俺━━ジャックが見下ろしている校庭には、聖なるオーラと魔のオーラを纏った剣━━聖魔剣と呼ばせていただこうか。
その聖魔剣を持ったリアスの『
リアスの『
すると、髪にメッシュを入れた聖剣使いの少女がもう一本の聖剣を取り出した!
それが纏う聖なるオーラは神父の持つエクスカリバーや『
デュランダルの登場にコカビエルも驚きを隠しきれずに表情を変えた。
そして、デュランダル使いの少女は、エクスカリバー使いの神父に挑んでいった!
エクスカリバーとデュランダルが激突してた瞬間、
ガキィィィィンッ!
激しい音と共にエクスカリバーが砕かれた!その一撃で校庭の地面も抉られている。それでもやる気の神父に『
『
バキィィィィン。
儚い金属音が鳴り響く。エクスカリバーが完全に粉砕されたのだ。聖魔剣はその勢いのまま、神父を斬り伏せた。
それを見ていた初老の神父が表情を固くしながら何かをぼそぼそと言っている。ここでは聞こえないが、重大な理解したような表情になった瞬間にコカビエルが投げた光の槍に胸を貫かれた。あれは、即死だろう。
あの神父、何を言おうとした?コカビエルが不利になるような情報でも暴露するつもりだったのか?
俺が疑問を抱いていると、コカビエルが哄笑をあげた!
「ハハハハ!カァーハハハハハハハハハハハハッ!」
同時に戦争の時よりも強烈になったオーラをまとっていく。そして、不敵な笑みをリアスたちに浮かべた。
「限界まで赤龍帝の力を上げて、誰かに譲渡しろ」
コカビエルはそう言いながら、ゆっくりと校庭に向かって降下していった。
俺は銃剣を取り出し、戦闘の準備を始めた。
━━━━
俺、兵藤一誠は降下してくるコカビエルを見て緊張の汗をかいていた。
部長の『
「限界まで赤龍帝の力を上げて、誰かに譲渡しろ」
コカビエルは自信に満ちた一言に、部長は激昂した。
「私たちにチャンスを与えるというの!?ふざけないで!」
「ふざけないで?ハハハ、ふざけているのはおまえらのほうだ。俺を倒せると思っているのか?」
鋭い眼光を放つ右目と、白濁した左目が俺たちを睨む。ただそれだけで震えが止まらなくなってしまう。
こんな奴と戦ったロイさんって、どんだけ強いんだよ……!
俺が震えていることを察しながも、部長は俺に言う。
「………イッセー。
「わ、わかりました!」
俺は返事をしながら俺の籠手に封じられた相棒に訊く。
おい、“ドライグ”!限界まで上げるのにどれくらいかかる?
すると、ドライグは俺にだけ聞こえる声で言ってくる。
『今のおまえだと、三分かそこらだろう』
わかった!とりあえず、町の崩壊よりは早いんだな!?
『ああ、いくぞ?』
おう!どこまであげられるかわからないけどな!
俺は相棒とのやり取りを終えると、
『Boost!』
それから約三分。
『Boost!』
「部長!出来ました!」
俺の籠手から強い光が放たれはじめた。それを興味深そうに見るコカビエルが訊いてくる。
「で、誰に譲渡する?」
「イッセー!」
「はい!」
コカビエルに手を向けたのは部長だ!俺は部長の呼び掛けに応じ、横につく。そしてお互いの手を握りあい、俺が倍加したオーラを部長に渡す!
『Transfer!!』
宝玉の光が部長に渡り、部長の体を覆うオーラが膨れ上がった!
す、すげぇ!これならいけるかもしれない!
俺は部長の放つオーラを間近で感じながらそう思った。いくら幹部とはいえ、このオーラをぶつけられたら倒れる筈だ!
俺の期待をよそに、コカビエルは笑う。
「フハハハハ!いいぞ!その魔力の波!それは最上級悪魔のものだ!もう少しで魔王クラスだぞ、リアス・グレモリー!おまえも兄たちにも劣らない才に恵まれているようだな!」
心底嬉しそうに、あいつは笑っていた。狂喜に彩られた表情。
「消し飛べェェェェェェェッ!」
部長は叫びと共に滅びの魔力をコカビエルに放った!
ゴォォォォオオオオンッ!
