今作品は「グレモリー家の次男」のリメイクになります。
では、どうぞ!
転生
ある時代、ある戦場で一人の
そんな男の最期は、意外なことにも戦場で誰かを助けたからだった。助けに行かなければその
その生涯のほとんどを戦場で過ごし、誰かに感謝されるわけでもなく、誰かに知られることもなく、ただ多くの命を奪って死んだその
「あっ!?やっちゃった!?」
━━━筈だった。
(俺、どうしたんだったか)
そんなことを思いつつ地面に大の字に寝ている
寝転んだまま周囲を見回し、場所を確認しようとする。
だが━━。
(何もない。いや、寝転んでいる以上は床か地面はあるのか)
本当に何もない。右を見ても左を見ても白一色の空間が広がっているだけだ。
男は考えても仕方ないと割りきり、なぜここにいるのかを考え始めた。
(いつもの通りに戦場に出て、それで………)
しばらく考え━━━、
(夢だな。よし、寝よう)
夢だと決めつけた。
あの時自分は撃たれた筈だ。それで死んでいたらこんなことにはなっていないだろうから、多分これは昏睡状態の俺が見ている覚めない夢ってやつなのだろう。
男はそう決めつけると目を閉じて再び寝ようとするが、
「ちょっ!?ちょっと待ってください!」
「あ?」
突然の声に反応して目を開けた。頭側の視線の先には白いローブを着た、腰まで伸びたブロンドの髪を風(?)になびかせる美女が浮いていた。
(………パンツの色は白か)
男
「………………ッ!」
とうの美女は男の視線に気がついたようで、顔を真っ赤にしながらパンツが見えないようにローブの裾で隠す。
(チッ)
心の中で舌打ちをする男に謎の美女が言った。
「あ、あなた、変に落ち着いてますね」
「まあ、夢の中と割り切れればな」
即答で返した男に謎の美女は溜め息をついた。なぜあんなことをしてしまったのか。美女はそれを後悔し始めていたが、再び寝ようとしている男を見て、無理やり本題に入る。
「あなたに言いたいことがあります!」
「女のパンツを覗くな、か?」
「それもそうですが、今はいいです!」
美女は男の言葉を軽く流して話を続ける。
「あなたは死にました」
「…………は?」
美女の一言に男は間抜けな顔になるが、
「ですから、あなたは
美女が大事な部分を強調して言うと、男は完璧に固まった。
(ま、マジか。本当に死んでたのかよ……)
「ハハッ………!」
「━━━?あの、大丈夫ですか?」
美女が心配そうに男を見るが、男はお構いなしに笑い始める。
「ハハハハハハハハハハハハッ!ざまぁねぇな!一文の得にもならない命を助けて死ぬなんてな!」
狂ったように笑う男に、美女は困惑しながらも声をかける。
「とりあえず、一回落ち着きましょう!」
「ハハハハハハッ!はぁ………」
わざとらしく溜め息をつき、男は美女に背を向けるように立ち上がった。
急に立ち上がった男を警戒する美女。男はゆっくりと美女の方に振り向き、美女と視線を合わせる。そして、
「ハァ、スッとしたぜ」
なぜかスッキリした表情になっていた。
「………は?」
男の一言と表情に思わず間抜けな顔になる美女。男は構わずに続ける。
「驚かしてスマンな。こう、感情は一回爆発させた方が落ち着くからな」
「……はぁ?」
「で、あんたは何者だ?」
いまだ困惑気味の美女に男が訊くと、美女は一度咳払いをしてから言った。
「私は神様です!」
男はその発言を聞き流すようにポケットからタバコを取り出すが、火がないことに気がつきショックを受けていた。
「聞いていますか!?」
「あ?ああ、で、なんだ、Ms.神様」
そう返しながら男はタバコをくわえてライターを探す。いくつかのポケットを探り携帯灰皿は見つけたが、肝心のライターが見つからず、しょんぼりし始めた。
明らかに信じていない男に自称神様の美女は手招きした。
「?」
タバコをくわえながら自称神様に近づいていく男。手が届く距離まで近づくと、自称神様は男がくわえるタバコに人差し指を近づけると、
ボッ!
