第一話 峠道《とうげどう》始めます。
目覚ましがなり、起き上がり、すぐに布団を畳んで、着替えようとしたとき気が付いた。
「そっか、家じゃないんだ!」
みほは、朝食を済ました後、戸締りをした後、アパートの駐車場に止めてある軽自動車のセルボに乗り、通学した。
学校に到着すると、広い駐車場に、組と出席番号が書かれている駐車スぺースに駐車した。
「今日の帰りに、買い物ついでに給油しないと」
昼休み、西住みほは、武部 沙織と五十鈴 華に声をかけられ、食堂で一緒に昼食をとっていた。
「うわー、今週、運転テストだ。最近運転してないから、不安だー」
「私、最近、軽のTANTOしか乗っていないから、教習車の運転大丈夫かしら?」
「大丈夫と思うよ。視点が下がるし、アクセルの感覚も注意しないとね。」
「でも、いいよねー、みぽりんは、ライセンスあるし、」
「先週、講習だったけど、A判定だったよ。前の学校だったら、ライセンス所持者講習まであったから大変だったよ」
免許を取得した生徒は、月に一度の運転テストが行われ、構内走行や街中走行、通常駐車・縦列駐車まで行われ、成績不良者「D判定以下」は再試験まで運転停止が言い渡される。また、希望者のみで行われる高速講習も行われるのである。
しかし、ライセンス取得者は、講習が1か月から半年に変わるのである。
ちなみに、講習の判定はS・A・B・C・Dの評価があり、S:最優秀、A:優秀、B:優良、C:普通(講習受講)、D:不良(運転停止)のような判定になっている。最優秀者には、車検の半額免除やガソリン満タンなどの特典が与えられた。
ライセンス講習は、免許取得した生徒で希望者のみで行われ、「国内B級ライセンス」のみ、受講が可能であった。
「沙織は、何に乗っているの?」
「父のカローラに乗ってるよ。ATだけど」
「あっ…講習の教習車はMTだよ。」
「えっ……」
沙織は顔面蒼白になった。
みほは、二人に運転講習についての話していたが、後ろから生徒会長の角谷 杏と副会長の小山柚子と広報の河嶋 桃が近づいてきた。
「君が、西住みほだね」
「はい、そうですが」
「今度の必修選択科目に峠道《とうげどう》を選びなさい。生徒会長命令だからね。断るとどうなるかわかっているよね」
「確か、この学園には、なかったはずでは、」
「今年から復活することになったのよね。」
「えっ…」
「よろしくねぇー」
みほは、その後、目が虚ろになり、保健室に行き、休んでいた。
放課後、生徒全員が体育館に集められた。
そう、新しく加わった 「峠道《とうげどう》入門」についての紹介ムービーが流れた
「峠道《とうげどう》
峠を鮮やかに美しく走り抜けること、速く可憐なテクニックを披露すること、滑らかにドリフトをすること
、それらは、「峠道《とうげどう》」を学ぶ事により乙女に必須な徳目が自然に備わるのです。」
ドリフト音が、鳴り響き、いろんな車が、タイヤから白煙をだし、スピードが乗ったまま、後輪をスライドしながらカーブをクリアしていく、シーンが流れた。
「皆さんもぜひ、、「
関東各地の峠を走る車の映像が流れ、自然豊かな景色が流れていた。
ムービーが終わり、沙織と華は、感動していた。生徒会が壇上に立った。
「実は、数年後に日本でラリー、SUPER GT、D1(ドリフト)、ジムカーナの世界選手権が、開催されることが決定し、文科省から全国の高校・大学に峠道《とうげどう》に力を入れるよう申請があったのだ」
「うちの学校も峠道《とうげどう》を復活させるからね。選択するといろいろ特典を付けようと思ってるだー、副会長」
「成績優秀者には、食堂の食券100枚、遅刻見逃し200日、通常の授業の単位が通常の3倍、与えます。」
「選択者は、ドライバー選考を行うが、ドライバーじゃなくても役職があるからね。役職に応じた特典もあるからね。絶対条件は、免許を持っていることだからね。無免許は、退学させるからね」
とてつもない宣言であった。
その後、希望用紙の記入が始まったが、みほは、去年の転落事故の恐怖に襲われ、結局、華道を選択した
「ごめんね。私…」
「いいのよ。無理しなくて、」
「無理にしてもつらいだけよ」
二人に励まされ、少し元気になった。
その日の夜、去年の悪夢を見ていた。去年の大会、AE86 レビンで先行で逃げるインテグラを追い詰め、連続ヘヤピンでインをつき、追い抜きを図り、抜いた直後、インテグラがバンパーに接触し、バランスを崩し、ガードレールを突き破り、崖に転落した。
みほは、すぐに目が覚めた。
「あの時の…夢…」
翌日の昼休み、緊急の呼び出しがかかり、西住みほは、生徒会室に呼び出され、沙織と華と一緒に同行した。
「あ・れー、西住ちゃん、昨日言っていたこと、聞いていなかった?」
「このままでは、この学校が…」
「お言葉ですが、生徒会長は、横暴すぎます。」
「横暴も生徒会の特権よ。命令に従わなかったら、ここにいられなくしちゃうよ」
みほは、うつむいていた。
「(みんながしたいのに、私のために合わせてくれて)、」
みほは、覚悟を決めた。
「私やります。「峠道とうげどう」を」
翌日、峠道《とうげどう》の授業が始まり、赤レンガの建物に、18人の生徒が集まった。半数以上がライセンス取得者であった
「これより、峠道《とうげどう》の授業を始める」
赤レンガの重い鉄扉を開くと、タイヤ・バッテリー・エンジンが外され、カバーがかけられた車体がリフトに乗せられている車が1台あった。杏はカバーを外した瞬間、誇りが廻った。
「ゴッホゴッホ、すごい埃」
そこには、白と黒の車体があった。
「この車はいったい?」
「なんか古いね」
生徒たちがテンション落ちている中、みほは、リフトの電源を入れ、車の中が見える位置までおろした。
「この車、まさか、」
そして、車軸、車内を見て、車体に触れた。
「これは、前の車の同型のAE-86 スプリンタートレノ、ボディーも軸も大丈夫そう、バッテリー・タイヤ・エンジンを載せたらいけるかも」
みほは、ハチロクの隣に立ち、生徒たちは、驚きの声を上げた。
そして、ハチロクとの出会いが、西住みほのダウンヒルの最速伝説の始まりであった
翌日、沙織と華の講習は、無事に終えたものの、沙織は、久々のMTで、エンストを連発させC判定でMT講習受講5回を言い渡された。ちなみに華は、一時停止の位置からかなり離れたところに止めるなど「シルバー運転みたいだね」と言われしたが、B判定であった。
設定
峠道(とうげどう)は、競技会に含まれており、参加者は、A級ライセンス取得可能
みほの通学時は、軽自動車のセルボで通学
五十鈴 華は、軽自動車のTANTOで通学
式部沙織は、時期は不明だが、CR-Z(6MT)に乗せる予定(試合には、不出場)
河嶋桃と角谷杏は、ジュニア競技会(5lapサーキットレース)に参加し、A級ライセンスを習得している