真・綾子†無双   作:はるたか㌠

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七・激闘と出会い

「只今戻りました!」

 

 伝令の兵が、息を切らせながら駆け込んできた。

 

「ご苦労。状況は?」

「はっ! 邑の義勇兵が、何とか賊の襲撃を防いでいるとの事。ただし、今一度襲われれば防ぎきれぬとも」

「そうか。下がって良い」

「ははっ!」

 

 祥(祖茂)さんは、振り返ってあたしを見た。

 

「聞いての通りだ。猶予はないようだ」

「はい。ただ、多勢に無勢は変わりませんよね?」

「その通りだ。だが、それは正面からぶつかり合った時の話だ」

 

 ニヤリと笑う祥さん。

 

「じゃあ、何か策が?」

「勿論さ。我とて、ただ猪という訳ではない」

 

 そう言いながら、地図を広げた。

 あたしが穂群原で使っていた地図帳とは比較にならないような粗末なものだけど、それでもこの世界ならば十分通用する代物らしい。

 

「賊どもはこの丘を拠点にしているらしい。周囲に遮るものがないから、此所を襲えばすぐに気づかれるな」

「でしょうね。なら、他の場所で待ち伏せるという事ですか?」

「いや。そう思うのが常識、よって裏をかく」

「裏、ですか」

「ああ。とにかく、次に邑を襲わせては駄目だ。これ以上、犠牲を増やす訳にはいかん」

「連中が次に邑を襲う前……。もしかして、夜襲を?」

「その通りだ。なかなかわかっているじゃないか」

 

 そりゃ数で劣っていて策で覆すのなら、不意を突く以外にあり得ないし。

 地の利がない、そしてあまり時間もないとなれば尚更だ。

 

「兵を二手に分ける。一隊は賊を襲い、もう一隊は邑の救援だ」

「え? 全軍で当たらないんですか?」

「綾子が何を言いたいのかはわかる。だがな、邑は必死に救援を求めている。策とは言え、次に襲われたら後がない邑にいつまでも軍が姿を見せなかったからどうなる?」

「……不安に思うか、或いは絶望する……そんなトコでしょうか」

「そうだ。数を減らしたとは言え、義勇兵はまだ残っている。彼らも、折れそうな心を必死に保っているだろう」

「だから、例え少数でも姿を見せる必要がある……そういう事ですね」

「その通り。綾子、お前が二百を率いて邑へ行け」

「じゃあ、祥さんは三百で敵に襲撃を?」

「そうだ」

「そんな、危険ですよ。それなら、邑に回す兵をもっと減らすとか」

「駄目だ。二百という数ですら、心待ちにしている邑からすれば心許ない。それを更に減らしてみろ、隊を分ける意味すらなくなるぞ」

 

 頑として、祥さんは譲る気配がない。

 

「でも……」

「もういい、今回の将は我だ。悪いが、下知には従って貰う。いいな?」

「……わかりました」

 

 あたしが頷くと、祥さんはフッと表情を緩めた。

 

「そんな顔をするな。我だって、こんな所でむざむざ死ぬ気はない」

「きっと、ですよ」

「勿論だ。では綾子、しっかりな!」

 

 祥さんは兵にてきぱきと指示を与えていく。

 あの調子じゃあたしが指揮する二百人の選抜も、多分前から用意していたんじゃないか?

 手慣れているせいもあるんだろうけど、とにかく何もかもが見事だ。

 あたしも、いつかはああなれるんだろうか。

 

 

 

 祥さんと別れ、あたしは邑へと向かった。

 あちこちから煙が立ち上り、柵や申し訳程度の壁もボロボロ。

 もう防ぎきれないってのは、決して誇張でも何でもなかった事は一目瞭然だ。

 そして、付近に転がる数多くの死体。

 独特の腐臭が漂ってくる。

 あたしは、吐きそうになるのを懸命に堪えていた。

 仮にもあたしは将、それがいきなり醜態を晒す訳にはいかない。

 

「しかし、酷いモンだ……。義勇兵の指揮官は?」

「はっ。門のところでお迎えするとの事です」

 

