東方 ~少年の見た幻想~   作:クロス・アラベル

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鬼が来る。


瑠奈と鬼

「いや…単刀直入に言おう。私と一緒にこの寺子屋で教師として働かないか?」

 

 

「えっ」

 

「少しの間でもいいんだが…どうだ?」

 

この幻想郷で一時的にでも生活するなら、働き口を確保しておくべきかな…

 

「えっと…今日からって訳にはいきませんけど…よろしければ…」

 

「おお、そうか!それじゃあ、よろしく頼んだぞ!瑠奈。」

 

「はい…えっと、教材とかはどこで買えばいいですか?」

 

「ああ、教材か…明日の昼時に里の本屋で一緒に買おう。いいか?」

 

「はい、上白沢さんがよければ…」

 

「よし、決まりだな。そうだ、これからどうするんだ?」

 

「うーん……もうお昼、ですよね?」

 

「ああ、そろそろだな。」

 

博麗達にはお世話になってるし、お昼ご飯を作ろうかな?

 

「僕、博麗神社に一度戻りますね。」

 

「そうか、博麗神社にか…霊夢によろしくと行っておいてくれ。」

 

「はい。それじゃあ、また明日、上白沢さん。」

 

「ああ、またな。瑠奈。」

 

そう言って、上白沢さんの家を出た。そして、お昼の買い物へ。

 

「…さて、何を作れば喜んでくれるかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、結構キツイね……」

 

っていうか、僕も飛べたらなー…なんて……

 

「そんなの夢物語か…よし、ついた!」

 

階段を登りきって、博麗神社の縁側にいくと博麗と霧雨、そして、見知らぬ小さな女の子がいた。

 

「あら?戻って来たの、瑠奈?」

 

「うん、ちょっとね…」

 

「おっ、なんかするのか、瑠奈?」

 

「そうだよ。お昼ご飯を作ろうかなと…」

 

『へえ…なんか知らない奴が来たねぇ……!まさか、霊夢達の言ってた外来人かい?』

 

なんだか、その幼い姿とは意外な喋り方をしてくる女の子。よく見れば、女の子は手首に手枷のようなものが付いており、頭の左右から何か角のような長いものが伸びている。その姿はまるで…

 

「……鬼?」

 

『ほお…人間が鬼の質問を無視するとはね……』

 

「しょうがないでしょ、瑠奈は鬼に会うのは初めてなんだから。」

 

「やっぱり?」

 

『そうだよ。私は鬼の伊吹萃香だ。よろしくねぇ、瑠奈?』

 

「その口ぶりだと知ってるみたいだけど、霜咲瑠奈だよ。よろしく、伊吹。」

 

「鬼と対等に話をしようだなんて…なかなか肝が据わってるね?」

 

「そうかな?幻想郷に来て、3時間くらいしか経ってないけど、驚くのになれたのかな?」

 

「それで、瑠奈。お昼を作ってくれるってホント?」

 

「うん、これからもお世話になりそうだし、僕もお腹空いたし…伊吹も霧雨も食べる?」

 

「当たり前だぜ!」

 

「もちろんさ!酒のつまみになるものもね?」

 

「……酒?」

 

「そうだよ!」

 

「萃香は生粋の酒好きなのよ。っていうか、酒しか飲まないだけなんだけど…」

 

「そ、その年で酒?」

 

「んん?言っとくが、私は鬼だよ?お前の何十倍も長く生きてるぞ?」

 

「あ、鬼って長寿なんだ。そういうこと…でも、控えた方が体にいいよ?」

 

「何を言ってんだい!そんなことしたら死ぬよ‼︎」

 

その発言は中年男性の言うことだよ……

 

「……完全にアルコール中毒だ。」

 

「ある…なんて?」

 

「病気の名前だよ。どちらにせよ、お酒のおつまみになるようなものはないかな。」

 

「何ッ⁉︎なんで買ってこなかった⁉︎」

 

「君みたいなお酒好きが来るとは思ってなかったからね…」

 

「ま、頼んだぜ!美味い昼飯作ってくれだぜ!」

 

「頼んだわ。最近マシなものを食べてないから…」

 

んん、そんなに?

 

「了解、期待に添えられるように頑張るよ。」

 

「どんなのを作るのか、楽しみだぜ!」

 

「博麗、台所借りるけどいい?」

 

「ええ、もちろん良いわよ。」

 

「ありがとう、少し待ってて。」

 

そう言って、僕は博麗神社の台所を借りてお昼ご飯を作ることになった。

 

 

 

 

 

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、出来たよ。」

 

そう言って僕は、ついさっき出来た三色鳥丼。ほうれん草と炒り卵、そして、鶏肉のミンチに醤油をかけながら炒めたものを綺麗に白ご飯の上に乗せ、真ん中に人参とピーマンを少し小さめに切って乗せる。これが我が家流の三色鳥丼だ。

 

「おおー、すごいな!瑠奈って料理出来るのか……って言うか、男って料理出来るんだな!」

 

「それはひどい想像だね…男はみんな料理出来ないって言うのは言い過ぎだと思うよ。僕は毎日作ってるからって言うのもあるから、出来るだけなんだけどね。」

 

「そうなのね……香霖があんまり作らないし…ていうか、料理するところ見たことなかったからね……」

 

「ほー、美味そうじゃないか!じゃあ、頂くぞ!」

 

「どうぞ、召し上がれ。」

 

そう言って三色鳥丼を一口食べる三人。

 

「う、美味っ⁉︎」

 

「す、凄いわね…男ってこんなに料理出来たっけ……」

 

「おお、美味いじゃないか!………んぐ、んぐ…ぷはぁ!酒にも合うねぇ!」

 

伊吹は一口食べて、瓢箪の中の何かを飲んでそう言った。

 

「……伊吹、その中に入ってるのって……お酒?」

 

「ああ、そうだよ。」

 

丼を食べながら平然と答える伊吹。

 

「……常識って、何だっけ……」

 

「お、瑠奈も幻想郷に染まってきたか!」

 

「……頑張りなさい、瑠奈。この幻想郷じゃ、酒は誰でも飲むのからね……これが幻想郷の当たり前よ。」

 

「………もう、何も言わない。」

 

「そっちの方が、楽で良いぜ、瑠奈!」

 

丼を結構凄いスピードで食べる霧雨。

 

「そういえば、瑠奈!これからどうするんだ?」

 

「これから?んー……まあ、人里で宿屋にでも泊まろうかな……」

 

「……なら、ここに泊まっていく?」

 

「ふぇ?」

 

「……一週間だけよ。その間に空き家を見つけるか、作ったら?」

 

「…いいの⁉︎でも、女の子の家に男が泊まるなんて、流石に……」

 

「別に気にしないわよ。まあ、もちろん、料理、掃除に洗濯、全部やってもらうし……ていうか……あんた、そう言う勇気なさそうだし。」

 

「雑用とかはやるけど…………最後の一言ひどい。」

 

と、言うわけで……一週間、博麗の家に泊めてもらうことになった。は、博麗優しい……

 

 

 

 





次回『瑠奈と三妖精』
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