グレモリー家の次男 リメイク版   作:EGO

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life15 チーム結成

吸血鬼の国での戦いから一週間が過ぎた頃。

リゼヴィムが率いる『クリフォト』の目的を知った各神話体系の主神は、彼らの目的を過去最高の危機レベルと断定。

和平を結んだ勢力同士で対抗策の協議をすることも決まったそうだ。

俺━━兵藤一誠を含めた遠征組は無事に帰還し、深夜の駒王学園旧校舎に集まっていた。

俺たちだけではない、生徒会メンバー、シスター・グリゼルダとジョーカー・デュリオ、サイラオーグさん、シーグヴァイラ・アガレス、初代孫悟空さん、ヴァーリチーム、そして黒髪の男性、刃狗(スラッシュ・ドッグ)こと幾瀬(いくせ)鳶雄(とびお)さん、アザゼル先生が一同に会していた。

ロイ先生はいない。リゼヴィムとの戦闘で重症になってしまい、入院しているのだ。

リアスが全員の顔を合わせたところで口を開こうとすると、突然部屋の扉が開け放たれた。

全員の視線がその扉に集まり、そこに立っていたのは━━━、

 

「悪い、遅れた」

 

入院中のはずのロイ先生だった!俺たちはロイ先生の登場に驚いたがあることに気づき、驚愕で目を見開いたまま固まってしまう。

━━━左腕の肘から先がなくなり、服の袖が余っているのだ。

ロイ先生は俺たちの視線に気づいたのか、自分の左腕を見て苦笑した。

 

「ああ、これか?気にすんな、義手は頼んである」

 

「こいつらが気になっているのはそれだけじゃないと思うが、まあ、その件は任せろ」

 

ロイ先生とアザゼル先生は頷きあうとロイ先生は空いている席に腰をおろした。

 

 

 

 

━━━━━

 

 

 

 

ゆっくり休めたおかげで記憶の混濁もなくなったので、俺━━ロイは駒王学園に来たはいいんだが、やはりタイミングを考えれば良かったかもしれない。

俺がそんな事を考えながら着席すると、アザゼルが早速本題に入る。

 

「リゼヴィムの野郎が動きだしてくれたおかげで様々な勢力から過激な発言も出始めている。まあ、邪龍どもとテロを始めたんだそうもなる。それにリゼヴィムは前ルシファーの息子だ。そのことで余計に各勢力を刺激しちまっている」

 

俺は頷き、アザゼルの言葉に続く。

 

「今まで『「禍の団(カオス・ブリゲード)」のテロは三大勢力で何とかしろ』って言っていた連中もようやく協力してくれそうだからな。まあ、グレートレッドと666(トライヘキサ)が戦ったら、最悪全世界が崩壊しかねないから当たり前か」

 

『━━━━ッ!』

 

俺が最後にポロっと言った情報で全員が言葉を失っなってしまう。

俺は苦笑しながらそんな面々に言う。

 

「おまえら、そんな顔するなよ。それを俺たちが止めるんだからよ」

 

アザゼルも苦笑しながら俺に続く。

 

「ロイ、あんまりプレッシャーをかけるなよ、まったく。まあ、そう言うことだ。各勢力の首脳からある提案がされている。簡単に言うと、リゼヴィムの野郎どもと張り合えて、すぐさま現地に赴ける『対テロ組織のチーム』を発足する」

 

アザゼルが俺たちにそう言うが、つまりそういうことだな。

俺がひとつの確信を得ているなか、アザゼルが言う。

 

「そのチームは各勢力の自由が利いて、強い者ほど都合がいい。もうわかるな?ここにいるおまえたちだ。悪魔、天使、堕天使、吸血鬼、妖怪、ヴァルキリー、死神(グリム・リッパー)、獣人、人間、そしてドラゴン。チームとしては破格といってもいいだろう。何よりも物凄く動きやすい」

 

確かに、改めて言われてみると各勢力や種族の強者が集まっているよな。

このメンバーなら何かあってもすぐに動けるだろうし、一人一人がそれなりに強い。

アザゼルの意見に反対するものはいなかった。

 

「私は賛成よ。こんなときだからこそ力を合わせるべきよ」

 

リアスが言うとイッセーたちリアス眷属全員が頷いた。

 

「問題ないでしょう。俺もリアスや兵藤一誠と共に戦わせてもらおう」

 

「異論はありません」

 