 隊長らしき兵が、あたしに答えてくれた。

 門とは言っても、所詮は邑だし小さな規模だった。

 ぞれも、焼け焦げてかろうじて原形を留めている有様だけど。

 

「太守様から遣わされた方ですね?」

 

 そう言って、二人の少女があたしに礼を取る。

 どちらも、まだあたしよりも若く見えるけど……。

 

「この義勇兵を指揮する徐文嚮(ぶんきょう)と申します」

「同じく、丁承淵(ショウエン)っス」

 

 セミロングの礼儀正しそうな娘と、変則ポニーテールの活発そうな娘だ。

 名前から誰かはすぐに浮かばないけど……誰だろ?

 

「えっと、あたしは美綴綾子。字はなくて、姓が美綴、名が綾子だ」

「字がない……? へぇ、アンタ変わってるっスね」

皐月(さつき)、失礼ですよ!」

 

 文嚮が、承淵を窘める。

 

「いいんだ、その通りだしな」

「姉さん、話がわかるっスね~。それに比べて菖蒲(あやめ)は堅いだけっスから」

「全く……。失礼しました、立ち話も何ですのでどうぞ中へ」

 

 壊れた門の中も、また酷い有様だった。

 死体を片付ける余裕もないらしく、またあちこちに怪我をした人が寝かされている。

 手当も十分に出来ないのか、うめき声が絶えず聞こえていた。

 

「それで、戦える者はどれぐらい残っているんだ?」

「はい。私と皐月を含めて、三十名ほどです」

「それも、無傷なのは十数名っスよ」

「そうか。あたし達も見ての通り、決して十分な数じゃないけどさ」

「いえ、援軍に来ていただけでも。少なくとも、私達が見捨てられていないという証拠ですから」

 

 文嚮は、あたしを励ますように言った。

 なんか明命を見ているみたいだな、この娘。

 

「美綴の姉さん、兵はこれで全部っスか?」

「いや。あたしは別働隊で、本隊は今賊に向かっているところさ」

「そうですか。ではその間に、柵の修繕を」

「あと、怪我人の手当も。美綴の姉さん、手伝ってくれないっスか?」

「ああ、わかった。みんな、手分けして邑の人に手を貸してやってくれ」

「はっ!」

 

 兵に指示を与えてから、あたしはもう一度辺りを見た。

 重傷の人がまた一人、息絶えたらしい。

 

「どうかなさいましたか、美綴様?」

「いや、死者をこのままにしておいていいのかなって思ってさ」

「……今は、その余裕がありません。墓穴を掘るだけでも大変な労力がかかりますし」

 

 文嚮、辛そうだな。

 ……って、待て待て。

 

「いや、いきなり墓の前にやる事あるじゃん。火葬とか」

「火葬?」

 

 あたしの言葉に、二人が顔を見合わせた。

 

「姉さん、火葬って何スか?」

「へ?」

 

 承淵、あたしをからかっている……ようには見えないな。

 もしかして、この時代はそういう習慣がないのか?

 

「いや、死んだ人をそのまま埋葬するのは大変じゃん? それに、蛆虫が湧いたりして不衛生だしさ」

「火、という事は燃やすんですか?」

「そうそう。で、焼け残った骨を墓に入れるんだ」

 

 こんなモン常識だと思っていたんだけど、あたしの常識はこの世界じゃ非常識なのかもな。

 それに、焼いちまうと原型留めない状態になるし。

 ……余計な事言ったかな、こりゃ。

 

「凄い……」

「……え?」

「凄いです! そんな合理的な方法があっただなんて!」

 

 何か、文嚮がエラく感動してるような。

 

「へぇ、そんな方法があったんスねぇ。姉さん、頭いいっスよ」

 

 あれ、承淵まで。

 う~ん、こういう発想がないのかこの世界じゃ。

 

「ま、まぁ……。賛成なら早速取りかかろうぜ? それなら、邑の人にも手伝って貰えるだろ?」

「はい! 私、早速声をかけてきますね!」

 

