グレモリー家の次男 リメイク版   作:EGO

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Extra life03 一番強いのは………

お互い対峙しながら拳をかまえる俺とサタンレッド(兄さん)。魔力なしでも化物じみて強いのに、何でこうなるんだよ………。

俺がため息を吐くように小さく息を吐くと、兄さんが飛び出してくる!

俺も少し遅れて飛び出して兄さんに接近する!

先に攻撃を放ったのは兄さんだ。顔面に向かってまっすぐ拳を放ってきた!

俺はそれを首をかしげるようにしてギリギリで避け、その腕を掴んで背負い投げのように投げ飛ばす!

兄さんは勢いよく投げ飛ばされるが、うまく受け身を取ってダメージを軽減、素早く立ち上がって構える。

 

「相変わらず、切り替えが早いね」

 

「そうでもなきゃ、やってられないっての!」

 

俺はそう言いながら兄さんに接近、兄さんの腹にブローを放つ!兄さんはそれをガードして勢いよく俺の足を払う。

体を横にしながら一瞬だけ俺を襲う浮遊感。背中から床に落ちる瞬間に俺の腹に衝撃が走る!

 

「かはッ!」

 

兄さんが殴ってきたのだ!こいつ、容赦ねぇな!

俺は床に叩きつけられながらも蹴りを放って兄さんの顔面を蹴り抜く!

 

「ッ!」

 

兄さんは吹っ飛ばされ、蹴られた頬を撫でる。

 

「容赦ないね!」

 

「あったり前だろうが!」

 

俺は立ち上がり、腹を擦る。マジで殴りやがって、いてぇっての!

俺と兄さんは同時に駆け出し、同時に拳を放つ!放たれたお互いの拳が激突、鈍痛が拳を襲う。

 

「「ッ!」」

 

俺と兄さんは拳を引っ込め、同時に上段蹴りを放って再び激突させた!

くそ、妙に気があうな!

俺は素早く足を下げて拳を放つと、兄さんはそれを受け流してキャッチ、小手投げの要領で俺を投げる!

投げられる瞬間にわざと勢いをつけることで俺は一回転して着地、逆に兄さんの腕を掴んで自分のほうに引き寄せてラリアットを当てる!

 

「クッ!」

 

勢いよくラリアットをくらった兄さんは後頭部から床に叩きつけられる。俺は深追いはせず、一旦距離を取る。兄さんは後頭部をさすりながら立ち上がった。

 

「まったく。兄さんと喧嘩なんていつぶりだ?」

 

「あまり記憶にないかな。なりそうな時に限ってセラフォルーが近くにいたからね」

 

「確かにそうだったな。やっても勝てる気がしなかったってこともある。だが、今は………!」

 

「ああ、今は………!」

 

再び同時に駆け出し、拳を握る。

 

「負けられねぇ!」

 

「負けられない!」

 

同時に拳が放たれ、クロスカウンターでお互いの顔面を捉えた!

 

「「━━━ッ!」」

 

そのまま拳を引っ込めて今度は同時にボディーブローを放つ!お互いノーガードでそれを受けた!

 

「「━━ッ!」」

 

お互い声にならない悲鳴をあげながら、俺は兄さんの後頭部を掴み、頭を振りかぶる。

 

「ロ、ロイ、まさか!」

 

「歯を食い縛れ!」

 

警告と同時に歯を食い縛り、一気に頭を振り抜く!ヘッドバッドを兄さんの顔面に叩き込んだのだ!

 

ゴンッ!

 

「「~~~ッ!」」

 

鈍い音と共に鈍痛が走り、二人して数歩後ずさって頭を抱えながら悶絶した!くっそ、いてぇ!

俺たちは頭を振って切り替えると再び構え、迫力を放ちながら拳を握りしめる。ここからが本番だ………。

 

「あなたたち、何をしているの………?」

 

テンションの上がってきた俺たちの耳に突如届いた第三者の声。だが、聞き覚えがある声だ。

俺と兄さんは壊れたロボットのような音を立てながらその声の主を見る。

そこにいたのは…………!

 

「もう一度訊くわ。何をしているの?」

 

完全にキレた様子の義姉(ねえ)さんだ!表情同様の怒気のこもった声で訊いてきていた。ルシファー眷属一同も硬直している。

俺は構えをとき、義姉さんに言う。

 

「色々とありまして、久しぶりに兄弟喧嘩を」

 

「兄弟喧嘩………理由は?」

 

俺はちらりと兄さんに視線を向けたが、完全に硬直していた。

俺は息を吐き、義姉さんに言う。

 

「どっちがミリキャスになつかれているか、です!」

 

開き直って言うと、義姉さんはため息を吐いて兄さんに訊く。

 

「本当に、それ以外の理由はないのですね?」

 

「あ、ああ。その通りだ」

 

義姉さんは兄さんを見て、再びため息を吐く。

 

「喧嘩は誰にでもあります、それはわかっております。しかし、サーゼクス様。オフを利用してそのような格好でこの町に来ているとは………納得のいくご説明をお願いします」

 

俺なら何て説明しようか………。変装、いや、それならもっと違う格好にする。

俺が言い訳をあれやこれやと考えているなか、兄さんが義姉さんの前に出ると、何の躊躇いもなくひざまずいた。

 

「すまない、私が悪かった」

 

━━屈した!?