地の底まで響き渡るような振動を撒き散らし、強大な一撃がコカビエルに向かっていく!
それをコカビエルは両手を前に突きだして迎え撃とうていた。
「おもしろい!おもしろいぞ!『
コカビエルは光を両手に集め、部長の一撃を正面から受けた!その表情は常軌を逸した鬼気のあるものだった。
「ぬぅぅぅぅううううんっ!」
部長の一撃が、徐々に勢いを殺され、形を崩れ始めた!あれでもダメなのか!?
コカビエルのローブの端々が破れ、両手からも血を吹き出している。だが、確実に部長のオーラが押されている!
そして、ついに部長の放ったオーラがかき消された………。
コカビエルは健在で、部長もかなり疲弊している。もう一回譲渡しても、今の一撃ほどのものは撃てないだろう。
くそ!どうすりゃいいんだよ!
━━━━
私━━リアスの一撃は完全に止められた。堕天使の幹部、コカビエル。放つときの私なら、どうにか出来るかもしれないと思ってしまった。
私は自分の事を恥ながら、かわいい下僕たちを見る。全員の表情から相当の疲労を感じるけれど、目だけはまだ諦めていない。けれど、このまま続ければ、私たちは殺されてしまう…………。
私はあの時の事を思い出した。
『俺はリアスを見守ってるから、どうにもならない時は心の中で呼んでくれ。きっと助けに行くから』
ロイお兄様が、任務に行く前に言っていたこと。あの言葉を言ってくれたから私はロイお兄様に会えなくてもこれまでやってこれた。色々なことがあったけど、眷族たちと一緒に乗り越えてきた。けれど、今回だけは………。
ロイお兄様……………!
私はぎゅっと目をつむり、ロイお兄様の顔を思い浮かべた。気休めでしかないとはわかっていた。
私は自分がまだ子供だと自覚しながらも、そうすることしか出来なかった…………。
その時、どこか懐かしさを感じる声が聞こえた。
「おまえら、よく凌いだな」
私は目を開けた。コカビエルが私たちから視線を外し、校舎の屋上に目を向けている。私たちがその視線を追っていくと、屋上に立つ人影が見えた。
━━━━
銃剣と思われるものを持ったそのヒトは、何の躊躇いもなく屋上から飛び降り、校庭に着地する。
黒いローブを身に纏い、フードを深く被った誰かはコカビエルを睨む。
俺━━兵藤一誠が突然の登場に驚愕していると、フードの男性が俺たちに言う。
「あとは、任せておけ………」
声からして男性だと思われるそのヒトは、銃剣のグリップを握り直す。
ま、まさか、サーゼクス様からの援軍がもう到着したのか!?まだ三十分も経っていないのに!?
俺は驚愕しながらも少しだけ安心した。これなら、どうにかなるかもしれない。
俺が安心していると、ローブの男性から俺たちとは比較にならない強烈なオーラが放たれ、風が巻き起こってそのヒトのローブを翻す。顔は見えないが、その黒い両目は常にコカビエルを見据えている。
「ほう、貴様は楽しめそうだな」
コカビエルはそう言いながら光の槍を手元に作り出した。ローブの男性はそれを見たと同時に俺の視界から消えた!?男性がいた校庭の地面が抉れるほどの動きなのか!?
俺の動体視力では追えないその動きは、コカビエルには見えているようで槍を水平にしながら頭の上に掲げた。それと同時に、
ガキィィィィンッ!
凄まじい衝撃音と共に衝撃波が放たれ、無事だった校舎の窓ガラスが全て砕け散った!
俺とアーシアは足がふらついてしまうが、どうにか踏ん張って耐える。
あのヒトは異常なまでの速度で踏み込んで大上段から二丁の銃剣を同時に振り降ろしたのだろう!俺には見えなかった!
俺たちがふらつきながら視線をコカビエルとローブの男性のほうに戻すと、二人が異常なまでの速度で斬りあっていた!二人の周囲を火花が囲み、地面にも切り傷がつけられていく!
コカビエルが一度大きく光の槍を振り、ローブの男性がそれを後ろに飛んで避ける。ローブの男性は空中にいる間に銃剣の引き金を引いた。すると、そこから魔力で作られたと思われる弾丸が放たれた!
