グレモリー家の次男 リメイク版   作:EGO

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life07 ロイVSグレンデル

俺━━ロイとグレンデルは睨みあい、お互いの出かたをうかがう。

相手は初見の邪龍だ。何をしてくるか、わかったもんじゃない。

だが、邪龍についてはいくらか聞いたことがある。グレンデルの鱗はドラゴンの中でも最硬クラス、強さも龍王と同等かそれ以上。勝てるかは、はっきり言って微妙だろう。

俺がそれを思い返した瞬間、グレンデルが飛び出してくる!あの体格にしては速い!だが、遅い!

間合いを瞬時に詰めたグレンデルは爪を振り下ろしてくる!

俺はそれを横に飛び退くようにして避け、腕に貫通性を上げた弾丸を撃ち込む!

………が、鱗に当たった瞬間に火花が散らせて弾かれてしまった!

やはり、もっと弾丸の一点に魔力を集中させないと駄目だな!

俺は着地と同時に弾丸を生成し直す。弾全体を強めるのではなく、弾道部分のさらに先端に魔力込めていく。

俺がそれを済ませ、放とうとした矢先にグレンデルの尻尾が横凪ぎに振るわれた!

それを跳躍するようにして避け、胴体に弾丸を放つ!

二挺の銃剣から放たれた滅びの弾丸は黒い軌跡を残しながらグレンデルに向かっていき、鱗を貫いた。

今度はしっかりと通り、貫通さずに体内に潜り込んだ。

よし、これならいけるな………。

 

『痛くも痒くもねぇ、虫でも止まったか!?』

 

グレンデルは挑発するように言ってくる。まあ、そう言うと思ったがな。

まずは背中に二発だな。

再び弾丸を生成、今度はこちらから仕掛ける。

グレンデルに接近しながら二挺連続で発砲。先程の銃弾でたいした脅威でもないと判断したのか、それを避けもせずに俺に突っ込んでくる。

六発の弾丸が右肩に食いついた。

グレンデルが突撃の勢いで放ってきた拳の下をスライディングするように潜り抜け、腹部に五発叩き込む。

すれ違いざま、グレンデルの尻尾が振り下ろされたが、刹那的に翼を展開して低空飛行で横に飛んで避ける。

そのまま上空に飛び上がり、弾丸を生成。グレンデルを見下ろすように睨む。

グレンデルが嘲笑うように言う。

 

『は!さっきから逃げてばっかりかよ!もっと(つえ)ぇ攻撃はねぇのか!?』

 

俺はため息を吐き、グレンデルに言う。

 

「ったく、元気な野郎だな…………」

 

言うや否や、眼球を狙い弾丸を発射。グレンデルはそれを察したのか右腕でガードした。まぁ、中に入ったのなら問題ない。

だが、生成するのに少し時間がかかるな。いつもみたいに連発できねぇ。

俺が次の一手を思慮していると、グレンデルが腹部を膨らませる。火炎を吐く気だよな…………!

俺は後ろに下がって距離を取り、迎撃の用意をする。阻止するために下手に接近して『フェイントだ!間抜けが!』とかなったら死ぬ。一発で体を潰されちまう。

同時にグレンデルが火炎を吐き出す!先ほどのものと比べ物にならない火力!

俺は銃剣を二挺が平行に並ぶように構え、弾丸に魔力を込めていく。今回は単発じゃねぇ、波動砲のように一気にぶっ放つ!

魔力の充填が完了した瞬間、引き金を引き絞って発射。上空にいたためか、反動で後ろに吹っ飛ばされた!

炎と滅びが正面から衝突し、同時にはぜて相殺された!それを確認しつつ、翼を動かして体勢を整える。

 

『またまだいくぜェェェェェェッ!』

 

叫びと共に爆煙を突っ切り、グレンデルが拳を放ってくる!

俺は翼を動かして急降下して避け、再び弾丸を放とうとするが、

 

「くそが!」

 

肝心な時に限って動作不良が起きてしまった。引き金を引いても弾丸が出ねぇ!さっき波動砲が原因だよな!

勢いよく着地した俺は素早くその場を飛び退く。同時にグレンデルの踏みつけが床に突き刺さった!

