グレモリー家の次男 リメイク版   作:EGO

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life04 過去との決着

立ち昇る炎と瓦礫がどこまでも広がる、この世の地獄とも言える場所。何もないであろうその場所を、二つの影が駆け抜ける。

一つは俺━━ロイだ。全開状態の深紅の魔力を体から放ちながら、地獄を駆け抜ける。

もう一つは、俺とほぼ同じ速度で、怪しげな黒いオーラを放ちながら地獄を駆け抜けている奴だ。……奴は、俺が目を背けてきた、罪とはまた別の闇の部分。心のどこかにあった俺の弱さで生まれた影。

リゼヴィムに負けてからの記憶がないが、たぶん何かしらされたんだろう。そのせいで、心の奥底に眠っていた奴が表に出てきた。……なら、決着をつけなければならないだろう。

アロンダイトを握り直し、並走している奴に斬りかかる!奴もそれを得物で受けとめ、そのまま至近距離での攻防に入る!

振り下ろしを、突きを、横凪ぎを、今まで培ってきた全てを使って斬りにいくが、奴はそれを全て読んでいるように立ち回り、的確に捌いてくる!だが、それはこちらも同じ事。奴は俺だ。どう動こうとするかは、嫌でもわかる。

つまり、お互いの攻撃は全く当たらず、決定打が一切なしでただひたすらに消耗していくだけだ。先ほどからこれが続いており、極端な話、突破口が見えない。

奴はいきなり黒いアロンダイトをオーラを込めて振り回し、危険と判断した俺は回避、距離を取らされる。

俺が体勢を整えた瞬間、奴が左手をこちらに向け魔方陣を展開。俺が身構えた瞬間、魔方陣からオーラで形作られたと思われる黒い頭骸骨が無数に放たれた!

速度こそ遅く、回避は余裕でできるだろう。だが━━━!

 

『死ね!死ねぇ!』

 

『殺してやる!殺してやる!殺してやる!』

 

『ぁぁぁああああああああ!』

 

あいつ、怨念を飛ばしてやがる!うまく制御しているのか、怨念は奴ではなく俺のほうを憎んでいるのか……。

確かに、取り込んだ時に拒絶反応のように強烈な痛みが襲ってきたが、向こうはそんな事もなさそうだな。何か違いがあるのか………?

なんて事を思慮しているうちに怨念が迫ってきており、今回ばっかりは避けさせてもらう。再びあの痛みで動けなくなれば、確実に奴が殺しにくる。

その場を飛び退いて迫ってくる怨念を避けるが、怨念は遅いが確実に俺のことを追いかけてくる!切り払ったら切り払ったで、どうにもならないだろう。避けるしかねぇ!

回避に専念していると、奴が肉薄してくる!奴は接近の勢いのままアロンダイトを振り下ろし、俺はそれを真正面から受け止める形になる!

甲高い金属音が響き渡り、余波で近くの火が全て消火されるほどだ!だが、今は競り合っている場合じゃねぇ!

俺は強引にでも奴を蹴り飛ばそうするが、背中に何かが当たる。その瞬間、

 

『殺してやる!殺してやるぞ!今度こそ、今度こそ!』

 

「ッ!ああああああああああああああああああああ!」

 

全身を激痛が駆け抜ける!怨念に当たっちまった……!

歯を食い縛り、奴に押しきられないように耐えながらも、激痛と怨念の声に耐える!だが、怨念は次々と体当たりをおこない、俺の中に入ってくる!

 

「あああああああああああああああああああああああ!」

 

「死ねば、その痛みからも解放される」

 

「ふざ……けるな……!」

 

押し返そうとするが、現状で耐えるのが精一杯だ。

俺が激痛で息を荒くしていると、奴は続ける。

 

「俺は死を受け入れた。受け入れていないのは、おまえだけだ」

 

━━ッ!それが、こいつと俺の違い。死を受け入れて、怨念と同じような感じになっていやがるのか……!