「こちらも。主に後方支援になりそうですが」

 

サイラオーグ、ソーナ、シーグヴァイラも同意した。

 

「儂もいいぜぇ。年寄り一人より若いもんとやったほうが楽じゃい」

 

初代も賛成していた。これは心強いな。

俺が心中で喜んでいるなか、ジョーカー・デュリオが首を捻っていた。

 

「何か不満か?」

 

アザゼルが訊くとデュリオは口を開く。

 

「名前が必要じゃないかなーって思ったんです。『テロ対策チーム』じゃ、なんか堅い気がして」

 

名前、か。俺にそこまでこだわりはないが、デュリオは気にするタイプのようだ。

小猫がぼそりと呟く。

 

「━━━『D(ディー)×D(ディー)』」

 

その呟きに全員の視線が小猫に集まった。小猫はそれに驚きながらも続ける。

 

「いえ、その何となくそう感じてしまって………」

 

俺が訊く。

 

「それの意味は?グレートレッドの『D×D(ドラゴン・オブ・ドラゴン)』的なものか?」

 

「いいえ、デビルだったり、ドラゴンだったり、堕天使の堕天━━━ダウンフォールとか」

 

俺の質問に小猫はしっかり答えてくれた。

俺は頷く。

 

「俺的にはグレートレッドを守るって意味でもいいと思うんだが?おまえらは?」

 

「俺は構わないぜ。って、なんでおまえがまとめてんだよ!」

 

アザゼルからの苦情は無視して、言い出しっぺのデュリオに視線を送ると、

 

「変な名前でなければそれでいいです」

 

デュリオは即答で答えた。前言撤回、こいつに名前のおだわりはなさそうだ。

 

「若いもんに任せるわい」

 

初代は興味がないらしい。

 

「名前はいいと思いますけど、俺たちみたいなチームが動いて、嫌な顔をする勢力もいるのでは?」

 

イッセーは名前に賛成しながら質問する。

確かに俺たちの力を危険視、疑問視する輩も多そうだしな。

俺は息を吐き、イッセーに問う。

 

「それは仕方ないことさ。そうだな、イッセー。━━━おまえは守りたいものがあるか?」

 

俺の質問にイッセーはリアスたちを見て、意気込むように答える。

 

「はい!俺はリアスを、皆を守りたいです!」

 

「それでいいさ。守りたいものを守る、それだけでさ」

 

「は、はい」

 

イッセーは俺の一言に首を傾げながら返事をした。何となく俺の雰囲気が変わったことに気がついたのかもしれない。

それをアザゼルは複雑な表情で見ていた。

 

「どうした?何か変なことでも言ったか?」

 

「……いいや。だかなロイ、覚えといてくれ。おまえも守りたいもののために戦え。それがおまえの正義でもある………だろ?」

 

アザゼルは何となくだが俺がイッセーに言った言葉の意味を理解していたようだ。

イッセーは俺のような『殺したいから殺す』なんて考えは持ってないし、持たないはずだ。

だが、アザゼルに言われなくてもわかっている。俺にも守りたいものがあるからな。

俺は不敵に笑みながらアザゼルに返す。

 

「そうだな。とりあえず、そのためにリゼヴィムを止める」

 

「そのいきだ。さて次はリーダーについてだが………ジョーカー、おまえがやれ」

 

「…………………」

 

アザゼルの発言にデュリオは一瞬無言になるが、すぐさま持ち直してパニックになりながらも反論する。

 

「え!?じ、自分ですか!?なぜに!?ここはアザゼル元総督とか、初代孫悟空様とか、ロイさんでいいでしょ!?てかやってくださいよ!」

 

デュリオはそういうのを振られると困るタイプなんだな。では、さっさと逃げ道を塞ぎにかかるかね。

まずアザゼルが言う。

 

「堕天使がリーダーってのは体裁的にまずい。どう見ても悪役イメージだからな。だが天使なら、いいイメージで満載だ。しかもおまえは転生天使だろ?そこのポイントも高い。ちなみに初代はサブリーダーなるんでな。おまえらがくるまえに話をつけておいた」

 

初代が続く。

 

「こういうもんは若いのが頭をやるのは当然じゃて。儂はケツ持ちとして機能させてもらおうかのぅ」

 

デュリオはそこまで聞くと俺に助けをこうように視線を向けてきた。

俺はそれを確認してから言う。

 

