学園峠の整備が終え、1週間、峠道のドライバーは、ひたすら走り込んでいた。華や沙織たちが率いる通信・計測メンバーたちは、セクションポイントに立ち、計測・通過連絡等の報告等を行っていた。ドライバーとして経験が浅いメンバーもテクニックのコツをつかんでいた。
日が暮れ、生徒会はメンバーを集合させた。
「明日、峠道の教官が来られる。10時にレンガ倉庫前に集合するように」
その後、連絡事項を伝えた後、解散した。
いつもの5人は、一緒に下校していた。
「セクションからの連絡の取りまとめが忙しかったなー」
「でも、最初に比べて、こなしてきていますわよ。計測していて、メンバーのタイムが上がってきていますわ。特に冷泉さんのタイム、初めてとは思えないですわ」
「・・・・・・・」
麻子は、眠気と格闘していた。
「(普段以上に、疲れているものね)」
「わたくしも、西住殿や冷泉殿に負けないようにしないと、」
「ゆかりん、そういえば、カエサルが言ってたんだけど、三連ヘヤピンで、ドリフトしてない?」
「してませんよ。GT-Rは、アテッサETSがついているからドリフトできないんですよ。その代わりに、インにある側溝を使っています。」
「溝走り、いや、溝落とし」
「「「「えっ」」」」
「溝を使った走り方、私も実際に使っているテクニックなの。雪道を走るときも使っていて、タイヤを落とすタイミングと溝から出すタイミングを調整することで、「突っ込み重視」や「立ち上がり重視」など、状況に応じて使っているの。応用で、道路の段差を使うこともあるけど、使いすぎるとサスペンションが壊れる危険性があるから、気を付けないといけない。特にGT-Rは、車重が重たい分、サスペンションへの負担が大きいから気を付けないと、」
「切り札にしないといけませんね。」
「あと、これだけは気を付けてください。コースを見るときに、溝の深さを見てください。去年の大会で、深い側溝にタイヤを取られて横転して大破する事故がありましたので」
「「「「えっ」」」」
3人は、驚いていた。
翌日、峠道メンバーは、赤レンガの倉庫の前で、教官が来るのを待っていた。
10分後、遠くから、ロータリーサウンドとラリーカータイプのエンジン音が聞こえてきた。
「きたよ。教官が」
みんなの前にクリスタルホワイトのFC3Sとミッドナイトブルーのインプレッサが、到着した。
車から降り、一息ついていた。
生徒会は、全員集合させた。
「教官よろしくお願いします。」
「初めまして、高橋医院の医院長でプロドライバー育成プロジェクトリーダーの高橋涼介だ。ドライブテクニックと各峠についてアドバイスを担当する。」
「(うわー、すごいイケメン)」
「(すごい惹きつかれるわ)」
「初めまして、陸上自衛隊出身でラリードライバーの蝶野 亜美です。通信・計測・調査を担当します。」
「西住、冷泉、秋山、桃ちゃんと私で実際に走るからね。各班は、配置急げ、計測チームはカメラを持って行ってよ」
「「「「「「了解」」」」」」
ドライバー以外のメンバーは学園峠に向かっていった。
涼介は、みほに近づいた。
「お久しぶりです。」
「もう完治して、復帰したんだな。」
「先生のおかげです。あの時は、ありがとうございました。」
涼介は、自分の車に向かっていった。
「ドライバー諸君、これから、タイムアタックを行うからね。」
「最初は、西住、準備せよ」
「はい!!」
ドライバーメンバーは、学園峠の頂上に向けて出発した。
「彼女たちの実力はどうなんですかね?」
「西住の走りは、5年前のあいつを思い出す。」
「あいつって、まさか、」
「ハチロクのダウンヒラーの藤原拓海だ。」
「彼の走りには、度肝を抜かれましたし、プロドライバーを唖然させる実力者ですからね」
一方、峠では、セクションにメンバー配置が終わり、通信チェックを行っていた。
「こちら、スタート地点、各員状況知らせ」
「こちらセクション1 配置よし」
「こちらセクション2 配置完了」
「こちらセクション3 配置完了」
「こちらゴール、配置完了、周辺状況異常なし」
「チェック完了、よし、蝶野教官、高橋教官、用意OKです。」
みほは、エンジンをかけ、スタートラインに車を移動させ、待機し、深呼吸をして、目をつぶり、気を落ち着かせていた。
「俺も後方からついていこう。彼女の走りをこの目で見たくてな」
涼介は、FCに乗り込み、スタートラインから離れたところで待機した。
「西住さん、準備はいいですか?」
「は・・はい!」
柚子の声掛けに少し驚いたのであった。
「タイムアタック、3秒前、2・1・・・・GO!!」
みほは、いいスタートを切り、最初のストレートをギアを上げていき、加速をしていった。最初のコーナーに差し掛かるとギアを3速に入れ、最内の白線のラインをなぞるようにドリフトをしていった。中速セクションのS字カーブをクリアした後、急なS字カーブと連続ヘヤピンが続く、中低速セクションに入っていった。少し離れたところで、FCを運転している涼介は、その様子を見ていた。
「(まだ、完全とは、いっていないが、まるで初めてあいつを見たときを思い出すな)」
「こちら、第一セクション通過、タイムは45秒5、区間タイムは自己ベスト0.5更新」
「了解、」
「あっ…白いFCが通過」
「えっ…」
沙織は、驚きを隠せなかった。
急なS字カーブに差し掛かり、ギアを2・3速を使い分けながら速度を維持させ、ゼロカウンタードリフト、慣性ドリフトをしていき、連続ヘヤピンに向かう、少し長いストレートで、スピードを上げていった。
「(感覚を、少しずつ、取り戻しているな)」
「こちら、第二セクション通過 タイム43秒2、」
「了解、」
3連続ヘヤピンの一つ目のヘヤピンに差し掛かり、目にもとまらぬ速さでギアを変え、曲がる方向の反対にステアを切り、一気に曲がる方向にステアを反転させる慣性ドリフトで、速度を保ちながら攻めていった。コーナー出口で外に膨れたが、大外にあるガードレールとの差は5センチであった。
「(感じが戻ってきた。)」
「(油断してたら、おいて行かれるな)」
短いストレートで体制を整え、二つ目のヘヤピンに差し掛かり、後輪をスライドさせ、最内の側溝に前輪をひっかけ、スピードを乗ったまま、攻めていった。タイミングをあわせ、コーナーの出口での立ち上がりは、初群であった。
3つ目のヘヤピンで、みほの十八番のフルブレーキングドリフトで攻めていき、最後のストレートで
スピードを上げ、ゴールし、サイドブレーキを使って、きれいなターンドリフトを決めた。
スタート地点に戻り、沙織と華にタイムの確認に行っていた。
「タイムは、どうですか?」
「自己ベストタイですね。」
「おかえり、西住ちゃん、何か、引っかかっている感じだね。」
「ええ、まあ…」
「高橋先生が、一人ひとりの走りを見て、走りに合った理論を考えているからね。」
「そうなんですか?」
「公道最速理論、私も峠を走り込んでるときに高橋先生からよく理論に基づいたアドバイスをもらっていたからね。」
その後、優花里、桃のヒルクライム、杏・麻子のダウンヒルを行った。
放課後、ドライバーメンバーは、生徒会室に呼び出され、ミーティングを行うのであった。
番外編にて、走りを書いていこうと思います。
次回あたりからグロリアーナ女学院戦を入れていこうと思います。