ローマに歯向かった野郎特集その2.
何かコイツがFate/Apocryphaにセイバー枠出場していると聞いたので。
先に言っておきます。
ジークフリートとはドイツの叙事詩『ニーベルンゲンの歌』に出てくる前半の主人公であり、『ニーベルンゲン』は歴史や逸話や伝承を元に構成したフィクションであるので、確実にコイツはフィクションで、実在しません。
どんなにドイツorオランダら辺の歴史を漁っても確実に「コイツだーー!」というジークフリートさんは出てきません。だいたいこんな感じです。
ジークフリート(創作)=シグルズ(北欧神話)+ご当地ヒーローの集合体(史実)
しかもシグルズが7割を占めています。
で、今回超偶然に元ネタ(史実)の方を見つけました。
というわけで、完全創作英雄ジークフリートの3割を構成する『ご当地ヒーロー伝説』の方を紹介します……。
===以下『ニーベルンゲンの歌』ざっくり概要===
①オランダ&ベルギー&ルクセンブルクの王子様ジークフリートはノルウェー人をボコって、剣、透明マント、呪われた財宝を強奪。
竜をボコって血を浴びた結果全身装甲を手に入れた、けど血を浴びなかった背中が弱点になった。
②大人になってイケメンになったジークフリートはフランスのお姫様クリームヒルトにプロポーズ。
したらフランス王が「俺がアイスランドの女王と結婚してぇからお前ちょっと口説いてこい」と無茶を言う。ジークフリートはしぶしぶアイスランドに行って女王ブリュンヒルデに会う。
するとブリュンヒルデは「私と結婚したければ、私を倒してからにしろ!」と寝言を言う。
フランス王が雑魚だったので、ジークフリートがイカサマして勝たせてあげた。
そこまで苦労してジークフリートはやっと可愛いお姫様をゲットしてオランダらへんの王様に即位できた。
③10年後。何故か『鬼嫁vs鬼姑 魔界頂上大血戦』が勃発。
ブリュンヒルドとクリームヒルトが見るも無残な口喧嘩を始めた。
ブチギレたクリームヒルトが余計なことを言う。
「テメェ、私の旦那が結婚の世話してやったのに忘れたのかボケ!!」
「何だと貴様、私を騙しやがったのか! よくも騙したな! 許さねぇ、殺す!」
ブリュンヒルデがキレた。
家臣のハーゲンとかいうアイスみたいな名前の奴を使ってジークフリートの弱点な背中をぶっ刺して殺す。
④勝った! 第一部、完!
⑤このあと夫を殺されたクリームヒルトちゃんがフン族の王様を巻き込んで復讐劇が始まる。
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……主にクリームヒルトが余計なこと言わなきゃ大体丸く収まってたと思います。ろくでもない女二人に振り回された結果沢山の王や英雄という男たちがおっ死ぬというアレな話だと思いました。
ちなみに、ブリュンヒルデはワルキューレだったり、爆睡してたり、ジークフリートが好きだったりとかありますがそこらへんは1ミリたりとも興味ないので端折りました。
このジークフリートの元ネタの一人なご当地ヒーローがゲルマンヒーロー、アルミニウスです。
アルミニウムみたいな名前の奴ですが、コイツもローマ帝国に歯向かいやがった不遜者です。
しかも、コイツは何と勝ちました。基本的に初期においてローマに立てついたヤツは大抵ボコボコにされている中コイツは勝ちました。コイツ以外にローマに勝利してるのは今の所あのハンニバルさんだけです。
カンネー以来の敗北『トイトブルク森の戦い』の勝者側です。
……ですが、この大敗北『トイトブルク』まで「なんでそんなバトルが起きた?」と説明するまでがクソ長いので、そのトイトブルクまでの前日譚はぶっちゃけほぼローマサイドの話になります。
先に言います。ティベリウス様の話ばっかりします。
時系列としては時代は初代皇帝、リア充共に鉄槌を下してくださった神君アウグストゥス陛下の時代です。
いい時代でした。アグリッパが死ぬまでは。
思わずインペラトール・アンドロイド・アウグストゥス陛下も「なんでお前が先に死ぬんだよぉおおおお!!」と大泣きなさったようです。そして、アグリッパが死んだので寡婦になった自分の娘に墓穴という名の『ユリウス婚姻法』を掘ってしまったので、無理やりティベ様を離婚させて押し付けるという情けも容赦も慈悲もない荒業を繰り出したあたりです。
で、アグリッパはただ娘の婿だけじゃなく、相棒、親友、幼馴染、そして信頼できる臣下を全部一人でやっていたので、軍事を任せられる奴がいなくなってアウグストゥスは超困りました。
……と、思いきや息子(養子)二人がいい感じに成長していました。2人ともまだ若いけど、アグリッパの仕事も2人ならなんとかこなせんだろーなー位にはなっていました。