コカビエルはそれを平然と弾くが、ローブの男性は着地した後も構わずに打ち続けていく。
ローブの男性は弾丸を放ちながらコカビエルに向かって駆け出した!コカビエルも応えるように駆け出す!
一気に間合いが縮んだことで弾丸が何発かコカビエルを掠めるが、大きなダメージにはなっていないようだ。
コカビエルとローブの男性は同時に得物を水平に凪いだ!それらは左右からクロスするように衝突し、再び衝撃波を発生させる!今度は二人を中心に校庭の地面が抉られた!
ローブの男性はつばぜり合いながら、俺たちには聞こえない声で何かを言った。
それを聞いたコカビエルは先ほど以上の狂喜を顔に張り付け、一旦距離を取った。
息を整えながら二人は睨みあっていると、ローブの男性が銃剣の撃鉄部分をあわせた。
同時に銃剣から光が放たれ、それが止むと、二丁の銃剣が両剣へと変わった!
俺が銃剣の機能に驚いていると、ローブの男性は躊躇いなく両剣の柄をへし折った!?
俺が驚愕していると、折れた柄の長さが変わっていき、ローブの男性の手におさまる程になった。
ローブの男性は二刀流となり、左手の剣だけ逆手持ちにしてコカビエルと対峙する。対するコカビエルも光の槍にさらに光の込めていくことがわかった。
二人はゆっくりと息を吐き、同時に相手に向かって突撃した!二人の得物が再び激突し、衝撃波を生み出すと、二人は今度は離れることなく斬りあっていく!
時々見るとこができる突きが、斬撃が放たれていくが決定打になることはなく、さらに速度が上がっていく!ついには俺では見えなくなってしまった!
俺はちらりと木場を見るが、あいつは瞬きすることなく、二人の戦いを見つめている。見逃すことが恥とも言わんばかりに目を離すことがなく、しっかりと目で追えている。
俺がそう思っている最中にも戦闘の速度は上がっていき、俺にはもはや音しか聞こえなくなってしまった。
もう、俺たちが援護とかどうとか言えるレベルではない。俺たちの前では、圧倒的なまでの戦闘が繰り広げられている。
永遠に続くように思えた戦闘だったが、ついに片方が膝をついた。
「くっ」
コカビエルだ。体の至るところに切り傷が作られ、絶えず血が流れ出ている。そして、ローブの男性は、
「はぁ……はぁ……」
肩で息をしながらも大きな怪我はなく、しっかりと立っていた。
コカビエルは光の槍を杖のようにして立ち上がり、ローブの男性に笑みながら言った。
「貴様のような奴と戦えること、やはり俺には戦いが必要なようだ!あの戦争は魔王と神が死んでしまったからな!こんな戦いは久しぶりだ!」
「ちっ………戦闘狂が………!」
ローブの男性は舌打ちをしながらも剣を握り直した。コカビエルもしっかりと立ち上がり、対峙する。が、今、コカビエル、ヤバイこと言わなかったか!?
俺たちの間に混乱が生まれそうになると、俺たちに圧倒的なプレッシャーが襲いかかった!
コカビエルとローブの男性が静かに睨みあっているのだ。二人の間の空間が歪んで見える………!
「「………………………」」
一瞬の静寂。そして、
フッ!
ローブの男性とコカビエルが視界から消え失せた!そして、現れた頃には…………、
「クハハハハ……………」
「ふぅぅぅぅ…………」
体をバツ字に斬られ大量の血を流しながらなぜか満足そうに笑みを浮かべるコカビエルと、ゆっくりと深く息を吐くローブの男性。あの消えた一瞬で勝負が決まったようだ。
コカビエルはゆっくりとうつ伏せに倒れこみ、口からも血を吐き出した。
ローブの男性は剣を左右に振り、刃についた血を飛ばした。
ローブの男性は剣についた引き金を引く。すると、剣が光を放ちながら銃剣に戻る。そして、その銃口をコカビエルに向けた。あれでとどめを指すようだ。
俺たちがその流れを見ていると、どこからか声が聞こえた。
「ふふふ、おもしろいな」
ローブの男性が上を見上げた。俺たちもつられるように上を見ると、そこには━━━、
「『
ローブの男性が忌々しそうにそれを見ながら言う。
俺たちの視線の先には、一切の曇りも陰りもない、白い
誤字脱字、アドバイス、感想など、よろしくお願いします。