではないだろう。

「まあな。そんで今日は新曲か?」

「ええ、明日の練習の時にはある程度歌詞を作っておきたいの」

友希那はRoseliaというバンドをやっている。歌詞も基本的友希那が書いてるため、たまに相談に乗っている。と言っても簡単な言い回しの変更くらいしかしたことはないが。

「今度はどんなイメージの曲なんだ?」

「今度は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ありがとう、今日は助かったわ」

「どういたしまして」

あの後3時間ほど歌詞を考え続けとりあえずの完成とはなった。これでRoseliaのメンバーに見せて、だな。

……友希那といれるのはいいが、頭使うんだよなこれ。

「もう11時か、もう直ぐ昼だな」

「昼食はどうするの?」

「いつも通りカップ麺でいいと思ってたけどお前も来たし、なんか作るか」

「私も手伝うわ」

二人で台所に立ち、パスタを作ることにした。俺は麺茹でるだけなんですけどね。

「友希那が料理できるなんて意外だったな」

「出来るようになったのはつい最近よ、練習し始めたの」

「何かあったのか?」

「……あなたが料理が得意な人が好きって言ったのをリサから聞いたのよ///」

…………………まずい、鼻血でそう。

「どうしたの?」

「いや、なんでもない。ちょっと愛おしさがこみ上げてきただけだから大丈夫」

「何よそれ…」

「いや、俺のために料理を頑張ってくれるとか本当に、うん」

「……なら一つ聞いてもらってもいいかしら」

「なんでも聞こう、勿論俺にできることならだが」

「………あ、頭を…撫でてくれない?///」

おれは無意識のうちに友希那を抱きしめた。だって、ねぇ。察せ。

友希那は顔を真っ赤にして腕の中に収まっている。俺の顔も真っ赤だろう。でも離れたくない。離したくない。

「誰かと抱き合うのってこんなにあったかいんだな」

「…そうね」

友希那はそう言いながら俺に回した腕に少し力を入れた。友希那の形の良い二つの胸が押し付けられる。友希那も俺も心臓がとてつもなくうるさい。そしておもむろに友希那は目を閉じる。俺も覚悟を決め、徐々に顔を近づけていく、そして唇がついに触れ……

 

ピピピピ! ピピピピ!

 

……る前に茹でていた麺のタイマーが鳴った。俺も友希那もびっくりして、離れてしまい微妙な空気が流れる。

「と、とりあえず飯食うか」

「そ、そうね」

俺のチキン野郎!と内心自虐をしながらパスタを皿に盛りつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後取り留めもない会話をしながら昼食をとり、ボードゲームをする。

…若干気まずい空気だが。

本当は普通にゲームをしたかったのだが友希那はそういうのを好まない。その代わり友希那はオセロやチェスのような実力がモノを言うボードゲームが得意だ。今まで勝ったことなんて一回もないし惜しかったことさえない。手加減もしてくれない。

「なんでこんなに強いんだ…」

「逆になんでそんなに弱いのよ…。相手が次どこに置くかとか考えないの?」

「一応考えてるつもりなんだけどなぁ」

「視野が狭いのね」

しかも、容赦ない言い方をする。ちょっと泣きそう。

その後もチェスをやっては負け、将棋で負け、いつの間にか時間は過ぎて夕方になっていた。

「もうこんな時間なのね、そろそろ帰るわ」

友希那は立ち上がり玄関に向かう。

「……おう」

「不貞腐れてないでもっと回数をこなせばいいじゃない。それこそパソコンでもスマホでもできるし」

「パソコンは他のゲームやっちまうし、スマホは容量がな」

「本当に音ゲー好きね、そんなに楽しい?」

「それくらいしか出来ないからな」

「そう…無理強いはしないわ」

「そりゃありがたい」

友希那は靴を履き、外に出ようとした。

「……なあ」

「何?」

「……さっきのやつを…やり直したい」

「さっきのって//」

「いや、だから…キスをしたい。友希那と」

これすげえ恥ずい。けど逃げない。逃げてはならない。

「……言うのが遅いわよ///」

「ぐ…」

「それにカッコつけれてないし、緊張してるのが丸わかりだし」

「照れ隠しで毒吐かないでくれ……」

「こっちだっていっぱいいっぱいなのよ///」

俺もサンダルを履き友希那に近づく。台所の時のようにどちらともなくハグをする。友希那が目を瞑る。そして今度は、今度こそは邪魔が入ることもなくお互いの唇が重なった。

 

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