東方 ~少年の見た幻想~   作:クロス・アラベル

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瑠奈と三妖精

 

 

 

お昼ご飯を食べて洗い物をして、縁側へ向かう。その時には霧雨はいなかった。もう帰ってしまったようだ。

 

「瑠奈、洗い物ありがと。」

 

「いいよ。居候する身としては当たり前だしね。」

 

「ふん……瑠奈、お前面倒じゃないのかい?」

 

「……?別にそんなことはないけど……」

 

「……使えるわね。」

 

「聞こえてるよ。凄い聞こえてるよ。」

 

「んぐ、んぐ、ぷはぁ…霊夢はそんなもんだよ。」

 

諦めていると……なんか、ひどいな…

 

「……ねえ、博麗。少し散歩してきていい?この辺りの地形を把握しておきたいし……」

 

「別にいいけど、安全は保証しないわよ?まだ昼だとは言っても、妖怪はいるんだし…」

 

「大丈夫、そうなったらスペルカードを使うから。荷物は置いていくから、見て置いてくれない?」

 

「ええ、いいわよ。」

 

「ありがとう。それじゃあ、また後で。」

 

そう言って、博麗と別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

「……別に変わったところはなさそうだけど……」

 

僕は森の中を歩いていた。幻想郷は異世界なので、もっと変わったものがあるのかと思っていたが、そこまで僕の世界と何ら変わらない。

 

「……ここまで来てみたけど…」

 

そして、博麗神社から十分後、僕は誰かの視線を感じ始めた。

 

「……」

 

今もその視線は変わらず僕を追いかけてくる。勘だけど、この視線は一つだけじゃない気がするような…

 

と、その時。

 

『止まりなさい、そこの人間!』

 

「⁉︎」

 

いきなりどこからともなく女の子の声が聞こえて来た。

 

『驚いているようね…もっと恐怖するがいいわ!』

 

「……!」

 

そして、声のする方向…僕の後ろから弾幕がいきなり飛んで来た。

 

冷静に弾幕を避け、振り返る。が、

 

「⁉︎」

 

声の主がいるはずのそこには、誰もいなかった。

 

『ふふふ……あなたには私達のことは見えない…感じることさえないわ!さあ、まだ始まったばかりよ、楽しませなさい!』

 

「……!」

 

そう言った直後、周りから無数の弾幕が飛んでくる。

 

けど、なんだか…軌道が単純すぎるような……

 

「……?」

 

それに、弾幕は一箇所から出てるわけじゃなくてもう二方向からも飛んで来ている。

 

それをみていると、襲撃者は……計三人ということになる。そして、もっと不思議なのが、全く弾幕の発射音が聞こえないということ。聞こえるのはさっきも聞こえた女の子の声だけ。この幻想郷には透明人間でもいるのかと思ったが、いくら透明人間でも歩く音や弾幕の発射音は流石に消せないはずだ……まあ、その襲撃者が飛んでいるなら歩く音は聞こえないけど……

 

「よっと……」

 

『ちょ、ちょっと!なんであんた当たらないのよ⁉︎1発くらい当たりなさいよ!』

 

「流石にそれはごめんだよっ!」

 

少し三方向の弾幕はきつくなって来た……そろそろまとめてみよう。襲撃者は三人、いずれも空中からの攻撃、弾幕の発射音無し……そんなところかな?

 

まずは……弾幕の出てる所を狙う。

 

「……そこだ!」

 

1発の弾幕を虚空の場所に打つ。すると

 

『キャッ⁉︎』(ピチューン!)

