アニメのよう実が終わってしまいましたね......。少し寂しいです。
しばらくして、俺達1年生全員はデッキへと呼び出された。服装はジャージに着替え、私物の持ち込みは一切不可。クラス毎揃い次第に学生証を担任が回収し始め、それが終わったところで真島先生から無人島での特別試験の実施が言い渡された。
船から降りて無人島へと上陸した後は、クラス毎に別れて試験の説明を受けた。
今回の特別試験のテーマは自由。各クラスには事前に300ポイントが与えられており、それを消費する事で必要な物を買うことが出来る。だが、試験最終日には残ったsポイントが各クラスのクラスポイントに加算されるので、節約生活を強いられることは目に見えている。既に支給されているのは試験の詳細が書いてあるマニュアルと、テントが2つ、簡易トイレ、マッチ1箱と言ったところだ。どうやら学校は、本当にサバイバルをさせるつもりらしい。
「今回の試験、Aクラスの指揮は俺が取らせてもらう。異論は無いな?」
まず最初に決めなくてはいけないのは、今回の試験を乗り切る上でのクラスの方針。いつもなら葛城派と坂柳派で意見が分かれるのだが、坂柳さんが居ない今、Aクラスの実質的リーダーは葛城さんである。坂柳派にとって見れば不満しかないが、自分達が仕切るよりかは遥かに効率的なのは流石に分かっているようで、反対意見は出なかった。
ひとまず森の中に入り、仮の拠点を押さえることで話が纏まった。移動する際にふと周りを見ると、俺たちAクラスとほぼ同じタイミングでBクラスが動き出しており、CとDはまだその場に残っていた。今回の試験ではクラスの団結力が重要な鍵を握っている。皆が好き勝手に物品を買ってしまうと、ポイントの管理が難しくなり、ポイントを殆ど残せなくなってしなう。事前に自分達の生活スタイルと統一させるのが最善だろう。
さらにこの試験には、各クラスにはリーダーが存在する。これは日常的にクラスを統括しているリーダーとは異なり、この無人島でのみのリーダーだ。ただしリーダーと言っても発言権がある訳ではなく、仕事としてはスポットと呼ばれる場所の占有を任されている。
スポットと言うのは、この島に存在するある程度の範囲を持った場所の事で、そこに存在する機械にリーダーのみが所有しているカードキーをかざす事で、8時間の間その場所を優先的に使うことが出来る。また、占有しているクラス以外の生徒が無断でスポットを使用した場合、そのクラス、又は生徒、もしくはその両方にペナルティが与えられる。
俺たちAクラスのリーダーは弥彦という男で、クラスで葛城を1番慕っている男だ。正直坂柳派の森重や橋本は、弥彦がリーダーになるという事に反対の意を示そうとしたのだが、坂柳さんの代理である俺に止められて渋々と引き下がった。
仮拠点も抑え、リーダーや生活方針も決めた所で本拠点を抑えに向かおうとしたのだが、そこである問題が起こった。
スポットを抑えるには、リーダーとリーダーが持つカードキーが必要である。これだけなら弥彦だけで行えばいいのだが、今回の試験には特別ルールというものが存在する。
それは、試験終了直前に、各クラスのリーダーは他クラスのリーダーを当てる事で、1クラスにつき50ポイントを得ることが出来る。また、自分達のリーダーが当てられるか、他クラスのリーダーを外してしまうと、逆に50ポイントを失ってしまうというものだ。
なので、スポットを占有する際には最新の注意が必要なのである。その為にある程度大人数で移動し、占有する瞬間を他クラスに見られないように隠する必要があるのだが、坂柳派が葛城派と共に移動する事を拒否し、葛城もまた、坂柳派のメンバーを信用しきれていないため、ひとまずは占有を後回しにし、スポットの詳細を把握する為に葛城と弥彦の2人だけで探索へと向かった。
残った者達は特にする事は無く、今回の試験について互いに思った事を話し合い始めた。
「おい牧野。本当に俺達は何もしなくていいのか?」
今回の試験をどう過ごしていくか考えていた所に、ふと声を掛けられる。声の主は先程森重と共に不満を漏らしてた橋本という男子だった。俺は普段余りこいつとは行動をしないが、橋本は情報収集や裏工作を主に担当しており、その働きに度々助けられる事もあるので俺としては仲良くしたいのだが、橋本曰く、余り他クラスに顔を知られたくはないらしい。確かに、俺と森重や神室さんはかなりの頻度で敷地内を共に行動している為、結構他クラスに顔が割れていたりする場合もあるのだ。だが、橋本の髪は金髪でオールバック。たとえ俺らと一緒に居なくても皆の記憶には残るだろう......。