あ、あぶねぇ。くらったらアウトだった………。

再び引き金を引く。今度はしっかり弾が放たれ、グレンデルの左足にめり込んだ。

銃剣の中身を消滅させてしまったのかと心配したが、問題ないようだ。

俺はホッと息を吐き、グレンデルを睨む。グレンデルは俺を見ながらイライラしているようで、それを隠そうともせずに叫んでくる。

 

『てめぇ!真っ正直から勝負しやがれよ!全然楽しめねぇじゃねぇか!』

 

「やれやれ、俺は時間潰しじゃなかったのか?まあ、俺も倒すつもりだがな」

 

『だったらもっと来いよ!つまらねぇ、つまらねぇ!』

 

子供が駄々をこねるように地団駄を踏んで言うグレンデル。

俺は楽しむつもりがないし、イッセーの準備が出来たら一気に終わらせる気でいるからな。まだか、イッセー!

俺はちらりとイッセーのほうに視線を送る。籠手にファーブニルとヴリトラから放たれた光を当てている。あれは………もうすぐってことでいいのか?

俺が視線をグレンデルに戻すと、奴は笑う。

 

『ドライグはまだなのかよ!?いい加減悪魔ちゃんには飽き飽きだぜ!』

 

イッセーはファーブニルとヴリトラを急かし始めた。光はいっそう強くなるが、もう少しかかりそうだな。

それを確認したのか、グレンデルが邪悪に笑んで腹部を膨らませた。

また火炎か!だったら相殺してやるよ!

俺が銃剣に魔力を込めようとすると、グレンデルは体の向きを変え、

 

『ストレス発散に死ねッ!』

 

ソーナたちのほうに三発の火球を吐き出しやがった!

俺がフォローに動こうとすると、

 

「くっ!」

 

「やらせませんわっ!」

 

ロスヴァイセが防御魔法の魔方陣を何重にも展開、朱乃が先日使えるようになったという『雷光龍』(雷光が東洋の龍のようになったもの)でロスヴァイセが受け止めた火炎を相殺。

 

「━━━水よ」

 

青いオーラを纏ったソーナが生み出した水がイッセーたちを覆い、その余波からメンバーたちを守る。

いい動きだが、火球はあと二つある!

 

「俺たちもやりましょうかね!ファーブニル!」

 

匙が黒炎の魔方陣を展開、そこに火球を捕らえると、

 

「霧散しろ!」

 

ヴリトラの力で火球の威力を殺していく。そして、十分に威力が弱まったとろこに、

 

『アーシアたん、守る』

 

ファーブニルが金色のオーラを放って完全に相殺した。龍王のコンビネーションだが、ヴリトラはともかくファーブニルがな。………残念だ。

そして、最後の一発はイリナとゼノヴィアが、

 

「切り刻む!」

 

デュランダルの鞘になっているエクスカリバーの特性である天閃の力(速度強化)と破壊の力(威力強化)を使い火球を両断、そのまま細切れにしていく。だが、まだ完全に殺してきれていない!

 

「最後は私ね!」

 

イリナが量産型聖魔剣を氷属性に変え、その残ったものを凍りつけにした。

ど、どうにかなったか………。あー、心配した………。

俺はホッと息を吐くと殺気を込めてグレンデルを睨む。

あいつは『ストレス発散に死ね』と言った。つまり、あまり意味がなくても殺しをおこなうということだ。

 

『そっちも奴らもやるじゃねぇか!いいねぇ、悪魔ちゃんも盛り上がってきたじゃねぇか!』

 

グレンデルは俺が殺気立ったことに歓喜していた。こいつ、多少はビビるなりして欲しかったが、邪龍は頭のネジが足りていないって聞いたことがあるからな、無駄な考えだったか。

俺は音もなく飛び出してグレンデルの右目に銃口をねじ込み、弾丸を放つ!同時に離脱して次の一手を準備していく。

 

『ぐおっ!?』

 

グレンデルは突然のことに反応できず、間の抜けた表情になるが、自分の右目の辺りを拭い、狂喜を感じさせる笑みを浮かべる。

 

『いってぇぇぇぇぇなっ!やればできるじゃねぇかよ、悪魔ちゃんよぉぉぉぉぉぉっ!』

 