痛みに耐えながらも奴を睨み、今にも崩れ落ちそうな体に力を入れる。

 

「受け入れてたまるかよ……!俺にはやらなきゃならねぇことが━━━」

 

「意地だけではどうにもならない。受け入れろ……!」

 

俺の言葉を遮った奴はアロンダイトを右手だけで押し込み、空いた左手を俺に向けて魔方陣を展開する。こいつ、まさか………!

俺は押し返そうとするが、奴の腕一本の力にも勝てない。駄目だ、避けられねぇ!

覚悟を決めた瞬間、魔方陣から怨念が溢れだし、俺に流れ込んでくる!

 

「がああああああああああああああああああっ!━━━」

 

一瞬意識が飛びかけ、視界が霞む。だが、奴がアロンダイトが振り抜こうとする姿が朧気に見え、それを防ぐために俺もアロンダイトを振る。

俺の腰の入っていない迎撃は弾き飛ばされ、近くの瓦礫の山に頭から突っ込む。アロンダイトは、地面に突き刺さっていた。

駄目だ……力がはいらねぇ………。視界も霞んで……全身がいてぇ………。

無様に伸びる俺に、奴が歩み寄ってくる。

 

「死を受け入れろ。そうすれば、罪から解放される。楽になれる」

 

……奴が俺だと言うのなら、奴の言っていることは俺の意思でもある。俺は、心のどこかで死にたがっていた……?

いや、そんなわけねぇ!俺は生きなきゃならねぇ!俺にもようやく生きる意味が見つけられたんだ!死ぬわけにはいかねぇ!

激痛が走り続ける体に鞭を打ち、歯を食い縛って立ち上がる。だが、アロンダイトまで遠い……!

手元に深紅の剣を生成しようとした瞬間、俺の腹部を何かが貫く。

 

「……ごふっ!」

 

「何度も言わせるな。面倒だろう……」

 

大量の血を吐く俺に、奴は冷酷に告げてきた。アロンダイトが引き抜かれ、仰向けに地面に倒れる俺。

ああ、くそ……意識が遠くなりやがる………。ここまで、なのか………?

 

 

 

 

 

━━━━━

 

 

 

 

 

彼女━━黒歌を始めとして、ロイと戦っていた者たちは、動きを止めた彼を心配げに見つめていた。ロスヴァイセは瓦礫から救出され、今は朱乃を中心に介抱されていたが、いまだに目を覚まさない。

イッセーとリゼヴィムの戦いが激化していく間にも、デュリオはシャボン玉を当て続けていたが、ロイが突如として動き出す!

 

「フッ!」

 

短く息を吐きながらアロンダイトを一閃し、シャボン玉を全て切り裂いた!

 

「ッ!これを破られるとは、どうしたもんかな……」

 

デュリオはわざとふざけた調子で言うが、表情に余裕はない。

彼の放ったシャボン玉は、相手に大切な何かを思い出させるものだ。それが通じないということは、ロイにはもう何も残っていないという可能性がある。

美猴は如意棒を肩に担ぎ、ロイの挙動に注意を向けながら口を開く。

 

「やけくそでお決まりの逆パターンでもやるか?王子様からじゃなくて、お姫様からのキスだ」

 

今までなら異口同音で「ふざけるな」と返すところだが、もはや打つ手かない以上、何でも試すしかない。最悪、彼の命を奪うしか彼を救う方法は━━━。

リアスが言う。

 

「お姫様と言ったわね?ロスヴァイセはまだ無理よ。レヴィアタン様もこの場にいるわけがないわ」

 

「確かにそうだ。けど、たまには和服のお姫様ってのも乙じゃあねぇか?」

 

黒歌に視線を向けて彼が言うと、全員の視線が彼女に集中する。それを受けた彼女は美猴を睨むが、すぐにため息を吐いて覚悟を決める。

 

「……してもいいけど、どうやってするのよ?簡単には近づけないわ」

 

黒歌の発言に、ゼノヴィアとイリナがアイコンタクトと同時に飛び出す!二人は複雑な軌道でロイに迫り、別方向から同時に彼に斬りかかる!

