烏なき島の蝙蝠─長宗我部元親(ただし妹)のやっぱりわたしが最強★れじぇんど!   作:ぴんぽんだっしゅ

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6.土いじり

内政の時間ですよ。元親さま。……ってワケですよ、

そうでしょう。

 

さあ始まりました、長曽我部小昼元親の一族建て直しのための内政の時間がですよ。

 

肥料は作りましたが、売れないと商人との間の証文が飛んでしまいますです。

小昼の作った肥料は使って貰えたらいいものだと皆に解って貰える。ってことで来ました!

 

木製のややくたびれた鍬をひとつだけ肩に担いで、言われた土地に来ましたです。

畑を取り合えず小昼で耕して見て、作物の出来なり根枯れしない強くなるて確証を使って貰うべき農民の方々に見て貰ってして貰わないといけません。

 

試食じゃないけど、実際に見た方が効果を信じられます。て、わけでまず畑を父上に言って用意して貰いましたです。

 

……。これ、荒れ地じゃねーです?

父上は、小昼に開拓でもさせよーて腹なんでしょうか。

 

「これくらい、野山を駆け回っているのと比べれば…」

 

数刻経つと、農作業の大変さを身を持って知るのでした。腰から砕けて、耕した畑に背中から倒れ込んでいたです。鍬が鉄じゃないのも不満でした。が、それより何より土が固くて鍬が入っていかない。

 

「……ぐぅ」

 

と、いうことで鉄製の鍬をまず作って貰いますです。

室町時代には奥州南部から腕前のいい鍛冶師と一族が入土佐しているので、鍬を鉄にして貰うのも難しくはないのです。

やってきた一条家が京の優れた文化も持ち込みました。幡多辺りしか広まっていませんが……悪いのは山です。山なのです。

山が連なって道を分断というか、居住区がブロック分けされてると思わせるみたいに文化が伝播しなかったのはまず大体が山が悪いんです。土佐では、右を見ても山、左を見ても山が見えます。山山山山海山山山川山海。

これはトンネルだらけにしないと交通手段がないのも頷けます。まっすぐ道を作ろうとすれば山にぶつかるでしょう、トンネル少しして又トンネル、トンネル、トンネル。

まー山を悪く言ってもどいてくれる代物ではないのでこれくらいにしときましょう。

 

畑を開拓した日からして数日。鍛冶屋から刃を鉄にした鍬を受けとりました。

ん?

何か、こう形が違うような……。刃先が角ばっている鍬をよく見ていただけに刃先を楕円形にしているのは見ないなと思ったのですよ。

いわゆる丸鍬ですね。

早速使ってみるとザクザクと耕していけます。木製や石製よりやっぱり鉄製ですね。効率が断然違いますよ。歴然とした時間の短縮になっているのです。

 

「小昼さま、次は畑ですか?あの者たちを雇って酷い匂いを撒き散らしておると思ったらこちらでは土いじりとは」

 

吉田の爺が今日は耕すのを手伝ってくれて、

 

「できました」

 

「良かったですな」

 

荒れ地が畑になったのです。これで肥料の効果を万民にしらしめてみせるのですから、ここから小昼なりの内政……儲けを出せる内政が実を結ぶのです。その予定です。苗床を作ること、プランターが欲しい。

まずは、田んぼを作りましたよ。耕して、水を張って。苗植えには父上は来ませんでしたが、流石にね。

父上の弟さん、叔父さんになりますところの長宗我部国康さんとか長宗我部家康さんとかその家族とかが助けに来てくれましたです。

吉田孝頼と懇意にしているようで、仲良さそうに雑談している場面も視界の隅に入って来たわけですし。

 

「田植えの最中ですよー。もー爺、叔父上!」

 

昼時は握り飯と竹の水筒の水を飲んで和気藹々としつつ、

 

「……おわった」

 

田植えを無事終えることが出来た時には、陽が傾く頃だったのですが、やり終えた充足感が小昼を襲ってきて気持ち良い。

 

「爺、収穫できる時にはこの田んぼいっぱいに金色の稲穂が海のようにそそり立ちますよ」

 

「爺めが思うに二割は根から枯れ落ち、残り八割の内の三割が野分けに引き千切られる運命ですな」

 

「ふふん、見ててよ。苦労した分、収穫は今まで以上をお約束しますです」

 

「武士が土いじりだなど……時代も変わりましたなあ」

 

「叔父上方も見ていてください。昨年の二倍は収穫できると民に思わせて見せます。この小昼の肥料で!」

 

暮れる陽が沈んでいくのを背に受けながら、今までとは違うんですよってとこを爺や叔父上にアピールです。

 

そもそも、爺も、叔父上も田植えをどうやってやるかを知らなかったので、実践して教えるところからスタートでした。

 

汚れて大丈夫な格好でというと皆ちょっとくたびれた格好になります。

 

「どうやって田植えなぞ学んだのだ?」

 

田植えをしていると叔父上の家族の誰かにそう尋ねられたので、見聞きしたものは自然とすぐ理解できてしまうのですと答えておきました。

すると、叔父上が感心したように何でも出来るのか、本当ならば凄いことだと洩らしたのを小昼は聞き逃しません。

 

「何でもでは無いかも知れないです。でも、いずれは出来ると思います!」

 

岡豊で生き残るためには与えられたチャンスで成功する必要があるのです。

民を飢えさせず、戦で負けないそんな長宗我部にしていかなければ行けません。欲望をいうと役に立ちそうに無い、弥三郎にいさまでは無く……親恭か親貞を当主に置いて本山と肩を並べつつ、安芸に攻め込まれないように命脈を保って行ければいい方向に転ぶと思います。大砲くらいなら、設計図書けますし。攻めに回らないならいつかは一条を守護に長宗我部が守護代で三好を迎撃する未来があるかも知れません。小昼は一条と泥沼をやってまで戦力を消耗するのは、バカだと思うのですよ……未来が解ると待っているのは、秀吉か家康の四国征伐だと知っているのですから。ん、でも小昼の切り札はまだまだ、たっくさんあるので猿にはうちの領地に足を踏み込ませないように精一杯あがいて頑張るのですよ!




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