綾子†無双   作:はるたか㌠

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 馬に乗るのって、案外難しいモンだ。

 この時代は鞍も鐙もないから、余計に乗り手の技量が問われる、ってのもあるだろうけど。

 もっとも、あたしが考える以上にこの時代の馬は高価らしい。

 

「綾子は将だもの。馬に乗っていてもおかしくないわよ?」

 

 という、雪蓮の一言でこうなっている。

 まぁ、悪い気分じゃないけど……いつの間にか、あたしも将にされてしまったな。

 

 しかし、ホントに束の間の平穏だった。

 

「全く、人使いが荒いんだから」

「仕方あるまい。今回は事情が事情なのだ」

「わかってるけどね、そりゃ」

 

 商隊警護から戻って休む間もなく、出陣命令が下ったとあり、雪蓮はご機嫌斜め。

 ただ、今回は規模が違う。

 袁術と張勲のコンビは相変わらずいないものの、与えられた兵士は一気に二桁増。

 そして、雪蓮一統は全員が参加。

 ……あたしと、結局ついてきた菖蒲も含めて。

 ちなみに菖蒲ってのは、あたしから離れようとしない娘、徐盛の真名。

 結局城に連れて帰るハメになり、雪蓮達を前に自己紹介の最中、いきなり真名を預けます……と。

 流石に断ろうとした途端、

 

「ダメ……ですか?」

 

 って目をうるうるさせて頼まれ……押し切られた。

 ……この、可愛いものに目がない性分、実は結構損をして……いや、気のせいにしておこう。

 それだけでも頭が痛いってのに、

 

「綾子様が戦うのに、私だけ留守番なんて出来ません。お供します」

 

 と、無理矢理についてきた次第。

 まだ剣も修行中らしいし、市で見た限り、まだまだ武人としてはこれから、というところかな。

 それだけに、あまり無理はさせたくないんだが……。

 

「ま、いいんじゃない? 綾子が守ってあげればいいのよ」

 

 と、お気楽に雪蓮に言われる始末。

 あたし、何でも出来ると思われてないだろうな……マジ勘弁だ、それは。

 

 

 

「雪蓮さま、只今戻りました」

 

 偵察に出ていた、明命と甘寧が戻ってきたようだ。

 二人とも、普段にも増して動きが機敏な気がする。

 

「ご苦労様。どうだった?」

「間違いなく、張角ら黄巾党の主だった者共、揃っています」

「糧秣もかなりの量で、規模からして連中の本隊である事は確実と思われます」

「そう。でも、あれだけ大きな陣を構えるとはね。どう思う、冥琳?」

「狙いがわからんのだ。都を窺うのであれば、方角が違うしな」

「そうね。ただ、かなりの数が集まっている事は確か、か」

 

 あたしが見る限りでも、十万近い軍勢の集まりだ。

 周瑜曰く、これでも少ない方で、本来なら二、三十万いてもおかしくない、との事だ。

 こちらは六万で、しかもあの袁術軍の兵士だけあり、練度は今ひとつ。

 その上、精鋭と呼べる兵は全て本拠地の警護が手薄になるという理由で除外され、割り当てられたのは新兵と老兵が主体。

 ある意味嫌がらせでもあるな、これ。

 ……正直、戦力としては心許ないどころか、不安だらけ。

 

「せめて、儂自ら調練した兵が二万もあれば、思う存分暴れてやれるのじゃがのう」

「ないものねだりですけどね~。でも、確かにこの兵士さん達では、祭さまの指揮でも厳しいですよ」

 

 戦争は数も大事だが、やはり質の高い兵を揃え、優れた作戦と万全の指揮が必要不可欠。

 これで敵が少数ならば、烏合の衆相手に、正規軍が負ける要素もないんだろうけど……。

 黄蓋さんみたいな猛者も、穏みたいな秀才でも、ない袖は振れない……その一言に尽きるって事。

 マウスをクリックすれば湧いてくる訳じゃないし。

 