叫ぶグレンデルを無視し、俺が再び弾丸を生成しようとすると、俺の横に立つ男が一人。

 

「ロイ先生、お待たせしました!」

 

鎧を纏ったイッセーだ。ドライグがようやくお目覚めしたようだ。

俺は頷き、イッセーに言う。

 

「遅いっての。ったく、もう終わるぞ?」

 

『はぁ!?何がもう終わるだ!これからだろうが!』

 

イッセーの参戦にテンションが上がるグレンデル。えっと、何発撃ち込んだっけか………。

俺が思い出そうと唸っていると、グレンデルの足を黒い影のようなものが包み込もうとしていた。

俺とイッセーはその闇の発生源に目を向けた。

そこにはギャスパーがいた。赤い両目を妖しく輝かせ全身をだらりとしている。

ギャスパーはそのままグレンデルに向かおうとしている。

あれは、あの時に見せたギャスパーの力………。

不気味なオーラを放ち闇がこの空間を飲み込もうとしている。

 

『なんだありゃ。まぁいい。あれもやっていいってことだな!強ぇクソガキがまだいやがるのか!いい時代だ!』

 

グレンデルはこの状況すら嬉々として受け入れ、ギャスパーに突撃しようも体勢を低くして構える。ギャスパーをこれ以上やらせるわけないだろが!

イッセーも同じ事を考えたのか、グレンデルの標的を変えようと動き出そうとした瞬間、

 

「いえ、グレンデル。そこまでにしてください。実験は成功していたようです。木場祐斗もいればよかったのですが………」

 

今まで静観していまローブの男が制止の言葉を投げた。

それを聞いたグレンデルは不満な叫びをあげる。

 

『止めんなよ止めんなよ!こっからだ!こっから!潰しあわせてくれよ!今度こそ思う存分、喰って、喰われて、壊して、壊されて、ぶっ殺すんだよ!』

 

ここまで戦意にまみれた奴は見たことがねぇ。敵味方関係なく殺気を振り撒く凶暴なドラゴン。間違いなくここで殺したほうがいいだろう。

俺のその判断は変わることはなく、グレンデルに撃ち込んだ弾丸の魔力を探る。

 

「グレンデル、ここまでだ。てか、とっくの前に終わっている」

 

『だから、てめぇは何を言ってやがるんだよ!』

 

俺の言葉にグレンデルが噛みつくが、それを無視して俺は続ける。

 

「弾が一発でも入っていれば問題ないが、多いに越したことはない」

 

俺は右手の銃剣をしまい、そのまま軽く右手を挙げる。

 

「━━━━死ね」

 

挙げた手の指を鳴らした。その瞬間、

 

グシャ…………!

 

何かが肉を貫く音がこの空間に響いた。グレンデルの腹から数本の黒い刃が飛び出している。

 

『な、なん━━━』

 

グシャ……………!

 

グレンデルが何かを言う前に右肩から大量の黒い刃が飛び出してくる。

 

グシャ………!グシャ……!グシャ!グシャ!グシャ!

 

次々と止むことなく黒い刃が飛び出し、グレンデルの体を貫いていく。

体のあちこちから大量の青い血を吹き出し、倒れかけるグレンデル。だが、

 

グシャ!グシャ!グシャ!

 

飛び出した刃がそれをさせない。倒れさせないように連続で刃が飛び出していく。

そして、最後に━━━━、

 

ビシャッ!

 

頭を吹き飛ばすように大量の刃が飛び出し、グレンデルの頭部が原型をとどめないほどグシャグシャになった。頭の右半分が貫かれた勢いでフードの男の前まで吹き飛ばされていく。

残されたグレンデルの体は頭部を失ったため断末摩をあげることなく膝から崩れ落ち、そのままうつ伏せに倒れこむ。ビクビクと痙攣しているが、派手に動くことはなさそうだ。

俺はそれを確認すると深く息を吐く。

 

「あー、終わった。存外どうにかなるもんだな………」

 

「お、俺の出番は………?」

 

「知るか」

 

こうして、俺は苦戦しながらもグレンデルを撃破したのだった。

 

 

 

 

 

 




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