「アザゼルの言葉を借りるなら、悪魔も悪役イメージしかないからパスだ。てか、俺はユーグリッドを捕まえねぇと、本格的に参加できん」

 

「……え?どういうことですか?」

 

デュリオの問いに俺は言い聞かせるように返すを

 

「俺はユーグリットの一件で疑われている。そんな奴が入れると思うか?まあ、ここにいられる時点でほとんど疑われてないようなもんだろうが………」

 

「た、確かに………だったら……」

 

俺の意見でデュリオは逃げ道を塞がれたが、まだどうにかしようと視線を泳がせる。

するとグリゼルダがもの申した。

 

「デュリオ、これは大変名誉なことです。歴史に名を残せるかもしれないのですよ?やっておきなさい。いえ、やりなさい。切り札を体現した役職にいる以上、やるべきです」

 

グリゼルダの言葉でついにデュリオが折れた。

 

「……あー、はい。わかりました。やりますです!」

 

リーダーの話はこれでOKだな。あとの問題は━━━。

 

「ヴァーリ」

 

アザゼルがヴァーリに話しかける。

 

「俺はリゼヴィムへの抑止力としておまえとおまえのチームを参加させるべきだと主張する。おまえたちへの不信感を払拭させるつもりだ」

 

確かにヴァーリたちは元とはいえ『禍の団(カオス・ブリゲード)』だったからな。入ってくれると助かるが、大丈夫なのか?現にシーグヴァイラが嫌そうな顔をしている。

俺の心配をよそにヴァーリはアルビオンに問う。

 

「どうする、宿敵と組むことに不満はないか?」

 

ヴァーリの問いにアルビオンが俺たちにも聞こえるように声を出す。

 

『かまわん。それよりも赤いの、千年前の戦いについて語ろう』

 

『俺もかまわん。なあ、白いの。いやー、昔話は楽しいなぁ』

 

「……随分、仲がいいな」

 

ヴァーリが仲良く話す天龍に戸惑いながら言う。

それにアルビオンは元気よく答える。

 

『我らが揃えば怖いものはない!』

 

『ああ、何でもこい!俺たちは決して屈しない!』

 

『『ねー』』

 

何が「ねー」だ。赤い方に関しては薬漬けだったのによ!なんかウゼェ………。

二天龍を交互に睨んでいると、アザゼルが困惑気味に言ってくる。

 

「ちょ、ロイ!?抑えろ!漏れてる!黒いオーラが出まくってるぞ!?」

 

「ん?ああ、すまんな。どうも蓋がバカになっちまったみたいだ。ちょっとしたことでオーラが出るようになっちまった。まあ、わからん奴が見たら何か迫力がスゴい程度だろ?」

 

俺の問いにアザゼルはため息を吐く。

 

「はぁ。………そんなんで教師が務まるのか?」

 

「アザゼルにできて俺にできないことは神器(セイクリッド・ギア)関連と研究以外は特にねぇ!━━━はず!」

 

「もういい……」

 

二人して咳払いをして話題を戻す。

 

「それで、ヴァーリチームはテロ活動していたわけだが大丈夫なのか?ある意味今の俺よりも面倒な立ち位置だぞ?」

 

俺がアザゼルに問うと、アザゼルは頬をかきながら言った。

 

「オーディンのじいさんがそれを承知でヴァーリを養子にするんだとさ」

 

「なるほど、それなら他の神様も文句が言えないか。俺みたいに条件つきでの自由も許されるだろうな」

 

「そういうことだ。ヴァーリ、どうする?」

 

アザゼルの問いかけにヴァーリはしばし考えたのち、

 

「お互いに利益が出そうなら協力しよう。あとは独自にやらせてもらうさ」

 

とだけ答えた。

その返答にアザゼルは笑った。

 

「それは合意と見ていいんだな?」

 

ヴァーリは返事はしないが、それが合意の意味なのだろう。

ヴァーリは黒歌とルフェイに視線を送る。

 

「二人は基本的にそちらに預ける。こちらでも必要になったら呼ばせてもらうが。黒歌、ルフェイ、ここは任せる」

 

「任せなさい」

 

黒歌はいつになく真剣な表情で頷くと、俺に視線を向けてくる。

俺が疑問符を浮かべていると、初代が口を開く。

 

「さての。若いもんで強くなりたい奴はおるかねぇ」

 

「━━━━っ。それはどういうことでしょうか」

 