 

『う、嘘っ⁉︎』

 

『る、ルナ⁉︎』

 

「えっ、何?」

 

『あんたじゃないわよ!』

 

「酷い……」

 

どうやら当たったようだ。現れたのは金の髪を縦に巻く……俗に言う、『縦ロール』……と言うものだろうか……背中からは半透明な羽のようなものが生えているように見える。服装はシックな黄色のドレス。

 

「……って女の子?」

 

思わず声が出てしまった。

 

『………』

 

とは言っても他の二人はまだ攻撃をしてくるだろうから下がっててもらわないとね……

 

「ねえ、君。少し下がってて。」

 

『……うん、わかった……』

 

その女の子は大人しく言うことを聞いて下がってくれた。

 

「じゃあ、形勢逆転と行こうかな?」

 

『……なんか、結果が見えたような気がする……』

 

『諦めるのは早いわ、スター!私達二人だけでも余裕余裕!これからよ!』

 

……なんか、一人早々に諦めてるんだけど……

 

「……できれば、やめてくれないかな?そうしてくれた方が、僕も助かるし…」

 

『ま、まだよ!食らいなさい!』

 

そう言って残りの二人が弾幕を打ってくる。でも、一箇所だけ弾幕の数が少ないような……それに、さっきと違って弾幕の発射音がはっきりと聞こえるようになった。声の位置からして、右が諦めてる方で、左が諦めてない方……だと思う。じゃあ、右から行こっかな?

 

「はい、そこ!」

 

そう言って弾幕を一発放つ。

 

『ひゃッ⁉︎』ピチューン!

 

諦めていた方の声の子が何もないところから現れた。黒髪に青を基調としたドレス。背中からはさっきの子と同じような半透明の羽。

 

「…それじゃ、最後かな?」

 

『さ、させないわ!第一、私の姿はあんたには見えてないんだから!』

 

「……スペルカード、光矢【フォトンアロー】。」

 

なんだか、このまま話を聞いていると長引きそうだったので、スペルカードを使用。僕の頭上から大量の光の矢が飛んでいく。そして

 

『ちょっ、スペルカード持ってたのっ⁉︎キャアアッ⁉︎』ピチューン!

 

被弾したようだ。

 

最後に出て来たのは、金髪に赤を基調としたドレス。背中には半透明の羽。

 

『うう……人間に負けたぁぁ……』

 

と、最後の子は悔しそうに呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で、悪戯を僕にけしかけようとしたって言うこと?」

 

「……うん…」

 

「……ごめんなさい…」

 

「……一応、私は止めたわよ?」

 

さっき攻撃して来た三人の妖精、サニーミルク、スターサファイア、ルナチャイルドが訳を説明した。大抵、出所はサニーミルクで、作戦参謀がスターサファイア、それに作戦の意義について問うのがルナチャイルド…と言うことらしい。ルナチャイルド、二人を止めてくれたらな…

 

「……まあ、それはいいよもう。」

 

「ごめんなさい…」

 

「それよりあんた、なんで私達の居場所が分かったの?」

 

「……んー……気配かな?後、人数も三人だって言うのは分かってたし…」

 

「えっ?なんで?」

 

「だって、サニーミルク、君『私達』って言ってたし……弾幕の出所が三つあったのも証拠かな?」

 

「あっ……」

 

「サニー…何ヒントをあげちゃってるのよ…」

 

「能力も一応推測したよ。ルナチャイルドが『音を消す程度の能力』で、サニーミルクが『光の屈折を操る程度の能力』、スターサファイアは……『気配を見る程度の能力』、かな?」

 

「「「⁉︎」」」

 

「あってた?」

 

「……私とルナは合ってるけど、スターの能力名が少し違うわ……正確には『動く物の気配を探る程度の能力』よ。」

 

「能力を当てるなんて…なんで?」

 

「ルナチャイルドが被弾した時から音が聞こえ始めたし…サニーミルクは姿を消すだけじゃなさそうだったから、光の屈折を操っているなら筋が通るかなって。スターサファイアは光の屈折をなくした二人が見えないはずなのに、二人と比べてスターサファイアだけ積極的に動いてるのが分かったから。二人はぶつからないように定位置でずっと弾幕を打ってたでしょ?」

 

「……」

 

「脱帽ね。」

 

「やっぱり初めから勝ち目ってなかったのね。」

 

「あんまりイタズラしちゃダメだよ。気を付けてね?」

 

「「「はーい……」」」

 

殆どの推測があってたみたいだ。ちょっとスッキリしたよ。

 

僕は三人に注意して、博麗神社に戻ることにした。

 

 

 

 

 




次回『瑠奈と妖怪の賢者』
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