人差し指の先に小さな火を灯した。
「これで信じてくれますか?」
「………どうも」
若干驚きながらもタバコに火をつけ、自称神様に当たらないように紫煙を吐き出す。
(タバコの味がしないってことは、本当に死んでるのか)
自分が本当に死んでいるという事実を実感した男だが、すぐに自称神様に訊いた。
「で?Ms.神様。その死んだ筈の俺を何でこんなところに?」
「あなたにはこれから転生していただきます!」
ニコニコ顔で言った自称神様の言葉に、男は呆れながら味のしないタバコを吸う。明らかに何言ってんだこいつという目で自称神様を見ている。
信じていない男に、自称神様は少し大きめの声で再び男に言った。
「ですから、転生していただきます!」
「てん……せい?」
明らかに
「はい!もう一度、
「……いらんお世話だ」
男は無愛想にそう返すが、
「あ、これは決定事項なので、拒否権もありませんよ?」
(この
「誰が尼ですか!?」
「聞こえてんのかよ……」
「神様なんです!心の声ぐらい聞けます!」
胸を張って返す自称神様だが、男は気にすることなくタバコを携帯灰皿に入れる。そして、自称神様に訊いた。
「何でだ?」
「はい?」
「何で俺みたいな奴にもう一度生きろと?」
男の質問に自称神様は真剣な表情で答えた。
「多くの命を奪ってきたあなたですが、最期は人を守って死にました」
「ああ。本当、何であんなことしちまったんだか……」
「なぜやったかは置いておいて、そんなあなたに私は興味があります」
「興味?俺にか?」
「はい」
「………………」
自称神様の一言に黙りこむ男。
(俺に興味があるとは、とんだ物好きだな)
そんなことを思う男に構わず自称神様は続ける。
「ですから、次の世界でも好きに生きてください」
「向こうでまた大量に殺すかもしれないぞ?」
「向こうで何をするかはあなた次第です」
男の微笑に自称神様も不敵な笑いで返す。
二人がしばらく睨みあうようにしていると、男は大きな溜め息をついてから言った。
「やれやれ、面倒なことになったな」
後頭部をかきながら答える男。その返答に自称神様も笑顔で答えた。
「まあ、本当に何をするかはあなた次第なので、私は責任を取りませんし、命を奪っても魂の強制送還なんてこともありませんから」
「へいへい」
男は適当に返しつつ自称神様に訊いた。
「細かいことは聞かないが、何か条件とかあるのか?」
自称神様はどこからかホワイトボードを持ってきてそれを男に見せる。が、
「たった一つにホワイトボードを使うか?」
「き、気にしないでください……!」
自称神様は男の正論に狼狽える。それもそうだろう、大きめのホワイトボードの真ん中にポツンと何かが書いてあるだけなのだ。
「えっと、何て書いてあるんだ?」
「え?読めませんか?」
「Ms.神様。字を練習しろ。読めん」
「うっ!?」
男の一言に露骨にショックを受ける自称神様だが、「仕方ないですね」と呟くと口頭で告げた。
「あなたの意識は次の世界に行ってもしばらくは覚醒しません。人間で言うところの『物心ついた頃』に完全に覚醒します」
「それだけか?」
「はい」
男の確認に自称神様は頷き、そして付け加えた。
「行き先はそれなりに危険なので、すぐに戻って来ないでくださいね」
「了解」
「では………」
男の返事を聞いた自称神様の右手には何かのボタンが握られている。
「おい、Ms.神様。なん━━━」
「いってらっしゃーい」
男が言い切る前に自称神様はボタンを押す。すると、
ガタンッ!
何かが開く音と共に男は浮遊感に襲われた。男はその瞬間に理解した。━━━床が抜けたのだと。そして、このまま落ちるのだと。
「これは、面倒だな…………」
男がそう呟きながら落下していくなかで、自分を送り出す自称神様の笑顔が妙に
こうして、男の第二の人生がスタートする。のだが、男はある勘違いをしていた。
自称神様は男に
男がその事実に気がつくのはもう少し先の話……。
━━━━━
「で、自分のミスで死なせたとは言っていないんだな?」
「は、はい……」
先程の自称神様が正座をして、派手な椅子に座る見るからに偉そうな男性に睨まれていた。
「まったく、なぜおまえはそんなに適当なのだ」
「その、変なこというと、殺されそうだったので……」
自称神様の言葉に呆れながら溜め息を吐く偉そうな男性。
「まあよい。通例の通りに転生はさせたのだろう?」
「は、はい」
「それで、行き先は?」
「ハイスクールD×Dだったはずです」
そこまで聞くと偉そうな男性は背もたれに体を預けて大きく息を吐いた。
「その男、すぐに戻ってくることはないだろうな?」
「……大丈夫だと思いますよ?」
「………やれやれ」
首を左右に振りながら困り顔になる偉そうな男性。
転生した男は知らないのだ。自称神様に転生の理由はあーだこーだと言っていたが、実際はその自称神様のミスによるものだと。
転生した男がそれを知るよしもないが、とにもかくにも、こうして男は転生することになったのだった。
いきなり3000文字をオーバーしてしまった。1500文字で多いと言っていた頃が懐かしいです。
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