 そう言うが早いか、文嚮は駆けていく。

 

「……とりあえず、あたし達は作業にかかるか」

「え? 姉さんも手伝ってくれるんスか?」

「言い出しっぺがやらないでどうするんだよ。ぐずぐずしている暇はないだろ?」

「いや、それはそうなんスけどね。……ふ~ん」

 

 ジロジロとあたしを見る承淵。

 

「な、何だよ?」

「いや、姉さんちっとも偉ぶらないなぁって。官職にある連中って、みんないけすかない連中ばっかスから」

「あたしは偉くなんかないよ。それに、そういう上から目線ってのが大嫌いでさ」

「そうっスか。やっぱ姉さん、変わり者っスね」

「ほっとけ。さ、やるぞ」

「了解っス」

 

 いつの間にか、吐き気は収まっていた。

 慣れちまったのか、それともそれどころじゃないからか。

 とりあえず、広場に薪を積んで燃え残りの火をつける。

 ある程度火の勢いが強まったところで、手近な死体を運んだ。

 遺品になりそうな物はなるべく選り分けたいが、そんな暇もなさそうだ。

 火中に死体を入れると、また違った異臭が広がった。

 そして、肉の焼ける音。

 明らかに異常な状況に置かれているのに、あたしの身体はいつも通りに動く。

 

「美綴様。この者らも、火葬を手伝ってくれるそうです」

 

 文嚮が戻ってきた。

 子供や老人ばかり、戦闘に向かないので隠れていた人達だろう。

 

「よし。じゃ、頼んだぜ?」

「はい!」

 

 やがて、手空きの兵らも手伝い始めた。

 

 

 

「美綴様!」

 

 五時間ほど過ぎて、辺りがすっかり暗くなった頃。

 そこに、兵の一人が邑に駆け込んできた。

 肩に矢を受けたまま、此所まで走ってきたらしい。

 まだ死体を焼く作業が終わっていないので、火がまだ燃えているせいで結構明るい。

 賊が攻めて来たりでもしたら目印にされそうだけど……。

 

「どうした?」

「はっ! 賊が夕食を取り始めたところに襲撃をかけました。……ただ」

「ただ?」

「……敵の立ち直りが存外早く、乱戦となっています」

 

 なら、祥さん達がヤバいって事じゃんか。

 暗いから賊もまさか三百で攻めてきたなんて思ってないだろうけど、それでもいつまで騙し通せるか。

 

「それで、祥さんは何て言ってるんだ?」

「……は。自分が敵を釘付けにしておく、その間に邑の人間を一人でも逃がせと」

「おい! じゃあ祥さんは死ぬ気だってのかよ!」

「…………」

 

 兵は、無念の形相で頷いた。

 

「冗談じゃない!」

 

 死なないって約束したじゃないか。

 なのに、囮になるからその間に逃げろだって?

 そんな真似、出来る訳がない。

 

「文嚮、承淵」

「はい」

「何スか?」

 

 二人はあたしの前へとやって来た。

 

「兵と一緒に、邑の人達を避難させてくれ」

「美綴様はどうなさいます?」

「あたしは……。祥さんを助けに行く」

「な、何を言うんスか姉さん!」

「そうですよ! 賊の本隊は二千はいると聞いています。お一人で何が出来るんですか!」

 

 慌ててあたしを止めようとする二人。

 

「無謀なのはわかってるさ。でも、邑の人達は守らなきゃいけない……だったら、あたし一人で行くしかないだろ?」

「それならば、私もお供します!」

「姉さんだけを行かせる訳にはいかないっス!」

「ダメだ。二人は邑の人を、頼む」

 

 制止を振り切って、あたしは飛び出そうとした。

 

「お待ちあれ」

 

 と、誰かが行く手を遮った。

 

「誰だ!」

「私は旅の者。邑が賊に襲われていると聞き、駆けつけた者にござる」

 

 白っぽい服装に身を包んだ女性だった。

 

