東方 ~少年の見た幻想~   作:クロス・アラベル

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あの人が来ました。


瑠奈と七色の人形使い

「……ちょっと、あれは無理だよ。」

 

弾幕ごっこが終わり、また博麗神社の縁側でお茶を飲んでいる。

 

「ははは……ごめん!なんか瑠奈とやってるとこっちも本気でやっちゃおう!みたいなことを思っちゃうんだぜ……でも、強かったぜ?」

 

弾幕ごっこはもちろん霧雨の勝ち。最後のスペルカード、恋符【マスタースパーク】を避けたのは良かったが、極太光線とともに発射された弾幕に対処出来ず、被弾し、負けた。

 

「……やり過ぎだと思うわよ、魔理沙。瑠奈は弾幕ごっこ初心者なのよ?しかも、幻想郷に来たばかりって言うのに……」

 

「…確かに……まあ、やり過ぎた…か?ごめんな?」

 

「……いいよ。そこまで気にしないしね。」

 

「そっか…あっ、そうだぜ!お前がくれた『ちゅーいんぐがむ』っていうの食べるか!」

 

「あ、食べるの?飲み込まないように気を付けて。」

 

「おう、分かってるぜ!」

 

ガムの紙を取って口に入れる霧雨。

 

「色々と教えてもらってありがとう。助かったよ。」

 

「いいのよ、ま、私暇だし。」

 

「私もな!」

 

「……そういえば、この幻想郷には他に人は居ないの?」

 

「いるぜ?人里にな。」

 

「…人里…村があるの?」

 

「ええ。そうよ、ここから歩いて40分くらいかしら?そこらへんにあるわ。」

 

「……なんで疑問形?」

 

「だって、私、歩いて人里に行くことほとんどないし、大抵飛んで行くし…」

 

「えぇ……ってことは、霧雨も?」

 

「私は魔法使いだぜ?飛ぶのが普通だぜ!」

 

「うーん……だよね…今から人里に行ってみようかな…って思ったんだけど…」

 

「じゃあ、私の箒に一緒に乗るか?」

 

箒を持って、少し企んでそうな顔で言う霧雨。

 

「それは遠慮するよ…なんか猛スピードで飛んで疲れるのが見える気がする…」

 

「おっ、よくわかったな!」

 

「人里…どうしよう……」

 

その時、縁側の向こう、神社の入り口の方から声が聞こえて来た。

 

 

『おはよう、霊夢、魔理沙。』

 

 

「おっ、アリスか。どうした、こんな貧乏神社へ何しに来た?」

 

「今のは聞き捨てならないわよ?」

 

『少し暇だったから来たのよ…あら、珍しいわね……博麗神社の参拝客?見ない顔だけど……』

 

声をかけて来たのは金髪の少女だった。赤いカチューシャ、肩には赤模様が入ったストール、空色ベースのワンピースのようなものを着ている。幻想郷の住人は少し個性的な服を着てるみたいだ。

 

ひとつ、わからないことが。それは

 

「……こ、小人?」

 

その少女の肩の辺りに2つの金髪の……まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

『小人じゃないわ、人形よ。』

 

……人形にしては精密に作られてるなあ……なんか、瞬きまでしてるんだけど……

 

「……えっと……は、初めまして。君は?」

 

『私はアリス・マーガトロイド。貴方は?』

 

「僕は瑠奈、霜咲瑠奈って言うんだ。よろしくね、マーガトロイド?」

 

「……苗字で呼ばなくてもいいのよ?」

 

「で、でも、いきなり下の名前でって言うのは…」

 

「まあいいけれど……なんだか、珍しい服装ね…あ、まさか、外来人?」

 

「うん、よくわかったね?」

 

「まあ、それぐらいは分かるわ。」

 

「……あの…その人形さん達の名前は?」

 

「えっ……ああ、この娘達のことね。」

 

なんか、少し驚いた顔をするマーガトロイド。

 

「うん…なんか変だった?」

 

「いえ、この娘達の名前を聞いてくる人なんて初めてだから…右の娘が上海、左の娘が蓬莱よ。」

 

「上海に蓬莱か…よろしくね、上海さんに蓬莱さん?」

 

『あっ、これはご丁寧にありがとうございます!よろしく御願いします!』

 

『……ありがと……よろしくお願いします……』

 

マーガトロイドと同じような服を着た上海はにこやかな、赤いドレスのようなものを着た蓬莱は恥ずかしがりながらも返事をしてくれた。

 

幻想郷の人形は喋るんだ……凄いな…

 

「あっ、そうだぜ!アリス、瑠奈を人里に案内してやってくれないか?」

 

「名案ね。」

 

「人里に?」

 

「えっ⁉︎で、でも、会って数分しか経ってないよ⁉︎マーガトロイドに悪いよ…」

 

「…別にいいけれど?」

 

「えっ、いいの⁉︎見ず知らずの僕を…」

 

「名前も知ってるんだから見ず知らずじゃないわよ。別に私もそこまで鬼じゃ無いから。」

 

「……えっと…本当にいいの?」

 

「何度も合わせないで?行ってもいいって言ってるんだけど。」

 

「……じゃあ、お願いするね?マーガトロイド。」

 

「ええ、わかったわ、瑠奈。」

 

「よし!それじゃ、頼んだぜ、アリス!」

 

「ええ、任されたわ。」

 

ここに来て、分かった事。

 

幻想郷のみんなはとても親切でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

 

人里へ行く途中、ふと思った事をマーガトロイドに聞いてみる。

 

「えっと…そういえば、マーガトロイドは種族ってなんなの?」

 

「私?魔女だけど。」

 

「ま、魔女?人間と何が違うの?もしかして、霧雨も魔女だったりする?」

 

「魔理沙はいかにも魔女って感じするけど、正確的に言うと魔理沙は魔法使いであって魔女ではないわ。種族的には人間なの。」

 

「しゅ、種族的に?」

 

「……魔女の種族説明をしなきゃね…魔女って言うのは、先天性と後天性がいるの。先天性は産まれながら、後天性は後からなれるのよ。ちなみに私は後者よ。」

 

「……魔女の特徴は?」

 

「魔女のメリットは…魔力の量、質。後は食事をしなくていい事。デメリットは……そうねぇ……身体の強度が上がりにくい、少し体力が落ちる……そんなところかしら?」

 

「へぇ…」

 

「上海と蓬莱も私の魔力で動いてるのよ。上海達は半自立型人形でね……完全自立型人形を作るのが私の夢なの。」

 

「……凄いね、幻想郷って…」

 

「外の世界はどうなの?」

 

「…僕らの世界は……化学が発達してるから、便利なものばかりだよ。ちなみに人形はマーガトロイドの上海と蓬莱みたいにリアルじゃないし、滑らかな動きもしないし、感情もないし…それに、飛ばないよ。僕らの世界の人形はボディが金属で出来てたらするんだ。」

 

「……ふぅん…………一度外の世界に行ってみたいわね……」

 

「でも、幻想郷と違って沢山規則があるからあんまり行っても楽しくないかもね……」

 

雑談をしながら僕とマーガトロイドは人里を目指して歩いた。

 

 

 





次回『瑠奈と七色の人形使い 〜人里で〜』
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