なので、皇帝陛下はゲルマン制圧を開始しました。『ライン川に展開していた防衛線をエルベ川まで伸ばす』と言う名目で。
これを聞いたティベ様は「親父……気でも狂ったんじゃねーの……?」という心境だったでしょう。その後のやる気のなさを見ていると。あのカエサルもゲルマン人に対しては「こいつらをローマ化しようとか無理」とはっきり言っている相手です。軍事的というよりかは民族性格的に無理だろうなーと思ったんでしょう。
一方ガリア人に対しては、「お前らゲルマン化するか、ローマ化するかどっちがいい?」と突き付けています。ガリア人としては「ゲルマンならローマの方がマシ」と消去法を取ったことでしょう。この辺がガリア戦記。
しかし、アウグストゥスはイケると思ったらしいです。本人弱いのに……。
前線指揮官にされた息子(養子)たちは「どーしろってんだよ……」となりました。
「……アグリッパ死んだショックで発狂か……」
「そんなにショックだったのか……」
「けどゲルマンがうぜぇのは事実。……防衛線……固めるか……」
「……」
「じゃあ俺、北側守備してるから」
「…………」
「そのうち義父上も正気に戻んだろ……」
「…………」
「お前もテキトーに……おい、ドゥルースス?」
「来た」
「……おい?」
「ひらめいた」
「……え?」
「兄さん、俺イケる気がする!! 俺に! 今! 軍神マルスが! 舞い降りた!!」
「…………は?」
「これでゲルマンをボコれるぜー! ヒャハー!!」
「ま、待ておま、ドゥルースス生き急ぐんじゃねーー!!」
「背中は任せたぜーーーー!」
「ドゥルースス! 待て! ドゥルーススーーーー!」
やる気のねー兄はヒキコモリ、弟は、超ハッスルしました。
結果、ゲルマン領域を4年で制覇。
ちなみにカエサルは同じガリア制覇に8年かけてます。ドゥルーススはつまりカエサルの2倍の速さで制覇しました。流石のティベ様も「マジ……?」と思ったことでしょう。何か憑いてんのかアイツ……?と。
お父さんはニッコニコでした。可愛い息子たち(養子)が戦場で頑張ってるんだからお父さんも頑張るぞー!とばかりに国を改革しまくってました。アウグストゥス陛下は戦場では雑魚でしたが、行政では有能でした。
こうしてバリバリ働きまくってからでしょう、行政面での右腕だったマエケナスも死にました。
一方ゲルマン人は戦々恐々でした。なんか異様に強いローマ人が迫ってくる……!と。
ずっとライン川からこっち側に来なかった奴らがエルベ川まで進撃してきます。ビビります。もうだめだぁ、おしまいだぁ……とばかりにビビります。でも大丈夫でした。
死にました。
ドゥルースス、死亡www!
多分神君アウグストゥスに関わると不審死を遂げるのでしょう、仲が良かった弟が死んだのでティベ様もガックリ。そのままローマに帰りました。ここで逸話が一つ。
モブローマ兵「ドゥルースス様は超強かったのでここに埋めましょう!」
ティベリウス「待てって言ったのに……ドゥルースス……生き急ぎやがって……」
ローマ兵「この地ドゥルースス様が征服したのでここに埋めましょう!」
ティベリウス「一緒にローマに帰るぞ……」
ローマ兵「え?」
ティベリウス「あ?」
ローマ兵「……いや、だって……あの……もう、『ここ』もローマですよ??」
ティベリウス「本国に連れて帰るっつってんだろ文句あんの?」
ローマ兵「……」
ティベリウス「魂は故郷にあるべきなのだ……」
ローマ兵「……(うわぁ本当ヒキコモリだな……この人……)」
そんな感じで右腕はガンガン死ぬわ、息子も死ぬわで、不吉なこと極まりない皇帝陛下はそれでもめげないで、残った息子と頑張ろうと思っていましたが、ここでティベリウスがガチでヒキコモリます。
将軍という地位を返上してロードス島とか言う島に行って引きこもっちゃいます。
多分もうゲルマン戦線が嫌になったんでしょう。親父とは最初から最後まで徹底的に意見が合ってませんでした。
一方アウグストゥスは「もうお前しか頼れるのが居ねぇのに!?」と見捨てられたような気になってこの後こいつらは20年近く仲が悪い状態になります。
こうして、ゲルマン民族たちは、アグリッパは死んだし、やたら迫ってくるドゥルーススも死んだし、ティベ様はすっかりやる気をなくして引きこもってしまいったので、とりあえず助かりました。
ですが、皇帝陛下はまだあきらめていなかったのです。
アイツら程有能じゃないけど、とりあえず前線にウァルスを将軍として配置します。
と、言うところまでがアルミニウス台頭までの前日譚、トイトブルクローマサイドの流れになります。