「なら、アンタも邑の人達を!」

「いえいえー、それではお姉さんが無駄死にするのを見過ごす事になってしまいますのでー」

 

 その背後から、小柄な娘が姿を見せた。

 

「差し出がましいかも知れませんが、些か策があります。聞いていただけませんか?」

 

 そして、もう一人。

 いきなり現れた三人に、あたしはすっかり勢いを殺がれた格好だ。

 

「美綴様。とりあえず、話だけでも聞いて差し上げませんか?」

「そうっスよ。もしかしたら、起死回生の一手があるかもっスよ?」

「……わかった」

 

 

 

 ガン、ガン、ガンと鈍い音が響く。

 銅鑼じゃなくて、鍋釜を叩く音だ。

 お陰で迫力は全くないけど、それでも賊の眼を引き付けるだけの効果はあるらしい。

 叩いているのは兵じゃなく、邑の人々だ。

 戦闘に加わらずとも、これならば危険はない。

 ……策って奴は、ハマると効果絶大だな。

 

「ワーッ、ワーッ!」

 

 そして、一斉に喊声が上がった。

 

「官軍だ!」

「五千はいるぞ!」

 

 賊の間を、そう叫びながら駆け抜けていく奴がいる。

 

「五千だと!」

「拙いぜ!」

 

 動揺が広がったところに、一人の武者が斬り込んだ。

 

「賊共め、この槍を食らうが良い!」

「ギャ!」

「うぐっ!」

 

 忽ち、数人が倒される。

 

「敵だ、防げ!」

「数がわからんぞ!」

「ええい、静まれ!」

 

 馬に乗った、賊将らしき人物が叫ぶ。

 そこに、こぶし大の石塊が投げられた。

 

「ぐえっ!」

 

 見事、顔のど真ん中に命中。

 そのまま、馬から転がり落ちた。

 

「流石皐月ですね」

「当然っスよ。この石つぶてを躱せる奴なんていないっス」

 

 得意げな承淵。

 実際、見事なコントロールだけどな。

 

「承淵、援護頼む」

「お任せあれっスよ」

「よし、みんな行くぞ!」

「応っ!」

 

 あたしは、薙刀を手に敵陣に斬り込んだ。

 もう、ウジウジ悩んだりはしない。

 祥さんを助ける、それだけだ!

 振り回した薙刀に、確かな感触。

 

「ぎえっ!」

 

 そして、倒れる人影。

 ……とうとう、他人を手にかけちまった。

 けど、これだけじゃ終わらない。

 

「クソッ、たたっ斬れ!」

「そうはいくかっ!」

「ぐわっ!」

 

 また一人、斬って捨てた。

 ビシャ、と何かの液体が降りかかってくる。

 ぬるりとした、生暖かい感触。

 確かめるまでもないな、眼に入らないようにしないと。

 

「祥さん! 何処ですか!」

 

 乱戦の中、あたしは叫んだ。

 

「美綴様! 向こうのようです!」

「よし。あたしに続けっ!」

「応!」

 

 十数人の兵と一緒に、突撃をかけた。

 

「な、何だテメェら!」

「やかましいわ、死ね!」

「ぐふっ!」

 

 やがて、双剣を構えた祥さんらしき人影を認めた。

 

「祥さん!」

「……あ、綾子? その声は綾子か?」

「はいっ!……危ない!」

 

 祥さんの背後から、大男が迫っている。

 この距離だと、間に合いそうにもない。

 

「おい、少しの間でいい。あたしの周囲を固めてくれ!」

「はっ!」

 

 あたしは薙刀を地面に突き刺し、背負った弓を取り出した。

 矢を番え、狙いを定める。

 ええい、ままよっ!