リアスの質問に初代は答える。

 

「おまえさんたちを儂が一から鍛えるでな。━━━全員、最低でも上級悪魔、天使クラスになってもらわんとこれを結成した意味がないぞぃ。ゆくゆくは最上級クラスになってもらうわけじゃい」

 

初代が鍛える!俺が『若いもん』含まれるかはさておいて、俺も頑張らねぇと。

リゼヴィムと戦ったあの力、今度は『心を殺さずに』使えるようにならないと意味がねぇからな。

俺が一人、覚悟を決めているとサイラオーグが訊く。

 

「それはつまり━━━神との戦いもあり得ると?」

 

サイラオーグの質問に初代は煙管(キセル)を回しながら頷いた。

 

「そういうこった。お主らが思うてる以上に、この世界の覇権を狙う輩は多くてのぅ」

 

初代はそこまで言うと意味深な笑みを作った。

 

「ま、今はリゼヴィム・リヴァン・ルシファーへの対処じゃろうよぃ。常々、儂は神滅具(ロンギヌス)を持っているもんは生まれたときから課せられておると思うてるわい」

 

「……課せられている?」

 

イッセーの問いに初代は真っ直ぐに答えた。

 

「━━━神をも滅ぼす具現。儂は神滅具(ロンギヌス)の登場はシステムのバグなどではなく、世界の必然だと思うておる」

 

今、この場で対テロ組織━━━『D×D』が結成されたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一通りの話が終わり、今日は解散となった。リアスたちオカ研メンバーと俺は残っていたのだが、黒歌に腕を引かれ、そのまま誰もいない部屋に連れ込まれた。

 

「━━━━で、いきなりどうした?」

 

俺が訊くと、黒歌はいきなり頭を下げてきた。

俺が困惑していると黒歌がそのままの姿勢で口を開く。

 

「あのときは、ごめんなさい。私がいなければあんたの腕は━━━」

 

俺は黒歌の言葉を遮り、口を開く。

 

「気にするな。なんか、すごいことになってきたが………」

 

なんか、『生きた義手』をつくるなんてことになっているからな。

それを知らない黒歌は顔を上げ、真剣な眼差しで言ってくる。

 

「あんたには恩があるから、しっかりそれを返させてもらうわ」

 

「別に気にすることでもないが………」

 

俺としては体が勝手に動いた感じだったし、あのとき黒歌がいなければ、戻って来れなかったかもしれない。

そういう意味では黒歌に感謝しているんだが━━━、

俺の心中を知るよしもない黒歌は続ける。

 

「それでもよ。こっちは命助けられてんだから」

 

俺はため息を吐き、黒歌をまっすぐ見つめながらに言う。

 

「あのな、仲間を助けるのは当たり前だ。俺は片腕吹っ飛んだが、お互い無事だったんだ、それでいいだろ?」

 

「仲間って、あのときはまだ━━━」

 

どうせ「仲間じゃない」とか言いそうなのでそれを手で制して俺は言う。

 

「あのな、ロキ戦、曹操戦、その後の死神ご一行戦、それを一緒にくぐり抜けたのに、今さら『仲間じゃない』は通らないからな?俺は死んでも仲間は守る。そいつに仲間の自覚があるかどうかは別としてな」

 

「……………………」

 

黒歌は一瞬おどろいたような表情になるが、にやけるように笑いながら言う。

 

「なーるほど、そうやって魔王様をおとしたのね?」

 

「は?セラとはお互い一目惚れだ。こんなセリフ、セラ以外に口にしたのは初めてかもしれねぇ」

 

俺があごに手をやって考えこむ。リアスに「家族は守る」とかは言った気がするが、赤の他人には珍しいよな?

そんな俺を見て、黒歌が若干困惑気味に言う。

 

「………あんた、よく恋人できたわね」

 

「どういう意味だ?」

 

俺がジト目で睨むと、黒歌は若干頬を赤くしながら笑み、「別に、何でもないにゃ」といつもの声音で返して部室を出ていった。

なんなんだ、あいつは?━━━━━ッ!

俺がため息を吐くと、突如頭痛に襲われた。右手で軽く頭を押さえ、再びため息を吐く。

かなり疲れが溜まっているみたいだな。早めに寝よう………。

こうして『D×D』発足の夜は更けていき、各々の新たな戦いに向けての準備が進んでいくのだった。

 

 

 

 

 

 




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