『よっ、霊夢!』
「何しにきたの?」
『いや、ちょっと飯を食いに……』
「あんたの家で食べて来なさいよ。」
『いいだろ?いつものことだし。』
「いつものことにするな。」
……えっと……あの女の子は一体……喋り方が男勝りな感じがするけど…
「えっと…君は誰?」
『ん?なんか知らない奴がいるな。珍しい服装だし…外来人か⁉︎』
『うん、ここではそう言うらしいね。僕は霜咲瑠奈。君は?」
「私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだぜ!」
普通に魔法使いがいてたまるか、って一瞬思った。
「んで、瑠奈。なんか外の世界のここでは珍しい物あるか?」
「うーん……ここで珍しいかはわからないけど…」
ここでの珍しい物って言うのはどんなものか、あんまりわからないので、カバンの中を探ってみる。
あるのは…スマホとパソコン、あとカメラとか……ウォークマンも入れて来たけど……ここは電気って普及してるのかな?
「……ねえ、ここって電気通ってる?」
「電気?通ってるわけないじゃない。」
「う、そっか…だと電化製品全般は使えないな……」
「でも、電気が通ってる所もあるぜ、少ない場所だけどな!」
「でも…そこまでわざわざ借りにいくって言うのも…」
「なら、河童のところに行くといいぜ。多分、からくりの類は結構好きだからな…なんか作ってくれるかもしれないぜ?」
「……普通に河童っていう言葉が出てくるなんて……流石は幻想郷……常識は通用しないっていうのは本当だったんだね……」
「それで、いらないものあったか?」
「うーん……あ、これ食べる?」
そう言って霧雨に渡したのは、グレープ味のチューイングガム。
「……なんだこれ?」
「これは食べ物でね…チューイングガムって言うんだ。」
「ちゅ、ちゅーいん…んで?どう食べるんだ?」
「これは、こうして中から薄い板を取り出して、巻紙をとって食べるんだ。これは飲み込んじゃダメだからね?これは食感と味を楽しむものだから。」
「ふーん……食べ物なのに飲み込まないって、外の世界は変だな。」
「あはは……それじゃあ、博麗にはこれをあげるよ。」
僕はそう言って、カップラーメンを博麗に渡した。
「……なんなの?この……かっぷらーめんっていうのは…」
「これはね、この上の紙を半分だけ剥がして、そこからお湯を入れて食べるんだ。これは3分待たなきゃいけないけどね。」
「食べ物なの⁉︎こんな物がっ⁉︎」
「うん、一応ね……非常食にもなると思うよ。」
「……お湯だけで食べられるなんて…外の世界って凄いわね……」
「そうかな?」
「ありがとう、瑠奈。」
「ま、ありがとうだぜ、瑠奈!」
「いえいえ、どういたしまして……僕からのお近づきの印だよ。」
「……こんな親切な奴がいるなんて…外の世界って素晴らしいのね……」
「……そんな、大袈裟な……」
「だって、ここの住人はこの神社に賽銭をこれっぽっちもしないのよ⁉︎幻想郷が平和でいられるのは私のおかげだっていうのに……!」
「……それってどういうこと?」
「それは……まあ、私たちが幻想郷の異変を解決して、平和な状態を保ってるからだぜ。」
「……!…異変!」
「そう、今までいろんな異変があったわ。空が赤い霧に覆われたり、春が来なかったり…」
「夜が明けなかったり、地下の方から亡霊が湧き出て来たり…博麗神社の信仰を奪われかけた時もあったな。」
「奪われかけてなんかいないわよ。」
「規模が大き過ぎない?」
「だから、異変なんだぜ?」
「へぇ……それを解決してるの?二人は。」
「そうだぜ!なんてったって私たちは、異変解決者だからな!」
「……あっ、それで博麗、話の続きをしよう。」
「……そうだったわね……確か、弾幕とスペルカードの説明をしてたんだったかしら……」
「お、弾幕ごっこか?なら、私が教えてやるぜ!」
「いいの、霧雨?」
「ああ、これは私の得意分野だ!」
「そっか…」
「なら、魔理沙。よろしく頼むわよ?」
「おう、任せとけ!」
そう言って、霧雨は外庭に歩いた。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
「それじゃあまず、弾幕から教えるぜ。」
「弾幕からか……よろしく。」
「ああ。弾幕っていうのは、自分自身の力をだな……私なら魔力、霊夢なら霊力、妖怪なら妖力、神なら神力って感じだな。その持ってる力を一点に集中させるんだ。こんな風にな!」
と言って霧雨は手の上に緑色の光る玉を出してみせた。
「凄いね…綺麗だよ。」
「だろ?弾幕ごっこは元々美しさを見せる物だからな。んで、この弾幕を当てたいところに当てる。ただそれだけだ!」
「……へぇ…力を一点に集中…」
イメージはよく漫画やアニメで出てくるようなもの……かな?色は……何色でもいいかな?