「ああ、まだ大丈夫だ。今の所は葛城さんに任せるとするさ。」
「牧野がそう言うなら良いけどよ、そもそも坂柳は何でお前を代理に選んだんだ?」
「そればっかりは分からん。もしかすると、中間テストの失態を取り戻せって意味なのかもな。」
「それに至っては坂柳派の総意だろうな。」
「へいへい、俺がわるぅございましたー。」
あまり真実だとは思いたくない事を突き付けられ、拗ねたように言葉を返す俺に、肩を叩きながら「悪かったよ」と笑顔で言う橋本。普段つるまない仲ではあるが、こう言った冗談が言い合える関係というのは心地の良いものだ。
「ま、このまま2人の帰りを待ってても面白くないからな。少しだけ動くとするか。」
近くに居た森重と神室さんに声を掛け、橋本も含めた4人で葛城派に見つからないように隅の方へ行き、そのまま茂みの方へと向かった。
クラスの輪から俺達が確認出来ない所まで来ると、周りに人が居ないことを確認してから要件を伝える。
「今から二手に分かれて偵察をしてこようと思う。俺と橋本はBクラスに行くから、森重と真澄さんはDクラスを頼む。」
「牧野っ!名前で呼ぶなって何回言えば...!」
「まあまあ落ち着けって神室。それよりも、俺達はCクラスじゃなくてDクラスでいいのか? 危険度で言ったら、Dよりも龍園を警戒した方がいいと思うんだが。」
森重から疑問の声が上がる。確かに龍園は危険な存在だが、今回の試験に関しては最初から龍園を気にする必要は無い。
「あいつは努力を嫌うタイプらしいからな。Sポイントを残すというよりも、他クラスのリーダーを当ててポイントを稼ぐ事を選ぶと思う。それに、リーダーを当てるには他クラスをある程度監視する必要があるけど、王様気取りのあいつは自分で見極める事なんてしないだろうから問題は無い。向こうが動きを見せたらこっちも対応すればいいさ。」
「ふーん、そう言うアンタはリーダー当て狙い?」
「いいや、俺はスポットの占有でポイントを稼ごうと思う。最初から探りを入れすぎて警戒が高まったら、無駄になっちまうからな。今回の偵察の目的は、拠点の位置を把握するためだ。場所が分かったら、周りとの位置関係を把握しながら戻ってきて欲しい。」
3人にそう説明すると、納得してもらえたようで、それぞれ動き出した。
Bクラスの拠点を見つけるべく、森の中をさまよう俺と橋本は、生い茂った草をかき分けながら進むと、ある洞窟を発見した。中を確認しようとしたが、話し声が聞こえたため近くの大木に身を隠した。すると中から出てきたのは......。
「あれは葛城さんか。」
スキンヘッドに腕に付けられたAクラスのリストバンド。紛れもなく葛城さんだろう。だが、その葛城さんがキーカードを手に持っている事に疑問を覚えた。
「葛城のやつ、もうスポットを見つけてたのか。」
「あの人もここに来る前に船のデッキから島を見てるはずだからな、大体の検討は付いてたはずだ。おそらく俺達の拠点はあの洞窟に......橋本、向こう見てみろ。」
「っ!? あそこにいるのは...。」
洞窟から視線を外した時に、偶然2人の生徒を見つけてしまった。1人は中肉中背で茶髪の男子、Dクラスの綾小路清隆。もう1人は豊満な胸を持ち、髪色はピンクの女子、Dクラスの佐倉愛里。
しかもよく見てみると、綾小路が佐倉さんの口を手で塞ぎながら、洞窟の方へと視線を向けていた。
「成程な。橋本、急いでこの場から離れるぞ。」
「あ、あぁ。分かった。」
理由を説明せずに去ろうとする俺に戸惑いを見せる橋本だったが、彼自身もこの場に留まることは良くないと感じたのか、直ぐについてくる。
その後Bクラスの拠点を確認した俺達は森重・神室ペアと合流し、偵察で得た互いの情報を共有して簡易地図に大体の場所を描いた。
共有し終わった所で、俺は3人にある事を伝えてからAクラスの拠点へと戻った。3人はその内容に少し驚く様な表情を見せた後、直ぐに好戦的な笑みへと変わっていった......。
こうして、俺達Aクラスの1日目が終了した。
実はこの作品をどこまで進めるか迷ってます...。
アニメの2期が放送されないと、その後の試験等で詳細が分からず矛盾点が発生してしまうので......。