ロイは二人の動きを完全に見切り、アロンダイトと手刀で二人の一撃を同時に受け止めるが、

 

「は!」

 

神速で背後を取った木場が突きを放つ!ロイは一瞬驚愕の表情を浮かべるが、滅びを纏わせた翼を展開して木場の一撃を止める。

そこにアーサーが飛び出し、三人が押さえつけるロイに斬りかかる!ロイは先ほどと同様に、地面から滅びの刃を飛び出させて彼の進路を塞ぐが、アーサーの剣技で宙に穴を穿ち、滅びの刃を貫通させるようにコールブランドの刀身を飛び出させ、ロイを狙う。

ロイは滅びの盾を宙に生成し、コールブランドの一撃をギリギリで受け止める!

これで、彼の動きを封じることが出来たが、まだ足りない。彼らが接近し過ぎたため、肝心の黒歌が近づけない。

次の一手として、小猫がロイを狙う。四人はさらに力を込めて彼をその場に縛りつけ、その隙に小柄な小猫が彼らの隙間からロイに一撃をくわえる!

鈍い音と共に小猫の拳がロイの腹部に突き刺さり、彼の内側の気を乱す。

気を乱され、ロイの力が急激に下がったことを確信できた五人がその場を離れた瞬間、入れ替わるようにリアスが急接近し、抵抗してこないロイを羽交い締めにする!

 

「黒歌、今よ!」

 

黒歌は深呼吸してロイのもとまで駆けていくと、その勢いのまま彼と口づけをした。━━━が、

 

「ッ!」

 

ロイはそんな彼女を蹴り飛ばし、拘束してくるリアスは全身から魔力を放出して弾き飛ばす!

追撃しようとするロイだが、苦しそうに膝をつき、小猫に殴られた腹部を押さえ込んでいた。

黒歌も彼に蹴られた腹部を擦り、小さく舌打ちをする。

 

「ちょっと、ダメじゃないの!私はちゃんとキスしたわよ!」

 

黒歌は美猴を怒鳴り付けるが、彼は気にした様子もなく自分の髪の毛を何本か抜き、分身を生み出す。

 

「あのな、形だけじゃダメだっての!もっと気持ちを込めろ気持ちを!わからねぇのか!?」

 

「き、気持ちって言われても……」

 

美猴は生み出した分身たちをロイに向かわせ、先ほどよりもさらに強く彼を拘束する。キスをしやすいようにするためか、わざわざ立ち上がらせてだ。

美猴はその分身に紛れてロイを押さえ込みながら、さらに黒歌をまくし立てる。

 

「ほら、早くしろ!結構押さえんのも大変なんだよ!」

 

黒歌は目を閉じ、一歩ずつロイに近づいていく。

 

━━彼に近づいたのは、白音の邪魔をしたくなかったからだった。

 

一歩踏み出す度に、彼への想いを表に出していく。

 

━━時々だけど、一緒にふざけて、一緒戦って、腕を無くしてまで一方的に助けられた……。

 

自分のことを憎悪の対象のように睨んでくるロイの頬を、できる限り優しく撫でる。

 

━━私のことを煙たがっているけど、何だかんだで気にかけてくれている。

 

彼を撫でる手に巻かれた、黒い宝石のついたブレスレットを眺め、優しい笑みを浮かべる。

 

『こいつは、黒歌は━━━俺の仲間だ』

 

『なら、死んでも守るさ。それが今の俺の生き方なんでな!』

 

『━━━ありがとうな』

 

━━いつの間にか、彼に気をかけてばかりで、それが普通になっていた。安息の地なんかなかった自分が、彼といて『平和』というものを感じることが出来た。

 

「があああああああッ!」

 

左手から放った滅びで美猴の分身を消し飛ばし、そのまま滅びを左拳に纏わせ、黒歌に放つ!

