「さて、ここが私達の家よ。」
スキマなるものを歩いて数刻。俺、八雲紅とスキマの主八雲紫は、スキマを出て家が建っているとある土地に着いた。
「ここは私達、八雲だけしかいない所なのよ。要するに」
「八雲家の自宅ですね。わかりました。」
建っている家は、なんと言うか時代感があるというか。オモムキって奴があるぜぇ…。
「お帰りなさいませ、ゆか、り様……」
「あ、ただいまー藍。」
なんだ、あの美人は。しかもなんか尻尾生えてる!?…あの尻尾モフモフしてぇ!
「貴様何者だ、答えなければ…「ちょっと待ちなさい、藍。」チッ…紫様この人間は?」
……一瞬で俺の後ろに来たぞ…てか首の所、包丁あったよ?殺す気満々って奴ですか。
「今日からこの子、私の息子になった「どういう事ですか紫様!!」最後まで話を聞いてよ藍。」
アイヤー。こりゃ私死ぬやつですかね。
「この子の名前は八雲紅。人里で拾ってきたの。ちなみに名前は適当よ」
おい。さっき理由言ってたじゃねえか。あれ嘘かよ。
「…紫様?そろそろやめたほうが宜しいかと」
「いいえ。あの子は
「…今回だけですよ?全く…おい人間。」
「え?なんすか?」
「って貴様なぜ私の式を誑かしている!?」
「えっ?そうなの?いや、なんか撫でて欲しそうだったから撫でただけだぞ。」
何か女の子(?)が寄ってきたから、撫でてたら懐かれたよ。てかアンタら俺を無視して話すな。当人にも分かるようにしろ。だから俺は女の子(?)とじゃれあっているというのに。
「お兄しゃんの撫で、上手いですぅ…」
「そういえば君名前は?」
「私は八雲橙といいましゅ。よろしくでしゅ!」
なんか噛み噛みな喋り方だなぁ…。ま、いいか!
「俺は八雲紅。よろしくな、橙」
「どお?藍。早速橙と打ち解けてるわよ!キャー!いいわよぉ!」
「何をはしゃいでいるのですか、紫様。てか何故カメラを構えているのですか!?」
「いいじゃなぁい、息子の記録よっ!」
「紫様が壊れた!もうダメだァ!」
あっちはあっちで大変そうだな。お疲れさん。
「なあ橙。あの2人っていつもあんなんなの?」
「違いますよ?なんででしゅかね?」
「ふぅん。あ、あの藍って人紫さん殴ったぞいいのか?」
「ああでもしないと紫しゃまは止まらない時がありましゅから」
「へぇ…八雲家の常識として覚えておこう。じゃあ橙、さっきの続きしてやろう」
「エヘヘー」
結局、藍さんと紫さんは俺が満足するまで橙を撫で続けた後でようやく帰ってきた。
でも紫さんが逆にテカテカしてて藍さんがげっそりしてた。
何してたんだよあの2人。