「う~ん」

 

 考え込んでいた雪蓮が、閃いたように言った。

 

「綾子。あなたならどうする?」

「……はい?」

 

 その一言で、全員の視線があたしに向けられた。

 

「ちょ、ちょっと待て。何故そこで、あたしに振る?」

「だって、皆が手詰まりなんですもの。あなたなら、何かいい思案でもあるんじゃないかな、って」

「そんなモン、あたしの数万倍頭のいい周瑜や穏が思い付かないのに、無理無理無理!」

「あら、常に前向きが、貴女のぽりしぃ、じゃなかったの?」

 

 孫権、横文字まで使って追い込むな。

 ……明命と菖蒲は、期待に満ちた目をしてるし。

 周瑜は……ああ、明らかに楽しんでるな。

 とりあえず、逃れる方法はない、というのは理解。

 ええい、ならそれっぽい事で口から出任せだ!

 居直りモード、またの名をヤケっぱち。

 

「とりあえず、火攻めかな」

「火?」

「そうさ。ここ、草原になってるけど、枯れ草が多いなって。火をつけたら、勢いよく燃えたりするんじゃないか?」

 

 歴史に残る名軍師たちに向かって、あたしは何を偉そうに、と我ながら思ってみたり。

 

「火は何より恐怖心を呼ぶし、効果的じゃないかな……なんてな、あはは」

 

 ま、鼻で笑われるな……と思っていた。

 ……が、予想は思い切り外れたらしい。

 てかなんか皆さん、もの凄く真剣に聞き入ってませんか?

 

「どうかしましたかぁ? 続けて下さい」

 

 穏も例外ではなく、真面目モードで続きを促すし。

 うう、プレッシャーで胃が痛い……。

 

「タイミング……じゃない、機を見て使えば、効果はあるんじゃないか? いくら弱兵と言っても、混乱する相手ならやれなくもないの……かな?」

 

 そう上手く行けばいいが、そんな事を断言出来るだけの自信が……ある訳ない。

 

「ふむ。じゃが敵は大軍。確かに混乱させるのは可能かも知れぬが、いっぱしの指揮官がおれば、それまでじゃぞ?」

 

「黄蓋殿の言われる通りだ。火計は確かに有効だが、それだけでは決め手に欠けるな」

 

 あっさりと、黄蓋さんと周瑜にダメ出しを食らう。

 

「だ~か~ら~、あたしに軍略を期待するなって言っただろ!」

「あの~、ちょっと待っていただけますか?」

「なんだ、穏?」

「綾子さんの策、少し手を加えれば有効かと思いますよ~。夜襲と、ちょっと火も追加、とかどうでしょうかぁ」

「……成程な。うむ、その手でいくか」

 

 ニヤリとする周瑜。

 

「え? え? どういう事よ、冥琳?」

「冥琳と穏がわかったのなら、後は任せるぞ。儂は、指示を待つ」

 

 ……どういう訳だ、一体?

 雪蓮もそうだが、何よりあたしがまだ理解してないぞ?

 

「綾子様、どのような策を?」

「教えて下さい、綾子お姉さま」

 

 菖蒲に明命……少しは空気読め。

 

「だぁぁ、あたしに聞くな!!」

 

 

 

 結局、作戦は周瑜と穏で取りまとめたようだ。

 つーか、最初からそうしてくれ……。

 変に頭を使ったせいで、テンションはだだ落ち中。

 そんなあたしを余所に、こちらの軍は行動を開始。

 昼間のうちは、連中から離れた場所で休憩。

 夜陰に乗じて出発し、じわじわと黄巾党の陣へと近付いていく。

 今日は新月、あたり一面が、闇。

 行く手に見える、かがり火が唯一の明かり。

 時折、

 

「ほぁあぁぁぁあああぁぁぁあぁああぁっっっっ!」

 