 

「ぐぼっ!」

 

 狙い過たず、矢は男の喉笛を貫いた。

 はは、やった……ふう。

 

 

 

 主立った連中がことごとく戦死したらしく、賊軍は降伏。

 賊軍の戦死者が約八百、それに対して此方も約二百の兵を失っていた。

 そうこうしている間に夜が明け、凄惨な戦場の様子も浮かび上がってくる。

 あたしには、もう吐き気も嫌悪感もない。

 返り血を洗い流したいという気持ちはあったけど、それはまだ後になりそうだ。

 

「綾子。何故命令を無視した?」

 

 一通りの処理を終えた後、祥さんは厳しい顔つきであたしに言った。

 

「あたしには、祥さんを見殺しになんて出来ません。それが許されないというのなら、処分は受けます」

「気持ちは嬉しい。だが、その為に邑の人々を危険に晒す結果にもなったのだぞ?」

「……はい」

 

 祥さんの言う通りだ。

 あたしの任務は、邑を、人々を守る事だったのは確かなのだから。

 

「待って下さい。美綴様に協力すると申し出たのは私達の方です」

「そうっスよ。美綴の姉さんだけが責められるのはおかしいっス」

「二人とも黙っていてくれ。これは、我が軍の問題だ」

 

 と、そこに旅の三人組が現れた。

 

「ならば、我らも罪に問われる事になりますかな?」

「ですねー」

「策がある、と申し出たのは私達ですしね」

「なんだ、貴公らは?」

 

 祥さんが誰何すると、三人は頭を下げる。

 

「拙者、趙子龍と申す者にござる」

「風は程仲徳ですよー」

「私は、戯志才と申します」

 

 そういや、名前を聞いたのも初めてだったな。

 って、一人はあの趙雲じゃねーか。

 後の二人は軍師みたいだけど、程……あ、程イクか?

 となると、もう一人のメガネっ子もそれなりの人物なんだろう。

 

「元はと申せば、我らが勝手に手出しした事にござる。それに、この御仁が決断しなければ、今頃は貴公のみならず残った兵も全滅していたでしょうな」

「それどころか、勢いに乗った賊が邑を蹂躙していた可能性も十分にありますね」

「だから、このお姉さんは何も悪くないのですよ? それでも処罰すると仰せですかー?」

 

 ……なんか、みんなであたしを庇おうとしてるんだけどさ。

 

「全く……」

 

 祥さんはそう言って苦笑した。

 

「綾子。お前、いつの間にこんなに人望集めてたんだ?」

「さあ? あたしにもさっぱりです」

「末恐ろしい奴だよ、本当に。……わかった、今回の事は不問にしよう」

 

 途端に、張り詰めた空気が緩んだ。

 

「それから綾子。……ありがとう」

「……いえ」

 

 とにかく、あたしの初陣はこれで終わった訳だ。

 そう思った途端、ドッと疲れが出た。

 

「美綴様」

「お願いがあるっス」

 

 と、文嚮と承淵が揃ってあたしの前に立った。

 

「なんだ?」

「私を、部下にして下さい。改めまして、姓は徐、名は盛、字は文嚮です。真名は菖蒲です、お預けします」

「アタシも頼むっスよ。姓は丁、名は奉、字は承淵。真名の皐月で呼んで欲しいっス」

「……へ?」

 

 こいつら、あの徐盛と丁奉だったのかよ。

 

「え、でもあたしそんな身分じゃないんだぜ?」

「構いません。……その代わり、私も綾子お姉様よ呼ばせていただきます」

「じゃ、アタシはアネキで。よろしくっスよ」

 

 ど、どうなってんの?

 

「ははは、もういっぱしの将だな。綾子?」

「ちょ、祥さん。笑ってないで、どうすりゃいいか教えて下さいって!」

「さあな。お三方、ささやかながらお礼がしたい、長沙城までご同行願えますかな?」

 

 なんか、あっちはあっちで話が進んでいるし。

 ……何がどうなってるんだよ、一体?




オリキャラ紹介です。

◇徐(盛)文嚮
真名は菖蒲(あやめ)。
槍を遣い、勇猛さと礼儀正しさを兼ね備えている。
綾子を姉と慕う。皐月とは親友。

◇丁(奉)承淵
真名は皐月(さつき)。
戟の他、石つぶてを得意とする。
誰にでも「っス」口調で話す。菖蒲は親友でもあるが一方で苦手ともしている。
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