黒歌はそれを紙一重で避けると、優しくロイを抱擁し、誰にも聞こえないように耳元でささやく。

 

「……あんたのこと、好きになっちゃったじゃない。だからさ、早く元に戻ってよ。また一緒にバカしよ?」

 

黒歌は優しく笑み、ロイに優しく口づけする。

 

「『誰かを守る』。それがあんたの生き方なんでしょ?勝手に曲げてんじゃないわよ……」

 

彼女が言葉を締めくくると同時に、上空で続いていたイッセーとリゼヴィムの戦いも、終わりを告げたのだった。

 

 

 

 

 

━━━━━

 

 

 

 

 

『……あんたのこと、好きになっちゃったじゃない。だからさ、早く元に戻ってよ。また一緒にバカしよ?』

 

『「誰かを守る」。それがあんたの生き方なんでしょ?勝手に曲げてんじゃないわよ……』

 

ああ、そうだよな。せっかく見つけたのに、何を迷ってんだよ俺は……。

 

「うう……!」

 

小さく呻きながら立ち上がり、腹部から再び大量の血が垂れ流しになる。でも、どうせ心のなかだ、実際は大した怪我はしてねぇんだろうな……。

なんて余裕ぶっこいているが、立っているのもやっとだよ、くそ……!

俺が立ち上がったことに驚き、奴は後ろに飛んで距離を取った。

 

「なぜ立ち上がる!死を受け入れれば、全てから解放される!そこまでして、なぜおまえは死を恐れる!」

 

奴が怒鳴る度に、声が頭にがんがん響いてきやがる。

血が出続ける腹部を押さえ、奴に言う。

 

「死ぬのが怖いなんて、当たり前だろうが。一回死んでんだからよ……。だから、死ぬほど怖いから戦ってんだ。死にたくねぇから、誰にも死んで欲しくねぇから……!」

 

俺が叫んだ瞬間、奴が怨念が放つ!それは回避もろくにしなかった俺の体に当たり、そのまま吸い込まれた!そして、再びの激痛が全身を駆け巡る!

 

「ッ!」

 

泣き叫ぶのはもう懲り懲り、ちょっと痛みにも慣れてきたからな……!

痛みに耐えながら、俺は続ける。

 

「おまえは何で死ぬことに(こだわ)る!解放されたいと願う!おまえも俺ならわかるだろ!俺は逃げないと誓ったんだよ!」

 

言っている間にも怨念が俺に流れ込み、痛みがより強く、激しくなっていく!

それでも、まだ、まだ耐えられる!

 

「何でおまえは生きることから逃げようとする!償いようのない罪を犯してまで生きてきたのに、何故だ!」

 

「生きることに意味がないと知ったからだ!殺すことしか知らないのなら、生きていても仕方ないだろう!」

 

「『殺すことしか知らない』?ふざけんな!こっちの世界に来て、殺すこと以外の生き方を知っただろうが!」

 

「━━何を言っている……?俺はそれ以外、何も知らないぞ」

 

俺の言葉に、奴はいきなり的外れなことを口にした。だが、同時に合点がいった。

……こいつ、前世の記憶しかねぇのか……。だから、解放を望んでいる……。あの地獄から、意味のない生から、犯してきた罪から。

俺は微笑しながら言う。

 

「そんなわけねぇよ。(おまえ)はこっちに来て、色々なことを知ることが出来た。誰かに愛されること、誰かを愛すること、家族の暖かさ、仲間の尊さ。前世(むかし)じゃ絶対に関わることのなかったものだ」

 

「………なんだそれは?知らない、俺はそんなもの知らない!」

 

奴は叫びながら俺に向けて飛び出す!俺は慌てることもなく、奴の攻撃をその場で待った。

 

「があああああああッ!」

 

アロンダイトの突きを体捌きで避け、奴の手を蹴りあげる!奴の持つアロンダイトを弾き飛ばし、無防備になった瞬間、俺は奴を優しく抱擁する。

 

「知っているはずだ。おまえは俺なんだから……」

 

「おまえが俺だと言うのなら、解放を望んでいるはずだ……」

 