 と、地鳴りのような咆哮が聞こえるんだが……。

 黄巾党は宗教の一種だったような記憶があるから、何かの儀式なのかもな。

 戦いが目前に迫り、漸くあたしも雑念を振り払えた。

 

「菖蒲、いるか?」

「は、はい」

「いいか? 始まっても、あたしのそばを離れるな。絶対にな」

 

 やはり、怖いんだろう。

 肩に手を置くと、震えているのがわかる。

 

「心配するな。あたしだって、死にたくはないし、怖いよ」

「綾子様が?」

「そりゃそうさ。いや、慣れてしまわない方がいい……。命を奪う、その重さを忘れないためにも、な」

「ですが、武人たるもの、恐れは禁物では?」

「確かに菖蒲の言う事もわかる。でも、あたしはそれを貫きたいな」

「……はい。それが綾子様の覚悟、ですね」

「そうだ。だから、生き抜くさ」

 

 だいぶ、震えが収まったようだ。

 そこに、伝令の兵士が到着。

 

「黄蓋様、美綴様。合図です」

 

 暗闇の向こうで、一条の明かりが輪を描いた。

 

「よし、火の手を合図にかかれ! 射撃用意!」

 

 あたしは黄蓋さんと一緒に、弓兵隊の指揮を任されていた。

 ……と言っても、実際には黄蓋さんに全てお任せ。

 部活の部長経験ぐらいじゃ、まともな軍隊の指揮官が務まる訳もないし、第一何をしたらいいのかもわからない。

 

「ま、儂のする事を見ているがよい。伊達に場数は踏んでおらぬよ」

 

 有言実行と言うか、実際に黄蓋さんの統率は見事、の一言。

 まとまりに欠ける筈の兵士達だというのに、いざ動かしてみると一糸の乱れも感じさせない。

 ……もちろん、規律を乱す行為に対しては、容赦なく鉄拳が飛んでくる。

 そのせいも、多分にあったみたいだけどな。

 枯れ草に火がかけられた。

 

「よし、テーッ!」

 

 号令と共に、一斉に火箭を放つ。

 燃え盛る炎で、あたり一面は一気に昼間のように明るくなった。

 

「て、敵襲ー!」

「火を消せ!」

「防げ! 防ぐんだ!」

 

 混乱に陥る賊軍。

 そして、中央の一際目立つ天幕から、パッと火の手があがる。

 明命の部隊が、やってのけた。

 周囲から焼き払うのみならず、火の気がない中心部が燃え始めるのだから、連中はますます動揺するばかり。

 

「二番隊、テーッ!」

 

 逃げ惑う賊の頭上から、矢の雨を降らせる。

 立て続けに、三番隊が火箭、一番隊が普通の矢を、と繰り返す。

 

「美綴。この三段構え、なかなかによいではないか」

「そうみたいですね、あはは……」

 

 ふと思い出した、長篠の合戦で織田勢が用いた、鉄砲の三段構え。

 この時代は鉄砲なんてものはないし、所詮はアイディア倒れかな、と思ったんだけど。

 何気なく黄蓋さんに伝えた結果が、これ。

 

「火箭は準備に時間がかかる。じゃが、これならば交互に射るから、時間が稼げる。儂も、このような使い道は知らなんだ」

 

 ……妙に感心されてしまった。

 

 

 

「わーっ、わーっ!」

 

 派手に銅鑼を鳴らし、鬨の声を上げ。

 そして、一人で二本の旗を持ち、陣の周りをランダムに走り回る。

 とにかく、数で劣ることを悟らせず、かつ混乱を増幅させる。

 ……周瑜が考え、ありあわせの材料でとにかく軽いだけの、ハリボテ旗を用意させる穏。

 やっぱ、歴史に名だたる軍師の発想だ。

 その間にも、敵陣はますます燃えさかる。

 

「クソッタレぇぇぇ!」

 

 と、陣から向かってくる集団。

 決死なのだろう、気迫が感じられる。

 

「任せて!」

「ここは通さん!」

 

 雪蓮と孫権が立ちはだかる。

 

「げぇっ?」

「ぐぼっ……」

 

 流石に直属の兵たち、賊の決死の突撃にも動じる様子がない。

 しかし、いくら自暴自棄になったとはいえ、ここで突撃をする……?