弾幕のイメージを思い浮かべた瞬間、手の上に白く光る玉が出て来た。
「あっ⁉︎」
「おおっ、出来たな!」
「うん、出来た、みたいだね……綺麗だな…」
「よし、じゃあそれを……この小石に当ててみろ!」
霧雨は僕を試すかのように丸太の上に小石を乗せた。
「…当てる、当てる……あの小石に……当てる!」
と言いながら動けって命令するようにしたら、その直後、弾幕は小石に向かって猛スピードで飛んでいき、小石に直撃した。
「よーし!これで基礎の基礎は覚えたな!」
「うん……弾幕……覚えたよ。」
「よし、次はスペルカードについてだぜ!」
「スペルカード……」
「スペルカードっていうのは、こういう真っ白のカードにどんな風に弾幕をたくさん出すか、軌道はどうするか、形は?威力は?みたいなことを少しずつ想像していくんだぜ。例としては、私のこのスペカ、恋符【マスタースパーク】だな!」
「マスタースパーク……凄い強そうに見えるね…何かのアニメの必殺技みたい…」
「あにめ?そんなのは知らないが、これは威力満点のスペカなんだ。やっぱ、弾幕はパワーだぜ!」
「威力重視のスペルカードなんだ…そう言う風に変えられるんだね……」
「そうだぜ、瑠奈はスペルカード持ってないよな?」
「……持ってたら苦労しないけど…どこかに売ってるの?スペルカードって……」
「売ってはないな。だから、そんな瑠奈に白紙のカード5枚をプレゼントだぜ!」
霧雨は白紙のカードを5枚渡してきた。
「いいの?」
「これぐらい、お安い御用だぜ。まあ、代わりと言っちゃなんだが、弾幕ごっこをしてくれればいいんだぜ!」
「えっ⁉︎でも、弾幕って当たったら痛いんだよね?」
「まあ、それなりにはな。でも、慣れてるんだぜ!」
「慣れないでよ!でも、そんなことでいいの?あんまり僕は女の子と戦うのは避けたいんだけど……」
女の人を傷つけるなんて、そんな度胸僕にはないんだけど……
「気にすることじゃないぜ!っていうか、幻想郷の実力者って女ばっかりだぞ?」
「えぇ……」
や、やりにくいなぁ……それ…
「ま、その前にスペルカード作りだな!」
「う、うん…」
「どう、魔理沙の説明でわかった?」
博麗はさっきと変わらず、縁側でお茶を飲んでるみたいだ。
「うん、理解できたよ。分かりやすかったし…」
「さ、瑠奈!スペルカードを作るんだぜ!」
「わかってるよ。えっと……イメージ……イメージ……」
そうだな……身を守る剣みたいなのが欲しいな……今持ってるサバイバルナイフだけじゃ心許ないし……
すると、僕の持っていた白紙のカードが光り輝き、文字が刻まれた。
「あっ!で、出来た!」
「おお!早いな。」
えっと……これはどんなスペルカードなんだろ……
「よし、引き続き作っていこう。」
「おう、頑張れよ!」
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
「よし、出来た。5枚全部じゃないけど……3枚だけ。」
「出来たか?なら、試しに私と弾幕ごっこだぜ!」
「……乗り気にはなれないけど、やってみようか……」
「それじゃ、ルールはスペルカード使用数は3枚、被弾数は2回までよ。ちなみにスペルカードがすべて攻略されても負けだから。いいわね?」
「おう!」
「うん…わかった。」
僕らは境内で一定の距離を置き、向かい合った。
次回『瑠奈と弾幕ごっこ』