高橋涼介は、放課後までに、彼女たちの走りを見て、必要なアドバイスの取りまとめを行った。また、車両のセッティングについても、チェックを行い、細部についてのデータを、「プロジェクトD」時代のメカニックの松本修一に、データを送り、電話をした。
「松本、涼介だ。データは届いたか?」
「届いているよ。中々な感じだな。今度、現場で見たいのだが、」
「わかった。明日、空いているか?」
「了解、明日、大洗学園に行くから」
電話を切り、休憩をした。
「(藤原に似た天性の持ち主、西住みほ、ジュニア出身の赤きロータリープリンセス 角谷 杏、啓介に似た走りをする 河嶋桃、車両適応能力の高いR乗りの秋山 優花里 一度見ただけで実践できる一見実戦の冷泉麻子、すごいメンバーがそろっている。)」
思いにふけっているのであった。
放課後になり、ドライバーメンバーは、生徒会室に集められた。
生徒会室には、プロジェクターが準備され、各席に座った。
「これから、先ほどの君たちの走りについて、一人ひとり、アドバイスをしていこうと思う。」
「まず秋山と河嶋は、テクニックには問題はないが、パワーに頼る傾向がある。タイヤのダメージコントロールを重点を置いていこう。また、アクセルをべた踏みで走行しているところが多いから、アクセルワークを重点において行こう。」
「「わかりました。(べた踏み、ほとんど当たっている!!)」」
「角谷と冷泉は走り・テクニックについては問題はないが、途中集中力が切れかけていただろう。集中力は、切らした方が負けるから、持久力・メンタル面の強化を重点にして行こう。」
「わかりました。(すごい、見抜かれている。)」「うっ…」
「重点項目を中心に、走り込んでもらう。以上 解散」
その日の夜、涼介の携帯に、電話がかかってきた。
「久しぶりだね。城島 俊也だ。」
「これは、お久しぶりですね。」
「君が、大洗学園の峠道の先生をしている情報が聞いたからね。協力はしようと思ってね。」
「ありがとうございます。来週ぐらいに、遠征を考えていたところでしたのでちょうどよかったです。」
「了解、待っているよ」
電話を切り、その後、委員会への提出する書類の作成等を行い、業務を終えた。
翌日、彼女たちに伝えた。
「来週に、筑波山で合宿を行う。地元のチームが協力することになったので、報告しておく」
「筑波って確かここから、一時間ほどだよね。」
「メンバーは、ドライバーだけですか?」
「今回の遠征の内容は、自動車部は峠に合わせたセッティングを練習を兼ねている。俺の方で機材は揃えておく、ドライバーは、現地まで運転していってもらう。遠征日で用事がある者はいるか?」
「高橋先生、来週、私、両親といろは坂へ行くのですが、」
近藤妙子が、手を上げて言った。
「いろは坂か…エンペラーの須藤京一がいたな。」
「京一さんは、両親の知り合いで、私も幼い時に、エボⅢの助手席によく乗っていました。両親に峠道の話をしたら、行くことになって」
「わかった。思う存分練習してくるといい。」
「ありがとうございます。」
「エンペラーって確か、…」
みほは、考えていたが、優花里は、すぐに思い出した。
「エンペラーは、日光いろは坂を拠点とする走り屋チームですよ。メンバーのほとんどの車はランサーエボリューションでそろっているですよ。リーダーの須藤京一さんは、ドライバー育成で有名な東堂塾出身で、ランサーエボリューションⅢにミスファイヤリングを搭載しています。近藤さんの両親もそのチームメンバーですよ。」
「へえー、そうなんだ。」
翌日、群馬ナンバーの松本修一が運転してきたハイエースが、学校に到着した。
涼介は、出迎えて、車庫に連れていった。
「ハチロクに、R32、スープラ、エボにFC、FD…か、」
「驚くなよ。このハチロク、あのエンジンが搭載されている。」
涼介は、ハチロクのボンネットを開けた。
「こいつは、藤原のハチロクと同じ型のエンジン、すごいな。」
松本は、全車のボンネットを開け、エンジンを見たり、足回りを見ていった。
「仕上がりには、問題はない。あとは、細かいところだけだな」
「Dの時のメンバーを連れてこようか?」
「そうだな、チームでやることついても教えないとな」
「来週までには、予定を組んでみるよ」
今後の予定について話し合った後、食堂のコーヒーを、飲みに向かっていた。
「ハチロクには、西住みほという子に乗せている。」
「西住って、確か、黒森峰の姉妹か!」
「そうだ、彼女は、その妹だ。去年の決勝戦の転落事故で負傷したが、復帰している。昨日走りを見せてもらったが、まるで藤原の走りそのままだったよ。」
「ほかのドライバーはどうなんだ?」
「おととしのジュニアのレースで圧勝した赤いFCのドライバーとその二着のドライバーもいるし、適応能力の高いドライバーや見ただけでやってのけるドライバー、それに、エンペラーの教え子がいるとは思わなかったな」
「エンペラーの須藤京一の教え子がいるとは驚きだな」
「彼女たちの素質を開花させないとな」
「来週、機材一式持っていくようにはしておくよ。」
その後、松本は、学園裏の学園峠で彼女たちの走りを見て、帰っていった。
「今日はここまで、明日、全員会議室に集合してもらう。来週、遠征日程と筑波のコースについて説明する。以上、解散」
彼女たちは、車と機材を片付けた後、みほたちは、自分の車を止めてある駐車場に向かって、歩いていた。
「みぽりん、乗せてよ。」
「どうしたの?」
「父さん、仕事でこれなくなっちゃって」
「いいよ。途中、スタンドに行くけどいい?」
「ありがとう。みぽりん」
「冷泉さんは、私が送りますわ。」
「ありがとう…」
「私は、バイクなので、失礼します」
優花里は、駐輪場へ向かって走っていった。
その後、沙織はみほのセルボに、麻子は、華のタントに乗り、帰路に着いた。