 あたしの勘が、何かおかしい、と伝えてる。

 ……よし。

 

「綾子様、どちらへ?」

「菖蒲、一緒に乗れ!」

 

 馬にまたがり、あたしは駆け出した。

 

 

 

「あ~ん、ちーちゃん、れんほーちゃん」

「ちょっと姉さん。しゃがみこんでないで! 人和、どう?」

「大丈夫みたい。姉さんたち、急いで」

 

 三人連れが、陣の反対側から飛び出してきた。

 やっぱり、身を挺した囮だったみたいだな。

 となれば、こっちが本命か。

 

「待て」

 

 あたしは馬を下り、薙刀を構えた。

 三人は、ビクッとなり、動きを止めた。

 

「黄巾党だな? 悪いが、逃がす訳にはいかないぜ」

「ちょ、ちょっとれんほーちゃん! どういう事なの?」

「こっちには誰もいないって……」

 

 逃げ腰のせいもあるだろうが、全く殺気を感じない。

 でも、賊軍がああまでして逃がそうとするのだから、正解はただ一つだけ……だな。

 

「張角、張宝、張梁だな? 無駄な抵抗はよせ」

「……わ、わたし達をどうする気?」

 

 虚勢は張っているが、それだけだな。

 

「大人しくすれば危害は加えない。一緒に来て貰うよ?」

「……選択の余地は、ないのね?」

「ああ。それでも抵抗するなり逃亡するとなれば……」

 

 あたしは薙刀を一閃。

 そして、張角ののど元に突きつけた。

 

「わ、わかったよ……。行けばいいんでしょ」

「菖蒲。こいつら、縛ってくれ。念のためだ」

「わかりました!」

 

 

 

 そして、夜が明けた。

 

「ふ~ん、あなた達が今回の反乱の首謀者だったのね」

 

 あたしの独断で処分する訳もなく、張角姉妹を連れて本陣へ帰還。

 首領が捕らえられたと伝わると、賊軍は瞬く間に降伏。

 武器の接収やら後始末やらで皆大わらわ、残っていたのは雪蓮と孫権、周瑜だけだった。

 

「反乱じゃないわよ。わたしたちはただ、歌いたかっただけよ!」

「そーよ。わたしは大陸のみんなに愛されたかっただけだもん!」

「姉さん達。そんな事を言っても、もう手遅れよ」

 

 一番落ち着いている張梁の一言で、張角も張宝も押し黙る。

 

「それにしても、変じゃない? 歌っているだけのあなた達が、こうまで手を焼かせる存在になるなんて」

「そ、それは……」

「……だ、だって……」

 

 口ごもる三姉妹。

 ふと、あたしの頭の中に、ゲームで出てくるアイテムが浮かんだ。

 

「なあ、持ってるんだろ? 『太平要術の書』って」

「!!」

 

 あれ、何か飛び上がりそうになってる。

 

「美綴。何だその書とは?」

 

 書というキーワードに、周瑜が反応する。

 

「ホントかどうかはわからないけど、この張角が仙人から貰った書を持っているんだよ、あたしの知る限りだと」

「な、何の事かなぁ」

 

 張角、声が震えてるぞ。

 

「どれどれ」

「ちょ、な、何するのよ!」

 

 抵抗も空しく(縛られているからそもそも無理だけど)、懐の書を雪蓮に発見されてしまう。

 

「『太平要術の書』……あ、本当だ」

「面妖な。これは何なのだ?」

 

 観念したのか、張宝が絞り出すように答える。

 