「今さら、楽になろうなんて思わねぇよ。死ぬその瞬間まで罪と向き合って必死に生きる。さらに罪を重ねようが、解放は望まねぇ」

 

俺がそう言うと、奴は悲しげな声音で言う。

 

「俺は、誰だ……?俺は、何だ……?」

 

俺が口を開こうとすると、お互いに巣くう怨念たちが忌々しげに言う。

 

『おまえは━━』

 

「おまえは(ロイ)だ。理由もなく誰かを殺しまくるイカれた奴だが、誰かを愛することが出来るまともな奴でもある」

 

怨念の言葉を遮り、俺はそう言った。俺の言葉を受けた奴は、納得した表情でぶつぶつと言葉を漏らし始める。

 

「……ロイ……?ああ、そうか……そうだったな。そうなったんだったな……」

 

(やつ)はそう言うと、脱力したように俺に体を預けてくる。同時に体が透け始め、漏れでた怨念が一ヶ所に集まり、ヒト型になり始める。

 

『おまえの罪は消えない。解放を望むなら、その命を捨てろ……』

 

老若男女の声が入り交じった何かが言ってきた。

俺が返そうとすると、今にも消えそうな(やつ)が口を開いた。

 

「解放は望まない。生きることから逃げたら、おまえらを殺してまで生きた自分を否定することになる。おまえらの死が、無駄になっちまう」

 

「だから、俺は生きる。今度は誰かを守るために生きて、罪を償う」

 

「「それが、俺の生き方だ」」

 

俺たちがそう言うと、(やつ)は俺に溶け込み、怨念と俺だけが残される。

 

「………」

 

無言でそれを見つめていると、怨念がこちらに近づいてくる。

 

『罪は消えない。抗う(すべ)もない。それでも、おまえは償うと言うのか?』

 

俺は無言で頷く。

 

『ならば、足掻いてみせろ。私たちは見ているぞ』

 

怨念はそう言うと俺の胸に飛び込み、そのまま体に吸い込まれる。

俺たちを囲んでいた火が消え、地獄が崩れて黒一色の空間に戻る。

俺が自分の胸に手を当て、瞑目する。

彼らは許してくれないだろう。だが、彼らなりに俺のことを認めてくれたようだ。そのおかげか、不思議と力が溢れてくる。今までとは違う何かが、俺のから湧き出ているみたいだ。

不意に、頭上から光が漏れた。見上げてみると、そこから懐かしいオーラを感じ取ることが出来た。あいつらが待っている。早く、戻ってやらねぇと。

翼を展開し、一気に飛び上がる。少しずつ光に近づいていき、俺は勢いのままそこに飛び込んだ。

 

 

 

 

 

━━━━━

 

 

 

 

 

「ねぇ、聞こえてる?」

 

黒歌はロイを抱き締めたまま訊く。だが、返事は期待していない。今の彼に意識があるかもわからない。

 

「ああ、聞こえたよ」

 

「ッ!」

 

黒歌はハッとしながら彼の顔を覗きこむ。そして、同時にちょっとした変化に気がついた。

ロイは優しく笑みを浮かべていたが、彼の瞳の色が変わっているのだ。今までの全開状態では白目が黒く、黒目が紅に染まっていた。だが、今の彼の白目は通常の白に、黒目の部分が吸い込まれそうなほど鮮やかな深紅に染まっているのだ。

ロイは黒歌の頬を優しく撫でる。

 

「まあ、返答は━━」

 

彼が黒歌に返そうとすると、突如、彼を中心に転移魔方陣が展開される!

 

「ッ!」

 

「え?」

 

転移の光が弾け、ロイだけではなく、彼に巻き込まれる形で黒歌まで転移させられてしまう!

 

「姉様!」

 

「お兄様!?」

 

小猫とリアスはそれぞれの家族を呼ぶが、そこにいない二人から返答があるわけもなく、虚しく二人の声が響く。

アグレアスでの戦闘のほとんどが『D×D』優勢で進み、戦いの決着が刻一刻と近づいていた━━━。

 

 

 

 

 




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