に、兄さん!そこは魔王なんだからなんか、こう、言えよ!

俺が殴られた頬をさすっていると、ミリキャスが満面の笑みで一言。

 

「母様が一番強いです」

 

その一言に兄さん以外の全員が大きく頷いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兄さんを連行する義姉さんを見おくることに。

 

「それでは皆様、引き続きミリキャス様のことをよろしくお願いします。ミリキャス様、あさっての帰還までにご迷惑をかけませんように。いいですね?」

 

「はい!」

 

元気よく返すミリキャスに、義姉さんはようやく微笑む。とても優しく、まさに母親といった表情だ。

転移魔方陣の光に包まれ、消えていく義姉さんと兄さんを見送り、残ったのはルシファー眷属だけだ。

こっちはしばらくしたら帰るそうで、ホテルをとって日本を満喫するそうだ。

俺たちはミリキャスと時間いっぱい楽しく過ごすことになった。

一緒に日本食を食べたり、デパートに行ったり、百均に行くこともあった。俺、イッセー、木場、ギャスパー、ミリキャスの男チーム五人で風呂にも入った。

 

 

 

そんなこんなで別れの朝。

ルシファー眷属も玄関前に迎えに来ていた。

 

「あっという間だったが、まあ、楽しい時間はなんとやらってやつだ」

 

「そうですね、ミリキャス、忘れ物はしていないわね?」

 

「はい!大丈夫です!」

 

俺とリアスであれやこれやミリキャスに言っていた。すると、俺の後頭部に何かが激突した!

 

「イタッ!?」

 

「「あ」」

 

反応したのはイッセーとセカンドだ。俺は後頭部をさすりながら振り向く。俺の視線の前には、飛行艇のラジコン?いや、これは………。

俺は逃げようとしたその飛行艇を捕まえ、イッセーに言う。

 

「『スキーズブラズニル』とかいうやつだったか?魔法の帆船で、主のオーラを糧にして成長する不思議なもんだ」

 

「おうよ。そいつを若の使い魔にしてもらおうってな」

 

セカンドの言葉にイッセーは驚く。

 

「この飛行船を使い魔に、ですか?」

 

「ああ、おまえがよければくれてやるよ。おまえだってがんばっているんだからよ、こんぐらいのもんはもらっておいて当然だろうぜ」

 

「ぜひ!俺、使い魔がいなかったものですから………」

 

「…………………」

 

俺は気まずそうに視線を外す。

つ、使い魔、ね。悪魔にとっちゃ大事だよな、多分………。

イッセーが訊いてくる。

 

「ところで、ロイ先生に使い魔っているんですか?」

 

「俺が使い魔を飛ばすところ、見たことあるか?」

 

「いいえ」

 

「そういうことだ」

 

「え!?」

 

驚くイッセーに簡単に説明する。

 

「まあ、なんだ。昔は捕まえようとも思ったんたが、任務は基本的には自分の足で探すし、使い魔を尾行されて場所がばれるって事態になりたくなかったから………」

 

「つまり?」

 

「いてもいなくても大差ないって判断した」

 

本当に、俺は使い魔を持っていない。探す気もない。おかげで「この使い魔がいればこいつもいる!」みたいな事を避けられているからな。

俺は咳払いをして、イッセーに言う。

 

「それよりも、待っているぞ」

 

「え?あ、はい!」

 

イッセーがセカンドに礼を言ってミリキャスの前に。

ついに、ミリキャスとの別れの時間となってしまった。

 

「お世話になりました。すごく楽しかったです!また、遊びに来てもいいですか?」

 

『もちろん!』

 

ミリキャスの問いに全員が笑顔で答える。それを見たミリキャスもかわいらしい満面の笑みを浮かべる。

 

「また来なさい。皆、ミリキャスのことを弟のように思っているわ」

 

「そうだぞ、ミリキャス。家族なんだから、いつでも気軽に遊びに来い!」

 

俺はそう言うとイッセーを手招きする。

 

「どうかしましたか?」

 

「ミリキャスからお願いがあるんだと」

 

「ミリキャス様から、ですか?」

 

やっぱり、言えていなかったのか。ま、色々と忙しいかったからな。

俺はミリキャスに頷いてやり、退いてやる。

ミリキャスも意を決するように息を吐き、イッセーに言った。

 

「イッセー兄様、僕のことはミリキャスと呼んでください」

 

それを受けたイッセーは一瞬驚いた表情になるが、すぐに笑みを浮かべてミリキャスにサムズアップを送る。

 

「ああ、ミリキャス!いつでも遊びに来い!」

 

「はい!また遊んでください!」

 

ミリキャスも満面の笑みを浮かべて頷く。その笑顔は、滞在中に見せたどの笑顔よりも輝いて見えた。

 

「それでは、皆さん、またお会いする日を楽しみにしてます」

 

ミリキャスは最後に礼儀正しく頭を下げ、丁寧な別れの言葉を言ってルシファー眷属と共に去っていく。

リアスたちの弟で、俺的には息子のような少年━━ミリキャス・グレモリー。色々と想定外のことも多かったが、あの子が楽しめたのならそれでいいか。

こうして、ちょっとした波乱もあったミリキャスの見学会は幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 




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