「天和姉さんが貰ったのよ。……まだ、わたし達が全然人気のない時に」

「これさえあれば、大陸一の人気者になれる、って言うんだもん」

「悪用するつもりはなかったわ。……でも、人気と共に、熱狂的な人達が増えて、いつの間にかこうなったって訳」

 

 あまりの真相に、孫権と周瑜はこめかみを押さえている。

 雪蓮もただ、苦笑い。

 

「全く。諸侯や朝廷が、この事を知ったらどう思うかしらね。……ところで、あなた達の処分だけど」

 

 三姉妹がその言葉に、身を竦める。

 上の姉二人は、顔が青ざめているというか……絶望してるな、ありゃ。

 

「皆の意見はどうかしら。冥琳は?」

「理由はどうあれ、反乱の首謀者として処刑、もしくは都へ送還……が妥当なところだろうな」

「なるほど。蓮華はどう?」

「罪もなき民を苦しめ、多くの命を奪う事になった。それだけで万死に値します」

「そうね。……綾子、あなたは?」

「あたし?」

 

 もう一度、三姉妹を見る。

 天真爛漫に生意気、冷静と個性はあるけど……何だか、悪い事をした奴らとは考えたくないんだよな。

 実際問題、史実の太平道だって、張角は人々を救うという理想だけで、集まった奴らが勝手に暴走しただけ。

 ……って、蒔寺に語られたからな。

 

「なあ、一つ聞いていいか?」

 

 三姉妹は顔を見合わせる。

 そして、張梁があたしを見据えた。

 

「何かしら?」

「今でも、歌いたいか? この書がなかったとしても」

「ええ」

「わたしも、歌が好き!」

「れんほーちゃんと同じだよ、わたしも」

 

 うん、この眼はウソを言っていない。

 

「雪蓮。あたしの意見だけど……許してやって欲しい」

「何を言うんだ、美綴! そんな事が許される訳ないだろう!」

「蓮華様の言う通りだ、美綴。朝廷から討伐令が出ている以上、それをかばい立てすれば、我らに罪が及ぶ」

「なら、死ねばそれで終わり。そうだな?」

 

 あたしは、薙刀を手に取る。

 そして、ビュンビュンと振り回した。

 

「たぁっ!」

 

 『太平要術の書』を、粉々に切り裂いた。

 念には念を入れ、紙くずになった書を、残っていた火の中に放り込む。

 

「これで、もう黄巾党の首領は死んだ。そうだろ?」

「やれやれ、あなたって人は……。ま、いいわ」

「雪蓮!」

「お姉様!」

 

 二人は詰め寄るが、雪蓮は怯まない。

 

「あなた達が歌いたいだけ、というのなら止めないわ。ただし、勝手にわたしの元を離れる事は許さないけどね」

「え? じ、じゃあ……」

「助けてくれる……の?」

 

 雪蓮はコクリ、と頷く。

 

「ええ、そこの綾子に免じてね。何か考えがあるんでしょ、綾子」

 

 う~ん、お見通しか。

 

「歌ってのは、人の心を癒したり、活力を与えるからな。だから、兵士達の前で歌って貰う、ってのはどうだ? 士気向上になると思うんだ」

 

 あたしのいた世界のライブも、あれだけ熱狂的だったんだ。

 この世界でも通用するはずだし、現にこうして、大きなインパクトを生んだんだからな。

 

「……また、歌えるの? わたし達」

「それで良ければな。……周瑜、孫権、まだ納得できない?」

 

 二人は顔を見合わせ、大きくため息をつく。

 

「全く……。突拍子もない事を思いつくのだな」

「雪蓮姉様が助ける、という以上は反対はしないわ。ただし、身勝手な行動を取ったら、その時は……いいわね?」

「いいわ。姉さんたちも、いいかしら?」

「う、うん!」

「やったぁ、また歌えるんだぁ!」

 

 こうして、変わった仲間が増えたあたし達だった。

 ……それが、どんな影響を当たる事になるのか、この時のあたしにはまだ、知る由もなかった。

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